KATANA (14) 波蘭之刀 (あすかコミックスDX)

  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041035795

作品紹介・あらすじ

刀鍛冶の祖父の付き添いで、ポーランドにやってきた滉。サーベルの魂魄と仲良くなるも、一向に日本刀の魂魄と出会えない。それには理由があって――。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでみてから、しみじみと感じたが、この『KATANA』って作品も、私の中で最新刊を気長に待てる漫画だ。なまじ、リアルタイムで読んでいないからか。基本、一巻に話を纏めてくれているので、大分、かまた先生に対して失礼かも知れんが、仮に、前巻の内容を半分くらい忘れてしまっていても、そんな困らないってのも助かるっちゃ助かる
    日本古来の美とは何か、そう問われたら、大半の日本人、外国人は日本刀と答えるんじゃないかな、そんな発想に至るが、あながち、安易でもないと思う
    今巻で、主人公・滉はポーランドを訪れている。アメリカやイギリスでなく、意外にも、日本への愛が強いポーランドを舞台に選ぶあたり、かまた先生のマニアックさを感じ、ますます、好感度が上がる
    皮肉な話だが、現代の日本よりも、外国の方が、日本刀の美術的な価値を高く認めている節はある。画や壺、人形と異なり、柄を握る人間の心が荒み、穢れ、悪の方向に傾いてしまっていると、日本刀は誰彼構わず、傷つけてしまう代物である以上、規制が厳しくなるコト自体は仕方ないと思うが、その雁字搦めっぷりで、日本刀の美しさまでも曇らせてしまっては本末転倒だ
    この『KATANA』って作品は、日本刀ってこんなに美しくて、深い世界なんですよ、と関わる楽しさを描いている訳だが、知識を高い位置から押し付けてくる感じは皆無なので、面白さを読ませるタイプと言える
    日本を内からでなく、外、しかも、かなり遠い位置から見た事で、滉はこれまで、漫然とでないにしろ、側にいる事が当たり前だと受け入れていた日本刀が、自分を作っているモノの中で大部分を占めている事に気付く。やっぱり、人ってのは、同じ場所に居続けると、自分ほど視えなくなるようだ。たまには、視点を変えて、自分を取り巻く環境を線の外側に立って見ると、意外な発見を得られるんだろう
    また、この巻では、ポーランド人が一から造った日本刀の魂魄が登場する。彼は自分の侍らしからぬ風貌に苦悩し、自分で自分を追い込んでしまっている。その姿に、自分と重なる、と感じた読み手も多いだろう。憧れ、こだわりを持ち、そこを目指すのは大いに結構。でも、憧れのモノにだってない、自分の良さが見えていなければ、必死に進んでも疲れてしまうだけだ。まず、必要なのは自分を自分として認めてやるコトか
    異国の地を踏み、異国の人の言葉を聞き、加えて、刀の魂魄を通して、自分を見つめ直した滉、今後の彼の人間的な成長と、刀職人としての発展が楽しみだ
    あと、お父さん、滉順さんのファンには申し訳ないが、小狗、ナイスアシスト、と褒めさせてもらいたい。決して誉められた行為じゃないが、結果的にはこれで良かったんだろう。滉順さん、お大事に
    この台詞を引用に選んだのは、滉の人間としての確固たる信念と、日本刀に関わる者としての矜持、そして、日本刀に対する理屈でない愛をしっかりと感じられたから。自分の本質を知ってくれている存在が、そこにいてくれる、それは当たり前だからこそ得難い幸福

  • 日本よりも海外で大事にされる日本文化。ヨーロッパに行くとそうしたものに出会うことが多い。幕末に、明治維新の混乱期に海外に流れ出てしまった多くの文化資産。

    刀は第二次世界大戦後のGHQの刀狩りにもあっている。

    流れ出してしまった文化をどうしていくべきなのかということを考えることも大事だなと思う。
    (刀に限らず、陶芸品、絵画も含めて)

  • 現在の日本に於いて、一部の熱狂的ファンにも支えられている日本刀なのかもしれませんが(私はゲームしないので詳細は不明)その方と元から居る刀剣ファンたちを除けば、確かに日本人は日本刀に対して、前向きな考えを抱いている人は少ない。
    5年以上前にこの本を購入するまでは、数々の歴史資料館等で刀を見ても「戦で使われたんだなぁ・・・」としか見られなかった。
    各部の職人さんが各々精密で芸術的な仕事をし、オーケストラのような調和があって、はじめて日本刀として完成する。
    刀工職人さんの仕事の素晴らしさを伝えるイベントの場所が、なんとポーランド!
    もっと日本人にもたくさん伝われば・・・と願います。
    一時期のブームにはしたくないし、なにより日本刀が立派な芸術品であることを、日本人自身が誇りたいですね。

  • 電子書籍にて

  • 面白かった〜。龍が可愛かった。

  • 双竜が可愛かったです!
    兎に角懐き方が可愛いそして、滉山さん流石です。
    ヨーロッパが舞台という事で、ヨーロッパ在住の日本刀が多々出てきましたが、博物館での扱い方や、ヨーロッパにおける日本刀の需要というか、まだまだ日本の中でも外でも知られていない事も沢山あるんだろうなと思わされ、ヨーロッパ内でもちゃんと愛されてるんだろうなと感じました。
    この先、この経験から滉がどう言う道を進むのか楽しみです。

  • 1冊まるまる番外編って感じ。おじいちゃんがおいしいところ握ってた(笑)なにその孫の隙を突いての小技。

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