ラプラスの魔女

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.53
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本棚登録 : 6859
感想 : 825
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029893

作品紹介・あらすじ

東野圭吾さん作家デビュー30周年記念作品!
円華という若い女性のボディガードを依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。
同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。
価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。

「マスカレード・イブ」から約9ヶ月ぶりとなる最新刊です。

”これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。
そしたらこんな作品ができました。”       ――東野圭吾

感想・レビュー・書評

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  • 新作『魔女と過ごした7日間』を楽しみにしていたらまさかのシリーズ物!?
    しかも読まず嫌いしていたラプラスの魔女。。。
    追い討ちは452ページもあること。う、うそでしょ。
    全然興味はないけど新作のために読むかぁぐらいのテンションでしたがまさかの当たり。

    不思議な力を持つ円華。
    遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が発生。
    検証に赴いた地球科学の研究者•青江と円華が事件を解決していく。

    普段はネタバレレベルで感想を書きますが
    本書はあまり内容を知らずに読んだ方が
    楽しめると思うのでここら辺で。。

    空想科学ミステリということですが、
    最初の方は話がどこに向かっているのか謎です。
    中盤あたりから見事に引き込まれました。
    あまり本書に興味がなかったので情報ゼロで読んだのも良かったのかもしれません。

    私って空想科学系もいけるんだ、と。笑

    空想と科学に重きを置いていると思われるので、
    ん?と思うところや、無理矢理感ある箇所もありますが。。
    新しいジャンルだと思って読むのがオススメです。

    読まず嫌いしている方やしょっぱなで諦めた方、
    是非チャレンジしてみてください!
    思っているほどファンタジー強めではありません、
    しっかりとミステリです。

    東野圭吾さんは絆を強く意識させるテーマが多いですが、
    本書は、いつもの東野圭吾作品を!というよりは
    新たな東野圭吾作品だと思って読むとしっくりきますね。


    さあ、次は『魔力の胎動』が待っている。
    新作にはまだ程遠いです。

  • 魔女と過ごした七日間を読む前に
    再読しました(^^)


    東野圭吾作品はやっぱり読みやすいー!
    あっという間に読めました(^^)


    そしてびっくりするくらい忘れている自分笑


    普通に初めて読んだ気持ちで
    楽しめました(^^)



    甘粕監督が嫌なやつすぎて
    胸糞悪い!!


    どういう最後だったのか気になるところです。



    さぁ続編読むぞ!!

  •  作家デビュー30周年記念作品で、“これまでのわたしの小説をぶっ壊してみたかった。
    そしたらこんな作品が出来ました。“という。
    2015年に上梓され、2018年には映画化されています。

     東野作品の多くは、時事的な話題の問題に科学的な要素を加味して、論理を構築し情念に訴え、最後の着陸地点に“なるほど”と思わせる驚きと感動と余韻が魅力的だと思う。(個人的な感想です)

     この作品はとくに東野作品のファンでなくても読めます。

     主人公(羽原円華)は、母の郷里北海道で、竜巻に遭遇し母を亡くした。父で羽原全太郎は、脳神経外科医師で、彼にしか出来ない手術を控えていたので、北海道には同行できなかった。

     甘糟才生は、鬼才の映画監督だ。娘が自宅で家族がいる時に、硫化水素自殺を図った。その時、妻と娘は死亡し息子の謙人はなんとか一命を取り留め、植物状態になったが、羽原医師により身体の機能が再生できたのだ。謙人は手術により、「周囲の物理現象を見るだけで極めて高い予測が可能になる」という超能力を持つことが出来たのだ。

     麻布北署の中岡刑事は、不可解な事故死に疑問を抱き、秘密裏に捜査を始動する。

     一方、温泉地で起きた硫化水素ガスによる中毒死が、事故死であると不確かな情報で、納得せざるを得ない青江は地球化学専門の大学教授。

    青江「どういうことだ。どんな手品を使った。」
    円華「仕掛けなんてないよ(省略)」
    青江「それはわかっている。何故拡散しない?」
    円華「じゃああたしから訊く(中略)どんな条件下でも同じ現象が起きなきゃいけないわけ?」
    青江「それは…」言葉を続けられなかった。
    科学的には彼女の指摘の方が正しい。

     円華は、予知は出来ないが、予測はスーパーコンピューター並に根拠を科学的に計算できる。不思議な少女に育った。
     読書は楽しい。

  • 新作が読みたくて、まずはこちらの1作目から。
    前半は繫がりがわからない状態だったけど、事件が繋がりだしてからは面白くて一気に読んだ。
    超科学的な事は疎いのだけど、脳の仕組みについては興味深かった。

  • 温泉地で起きた中毒死。その発生の仕方に疑問を感じた青江の前に現れた少女は、別の中毒死の場所でもみた少女だった。その少女が探す青年と、二つの中毒死につながる事柄から事件の真相が明らかになっていく。
    最初にボディーガードの武尾の話があり、青江先生の話と変わっていくので、ちょっと戸惑うところは、あったものの、それぞれで明らかにされていくことから、真相に近づいていくところは、おもしろい。ただ、ちょっとあっちいったり、こっちいったりのところもあって、戸惑ったところは、ありました。
    超常的能力が絡むものの、使い方が、単純ではないところがよかった。途中で人については難しいとしていたが、最後の方は自在になっているような感じがしたのは、ちょっと違和感があった。
    話の本筋ではないが、ブログの記事によって家族のイメージをコントロールしようとする話が印象に残った。この話では、うまくいっていないが、文献史学が言われるように、事実と異なる状況も作り出せてしまうということは、怖いところがある。
    どんどん読み進められていったが、あっさりとした感じでした。

  • 序盤に3つの不可解な死亡事故(事件?)が発生し、刑事、大学教授、映画関係者、そして神秘的な雰囲気の女性など、一見つながりがなさそうな人物たちが次々と登場する。そんな人々が徐々に近寄り、最終局面を迎える、という興味津々の展開だ。主人公は「魔女」だろうが、登場人物それぞれが主人公として語る章も設けられている。だからこそ超能力と科学との整合性や、人の先天的な「個性」、巨大権力に握りつぶされる「真実」が、より印象付けられるのだろう。

    2015年発売の単行本。ほぼ10年前の景色だが、主人公たちの予知に関する記述には、どうしても昨今の「AI」が思い浮かんでしまう。人為的に手を施すという倫理観、当時の未来である現在が少しも明るくないことを思うと、著者自身未来を考えて執筆しているのでは?などと思えてくる。

    さて、これから続編を読むことにしよう。

  • 最後まで目が離せない展開だった。
    凄い能力だなと思った。

  • シリーズものだと知らず、第3巻から読んでしまったため、なんだか過去編を読んでいるような気分でしたが大いに楽しめました。
    今作では、円華さんの能力や「ラプラス」についての解説があり、第3巻を読んだときに「円華さんは何者なんだろう」と思っていたため、謎を解くことができました。

    理系の話がかなり出てきて、生粋の文系の私には難しそうだなと思っていましたが、噛み砕いた説明ばかりで、難なく理解することができました。

    登場人物がかなり多く、途中こんがらがってしまいましたが、終盤にいくにつれ散りばめられた登場人物たちと様々な場面がつながっていき、真相に辿り着いていく感覚がなんとも爽快でした。ただ、事件を追っていた中岡刑事としては、真実に近付いたところで手を引かされ不完全燃焼そうだなと思いました( ̄▽ ̄;)

    甘粕謙人くんは今、どうしているのか今後描かれるのでしょうか…。
    第2巻だけがまだ未読なので、早速借りてきて読もうと思います(*^^*)

  • 3.4
    中盤面白かったですね、ここから後半どんな展開が待っているのかとワクワクしながら読み進めましたが、期待していたほどの驚きの展開にはなりませんでした。
    東野圭吾って事でハードル上げすぎたかもしれません。
    もうちょっとニュートラルに読んだ方が良さそうです。

  • 3作目に先に手を出してしまい慌てて読みました。
    読書初心者からしたら少し厚みがあるかなぁ…と思いましたが、そんなこと感じさせることなくスルスルと読んでしまいました。
    読んだ後はすぐさま3作目にいくほど、はまります。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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