元気でいてよ、R2-D2。 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033777

作品紹介・あらすじ

「眼は大丈夫?」――夫の労りの一言で、妻が気付いてしまった事実とは(「マスカット・グリーン」)。普段は見えない真意がふと顔を出すとき、世界は崩れ出す。人の本質を巧みに描く、書き下ろしを含む9つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • カテゴリが「こわい話」でいいのかわからないけど、今の感想は、こわかった、が一番強いので仕方ない。
    こわいうえに、うまい。超うまい。
    主人公のちょっとした動作や感じ方、女性同士の会話やなんか、これ書いてるの本当に男性か?っていつもながらびっくりする。

  • 小説NON1997年12月号腹中の恐怖、青春と読書2007年10月号マスカット・グリーン、小説新潮2008年1月号よいしょ,よいしょ、小説すばる3月号三つ,惚れられ、6月号微塵隠れのあっこちゃん、9月号さりさりさり、2009年4月号ざくろ、野性時代2008年11月号元気でいてよ,R2-D2。、の8つの短編を09年8月集英社から刊行。2012年8月集英社文庫化。陰のある短編集とまえがきにある通り、怖さがある。微塵隠れ〜のどんでん返し的結末が面白い。マスカット〜、三つ〜、さり〜、ざくろはラストでぞぞぞとした。元気で〜のラストに余韻が残る。

  • う、うわぁ…。
    これが正直な感想です。なんか…うん。
    でもサクサクと最後まで読めました。読後なんとも言えない、うわぁ…という気分になれる短編集です。

  • 短編集
    鈍いわたしにはピンと来ないものが多かった
    いろんな形の 恐怖 を 描いたものかな


    まえがきにある通り
    腹中の恐怖 は、たしかに後味良くはない

    何より一番驚いたのは
    読み終わってから作者 北川薫さんのこと調べたら
    男性だったこと!
    絶対女性だと思ってた、、書き口的に、、

  • 薄めの本だし、この後にがっつり分厚い海外ミステリを読むのでさらっと読んでしまおうかと思って読み始めたら…。
    ナメテテゴメンナサイ!
    盤上の敵とか時間シリーズとかその辺系かなぁ。
    まぁ好きですけどね!
    すうっと背筋が冷える雰囲気!

  • 北村薫さんは日常の謎というミステリの一ジャンルを確立させた偉大な作家で直木賞受賞もされ華々しい経歴でもある。何より素晴らしい文章力、人物描写、実はずっと読み続けている。作家の鍛錬の場とされる短編。しかしそれ以上に素晴らしい短編が生まれることがある。すごいなぁ、北村薫さんは。

  • ミステリーでもホラーでもないけど
    ちょっとした人間の怖さみたいなのが描かれています。
    私ホラーは読まないけどミステリー大好きだから…
    個人的には物足りなかったかな。
    .
    .
    『妊娠中の方は《腹中の恐怖》を読まないでください』
    ってまえがきがあった。
    恐怖って言うから覚悟して読んだけど、そんなでもなかった。
    確かに気持ち悪い。
    すんごく気持ち悪いけど、
    それは登場人物の思考がすんごい気持ち悪いだけで、
    実際こっちには関係ない。
    .
    “こっちには関係ない”
    …って思える人は大丈夫だと思う。笑
    .
    作家さんが男性で
    女性目線の文章を書いてる事を評価されてるけど、
    《腹中の恐怖》を読んで、
    そんなにわかってないなと思ってしまった。
    私には合わなかったみたいね

  • 女性の味わい深い一人語りの魅力と最後にショッキングな真実が待ち受ける北村薫さんの絶品短編集。『マスカット・グリーン』浮気の動かぬ証拠。『腹中の恐怖』怖すぎる我が子の前世。『微塵隠れのあっこちゃん』彼女は現代の忍者(くの一)なのか?『三つ、惚れられ』表の顔と裏の顔。『よいしょ、よいしょ』最悪な奴との再会。『元気でいてよ、R2-D2』そんなつもりじゃなかったのに。『さりさりさり』蛇が暗示する姉夫婦の微妙な関係性。『ざくろ』悲しい結末。明日は我が身と御用心。『スイッチ』育児に追われるしのぶさんの復活が喜ばしい。

  • まえがきから、怖い話なのかなと思いつつ読み始めたけど、いわゆる恐怖短編集とは少しちがう。『腹中の恐怖』とかは、そっちよりだろうけど。でも全体としてみると、恐怖というよりも、日常に出会う可能性のある心の暗がりを感じさせる話が多かったように思う。なかには、理解はできるけどピンとこないな、というものもあった。一瞬で夫の浮気を確信させ、世界が崩壊するさまを描く話とかは、小説として秀逸なのだろうけどさ。わかるけど、わかんないなぁ、という印象を持ったものだ。女性なら、違う印象をもったかも。

    『三つ惚れられ』は、たしかにぞくりとする印象はあった。表題作は、こわさよりも切なさが強い。『スイッチ』も、むしろいい話だろうな。『さりさりさり』は、前の段で述べたのと同じような感じでピンとこなかったといったところだろうか。

    あれこれ考えられ、また感じることができて、読んで楽しい本だったと思う。

  • 普段?の北村薫とは一味変わった毒の強い短編集。

    使いようによっては、言葉は呪いとなるのがよくわかる。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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