今日も一日きみを見てた

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041027332

作品紹介・あらすじ

2010年子猫をもらい受け、最初はおずおずと戸惑いながら、愛猫の行動のいちいちに目をみはり、感動し、次第にトトのいない生活なんて考えられないほどに溺愛していく角田さんの、愛ダダ漏れの極上猫エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 最後の方読んでて訳も分からず涙が出てきちゃった。
    なんだろう、この気持ち。
    角田さんの書くエッセイでこんなにも優しい気持ちになるのってなかった。
    “小さくてふわふわしてる生きもの”
    こんな表現を角田さんがするなんて!
    「笹の舟で海をわたる」と同じ書き手なんて信じられない。
    今まで角田さんが苦手だと思っていた人もこれ読んだら絶対好きになるんじゃないかな。

    猫を飼った経験のなかった角田さんが、トトと出会うことによってどんどん変化していく様が面白い。
    小さい頃から猫がそばにいた私には想像できない気持ちの変化。
    酒好きで知られる角田さんがトトが心配で宴席を抜け出して周りを驚かせたというエピソードに笑ってしまったり。

    「愛するものができるということは、こんなにもこわいあれこれが増えるということだし、こんなにも非理性的な想像力が鍛えられることであると、私はふかふかのちいさな生きものに、日々教わっている。」
    恐ろしく同感。
    私の場合、猫じゃなくて子供だったけど(笑)

    我が家にいる猫に似ているせいか妙にトトに親近感。
    また今日も角田さんのブログ「トトほほ日記」をのぞいてみよう。

    • 24thstさん
      たった今、自分のレビューを投稿した後でなんとなく他の方のレビューを見たら、わ~私と同じようなことを感じた人が...ってvilureefさんで...
      たった今、自分のレビューを投稿した後でなんとなく他の方のレビューを見たら、わ~私と同じようなことを感じた人が...ってvilureefさんでした!!!びっくりして、ブクログで初めてコメントしてしまいました。下らない内容ですみません(笑)
      2015/03/14
  • 愛猫・トトへの角田さんの柔らかなまなざしが感じられる1冊です。

    これまで動物を飼ったことがなく、自分は犬派だと思っていた角田さんの元に1匹の猫がやってきます。
    トトと名付けられたアメリカンショートヘアの女の子は、家に来たその日から、あたりまえのように角田一家に馴染んだのだそう。
    それ以降、すっかり猫中心の生活になった角田さんの様子がとても微笑ましいです。

    BC(Before Cat)とAC(After Cat)、すなわち猫が来る前と後では、世界がまったく違って見える…というのは、一度でも猫を飼った人なら味わったことがある感覚ではないでしょうか。
    そして「この子がそばにいてくれてよかった」という猫への感謝の気持ちも。
    家の中で人間以外の柔らかな生き物が、伸びたり、丸まったり、時には寄り添ってくれたりする心地よさは何ものにもかえがたいことだと、本書を読んで改めて感じたのでした。

    トトはあまり人見知りをしない猫なのだそうです。
    撮影のカメラが入ると、ちゃんとレンズの前でお利口にしているのだとか。
    人見知りでスマホのカメラを向けても顔をそむける我が家のにゃんことは大違い…飼い主に似たのか…?

  • 初めて猫を飼った角田光代さん。
    おずおずと可愛がり、感嘆し、だんだんと愛が深まっていく様子が、控えめな筆致で描かれています。

    猫好きなら、わかるわかるの連発!
    最初は犬派だった作者が書いているので、猫好きでない人にも、入っていけるでしょう。

    トトちゃんの、なんて可愛らしいこと。
    大きな目、柔らかい身体、お茶目な態度、優美なポーズ。
    そっと寄りそってくれる猫らしい優しさと、猫らしくない?ちょっと、とぼけたところも(笑)
    角田さんとダンナさまの撮った写真ならではの、信頼感溢れるくつろぎぶり。
    見ているだけで、癒されますね。

    このトトちゃんがまた、おっとりしていて、愛想が良くて、写真好き、お客様好き。
    猫がみんなこうなら、猫嫌いは激減するでしょう!
    猫って、それぞれ性格は違うので~猫好きはまあ、癖のある猫も変わった猫も面白く愛おしく感じますけどね(笑)

    どちらかといえば犬派と自認していた角田さん。
    大ファンである作家(西原理恵子)さんから、いきなり、子猫が生まれたらあげるという話をされて、驚きつつも、もともと猫好きなご主人は大喜びで、否やはない。
    ドキドキしながら一緒に、子猫が生まれるのを待ったのです。
    そして、後に‥
    なぜ、あのとき、子猫をあげるといわれたのか、がわかり‥

    猫飼いはすべての猫の幸せを願うようになる。
    そのわけとは‥
    自分とは異なる生き物と共に暮らし、目で追い、触れ合い、いつしか心通い合う。
    この幸せを多くの人が実感してくれますように。
    出来るだけ長く続きますように☆

    • 円軌道の外さん
      sanaさん、ご無沙汰してすいません!
      お元気でいらっしゃいますか?

      ホンマ久しぶりにこちらの本棚見させてもらって、
      懐かしさとs...
      sanaさん、ご無沙汰してすいません!
      お元気でいらっしゃいますか?

      ホンマ久しぶりにこちらの本棚見させてもらって、
      懐かしさとsanaさんの
      ひだまりの猫のようなふくふくとして優しいレビューの数々に
      ゲリラ的にいいねポチ押しまくってしまいました!
      (驚かせてすいません!)


      実は、プロボクサーを引退して教える側に回ったのと、
      新しい仕事が非常に多忙だったのと、
      あとなぜか突然にしてレビューが書けなくなったことの三重苦で(笑)、
      気づけばな、な、な、なんと
      約2年もの間、ブクログを休んでおりました(汗)
      (そんなに長い期間休んでいたとは、自分でもビックリでした!)


      で、この本、僕も読みました!
      角田さんが猫の魅力にハマっていく様子に、
      最初は猫が苦手だった自分を重ねて、終始ニヤケながら読んでました(笑)
      それにしても、トトちゃんの性格は羨ましかったな~(笑)
      僕が飼っていた今は亡きヤミクロは
      スチールラックから僕の背中めがけて飛び下りたり、
      (6キロはある猫爆弾です笑)

      お風呂に入れようとして、
      僕の顔面を思いっきり引っかいて
      夜中の救急病院で何10針も縫う怪我を負わされたり(笑)、

      どんなに隠してもかつお節パックのありかを見つけて、
      ぜんぶ食べちゃったり(笑)
      (帰宅すると部屋中かつお節まみれでした!)

      ホンマやんちゃ坊主だったので
      ああ~、猫も人間と同じでそれぞれ性格が違うんやって
      しみじみ感じました。

      ちなみに、sanaさんちの猫はどんな性格ですか?

      とまぁ、そんな感じで(笑)、
      まだまだ完全復帰とはいかないですが、
      まぁ、これからはボチボチやっていきたいと思います。
      こんなアホウですが、またよろしくお願いします!
      2018/01/23
    • sanaさん
      円軌道の外さま、
      お帰りなさ~い!
      本当にお久しぶりです、時々覗きには行ってたんですよ。2年でしたか‥
      プロボクサーってカッコイイ~(...
      円軌道の外さま、
      お帰りなさ~い!
      本当にお久しぶりです、時々覗きには行ってたんですよ。2年でしたか‥
      プロボクサーってカッコイイ~(運動神経ないので‥)今度は教える側になられたのですね。
      環境の変化で、やることも考えることもいっぱいあったんでしょうね。頑張られているのがわかります~。
      私もだんだんペースが落ちて、昨年はあまりレビューを書けませんでした。介護を経て親を見送った後、色々片付けなかればならないことが溜まってしまい、苦手なことに取り組んでおりましたら、なかなか言葉が浮かばなくなって。

      怒涛のいいね、ありがとうございます^^
      うわー、さらにレビューが‥その上を行く怒涛の勢いじゃありませんか!
      愛と熱のこもった魅力あふれるレビュー、がんがん読ませてもらってます。

      角田さんは猫飼い始めなのが初々しくって、いいですよね。猫を飼ったことのない人にもわかりやすいだろうと。
      私も、物心ついたときには犬がいて、小学校の高学年までは猫のことはよく知りませんでした。もはや飼い始めはかなり遠い記憶なので‥(笑)
      うちの(アイコンの写真のコ、もう天国へ行っちゃったのですが)は内弁慶だったので、お客さんが入ってくる音で隠れてしまい、お客さんが一人で静かだったら様子を見に来る、という感じ。
      機材を持ってきた取材陣の前でポーズをとるなんてことはありえません(笑)
      その前の猫ちゃんたちもいろいろ性格は違いましたねえ‥
      顔を引っかかれたとは大変でしたね!
      そこまではありませんが~
      背中によじ登られたり、お腹に飛び乗ってこられてグエッとなったりとかは(笑)
      猫の話はつきませんが、また別な機会に(笑)
      これからも、またよろしくお願いいたします!
      2018/01/25
  • 先日見たテレビ番組で、
    「音読は黙読よりも脳を広範囲に活性化させる」
    とやっていたので、早速この読書から
    家で読む時のみ音読してみました。

    声が…震えてしまうのです。
    途中から抑えきれなくなってしまいました。

    角田さんが迷ったり、狼狽したり、躊躇したりと
    右往左往している姿や、
    トトちゃんの人っぽさや奥ゆかしさに
    思い当たることが多くて、可笑しくなるのです。

    目と耳の両方から入ってくる文章が
    ダブルの可笑しみとなり、
    その笑いを抑えようと声が震え、
    震えている声に我慢ならず最後は笑い声のみ。

    そのうち文章に書いてない
    「いや~ん、可愛すぎるぅ」
    「じっとりぃぃぃ」「それは負けちゃうよ」とか
    自分の心の声まで音読する始末。

    角田光代さんの家にやってきた、愛猫トトの記録。

    猫を家族として迎え入れた角田さんと私。
    人間の家族猫になったトトちゃんと私の相棒猫。
    性格も、行動も、猫歴も似ても似つかないほど違うのですが…。

    不思議なことに、深くうなずくことが多いのです。

    もしかして、猫と一緒に住むようになった人々は皆
    似通っている深い深い理由があるのではないかと。

    計算された偶然の中、
    この人には猫が望ましいと決定すると
    その人の学ぶべきことに合ったタイプの猫が
    「自分、行きます」と立候補して来てくれるのではないかと…。

    そんなSFチックなことを思わずにはいられない一冊です。

    BC時代とAC時代の表現、お気に入りです。
    猫の力はこんな風にその人の年表を分けてしまうほど
    影響力絶大になってしまうものなのですよね、角田さん!

    今日も、せっせと伝えます。
    「私の家に来てくれてありがとう」と。

    • 8minaさん
      なにぬねのんさん、こんにちは。
      いつも素敵なレビューで、本選択の参考にさせていただいております。
      猫といっしょに暮したことのある方には、...
      なにぬねのんさん、こんにちは。
      いつも素敵なレビューで、本選択の参考にさせていただいております。
      猫といっしょに暮したことのある方には、じーんと心にしみるお話のようですね。今度探して読んでみます。
      2015/03/15
    • なにぬねのんさん
      8minaさん、こんばんは。
      いつも花丸ありがとうございます。そして今回はコメントまでいただき、感激しております!

      犬の方が好きで全...
      8minaさん、こんばんは。
      いつも花丸ありがとうございます。そして今回はコメントまでいただき、感激しております!

      犬の方が好きで全く猫と接点がなかった角田さんが
      トトちゃんと出会いメロメロになっていくんですよね。
      最後の方に角田さんが思う猫が来た理由を書かれているのですが、このタイミング、このシチュエーションが、偶然とはとても思えないんです!

      来るべきものが自然と引き合い一緒になる。
      そんな感じが、猫と一緒に暮らした人々には全員にあり、引き合った根っこのものが同じようなものなんじゃないかなぁと。

      犬や鳥や他の動物と引き合う人の根っこも
      それぞれの種に選ばれた何かがあるようにも
      思えますしね。

      なんだか猫に魅せられた人たちと
      根っこがつながってるような勝手な連帯感も感じる一冊でした。

      トトちゃん、とてもいい子です。
      そして角田さん…なんと可愛い人なんでしょう。
      8minaさんも読んだらきっと、
      メロメロになると思いますよ~。
      2015/03/15
    • 8minaさん
      なにぬねのんさん、こんばんは。
      おすすめのトトちゃん、読みました。

      はい、中の写真も表紙の通り良い表情ばかりでした。我が家の猫は傍若...
      なにぬねのんさん、こんばんは。
      おすすめのトトちゃん、読みました。

      はい、中の写真も表紙の通り良い表情ばかりでした。我が家の猫は傍若無人の大将でしたが、それでも夜寝るときフトンの上でふみふみしながら喉を鳴らしている姿はかわいらしい?いや、足の間で重い!寝返りが打てない!
      2015/08/30
  • ある日家に小さくてふわふわの生き物がやって来た、アメショーのトト。猫と暮らす前とその後の生活、ご自身の変わり様をBC(Before Cat), AC(After Cat)と表現されていた。座布団1枚!

    状況は昔の我が家と全く同じです。拾われた時の小さな毛玉であった彼は、その後自分の価値を理解し大きな顔で家族の一員として暮らしていました。ただ、雄である故か大人しくはなく、数日家に戻らないこともしばしば。

    角田さん宅のトトは大変奥ゆかしいお嬢様のようでうらやましい限りです。それでも最初に食べた猫缶じゃなきゃいやだとか、遊びたがりで手作りのおもちゃを追いかけながら廊下をドリフトしていたり、トトの仕草の一つ一つにあるあると頷いてしまいます。

    表紙があまりにも猫萌しているので、電車の中でカバーを掛けながら読んでいたのですが、顔の表情にダダ漏れしていたかもしれません(恥ずかしい・・・)。

    • なにぬねのんさん
      8minaさん、おはようございます。
      私の本棚の方に、コメント有難うございました。
      (返信がまた遅くなりスミマセン…)

      電車の中で...
      8minaさん、おはようございます。
      私の本棚の方に、コメント有難うございました。
      (返信がまた遅くなりスミマセン…)

      電車の中で読まれたのですね。
      カバーがかかっていて、ニマニマしながら読んでいる人を見ると、
      「何読んでるの?そんなに面白いの??」と私は思わず声をかけそうになります。
      8minaさんのニマニマも周りの人を惑わせたかも知れませんね。

      8minaさんの家族猫も8mina家にやってきて、お互いがお互いに影響を受け合って、
      出会う前には考えつかない所まで一緒に行けたのではないかと思います。

      (うらやましい…ふみふみ…私の歴代猫たちは誰一匹してくれませんでした。現在の相棒猫もしかりです。恍惚ふみふみは私の憧れです)

      トトちゃんと一緒に角田さんがどこまで行ってしまうのか、続編で是非報告してほしいですよね☆
      2015/09/05
    • 8minaさん
      なにぬねのんさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      そうですか、猫は皆ふみふみするものと思っていました。
      グルグル喉を...
      なにぬねのんさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      そうですか、猫は皆ふみふみするものと思っていました。
      グルグル喉を鳴らしながらのふみふみは、かわいらしいですね。猫のいた生活が懐かしい。

      盆明け以降、しっとりとした日が続きます。
      夜も涼しく、虫の音もここちよい。
      元気な子供たちにとって、消化不良の夏かも。

      2015/09/05
  • この本が発売になったとき、
    「トトほほ日記」で角田さんがトトちゃんの隣に本を並べて大喜びされていた。
    「あれだけたくさんの本を出版されている角田さんが…」
    でも読んでみて、この本が角田さんにとってどれほど特別な一冊なのか、よ~くわかりました。

    私もオットと二人暮らしで、母親になったことがありません。
    だからよけい角田さんのトトちゃんへの愛情や心配がわかるのかも…。

    レム睡眠するトトちゃん。
    その夢のなかですら怖い思いをしませんように…と願う角田さんの思いが
    痛いほど伝わってきて、胸が熱くなりました。

    以前読んだ石田ゆり子さんのエッセイに、
    ”動物は人間より早く逝ってしまう。
    その短い生涯のどこを切り取っても幸せだったと思ってくれたらいい”
    というようなことが書かれてあったのが忘れられません。

    今回、この本を読んで、あらためてうちの子達を思いました。
    角田さんの表現された”ちいさくてふわふわの生きもの”が与えてくれた幸せを…。
    その存在がどれほど支えとなってくれたかということを…。

    家族だけど子どもではないトトちゃん。
    でもおそろいのテーブルマットを持つトトちゃん。
    角田さんちの唯一無二の宝物だね!

    • そらいろぺんぎんさん
      杜のうさこさん、はじめまして。いいね!、コメント、フォロー、ありがとうございます^^
      杜のうさこさんの本棚も猫ものが豊富で、趣味が合いそう...
      杜のうさこさん、はじめまして。いいね!、コメント、フォロー、ありがとうございます^^
      杜のうさこさんの本棚も猫ものが豊富で、趣味が合いそうなのでフォローさせていただきました。うさこさんのお家には猫ちゃんがいるんですね。羨ましいわ。私は猫分を本で補給する日々です。
      2016/01/31
    • 杜のうさこさん
      そらいろぺんぎんさん、こんばんは~♪

      私のレビュー、まぎらわしかったですね。
      過去形にしたくなかったのかな~。

      我が家の猫ちゃ...
      そらいろぺんぎんさん、こんばんは~♪

      私のレビュー、まぎらわしかったですね。
      過去形にしたくなかったのかな~。

      我が家の猫ちゃん3きょうだい、
      今は、虹の橋草原(私の心の中)に住んでます(*^-^*)

      なので猫ちゃん本を探し続ける日々です。
      ゲットするためならどこまでも~といった感じです!
      レビューも、猫ちゃんモノにはつい感傷的になってしまって(気を付けてはいるんですが)

      趣味が合いそうと思ってくださって嬉しいです。
      こんな本棚ですが、また遊びにいらして下さいね♪
      2016/01/31
  • なんてかわいいのだ。ああ、なんて、なんて、なんて…!

    犬派の角田さんの家に貰われてきたアメショーのトト(♀)。
    そこから角田さんの世界が一変!
    全てがトトを中心に回る。
    たまに怒ったトトからドロップキックを食らわせられても、爪をたてないなんて優しいなぁ、と感心する角田さん。
    もうトトにメロメロである。

    エッセイの途中に掲載されているトトの写真はほんと可愛い!
    角田さんの気持ち分かるわー、とついニマニマしてしまう!
    トトは今夜も角田さんの左脇に入り込んでのどを鳴らしながらふみふみしてるのかな?
    猫の日にピッタリの本!

  • 犬も猫も、普通に好き。でも飼ったことはなく、住宅事情で今後も飼うことはないだろう。そして角田さんと同じく、これまでちいさい生き物しか飼ったことがなく、どちらかといえば犬派だった。だから、そんな角田さんが猫を飼い始めたと知ったときは正直意外だった。確かにトトちゃん、特別な猫好きじゃない私から見ても、美猫ちゃん。このトトちゃんエピソードまるまる一冊のエッセイがずいぶん好評で、「そのうちいずれ読めれば」と思っていた私も興味が湧いた。
    角田さんの旦那様は猫との暮らしの経験があるけど、角田さん自身は初めて。猫初心者の視点から語ってくれるので、猫生活未経験者の私が読んでもとてもわかりやすく、ありがたい。トトちゃんが心臓病を患ってることが判明したときはこちらまで胸をぎゅっと掴まれる思いだった。薬を飲みながらもすくすくと育つトトちゃん、彼女の行動に一喜一憂する角田さんもまた微笑ましくって、今更ながら「こんな角田さん知らなかったなぁ」なんて思う。いやはや、猫パワーってすごい。何より、とにかく、トトちゃんがもうもうもう可愛くって!!!猫を飼ったことがない私まで骨抜きにされちゃうなんて。
    最後の「猫、世界を変える」「猫がきた理由」そして「あとがき」は、胸に沁みまくりです。トトちゃんとの出会いの意味。トトちゃんが角田さんにとってどんなに大切な、かけがえのない存在であるか。本書のラストでまたも胸をぎゅっと掴まれ、猫生活未経験者の私にとっても、非常に意味ある一冊となりました。角田さんが「私の猫紀元前」とその後をBC(BeforeCat)とAC(AfterCat)と表現しているけど、私もこの本に出会ったことでBC・ACがはっきりしたかも。それほど意識が変わったね。
    角田さんがAC時代突入後に再読して号泣したという「綿の国星」を私も読み返したくなった。そして、トトちゃんが西原さんとこの文治さん&菊美さんの子供だと知り、西原マンガも読み返している。改めて、猫という存在の奥深さを感じてますよ。 

  • 近日発売の角田光代さんの愛猫トトちゃんにまつわる
    エッセイ。
    「本の旅人」に連載されていたのを、このお話を
    読むためだけに旅人ゲットしていた私は
    1冊にまとまった本が発売となり、楽しみで仕方ありません。
    -----------------------------------------------------
    発売日当日、入荷が少なくてすぐに書棚から
    消えていましたが、無事に手に入れることが
    できました。

    カラー写真も豊富で、ソフトカバーですが装丁も
    気に入りました。
    角田さんのツィッターでPOPがかわいいという情報が
    あったので、POPも見なきゃ!

    読んでいると自然に笑顔になっていて、
    「いとしい」という言葉を味わいながら読書している
    という感じです。

    最後のほうに出てくる、ある人の言葉が印象的でした。
    確かに、私も猫とつく物語・写真集・雑貨すべてに
    反応してしまう、全猫を愛する一人である(笑)と。

  • TNさんのおすすめ。

    ただただ可愛かった。
    写真もそうだし、描かれる「トト」との出会い、日常の生活が
    とても可愛かった。
    猫と暮らしたことのある身としては、
    そうそう、と同意しながら読めて楽しかったのは、
    著者の表現力や分析力のおかげだと思う。
    また、著者が次第にねこ知識を増やしていくのも楽しかった。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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