限りなく完璧に近い人々 なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?

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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033890

作品紹介・あらすじ

デンマークが世界一幸福? 世界一税金が高いのに? 高齢化、社会保障、移民、格差、地方衰退。北欧諸国も私たちと同じ問題を抱えている。なのになぜ? 『英国一家、日本を食べる』の著者が幸福度の秘密に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • 出版社(KADOKAWA)のページ
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    試し読み(もくじ、「はじめに」)

  • デンマーク、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンの各章で各国の(ある程度はステレオタイプな)国民性や社会問題を紹介して、「世界一幸せ」と言われる北欧社会の実態に迫る。日本から見ると、くらいで正確な場所も知らない人が多いであろうスカンジナビア諸国だが、(日本と同じような)排他的同質性社会であったり、アルコールの問題を抱えていたり、経済破綻を経験したり、油田を掘り当てたりと話題にはことかかない。

    マイケル・ブースは「英国一家、日本を食べる」などフードライターとして活躍したが、最近はこういう各国の世相や社会問題を紹介する著作が多いようだ。もう日中韓についても書いているので、読んでみるか。

  • イギリス人から見た北欧の話。
    賞賛されてもいるけれどそれなりに問題もあるよというところがきっちり載っていて公平だなーと思う。
    良いところ悪いところ、北欧といっても結構違いがあるなとかへぇ~~って読めて面白かった。

  • となりの芝生は青く美しい。ところがその芝生の上に立つと、まだらで決して綺麗ではない。

    北欧の国々が持つ課題の一部を知った。
    ウクライナ戦争で注目されている今なので、グッドタイミングな読書だった。

  • The author is an Englishman living in Denmark, which ranks first in the Life Happiness Index. He suspects that it is a mistake to say that the country that is dark, rainy, boring, and has the highest taxes in the world is number one. He said at the beginning that "this is another good thing to hide." This book describes the appearance of Scandinavia written by traveling to five Scandinavian countries. I have searched for the areas of "Denmark Riviera" and "Rotten Banana" that appear in this book.

  • 幸福度上位に位置する北欧ですが、決して楽園ではありません。
    そこで暮らす人々は、楽をして、好きなことをし放題で生きているわけではもちろんないです。

    それでも、”幸福”と国民が回答するのはなぜでしょうか。

    地政学的にロシアとヨーロッパの間で戦乱に巻き込まれ、沈まない太陽で寝付けない夜を過ごし、
    極寒の厳しい環境で耐えながらも、そこに生きる人たちは自分たちを「幸福」と考えています。

    社会主義的な色も濃く、高福祉とトレードオフの高い税金を納めながらも、
    周りの人を「信頼」し、「競争」という呪縛に囚われず、「生きたいように生きる選択ができる」という環境。
    それが北欧の国に住む人々を「幸福」と感じさせているのだと思いました。

    それらの考え方がフィットする人々にとっては移住すれば幸せですが、
    贅沢な暮らしや、派手な消費によって、自分が満たされる、と感じる人にとっては、合わないと思いました。

    無条件に「幸福」というのはなく、月並みな言い方ですが、それぞれの「幸福」が実現できる
    環境に身を置くことが大切感じましたし、幸せは国が用意するものではなく、個人が主体的に勝ち取るものだと思います。

  • よくある福祉国家紹介本かと思えば、さにあらず。北欧の「中」に住む(妻がデンマーク人)半当事者による抱腹絶倒のエッセイであった。
    勝因は徹底した「地に足ついた感」だろう。著者が実際に体験したことを中心に書き、それによってリアリティは抜群。人によっては散漫との印象を受けるかもしれないが、表裏一体の功罪と言うか、それも味だと個人的には思った。
    実際に体験したことしか書いてないのに、北欧5か国を網羅した構成もすばらしい。個人的に、世界で2番目に興味深い国(1位はパラグアイ)アイスランドに1章が割かれていたことに感動した。

    2021/8/9~8/11読了

  • 「英国一家、日本を食べる」の著者の奥さんはデンマーク人だったんですね。妻の願いもあってデンマークに暮らす著者が、北欧5国(デンマーク、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン)の社会を実際に見て、人々にインタビューして、英国人らしいちょっと皮肉なユーモアを織り交ぜながら描き出す。タイトルからすると意外だが、著者は北欧の社会を手放しで絶賛しているわけではない。「限りなく」という方に重点が置かれているのだ。北欧の暮らしは完璧に見えるが、実際にはその中身は多様だし、問題もないわけではない。税金が高いのはわかっているにしても、社会福祉は本当にそれに見合っているのか。デンマークの公共セクターは大きすぎ、それに依存しすぎているのではないか。デンマーク人のメンタリティは「ヤンテの掟」に現れているように、凡庸を尊ぶ島国社会なのではないか。アイスランドの社会はあまりに狭すぎ、腐敗を招いているのではないか。石油の富に潤うノルウェーの社会は継続的か。あまりに内気なフィンランド人はアルコールの問題を抱えているのではないか。そして北欧の兄貴分スウェーデンは全体主義的ではないのか。
    確かに楽園のようなともいえる北欧の暮らしも、完ぺきではない。日本と共通する問題点も多い。北欧が身近に感じられる本だった。

  • 北欧でのリアルな暮らしに興味があり、購入。

    北欧5か国。
    デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランドでの暮らしのリアルについてひねくれもののイギリス人が紹介する。

    このひねくれ者というのが大事で、北欧国家と言えば手放しに称賛される昨今だが、そういう過度な称賛は現実を歪めるかも。。

    というわけで、本書は時に多様なデータを論拠にし、時には歴史的な(英国人は歴史が大好きらしい)いいこと、悪いことをざっくばらんに語ってくれる。

    決して夢の国ではないが理想的とされる国家の生活を知りたいなら読んでみていいと思う。

  • 最近北欧が気になったので飛ばし読み。特にフィンランド。やっぱりうつ病多く酒飲み。その中でもラテン系はいると。なーるほど。いつか行くかもな…寒くない時期に。

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著者プロフィール

英国サセックス生まれ。トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト。2010年「ギルド・オブ・フードライター賞」受賞。パリの有名料理学校ル・コルドン・ブルーで一年間修業し、ミシュラン三つ星レストラン、ジョエル・ロブションのラテリエでの経験を綴った"Sacre Cordon Bleu"はBBCとTime Outで週間ベストセラーになった。

「2020年 『三頭の虎はひとつの山に棲めない 日中韓、英国人が旅して考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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