ギリギリ

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著者 : 原田ひ香
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034620

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ギリギリの感想・レビュー・書評

  • 寝る前に少しずつしか読めなくて、読み終わるのに時間がかかったけど、清々しいラストだった。
    亡くなった人の周りの人の、連作短編集という構成も面白いと思う。
    一郎太はどういう人だったのか、想像するのも面白かった。

  • (2017/1/10読了)
    予想に反して、穏やかな流れるような作品だった。私の中の井上荒野さん的な話なのだけど、主人公の健児の人柄のせいか、さらりとしていて、嫌な感じはなかった。
    タイトル「ギリギリ」を出すタイミングも、早くもなく遅くもなく絶妙。ラストもいい。
    強いて言えば、静江さんの変化には、もう少し時間をかけた方が良かったかも。
    原田ひ香さんの作品が、さらに楽しみになった。

    (内容)
    女性管理職として仕事に没頭する瞳。前夫の一郎太が過労死した寂しさをまぎらわすかのように、同窓会で再会した脚本家の卵の健児と再婚した。瞳と健児のもとには、一郎太の母親や不倫相手から細々と連絡があり、相談に乗ったり、一郎太の不在を嘆いたりしている。ある日、瞳はゴミ箱のなかから健児が書いた脚本の草稿を見つけ、自分が選んだ道に疑問を感じるようになるが…。

    (目次)
    アナログ
    モヒート
    スカイプ
    シナリオ
    ギリギリ

  • 駆け出しの脚本家、健児。夫の突然死の後、故郷の同級生だった健児と再婚するバリキャリの瞳。瞳の死別した夫(一郎太)の母、静江。一郎太の愛人、冴子。一郎太の影を引きずる彼らの心の内とは…。
    着眼点が独特で、相変わらず「読ませて」くれる人だな~と思いました。「原田ひ香」ワールドが心地よくて、先の読めなさがページを捲る手を止めさせてくれない。ちょっと不思議な関係性の均衡が少しずつ崩れていく過程の描写が絶妙だ。ユーモラスだけどところどころで切なくて。個人的には、ひょんなことから交流の始まった、健児と静江の関係性がほのぼのしていて好き。傍目には説明のしにくい関係ではあるが(何しろ一言では済まないし)、何となく互いを思い合い、つい頼り頼られなところが微笑ましかった。
    おっとりしていて優しい健児だが、彼も彼なりに複雑な家庭環境により心に空洞を抱えている。自身の収入が定まらないとはいえ、かつて一郎太と暮らしていた瞳のマンションに転がり込む形で再婚したことに、ある種の引け目を感じている。そして、瞳もまた亡き夫の愛人・冴子と定期的に気の進まない会食をしたりと、一郎太の存在にどこかで捉われている。亡くなったとはいえ、ストーリーが進むほどに一郎太のキャラクターの輪郭が少しずつくっきりしてくる。彼を盾にしてうやむやになっていたそれぞれの本音が明らかになっていき、心の内をさらけだしたところで、今の自分を見つめ直していく。
    ストーリーと同時進行で非常に興味をそそられたのが、健児の脚本家としての仕事シーン。原田さん自身の経験を存分に投影したのか微に入り細に入りリアルで、何度も繰り返される脚本の直しなど、ドラマとして成立するには想像以上の苦労があり、人手もかかっているのだなと今更ながら思った。静江から聞かされたエピソードがきっかけで生まれたこの健児の脚本が、瞳の心をざわつかせるきっかけともなるのだが、その絡ませ方もまた巧い。
    各章の4文字カタカナのタイトルがいいなと思っていたが、本のタイトルでもある「ギリギリ」のもう一つの意味に最後まで気付かなかった…鈍かったです。が、改めて「原田さん、お見事!」と思いました。

  • こういうのじゃないのがいいな.

  • なんて人との縁は脆さの上に成り立っているんだろう。
    最初のアナログで健児のやるせなさがどお〜んとのしかかってきて、スカイプのラストで静江の母の愛がたまらなくなって、だから瞳にも愛っていろんなかたちがあるからって言いたくなるけど…。
    一郎太、あんたが1番ズルい。
    みんな自由になっているようでとらわれている。
    悲しい縁です。

  • タイトルの意味が読了後にズッシリとココロに響いてくる素晴らしい作品でした。決して底抜けに明るいお話ではありませんが、どこか全体を通して、なんとも言えない陰めいた作風が原田ひ香さんの醍醐味だと思うので、ある意味期待どおりの雰囲気です。再婚した管理職の「瞳」と相手の脚本家「健児」の微妙な間柄が見事な描写です。「瞳」の義母「静江」さんが何より魅力的なキャラで、終盤に悩める「瞳」を励ますある決めセリフがサイコーにかっこよく、感動すらします。誰もが見てみぬフリをして、やり過ごそうとするリアルな描写に感服しました。

  • 健児さんイイですね。

  • 2016/2/17

    夫•一朗太を突然死で亡くした瞳、一朗太の母•静江、新しい夫•健児。
    三人の群像劇。
    切ない。悲しみから救ってほしいと思う気持ちは責められるものなんだろうか。静江と健児の不思議だけど温かい付き合い方に羨ましくなった。
    雰囲気もセリフも悲しみも温かさも辛さも、良い。

  • ギリギリってそういう意味だったのか。
    人と人っていろいろあって、おもしろいし、ちょっと悲しいこともあるし、なんだか良いな。

  • このなかなか見ない設定が原田さんぽくて、わたしはけっこう好きなんだと思う。

    他の作品も読んでみる。

  • 好きな作家さんの一人でたぶん全作読んでいる......ちょっと私好みの美人さんだし(笑)

    彼女の書く小説に登場する女性はちょと変わった人が多いのだけど、本作は意外とふつーの人なのかなぁ.......と思っていたらこの結末(笑)

    「やっぱ女性って何考えてるか、よく分んね!」って思っちゃうところが、私がいつまで経っても女性のモテない所以なのでしょうか (´・ω・`)

  • 夫を亡くした中学高校時代の同級生の瞳と再婚した健児。
    健児はシナリオライターの卵で瞳と夫の一郎太が買ったマンションに住んでいる。
    瞳はキャリアウーマンで年上の男性部下の対応に苦慮したり義母との関係で少し悩んでいる。
    一郎太の母である静江は、一度も外で働いたことがなく夫も息子も亡くして一人暮らし。つい瞳や瞳の新しい夫である健児に連絡し細々したことを頼んでしまう。

    こんな少し変わった関係の三人の視点から描かれる連作短編。


    亡くなった一朗太の存在が、よくも悪くも濃くて、瞳も健児も静江もどこかで囚われてる感じがあった。

    死んでしまうと少し、美化してしまったりもあるけど、死後に愛人の存在を知った瞳は本当に辛かっただろうし、亡くなった夫の母との付き合いもなんだか億劫だろうなと思う。


    静江は、息子を絶対的にいい子だって信じてたけど、ダメなところもあると認識し始める。


    健児のシナリオの仕事が忙しくなったり
    少しずつ状況やそれぞれの気持ちが変わっていき、三人はそれぞれの決断をする。


    瞳の決断は潔かったけど、ちょっと切なかったな。
    もちろん再婚が悪いわけではないけど、健児を選んだ理由は確かに、少し不純だったかもしれない。
    でも二人が楽しく仲良くできたのは事実だから、それはそれでいい気もするのにな。

    実際健児は、受け入れようとしてたわけだし…

    結局、関係の一番薄かった健児と静江さんが友達みたいな関係になるなんて、なんか不思議。


    人の出会いってなんだろう。
    タイミングって確実にあるなーと感じた作品。

  • 人生は小さな選択の積み重ねでできている。初めて読んだ人、心地よい、よい文章でした。

  • 夫と死別した女性と同窓会で再会した脚本家志望の主人公は、彼女のマンションに同居する形で結婚することに。彼女の元夫の姑とは、彼は意外とうまがあっていた。それを彼女は快くは思っていないようだったが。
    …彼ら3人に加えて、元夫の不倫相手が主な登場人物となっての複雑な人間模様を連作短編の形であらわした物語です。ドロドロはそんなにしていなくてサバサバした展開なのでそれほど重さはありません。けれど、どこか危うい、「ギリギリ」なバランスで保っていた生活は、やはり安定性がないだけに、良くも悪くも変化を迎えていきます。
    さらさらと砂がこぼれおちていくように、ささやかな変化だけれど止められない無力感、というのがよくわかるかたちで表現されていて、それは激しい怒りや悲しみでの対立よりも、どうしようもなさを感じるものだなあ、などと思ったのでした。
    設定はちょっと突飛ですが、話はとても繊細に人の気持ちが描かれていて、読んでいてじわじわと染入ってくるものがありました。

  • 義理で片づけられると少し辛かった。
    義理ではなかったと信じたい。
    でも気持ちは偽れないのか。
    少し自分勝手だと思った。もっとぶつかっても良かったのではないか。もっと幸せになってほしいと思う。

  • シナリオライターの健ちゃん、その妻瞳さん、瞳さんの亡き夫の母静江さん、3人の微妙な関係の物語。

    今回もまた、なんだか微妙な間柄の方たちのお話でしたね。健ちゃんと静江さんの関係なんて、普通なら有り得ないはずなのに、全然ありなのが、著者の書くストーリーなのねと、違和感なく読み進めてしまいます。
    頼りなかった静江さんが一人で立ち上がった姿を見た瞳さんが、自分の姿を見直し、今度は自分が一人で歩けるようになるためにした決断。瞳さんと健ちゃんの気持ちを思い、切なくなりました。

    著者の作品、大好きです。
    不思議な感性の女性達に、共感は持てませんが、好感を持ちました。

  • 健児と妻である瞳、瞳の亡くなった前の夫の母親の静江、三人の少しギクシャクした妙な関係。連作短編で綴られていきますが、この妙な空気感がとっても好きでした。

    特に健児と静江の関係が微笑ましく、関係ないけど関係あるし、親戚でもないけど全くの他人でもないし…、と微妙な距離感の付き合いがほっこりした気分にさせてくれました。

    クスッと笑えてちょっぴり泣けて、最後は少し淋しい気分になったけど、それぞれが前を向いて進んでいけてたし、スッキリした読後感でした。

    個人的にはこれ、続編を期待します。

  • 1人の男性の死を受け入れられずにいた女性たち。

  • 最後まで読んで、タイトルに込められた意味がよく伝わってくる。願わくば、2人が別れないで欲しかったけど…

  • 義理義理。
    血縁関係のない3人の交流。

    一朗太が過労死をして、妻の瞳はすぐに同級生の健児と再婚した。
    シナリオライターの卵の健児は、妻の死んだ夫の母の静江と、彼女のお手伝いも兼ねて会っている。
    息子に先立たれた静江の喪失感と、息子への愛。

    瞳は、一朗太が生前不倫関係だった冴子に、強い口調になれない弱さと、
    健児の優しさに感謝しながらも、それに甘えている矛盾を抱え

    シナリオライターの仕事が忙しくなる健児とすれ違う日々
    日本語教室やカルチャーセンターを通して、自立していく静江の孤独と力強さ。

    亡くなった人にたいして残された人がどうそれを受け止めていくか。
    瞳と健児が結局離婚してしまうのがちょっと切ないけれど、現実的な感じだとそうかもね。
    残念だなあ、という余韻)^o^(

  • 原田さんの著書は、私には当たり外れがある。

  • 妻の元夫のお母さん静江さんと親しく付き合っている健児。
    妻の瞳は、それに対してよく思っていないようだけれども、健児は人として静江さんが好きで、なかなか関係を断ちがたく思っている。

    登場人物はみんな普通の人。
    いいところもあるし、嫌な面もある。
    人の心の揺らぎがうまく書かれている作品だと思いました。

  • 〈ギリギリ〉とは的確ないい題名だと思う
    綱渡りの日々で、誰もが疲れている感じ
    見につまされる
    奥さんと前の夫と同級生だった今の夫と、前の夫のお母さん これが主な登場人物
    家族って避けられないってお話かな

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ギリギリの作品紹介

脚本家の卵である健児は、同窓会で夫と死別したばかりの瞳と再会し、彼女のマンションに居候する形で再婚。前夫の不倫相手や母親など、大切なひとを失った彼らの絶妙なバランスのうえに成り立っていた関係の行方は?

ギリギリはこんな本です

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