1行バカ売れ (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041027523

作品紹介・あらすじ

大ヒットや大行列は、たった1行の言葉から生まれることがある。様々なヒット事例を分析しながら、人とお金が集まるキャッチコピーの鉄則を紹介。「結果につながる」言葉の書き方をコピーライターの著者が伝授する。

感想・レビュー・書評

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  • 1行バカ売れ
    著:川上 徹也
    紙版
    角川新書 K-39

    良書。言葉の力というのは、ほんとうにすごいものだと感じます。
    インターネットとソーシャルメディアという、巨大な空間の中で、拡散されていく多くの言葉。

    その中で、まさに、売らんとしている商品を、ただひと言で表す言葉は、千人の営業に勝るといってよいかと感じました。

    気になったのは以下です。

    ネット社会になり、情報が飛躍的に増加した現在では、最初の1行で人をひきつけることができなければ、なかなか中身まで読んではもらえません。
    まずは、タイトル、商品名、見出し、キャッチコピーなど短く的確な1行で、相手の心をつかむ必要があります。

    ■名前を変えて価値を変える

    台風で被害をうけた傷ついた青森のリンゴ ⇒ 落ちないリンゴ
    北見の閑散とした水族館 ⇒ 世界初!凍る水槽
    低迷する早慶戦 ⇒ ハンカチ以来パッとしないわね、早稲田さん/ビリギャルって言葉がお似合いよ、慶應さん

    ■言葉を強くする2つの方法

    ①常套句を避ける
    ②言葉の組み合わせを考える

    ■スルーされないための大原則

    それは、受け手に「自分と関係がある」とおもってもらう こと 

    キャッチコピーとは 「受け手の心をつかむ言葉を見つけ、短く的確に言い表す能力」

     ①言葉を見つける What to say
     ②短く的確に言い表す How to say

    ⇒ 渋谷のスクランブルで人を立ち止まらせるのが、よいコピー

    ■どうすれば自分ごととしてもらえるか

     ①ニュースを知らせる、好奇心
     ②得をすること
     ③欲望を刺激する
     ④恐怖と不安でやさしく脅す
     ⑤信用を売りにつなげる

    ■ニュースを知らせる

    現金安売り掛け値なし

    ニュース new → news 新しい情報

    ニュース三カ条
     ①年月日曜日の要素をいれる
     ②ついに、とうとう、いよいよ、待ちにまった
     ③発表、公開、宣言 から始める

    本日、土用の丑の日

    年に1度、女性から男性への告白を!

    ■得をすること

    自分に得があれば、人は関心を寄せる

    味は料理店並み、手間はインスタント並み

    いつかはクラウン

    誰もが欲しがる 安・楽・短

    ベネフィット~儲け話になぜ人は騙されるのか

    ■欲望を刺激する

    売りにつながる10の欲望
     ①健康
     ②セックス
     ③飲食
     ④安全安心
     ⑤気持ちいい、刺激
     ⑥美しくありたい
     ⑦愛されたい、愛したい
     ⑧金持ちになり、豊かな暮らしがしたい
     ⑨社会的に認められたい
     ⑩自己達成

    香りは男の武器になる

    英語に強くなる本~教室では学べない秘法の公開

    私、一カ月でかわいくなれますか

    ■恐怖と不安でやさしく脅す

    人は容姿や性格にコンプレックスをもっている、みっともない、かっこわるい
    得したい、より、損したくない、が強い

    あなたの口臭がわかる方法

    芸能人は歯が命

    大きな胸を小さく見せるブラ

    OATH(オース)の法則
     O:無知 問題を認識していない
     A:無関心 認識しているが関心がない
     T:思考中 問題を考えている状態
     H:苦痛 今すぐ苦痛から解放されたい

    ■信用を売りにつなげる

    なぜ信用が大切なのか ⇒損失回避、損失嫌悪 ⇒誰から買うのかを重視

    信用とは、約束を守る、結果を出す、嘘をつかない、専門知識がある、実績がある、が当たり前にある

    売り手が自分の弱み、実感を見せると、人は共感してしまう

    もっと若い時に読んでいれば…、そう思わずにいられませんでした

    キャルディーニ、影響の武器から

     ①返報性
     ②コミットメントと一貫性
     ③社会的証明
     ④好意
     ⑤権威
     ⑥希少性

    ■キャッチコピー、10の型

     ①ターゲットを限定
     ②問いかけ
     ③圧縮して言い切る
     ④対比&本歌取り
     ⑤誇張をエンタメ化
     ⑥重要な情報を隠す
     ⑦数字、ランキンク
     ⑧比喩
     ⑨常識の逆
     ⑩本気でお願いする

    女性だけの30分フィットネス

    同情するならカネをくれ

    たぶん世界一濃厚なプリン

    ■おわりに

    言葉とともに、物語を紡ぐ

    「言葉」と「物語」は、物を売ることの、両輪

    目次
    はじめに
    序章 バカ売れ1行のための大前提―「自分に関係ある」と思ってもらう
    第1章 なぜ人は新しい情報が好きなのか?―ニュースを知らせる
    第2章 あの掃除機が売っているモノ―得することを提示する
    第3章 いくつになってもモテたいのは、なぜ?―欲望を刺激する
    第4章 悩みやコンプレックスの経済効果―恐怖と不安でやさしく脅す
    第5章 なぜデメリットを言われると買いたくなるのか?―信用を売りにつなげる
    第6章 思わず反応してしまうキャッチコピー10の型
    おわりに
    参考図書・サイト

    ISBN:9784041027523
    出版社:KADOKAWA
    判型:新書
    ページ数:256ページ
    定価:800円(本体)
    発売日:2015年08月10日初版
    発売日:2015年09月25日3版

  • SEX SELLS:セックスは売れる。

    広告には、セックスを連想させて売り文句にしてるものが結構ある。

    ハーゲンダッツの「キスより、濃厚」
    AXEの「香りは男の武器になる」

  • 欲望に訴えるため、シズル感を出す

  • 宣伝したい「商品」自体ではなく、その商品によって消費者に「何をもたらすのか」「どんな利益があるのか」で文章を構築すればいいというのは目から鱗でした。

  • 2023.01.21 読了

  • コピーライティングを学ぶにおいて非常によくまとまった本で、勉強になった。豊富な事例もまた読みやすかった。

  • 大手広告代理店での勤務を経て独立し、数多い企業の広告制作に関わる中で、企業の「哲学」や「理念」をたった1行に凝縮して掲げる手法を得意とするコピーライターが考察する「売れる法則」。本書は、どんな「魔法の1行」で商品が売れるのかを追究したマニュアルといった類の本ではなく、ほんの少しだけ言葉を替えたことによって「バカ売れ」した商品やサービスの実例を挙げながら、結果につながる文章のアイデアを読者と一緒に模索していく。「お口でとろけて、手にとけない」(M&Mチョコレート)や「モノより思い出」(日産自動車)などの傑作コピーを、頭ではなく心で感じさせながら、言葉の持つ「魅力と魔力」に読者を引き込んでいく。

  • 豊富な事例をもとに、インパクトのある短文をいかに書くか、その考え方を示した本。
    文章術の部分は示唆に富んでいるし、何よりも事例が面白い。
    「落ちないリンゴ」
    「ビリギャルって言葉がお似合いよ、慶応さん」
    いずれもコピーが創作された背景が興味深く、雑談ネタとして使えそうだ。
    本書の終わりの方に、1行コピーでバカ売れした結果が続かない場合があることが書いてある。
    とても誠実、正直な執筆姿勢であり、著者に対して好感が持てた。
    一読して絶対、損のない本である。

  • 相手の心をグッとつかむ,そんな言葉を書いたり話したりしたいと思いませんか?数あるコピーライティングの手法を整理し,国内外の豊富な事例をもとに分かりやすくまとめた本書。人を惹きつける言葉が詰まっています。

  • 良いコピーが物の売れ行きに大きく影響することは判りました。実例もあって参考にもなりますが、核心部はそう厚みを感じるものではなく、所感として悪くはないという程度に収まりました

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著者プロフィール

コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。
大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。数多くの企業の広告制作に携わる。東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。特に企業や団体の「理念」を一行に凝縮して旗印として掲げる「川上コピー」が得意分野。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という独自の手法を開発した第一人者として知られる。現在は、広告制作にとどまらず、さまざまな企業・団体・自治体などのブランディングや研修のサポート、広告・広報アドバイザーなどもつとめる。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』『コト消費の嘘』(いずれも角川新書)、『キャッチコピー力の基本』(日本実業出版社)、『江戸式マーケ』(文藝春秋)など多数。海外においても「ストーリーブランディング」をテーマにした本がベストセラーになっている。

「2023年 『ストーリーブランディング100の法則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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