エムブリヲ奇譚 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.86
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本棚登録 : 623
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037164

感想・レビュー・書評

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  •  読んでいて、すごく気持ちの悪い描写があり、トラウマになりそうです。

     それなのに読んだ後は、せつなくて優しい、そんな印象しか残りません。不思議な作品です。

  • 読みやすくサクサクと読み進められる連作短編集。



    耳彦がかなりのクズっぷりを発揮する「〆」がきつい。
    「地獄」は読んでいて元ネタはホラー映画好きにはアレだとピンとくるね。
    最後の章で迷い癖が単なる迷い癖ではないことが明らかになって驚く。

    とりあえず温泉に行きたくなりました、満足です。

  • 旅本を書く和泉蝋庵とそのお供をする耳彦が遭遇する怪異を扱った連作短篇集。
    人の情念が成るものが恐ろしさや憐れさをもたらす。少々単調に感じられる側面もある。
    「地獄」の描写がグロテスクできつかった。

  • 乙一さんの繊細な世界観が好きだなぁ。
    一つ一つの短編が短くてさっくり読めた。内容はそれぞれが濃くて、満足感がある。
    地獄という話では久々に乙一さんのダークな部分が全面に出されていて懐かしかった。
    私も不思議な旅をしてみたい。

  • こんな時間かけて読んだ短編は久しぶりでした。感情もみくちゃ…。各話での感情の厚みがありすぎて、逆にお腹いっぱいになってしまい、途中で「まだ半分くらいしかしか読めてない…!?」などと嬉しい悲鳴を上げていました。どれも好きでしたが、一度の大量摂取は無理でした。最高です。
    個人的に、耳彦が好きにも嫌いにもなれない両極端の存在でした。決してどうでもいいという意味ではなく。人くさいどうしょうもない浅ましさがありながら、かと言って徹底した悪党ではなく優しいところには心を打たれてしまうし、という。こいつを好きというのは癪だな…しかし今この行いに泣いてしまうほど心が動いたのは確か、悔しい…。ってずっと唇を結んでしまいました。
    各話の中で爪痕を残されたのは、〆と地獄の2話がダントツです。もう、助けてくれ。気持ちの置きどころがどこにも無い。
    切なさの達人、それが山白朝子名義ではやるせない切なさ、ダークな部分をありありと見せられて感無量です。人が理解しうるぎりぎりまで怪異を味わえて楽しかったです。ありがとうございました。引き続き続編も読みたいと思います。

  • 9つの連作短編集。
    どの話も奇妙で不可思議、そして時にはおぞましくもある。この世ならざる場所へと踏み込んでしまう蠟庵と耳彦の珍道中が面白い。
    特に好きなのが『ラピスラズリ幻想』と『「さあ、行こう」と少年が言った』
    好きというか、おぞましさ大爆発なのが『地獄』……そ、そんなに耳彦、悪いことしたかなぁ!?ダメ男だけれども、そんな酷い目にあわなくてもいいんじゃない??

  • 作者の前作は正に怪談だったけれど、こちらはお伽噺のような連作集。
    収録作品の中では「地獄」が好き。幽霊よりも、人間の狂気の怖さがいい。しかし、続刊を読むのはいつになることやら。

  • 幻想的すぎて、文章に惚れる

  • 913-Y
    文庫

  • 荒唐無稽な設定。最早ファンタジー。途中で中弛み的な感じもあったけど総じて面白く読んだ。最後はこれで賛成票を集められるものなのか?いやこれはファンタジーだから。ラストは予想通りだったが、そうこなくちゃ!

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著者プロフィール

怪談専門誌『幽』で鮮烈デビュー。著著に『死者のための音楽』『エムブリヲ奇譚』がある。趣味はたき火。

「2023年 『小説家と夜の境界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山白朝子の作品

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