- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041035566
作品紹介・あらすじ
幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだノンストップ・ホラー!
最終選考委員のみならず、予備選考委員もふくむすべての選考員が賞賛した第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作。
感想・レビュー・書評
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怖いけどおもしろい!?気になる。やっぱり怖い。引き込まれて一気読みでした。
映画にもなっていたと知らなかったので映像でも観てみたいです。
はじめての作家さんですが、他の作品も是非読みたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
呼ばれても返事をしてはいけない。幼い頃、祖父の元にやってきた「ぼぎわん」と呼ばれるナニカが幸せなイクメン生活を送っていた秀樹一家に狙いを定めてやってくる。同級生の唐草経由でオカルトライター野崎&霊能力者比嘉真琴の協力を得て家族を守る為対応策を取ろうとするが…。始めは高名な霊能力者もさっさと逃げ出すとか得体の知れないじわじわした怖さが来る。秀樹の妻、香奈に語り手が変わると家族の中で熟成されていた闇が混ざり、そして野崎によって「ぼぎわん」の正体が立ち上がる構成が上手い。物理的な攻撃も怖いし忍び寄り方も背筋に来る。真琴の姉、琴子との対決も痛快でお手本のようなホラー小説。比嘉姉妹シリーズがあるので次も楽しみ。
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人が抱く怨念や憎悪の怖さと不気味さがじわじわ来ます!
でも面白かったです。
比嘉姉妹の活躍がシリーズ化されてるようなので、続編も読みたいです。 -
怖い…怖いんだけど、読むのが止まらない。
ホラーって怖がらせるだけじゃなくて、しっかり謎があって、それを解き明かしていくのがすごく楽しい。
ただ怖いんだよね。
シリーズのようなので、ゆっくり読んでみたいと思います。 -
2015年日本ホラー小説大賞受賞作。
三部構成になっていて、一部は田原秀樹の視点から描かれる”ぼぎわん”のわけのわからない怖さ。しかし確実にそれは秀樹を執拗に狙い、周囲の人間が襲われていく。一部の終わりは正直「うえっ」って声をあげちゃいました(褒めてます)。二部は秀樹の妻、香奈の視点で描かれる、娘の知紗に迫り来る”ぼぎわん”。ここで面白いと思ったのは香奈から見た秀樹の姿。ここだけでも褒められる(特に男性が書いたとは思えない核心をついた似非イクメン)。三部は秀樹に依頼されたことにより、結果的に”ぼぎわん”に深く関わることになるルポライター野崎の視点。野崎の恋人で霊能者真琴が動けなくなり、彼女の姉で真琴より強力な力を持つ琴子と共に”ぼぎわん”と対決するラストバトルが描かれる。
正直言ってしまうと、前半のわけのわからない「不気味さ」が良かったので、後半姿を現した”ぼぎわん”には恐怖を感じなかった(これは人によると思う)。古代より伝わる「忌まわしい何か」というのはよくある題材なんだけど、この作品で私がいいと思ったのは「近づいてくる怖さ」がちゃんと描かれているところ。それと電話がかかってくるとか、他人づてに「来た」ってわかる場面が最高に怖かった。なので、私がこの作品を高評価するのは前半に限って(後半は普通のホラー)。-
先日、談話室で好きな作家さんを教えて頂いたものです。
ぼぎわん、読みました。めちゃくちゃ面白かったです。読むきっかけを作ってもらってありがと...先日、談話室で好きな作家さんを教えて頂いたものです。
ぼぎわん、読みました。めちゃくちゃ面白かったです。読むきっかけを作ってもらってありがとうございます(*^▽^*)2023/06/05 -
こちらこそ、コメントありがとうございます。
私も澤村さんのことはニワカなので少し恥ずかしいですσ(^_^;)
短編集も面白かったので、h...こちらこそ、コメントありがとうございます。
私も澤村さんのことはニワカなので少し恥ずかしいですσ(^_^;)
短編集も面白かったので、hiroさんもよかったら。2023/06/05
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第22回 日本ホラー小説大賞受賞作。
審査員である綾辻行人・貴志祐介・宮部みゆき の御三方が大絶賛だったとのことで、あらすじもよく知らずに読んでみました。
現代が舞台であるけど、正体不明の何か妖怪的なモノに狙われるという典型的なホラー。
各章で語り手が変わり、ストーリーが進んでいく。
一章で夫目線の夫婦像、二章目で妻目線の夫婦像、それぞれ全然違って化け物よりもこっちの方が恐ろしかった。
三章で無敵そうな霊媒師がやってきて対峙するとこからガラッと雰囲気が変わってしまったのが期待していた展開と違ったけど、これはこうするしかなかったのかな。
あと、この作者の癖なのか句読点が多くて最初は読み辛かった。
私は心で声に出して読むタイプなので、しっかり「、」「。」で一旦区切るので読むペースがより遅くなってしまう。
最後の方ではそれも慣れてきたのでまぁいいのですが…結構楽しんで読めたので次作も続けて読みます。 -
映画化していることは知っていたが
原作の方がめちゃくちゃ面白いし、
最後までハラハラしながら読めた作品 -
怖い本ということで読んでみた(怖い本どこですか?は図書館の質問トップ)。すごく怖い訳ではないが、怪異が謎解きっぽい感じで話が進むので、読みやすかった。家族の子育てに関する心情などが入ってくるので、小学校だとまだ面白さの理解が及ばないかなぁ。グロい描写はあるけど不可ではない。
民俗学っぽいテイストがもう少しでるか、家族の思念のドロドロが押し出されるか、もう少し推し面が欲しかった。好みの種類の本じゃないけど、面白かった。 -
ぽぎわん、というおばけの話。第一章では、新婚のイクメンが襲われる話。第二章は、その妻と子供が襲われる話。第三章は、除霊師の比嘉琴子がやっつける話。
ぽぎわんについては、こわいぞこわいぞと脅かしつつも、ちょっと手を緩めて、あれ大丈夫じゃないか、と思せておいて、、、、ギャーという、まあ表現は稚拙ですが、ホラー映画だったり、ホラー系のゲームだったりの王道を行っています。
個人的には、新婚のイクメンのホントの姿が暴かれる第二章が好き。やっぱり世界で一番怖いのは人である。
ただ、この物語で一番強烈なインパクトがあるのは、比嘉琴子です。最強です。警察本部や政府にもコネがあります。全国の除霊師のボス的存在です。シリーズものらしいので、読んでみようかな。