最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033722

作品紹介・あらすじ

元イケメン俳優で料理人見習いの海里が働く定食屋「ばんめし屋」に、海里の兄の友人で刑事の涼彦がやってきた。兄と涼彦は20年ぶりの再会だという。しかし海里は涼彦に巻き付く「マフラーの霊」をみてしまい……。

感想・レビュー・書評

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  • 今回は、隣の警察署勤務の刑事さんのお話。
    この刑事は、海里の兄の親友。
    そして「マフラーの幽霊」が巻き付いている。
    幽霊の正体がマフラー?と変な話だが、じんわりと温かく、そして悲しい。
    また、海里と兄、そして奈津さんとお母さんも含めた家族は、なかなか良い関係になってきて、読んでいて心地良い。
    ロイドの存在もすっかり馴染んで、なんだか笑える。
    海里の料理の腕も上がってきて、ミートソースパスタが美味しそう。
    次は夏神さんの過去が、もう少し分かったりするのかな?

  • 今回のエピソードはストレートながら、なかなかグウッ。。。とくる辛さがあった。
    理不尽な悪意を前に人の思いやりが無力であること、それでも思いやりが大切であること、が伝わるエピソード

    2023.9.5
    149

  • 夜だけ営業の定食屋<ばんめし屋>を舞台に、付喪神と幽霊とお料理とが絡んだ謎解き物語第四作。

    今回も前作に引き続き海里の兄絡み。主要人物は海里の兄の友人で刑事の仁木。冒頭にある緒川千世さんのイラストによるキャラ紹介によるとこれまたイケメン。
    しかしその仁木の体中に「マフラーの幽霊」が巻き付いているのが見えて…。

    前作でちょっと縮まった海里と兄一憲との距離がさらに良い感じになってきて安心する。冗談も言い合えるようになったのが良かった。

    しかし今回の事件の主軸は「マフラーの幽霊」。読んでる途中でその幽霊の真意に気付くのだが、何とも切ない。でも思いが伝わって良かった。
    だがそれ以上に、仁木の言動の端々に???もしかして???と思っていたら、やっぱり!
    緒川さんがイラスト担当なのはやはりそういうことなのか。

    今回も夏神の海里のほっぺたペシペシにあらぬ妄想を抱いて楽しませていただきました。
    夏神が過去に山で失ったのはどういう存在の人だったのだろう。なんだかそこも気になる。

    思わず横道に逸れてしまったが、海里が料理人としても少しずつ任される部分が増えてきたり、人間としても少しずつ落ち着きを見せたり思いやりを見せたりして成長していく部分を見られるのは嬉しい。
    ロイド氏とのコンビもすっかり定番になりつつある。

    相変わらずあっという間に読める薄さではあるものの、夏神と海里、それぞれの今後が気になるので今後も読んでみる。

  • このシリーズは新刊が出たらすぐに読んでいる。

    日常ミステリーとしても複雑でなく、ストーリー展開も類型的で、さほど感動するわけではない。

    しかし、少しずつ成長する主人公が、彼に関わるすべての人(若干一名、人でないやつもいるが)の心を、自分ではそうと気づかないままにほぐしてゆく。それが心地よい。

  • 夜しか営業していない「ばんめしや」の店主と霊が見えてしまう元タレントの青年と彼らの食堂に関わる人々とのお話の第4弾。
    毎回、料理がキーワードになるのだけれど、今回は「ハンバーグ」
    そして新たな登場人物を加え、主人公の海里の兄との関係をまた一歩踏み込んだものにできそうな予感。

    いつもながら基本的に霊も悪いものではなく、むしろ生前にいろいろ考えたり伝えたりしたいことがあって見えているという感じではある。
    そしてやはりほろっとするような感じです。

  • 兵庫県芦屋市。警察署と教会の間にある小さな店、それが夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。元イケメン俳優の五十嵐海里は、料理見習いとしてここに居場所を見つけた。不仲だった兄・一憲との関係も修復中のある日、突然一憲が店を訪れる。しかし海里は、一憲の親友だという刑事・涼彦を見て絶句する。なんと涼彦には、「マフラーの幽霊」が巻き付いていた。謎のマフラーの理由とは?泣いて笑って心が軽くなる、お料理青春小説。

  • お兄ちゃんとの関係が変わったことで新しい展開が拡がる。
    みんないい人で安心するし、おいしそう。

  • 深夜食堂ほっこり話、4冊目。
    今回は刑事さんがメインお客で
    犯罪がらみだから
    ほっこりばかりでもいられず。

    兄ちゃんと少し関係改善したカイリ君。
    基本「まっすぐ」な性格なんで
    物語が読みやすくて助かるわ。
    もうちょっとデリカシーあったら
    さらにいいとも思うけど〜。

  • 「最後の晩ごはん」シリーズ第4弾。

    海里が働く定食屋「ばんめし屋」に、目下海里と関係修復中の兄・一憲が訪れた帰りに、偶然、20年来音信不通だった高校時代の親友・仁木涼彦と再会する。再会を喜ぶ二人だったが、海里には涼彦の体にうっすらと巻き付くあるものが見え…?


    (この感想はあまり参考になりません。笑)

    いつもはネタバレの感想はあまり書かないようにしているんですけど、今日は感想がこれだけなもんで…。



    え、これ、お兄ちゃんエンドでよくね?(奈津さんがいなけりゃなー)

    …え、これもう、お兄ちゃんエンドでよくね?(奈津さんが略)

    と始終思っていたら終わってた。
    そんなお話です。(多分違う)


    そもそも、最初の人物紹介のところに、ほとんど出てこない淡海先生は載ってるのに、なんで奈津さん載せてくれないんだろーとか思ったり、涼彦さんのことにしても、この話は一体どういう層を意識して書いてるんかなぁ?などと疑問を呈しつつ、挿絵に奈津さん描けよと思いつつもお兄ちゃんエンドでと思ってしまった自分はじゃあ一体どういう層だというのかと自分に疑問を持ったお話でした。
    (奈津さん単体では好きです)

    あと、前作でじわりとお兄ちゃんが気になりつつあったけれども、今作でなんかおもろい人になってて笑った。まぁ人間一面的ではないものね。
    お兄ちゃん真面目おもろいで若干天然入ってるような気がしないでもないので、学生時代に押せばもしかしたらワンチャンあったんじゃ?とか考えてしまった。
    綺麗に去るより傷を作るのもまた一つの方法。(なんのこっちゃ)

    マフラーの幽霊は存外唐突というか、モノに思念して形を結ぶよりも、自分の姿で現れる方が霊力少なくて済むような気がするけど違うのかな?
    マフラー唐突やんと思いつつも、結局最後マフラーのシーンに泣かされ、くっ、マフラーなんぞで…と思ったのでした。
    女性の気持ちが仁木さんに伝わったところで、感動はしたけれど、それで仁木さんの罪悪感が軽くなることにはなるのかなぁ?余計に辛く感じるのではないか?とも思ってしまう。でもまぁ、彼女が20年傍にいて幸せだったというのだからよいのかな。
    え、ちょっと待って、女性の幽霊が20年来ずっと自分の体に…???
    プライバシーどうなっとるん。

  • このシリーズの中では珍しくハードボイルド系でドキドキするシーンがあった。ストーカーに狙われている女性を守り切れなかった涼彦の無念と、マフラーになって涼彦のそばで見守り続ける女性の思いが読んでいて切なかった。海里とロイドのおかげで、涼彦が女性の思いと思い出の料理を受け取ることができてよかったね。

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著者プロフィール

作家。監察医。講談社ホワイトハート「人買奇談」にてデビュー。代表作は「鬼籍通覧」シリーズ、「奇談」シリーズ(講談社)、「最後の晩ごはん」(KADOKAWA)、「時をかける眼鏡」(集英社)など多数。

「2023年 『妖魔と下僕の契約条件 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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