D坂の殺人事件 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 1692
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037133

作品紹介・あらすじ

名探偵・明智小五郎が初登場した記念すべき表題作を始め、ミステリ要素を多く含んだ作品をセレクト。自らも数々の推理小説を書き、多くの推理作家の才をも発掘してきた巨人の傑作選をぜひご堪能あれ。

感想・レビュー・書評

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  • 地獄の道化師が特に怖かった。昔のミステリーは凄く興味深かったので購入。

  • 江戸川乱歩の短編集です。

    ・D坂の殺人事件
    ・二銭銅貨
    ・何者
    ・心理試験
    ・地獄の道化師

    私の中で江戸川乱歩と言えば「人間椅子」や「屋根裏の散歩者」のようなエロミステリーの印象です。
    もちろん小林少年率いる「少年探偵団」の印象も強くあります。
    「D坂の殺人事件」はD坂にある古本屋の美人おかみが殺害される事件で、普段から彼女の身体には傷がたくさんあったという噂が。
    殺人事件が起きた古本屋の様子を、主人公の「私」と明智小五郎が向かいの喫茶店で見ていて、その事件を推理し、解決していくお話です。
    明智小五郎といえば「変装」という先入観もあり、色々と考えを巡らせながら読み進めましたが、なるほど江戸川乱歩という結末に満足しました。
    「何者」「地獄の道化師」も良かったですが、個人的には「心理試験」が好きです。

  • アニメ「文豪ストレイドッグス」にどハマりしており江戸川乱歩が好きなのたが、実在の江戸川乱歩ってどんな人?って興味が湧いて著書を読むことにした。結果、面白い!!短編小説なんだけどどのストーリーも楽しく拝読した。100年近く前にこんな推理小説があったのかぁと感心!当時は非常に斬新な作品だったに違いない。名探偵が犯人を追い詰めるシーンが好き。江戸川乱歩の本を読む日が来るなんて思わなかったから、人生って面白いよねぇ。

  • 中学生長男に「D坂の殺人事件」が必要だったので図書館で取り寄せたら、こんな萌絵?みたいなのが来てしまって、私が読むのがこっ恥ずかしかった…orz
    最近の”名作”がどんどん萌絵になってますが若い読者獲得の役に立っているんでしょうかね。

    短編集。若かりし頃の明智小五郎がちょっと顔を出してくる。
    最初の「D坂の殺人事件」では無職の推理好きの25歳、次第に探偵として世間に名を知れていき、最後の「地獄の道化師」では探偵事務所を開き助手小林少年も出てきます。

    名探偵明智小五郎初登場。
    『それは九月初旬のある蒸し暑い晩のことであった。
    私は、D坂の大通りの中ほどにある白梅軒という行きつけの喫茶店で、冷やしコーヒーを啜っていた』
    美味しそうだなー”冷やしコーヒー”。アイスコーヒーよりも甘くてトロンとした印象。
    この冷やしコーヒーを啜っている語り手は学生上がりで無職でゴロゴロしている青年。
    同じようにゴロゴロしている明智小五郎というちょっと変わった男と知り合う。
    そしてたまたま明智小五郎の幼馴染の女の死体を見つけ、素人探偵として推理を行う。
    すると明智小五郎こそが殺人犯としか思えないではないか!
     /D坂の殺人

    投獄された泥棒の盗んだ大金のありかは?
    たまたま手に入った二銭銅貨に隠し場所の暗号が?!
     /二銭銅貨

    上流階級の邸宅で起きた殺人事件。
    素人探偵たちが繰り広げる各々の推理。
    最後に笑うのは…
     /何者

    金を溜め込んだ老女を殺す計画を立てた秀才貧乏学生の殺人に至った経緯と、その心理過程を見ぬき殺人犯を暴く名探偵…、と、ロシアかどっかの文学で聞いたようなお話を下敷きにした心理ミステリー。
     /心理試験

    すっかり名医探偵として認められ探偵事務所を開く明智小五郎の元に舞い込んだ依頼。
    石膏像から出てきた女の死体。
    誘拐、犯罪予告、放火…それらの影に現れる道化師の影。
     /地獄の道化師

    • だいさん
      最近の”名作”がどんどん萌絵になってますが

      役立っていると思う!
      最近の”名作”がどんどん萌絵になってますが

      役立っていると思う!
      2017/10/24
  • D坂にある喫茶店で明智小五郎と話していた私。向かいの古本屋の様子がおかしいと駆けつけてみると、店主の妻が絞殺されていた。私は状況証拠から明智が犯人だと推理する。明智が初登場する表題作など5編を収録した作品集。

    江戸川乱歩を読むのは小学校で読んだ少年探偵シリーズ以来。表題作や『二銭銅貨』など他作品や解説で知っていたので、満を持して再会できてよかった。短編から長編まで変幻自在。文章の密度、引き込まれる謎など100年近く前の作品とは思えない面白さ。『何者』『心理試験』『地獄の道化師』が好き。

    『D坂の殺人事件』
    古本屋の妻が絞殺された。入口も出口も誰かが出入りした形跡がなく、電燈にあった指紋は明智のものだけ。明智が出てきたのに犯人?!これ偽物だったりする?!などと翻弄されっぱなしだった(笑) 心理学的なアプローチもあって面白い。真相がわかるとそんな単純なことだったのかと思ったものの、人間同士の事件なんてこの関係に集約されるのかもしれないなとも思えた。

    『二銭銅貨』
    「あの泥坊が羨しい」という書き出しが秀逸。紳士泥坊が盗んだ賃金5万円。その隠し場所を示すかのような二銭銅貨と暗号の秘密とは?!短いのにインパクト抜群。暗号やそこからの推理にワクワクする。この二銭銅貨の正体って…など深読みしちゃったけど、それもまた遊び心の内なのかなと思うと面白いね。

    『何者』
    友人の屋敷に呼ばれたある夜に起きた強盗事件。金ではなく金製品ばかり盗んだ理由とは?井戸で消えた足跡、犯人はいったいどこへ逃げたのか。登場人物たちの奇妙な行動が意外な真相へと繋がっていく。まさに何者?!って思ってたら一本取られた感じ。なんとも言えない鮮やかなラスト。

    『心理試験』
    友人の下宿先の家主が隠し持っていた財産を奪い、その友人に罪をなすりつけた蕗屋。犯罪は上手くいきつつあったが、判事の心理試験に対応すべく四苦八苦する。あちらを立てればこちらが立たずというか、考えるほど泥沼にハマっていくのが皮肉だよね。最後は犯人と一緒にぼくも負けましたって頭を下げたくなる切れ味で見事だった。

    『地獄の道化師』
    列車に轢かれた石膏像から出てきた女性の死体。そこから始まる道化師による恐るべき連続殺人事件が描かれる。坂を転がり落ちるように移り変わる事件がスリリング。石膏像に埋め込まれた死体、送りつけられる道化師の人形などは不気味で背筋を凍らせる。しかし、それ以上に人間の狂気こそグロテスクで罪深いものだと痛感した。そんな中で明智が口にした罪とその由来についての話は心にじんわりと残る。因果を辿らず、相手を狂人と切り捨ててそこで終わらないために必要なことなのかなと感じた。

  • 1925年に発表された江戸川乱歩大先生の推理短編集!!日本が誇る名探偵明智小五郎の初登場作品!!100年近く昔に書かれたものやのに現代に通じるミステリー作品で「心理試験」の倒叙ミステリーなどいろんなパターンのミステリーを楽しめる!!

    なんか物語のレトロな感じも楽しめるし現代のミステリーに引けを取らないくらい内容の面白さでさすが日本のレジェンドは半端ねぇなって再認識でき
    る!

    ほんまに傑作って言われる作品は
    時間が経っても色褪せないどころか
    熟成されて大正レトロな感じが
    さらに良く感じれるなぁ〜

    名探偵「明智小五郎」初登場作品  
    ★★★★★
    大正レトロな空気感
    ★★★★★
    ミステリーの幅の広さを味わえる
    ★★★★★

  • 「D坂の殺人事件」
    「二銭銅貨」
    「何者」
    「心理試験」
    「地獄の道化師」
    明智小五郎。

    地獄の道化師は、子供向けの(少年探偵団の方て)既読。

    他の作品は読んでみたかったものばかりで、読めて良かった。

    「何者」は、ドラマでやってたのを思い出して、(池松壮亮か満島ひかり)そちらもまた観たくなりました。

  • 江戸川乱歩作品初めてちゃんと読んだ。
    最初は期待してたよりちょっといまいちかなと感じたけど読み進めたら前言撤回。
    心理試験と地獄の道化師が面白かった!
    これが大正〜昭和のお話なんて…推理小説の大家と言われるだけある!

  • いくつか青空文庫で読んだやつ入ってたけど文ストコラボカバーだったので買っちゃったよ(╹◡╹)♡
    江戸川乱歩先生は流石ですほんとおもろい
    文豪の中でもほんとに読みやすい
    地獄の道化師が1番好きだった〜

  • 明智小五郎といえばこれ

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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