二階の王

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.10
  • (2)
  • (12)
  • (29)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 137
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041035573

作品紹介・あらすじ

【第22回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作】
30歳過ぎのひきこもりの兄を抱える妹の苦悩の日常と、世界の命運を握る〈悪因〉を探索する特殊能力者たちの大闘争が見事に融合する、空前のスケールのスペクタクル・ホラー!

選考委員も驚嘆!
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破天荒な大風呂敷が広げられる。総合的な筆力では今回の候補作中、一頭地を抜いていると感じた ――綾辻行人
『悪因研』の活動が、すべて○○であったとしたら、かなり怖いサイコホラー。違った楽しみ方もさせてもらった ――貴志祐介
邪神との闘いという王道のモチーフに果敢に挑んだ力作。読了後、確かにタイトルはこれしかないと、しみじみ納得 ――宮部みゆき
===

 東京郊外で両親と暮らす八州朋子には、大きな悩みがあった。30歳を過ぎた兄が二階の自室にこもり、家族にも姿を見せない生活が何年も続いているのだ。職場で知り合った男・加東に心惹かれる朋子だが、兄のことは話せずにいた。
 そのころ、元警察官の仰木と6人の男女たちは、考古学者・砂原が遺した予言を元に『悪因研』を名乗り〈悪因〉の探索を続けていた。〈悪因〉は人々を邪悪な存在〈悪果〉に変えて破滅をもたらす。6人は五感で〈悪果〉を識別する能力を持つ者たちだった。
 〈悪果〉を嗅ぎ分ける男・掛井は、同じショッピングモールで働く朋子への想いを募らせている。そして、掛井の仲間・卓美がある症状を発症し……。

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クトゥルー神話を思わせる魅力的な異形描写や、「世界の命運を握る存在」という大掛かりな題材。
それらと不思議にも共存する、「ひきこもり」という現代社会的なテーマ。
日常感覚に立脚し共感性の高い、女性主人公ほか登場人物の心情描写のバランスにも注目の作品。
===

装画=藤田新策

感想・レビュー・書評

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  • 正確には3.5といった感じ。引きこもりがメインのお話かと思いきや特殊な設定が散りばめられていて、あまりこの手の話は好きじゃないんだけど意外にもスラスラと読めてしまった。文章が良く出来てるからかな、と。

  • 特殊能力者たちが世界を救う悪因と闘う、という苦手分野の物語。ただ、どちらが本当の悪で、誰が味方なのか、最後までモヤモヤしていて、そこは興味深かった。善悪は、絶対的なものではない。

  • クトゥルフ神話のシナリオみたいな展開で面白い。
    引きこもりの兄に悩む妹の生活も結構リアルだし、悪因研もそれぞれ感知できる能力が違うのが面白いなー、と思ってたらうまく活かされる前に全員知覚できるようになっちゃって肩透かしだった。

    でもともかく最後のどんでん返しは気持ちよかったし、格好良かった。

  • どこか世界に入り込めず、やっと浸れたと思いきやまた突き放され詳細もわからぬまま終わりました。

  • 日本ホラー小説大賞「ぼぎわん、が来る」の対抗馬だったということで読んでみたが、出だしの二階に引きこもった兄の話にしておけば良かったのに世界を救うという馬鹿げた連中が出て来て全く面白くなくなってしまった、こんな話なら漫画やラノベの奇想天外な話の方が面白い、もう面白くないので途中で放棄。この賞の歴代受賞作を見ても若干の秀作は見受けられるが傑作というものは見受けられない、かなり賞としてはレベルが低いようだ、恐怖小説は新人には荷が重いようである。

  • ひきこもりの兄の存在に悩む家族の話と、世界に破滅をもらたすモノと闘う話、

    日常と非日常、スケールの全く違う二つのストーリーが交互に語られ、次第にリンクしてゆく。
    荒唐無稽で「何言ってるの?」とツッコミたくもなるが、不思議と入り込んでしまった。

  • ホラー+ファンタジーの良作!登場人物が多く個性が薄いので、どんでん返しの驚きは薄いけど、世界観はかなり新しく面白い。クトゥルフ神話好きは楽しく読める。

  • ファンタジー色が強く、この「悪因」に馴染めないと結構辛いです、、。

  • タイトルも表紙のイラストの雰囲気もかなり好み。
    しかしこれは私が求めていたホラーではないなぁ。
    映像化したら面白そうだな、と。
    余り乗り切れずに終わりまで読んでしまいました。

  • 冒頭の意味がわからず、読むの断念しようと思ったが、頑張って読み進みてよかった!私も困った兄をもつ妹なので、朋子に感情移入できた。映像化したらおもしろいかもしれない。

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著者プロフィール

(なばり・いずみ) 1970年、東京都生まれ。明治大学卒業。現在、会社員。本作『二階の王』で第22回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉を受賞し、デビュー。ほかの著書に『マガイの子』『噴煙姉妹』がある。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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