- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041027097
作品紹介・あらすじ
不老不死が実現した日本。しかし、法律により百年後に死ななければならない――西暦2048年。百年の生と引き替えに、不老処置を受けた人々の100年目の死の強制が目前に迫っていた。その時人々の選択は――!?
感想・レビュー・書評
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うーん、これは評判に違わない傑作だ。老化を進めないウイルスが発見されて、日本は太平洋戦争後、アメリカの主導のもと、HAVIが導入された。HAVIという処置を受けることによって、人々は若さを保つことができるようになるが、百年法によって、処置後百年で安楽死を受け入れなければならない。この百年法を巡って、テロ、デモ、政治的混乱、いろいろなことが起こる。架空の状況設定に対する社会や人々の動きの詳細な描写が素晴らしい。視点人物が何人も出てくるのだが、心の動きがリアルで飽きさせず、ページをめくる手が止まらないのだ。この設定はなんの比喩だと言っていいだろうか。人々は皆、恐ろしいほどの孤独なのだ。究極の老人社会?究極の個人主義?死の意味を問う?老化とは何かを投げかけている?下巻の展開に目が離せない。
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⚫︎感想
これぞ、エンタメ本。読書が苦手な人もきっと楽しめる。パラレルワールドから、百年法、生存制限法が適用された近未来。見た目は日本共和国民はほぼ全員HABIという手術を受け、老化しない世界。大統領の独裁体制で生存制限法をめぐる政治家と官僚の思い…さまざまなドラマがあり、読む手が止まらなかった。後半も楽しみ。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て死ななければならない―国力増大を目的とした「百年法」が成立した日本に、最初の百年目が訪れようとしていた。処置を施され、外見は若いままの母親は「強制の死」の前夜、最愛の息子との別れを惜しみ、官僚は葛藤を胸に責務をこなし、政治家は思惑のため暗躍し、テロリストは力で理想の世界を目指す…。来るべき時代と翻弄される人間を描く、衝撃のエンターテインメント!
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永遠に生きたいかと問われれば答えはNOだ。
死ねないなんて考えたくもない。
でも、この小説のようにHAVIがあったとしたら。
年を取ることなく生き続けることが可能で、死ぬ時は安楽死が保証されているとしたら…。
生存期限が残っているうちはいつ死んでもいいと思えていたとしても、残り時間がわずかになれば私も小説の中の人達のように「死にたくない」と思うのだろうか。
ずっとその点を疑問に思いながら読んでいた。
死を前にした人の反応と、人の死をコントロール出来る人が見せる残酷さ。
これはリアルなのだろうか。
この物語はとても怖い。
下巻はどうなるのか。
怖いけれどとても気になる。
ハッピーエンドは有り得ない気がしてしまうけれど、見事に裏切ってほしい。 -
なかなかの緊迫感。将来こんな世の中になってもおかしくないのでは。
感想、評価は下巻後に -
病気や事故以外では死ぬ事のない、不老の体にもし自分がなれるとしたら、どうする?
自分の持っている時間が、有限から無限へ。そんな事が起こったら、人の思考や生き方はどんな風に変化し、社会はどんな方向へ向かうのか。
ストーリー自体はフィクションであるものの、時間を超越した人達が失っていく様々なものは、今の自分達が当たり前に享受しているものばかりで、物語の所々でふと考えさせられる。
展開のスピードとしては、スロースターターな印象。あ、結構面白いなと思い始めたところで、タイミング良く下巻へ。 -
文庫で再読ですが、やっぱりとても引き込まれて読みます。面白かったです。
HAVIという技術で不老不死になった人々。先の世界大戦は起こっていても、その後の歴史が違う、日本共和国というパラレルワールド。
受けてから100年が経過したら死ななければならないという「百年法」を巡り、制定から施行、そしてこれからの不穏な予感…というところで上巻は終わりです。
わたしは終わりのない命は不気味、有限だからこそ今をちゃんと生きられると思います。老い、というのも特に避けたいとは思いません、成熟だと思うから。この物語の、外見は若々しいけど内面の老いが滲み出ているようなHAVIを受けた人々の描写はなんだかわかると思いました。
命の期限が平等に決められている、のは良いですが、命の期限を誰かの権力で左右される、のは怖いです。
下巻も楽しみです。 -
下巻につづく
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面白い!百年生きれてその後は死が待っている。それを選択するかは自由。そして、いざその日が近づくと人の心は揺れる。当然やと思う。そしてその死を回避しようとするズルい人間も当然居る。ドンドン読み進めてしまった。登場人物も魅力的であり、近未来的な設定なのに、今現在の腐敗した自己中な政治家たちは健在させている。いくつかの場面で次々登場する人たちがどこかで繋がって行く。その人たちの先を知りたくて読む手が止まらなかった。
引き継ぎ下を読むとしよ〜!
この本は新刊で読んだ気がします。
私の死の定義は脳が未来を考えられなくなったら、一時的でなく継続して...
この本は新刊で読んだ気がします。
私の死の定義は脳が未来を考えられなくなったら、一時的でなく継続して。
ただ生きているだけでは「楢山節考」のように燃え尽きたいです。年でなく
コメントをありがとうございます。
この本は、死についていろいろ考えさせますね。読んだ者、それぞれの死生観が...
コメントをありがとうございます。
この本は、死についていろいろ考えさせますね。読んだ者、それぞれの死生観が問われます。100歳で必ず死ななければならないというのは、いかにも恐ろしいです。本の中では、抜け道もあったようですが。