猫又お双と消えた令嬢 (角川文庫 し 54-1)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 180
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041031797

作品紹介・あらすじ

大学院生の隆一郎と、見た目は少女だが猫又のお双。奇妙で平穏な生活を送るふたりの元に、誘拐予告事件の相談が舞い込む。予告現場に出向くふたりだったが、標的となった令嬢は忽然と姿を消してしまい!?

感想・レビュー・書評

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  • いつの間にか懐いた野良猫が猫又だったというので、ファンタジーぽい話が始まると思ったら、洋館を巡る本格的なミステリーになってしまう。あれれという感じ。うーん、猫又が出てくる意味があまりないよねえ。トリックもちょっと古臭いかな。

  • ちょっとミステリーとしては浅いかなぁ。実行可能性を考えると自ずと犯人やトリックがわかっちゃう。
    あと、猫又の少女が登場することが売りなわけですが、もうひとつ設定を活かせてない。耳がいい、鼻がきくってあたりを入れ込んではいますが、全体としては猫又っていう設定が無くても成り立ってしまうお話でした。ちょっと残念。

  • 眼球堂を先に読んでるからか、物足りなさが。
    どちらかと言うと、ミステリー初心者向けなのかな?
    トリックも何となく分かったし。

  • ★すべて見越していたのでないかしら。(p.283)

    【感想】
    ・猫又が人語を解し話せる猫の姿ままの方が楽しかったような気がします。二本足で歩く姿がキュートらしいし。で、猫として懐いたり嫉妬したりとか。
    ・短編集だとばかり思っていましたが長編でした。
    ・ちょっと江戸川乱歩っぽい表現があったり。シンプルさと大仰さと他愛のなさ。
    ・謎は提示された瞬間に解けるでしょうからミステリでなく猫又を愛でる気持ちと、ちょっとレトロな探偵小説を楽しもうとするしかないんではなかろうかと思ったりします。

    【内容】
    ・元子爵の長命寺是清さんの娘、麗しの桜さんが「魔術師」なる怪人物に横恋慕され狙われています。大家さんの頼みで誘拐を防ぐための用心棒として長命寺家に赴いた隆一郎とお双。

    【一行目】「リューイチロー、ねえ、リューイチロー」

    ▼猫又についての簡単なメモ

    【梅】長命寺是清の次女。肉付きのいい女。厚化粧だが十代後半と思われる。結婚相手を探してる感じ。
    【お双/おそう】猫又。元は鯖虎猫。尻尾は二本。百歳を越えている。人語を解し、二本足で歩け、鳥獣虫魚と話ができる(魚はまだわからないけど)。二本足で歩く姿はとてもキュートだが人間に変身もできるのであまり見せてくれないかもしれない。
    【時代背景】戦後すぐくらいと思われる。
    【大福義満/おおふく・よしみつ】あくどい実業家。長命寺家の乗っ取りを考えている。
    【大福誠/おおふく・まこと】義満の息子。桜の婚約者。顔はいいらしい。
    【大家さん】→千牧近衛
    【柏良平/かしわ・りょうへい】長命寺家の書生。武骨な南方系の顔立ち。二十四歳。
    【葛切隆一郎/くずきり・りゅういちろう】→隆一郎
    【桜】長命寺是清の長女。深窓の令嬢。
    【竹蔵】長命寺是清の長男。二十歳そこそこに思われる。女好きな感じ。
    【千牧近衛/ちまき・このえ】隆一郎が暮らす長屋の大家さん。お茶目な好好爺。もともとはこの辺の大地主だったようだがあれこれ騙されたりして今は玩具屋である自宅と長屋だけを持つ。手品が得意。今は隆一郎しかいないが店子を家に招き夕食会を開くのが好き。
    【長命寺是清/ちょうめいじ・これきよ】大家さんの知人。元子爵さま。
    【月平長安/つきひら・ながやす】警視庁刑事課警部補。台形の顔。
    【萩かの子】長命寺家の使用人。
    【隆一郎】葛切隆一郎(くずきり・りゅういちろう)。帝都大の学生。湯川秀樹に憧れ物理学者を目指している。核物理学で主に中間子(メソトロン)の研究をしている。実家は仙台の商家で両親は家を継いでもらいたがっている。

  • 「魔術師」を名乗る怪人から、名家へ令嬢を誘拐すると時刻まで指定した予告状が届く。しかも予告状は閉ざされた室内にどこからともなく現れて――という如何にも乱歩テイストなお話で、ほとんどのミステリ好きなら、乱歩だったら事の真相はこうと考えてしまうはずで、その通りというのはやっぱり困る。ただ密室から令嬢が消え失せるトリックは目新しくはなく、見え見えながら、乱歩は苦手そうな緻密なもので面白かった。あとヒロインが猫又という設定がまるでいかされていないが、彼女の猫っぽい仕草が可愛いので、これはもうこれ良いんだと思う。

  • ミステリーとしては浅いが、ちょっとした空き時間にサクッと読めるライトミステリー。
    周期律さんの作品は好きな作品が多いため、この評価だが別の作者だともう少し評価は低いかもしれない。

  • いろんな意味でレトロ感あふれる内容。予想通りのしかけだったけど、結末にはスッキリ

  • ありがちなトリック、お双の存在…
    ライトミステリなので、これも有りかな…と星4つにしました
    肩のこらないミステリーです

  • 帝大院生の隆一郎と猫又のお双が誘拐予告事件の相談に乗ることになります。誘拐予告までにおきた消失出現のトリック、誘拐事件などしっかりとしているのですがどれもどこかで知ってる感じで何かが起こるたびに次から次へと先が読めてしまいました。もう一つのシリーズがアレなので敢えてこちらはそうしているのでしょうか。あちらを想定して読むと違いにびっくりすることと思います。さらにせっかく時代設定をしていて猫又なのでもっとそれを生かしてほしかった気がします。続編でその設定が必要なのかな?せっかくなので続きも読んでみます。

  • 主人公の大学院生が知り合ったのは、猫又の少女。
    依頼現場にたまたまい合わせた彼女を連れて、令嬢誘拐予告事件に挑みます。
    なんか、トリックも意外性が無いし、キャラも特に魅力を感じないし、なんでこれでシリーズ化されたのか不思議です。ミステリーとして読んでもあんまりおもしろくないし。

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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