かにみそ (角川ホラー文庫)

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著者 : 倉狩聡
制作 : 西島 大介 
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041030134

かにみそ (角川ホラー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 文庫本を購入。切ないホラーファンタジーのジャンルになるかな。海辺で拾った蟹を育てるうちに喋り出す。しかも賢い。生物原理に基づいて生きるために肉も食うようになり人間も食べ始めるのだが…最後は切ない展開で感傷に浸る余韻が残る。百合の火葬の話も切ない。百合の花が意思を持っていて、人間の記憶など吸い取り老化させてしまう不気味な話だが最後は自己解決で終わる。人間模様は切ない話である。

  • 表題作のかにみそより百合の火葬の方が好きです。

  • 表題作、無邪気な蟹がどんどん怪物化してゆく不気味さがとてもよい。イノセントさが他者にとっての脅威になってゆくというのが、すごく皮肉で好き。そしてラスト、ずっと不気味だった蟹のイノセンスが涙を誘う。別に悪意があったわけではなくて、心のままに無邪気に生きたというだけだった。そしてそれが心底邪悪な行動だったんだよなー。
    食べることと殺すことって美談みたいになりやすいけど、すごくグロテスクに書いていて、うまいなーと。
    表題作でないほうの百合の花の話は今ひとつよくわからない。確かに百合ってグロいなーと思うことはあるけど、そこだけで話を膨らませるのはさすがに無理でないか?

  • 無職の青年が海辺でカニを見つけて持ち帰り飼育。食欲旺盛のカニの為に彼は職につき、カニとの交流を深める描写が微笑ましくて面白い!!それがだんだん笑えなくなり。(இдஇ; )カニっていい奴だなぁ~!!カニとのやり取りをもっと読んでいたかった!!カニとの友情を描いた泣けるホラー(※ややグロあり)*「かにみそ」「百合の火葬」2篇物語収録。

  • 「生きることは食べること」
    蟹に愛着がわいた。

  • カニのキャラクターの存在感勝ちのような気がする。一寸先がどうなるか分からないドキドキの緊張感が面白いです。何故か滋味のある結末になり、青春ホラー小説のような印象が残りました。
    同収録の短編は百合の花の正体をもっと毒々しいものではないかと勝手に妄想してしまい期待した分、肩透かしに……。
    雨にけぶる庭の描写が強烈に頭に浮かんできて、少しくらっとしました。

  • かにが結構エロチックだったりして。

  • 泣けるホラーと謳われているけれど、ホラーというか、むしろ怖いどころかなんだろうなぁ、どっか青春小説とかまたは恋愛小説を読んでいるみたいな雰囲気があって、個人的にはそっちの方のが印象として強かった。もちろん冷静に考えれば、人食い蟹(今思ったけど、これカニバリズムとかけてるのかな?)だなんて、めちゃくちゃ怖いけど、それよりも蟹の愛嬌にやられた 笑

    百合の火葬の方が何か泣けるホラーというの合ってるんじゃないかなぁと。まぁ、かにみそと百合の火葬合わせての謳い文句だろうけど。

    どちら共に「流星群」をきっかけに、日常に変異が表れてて、あとがきにも書いてあるようにこの「流星群」の日というのが、3.11らしいのが感慨深いような何か、考えさせられる

    熱湯に飛び込んだ蟹、そして食べられちゃう蟹がやたらに切なくて、そして何だか妙にエロくて、う〜ん、だけどもしかして蟹は震災後の地震に対する慣れ、麻痺的な感覚を表してる存在であり、その妙でおかしい感覚と別れなきゃ…という、そういうメッセージがあると考えると、面白いなぁ…

    短く、結構手軽に読めるので、何読もうかと悩んでる人なんかにはおすすめしたい小説

  • 「かにみそ」
    なるほど、かにみそってここからね。


    第20回日本ホラー小説大賞の優秀賞を受賞した「かにみそ」。読者賞「ウラミズ」と競り合っての受賞とのことで、更に選考委員に貴志祐介、宮部みゆき、高橋克彦、荒俣宏、って荒俣宏!?荒俣宏ってホラー小説書いてるの?とかて、でもってユニークな題名でどうやってホラーと結びつけたのか気になり手に取りました。


    職を転々として今は無職の私は、朝浜辺で見つけた蟹。顔を近づけても撫でてもつついても逃げない蟹を家に持ち帰り、飼い始める。次第に興味が湧いてきた私は、新たな餌、綺麗な砂と蟹に買い与えるが、蟹はどんどん大きくなり、遂には言葉を発し始め、人を喰らうことに固執する。


    蟹が話すだけでもホラーだが、あのデカイハサミと何より不気味な真っ黒な目をチラつかせながら音も立てずに綺麗に人を喰い、肉団子を放り出す。不気味この上ない。


    しかし、この蟹よりもホラーなのは、20過ぎの私であるのを見逃してはならないと思います。蟹を買うために水槽にいた熱帯魚を庭土に捨て、熱帯魚が跳ねる姿を思い暗く笑う、蟹が吐き出した肉団子を家族の夜ご飯の肉団子の野菜あんかけに紛れ込ませる、蟹を連れ帰りながらも飽きたらばらばらにすればよい 等、明らかに常軌を逸しています。蟹を人喰い蟹にさせるのも私であり、蟹の最後を作るのも私。


    人を殺すことを蟹で体現しているような様には、ぞくぞくさせる怖さがあり「生きることは食べること」と言い放つ蟹を見事に食べ上げ、生き生きとした衝動と感じる私には、底が見えない恐怖を抱えている様に思えます。蟹に隠れた私にあるこの怖さこそホラー。

  • 表題作も同時収録作もどちらも美しく切ない読後感の残るホラーだった。

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かにみそ (角川ホラー文庫)の作品紹介

全てに無気力な私が拾った小さな蟹。何でも食べるそれは、頭が良く、人語も解する。食事を与え、蟹と喋る日常。そんなある日、私は恋人の女を殺してしまうが……。私と不思議な蟹との、奇妙で切ない泣けるホラー。

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