エムブリヲ奇譚 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 623
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037164

作品紹介・あらすじ

旅本作家・和泉蝋庵の荷物持ちである耳彦は、ある日不思議な”青白いもの”を拾う。それは人間の胎児であるエムブリヲと呼ばれるもので…。迷い迷った道の先、辿りつくのは極楽の温泉かはたまたこの世の地獄かーー

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすくサクサクと読み進められる連作短編集。



    耳彦がかなりのクズっぷりを発揮する「〆」がきつい。
    「地獄」は読んでいて元ネタはホラー映画好きにはアレだとピンとくるね。
    最後の章で迷い癖が単なる迷い癖ではないことが明らかになって驚く。

    とりあえず温泉に行きたくなりました、満足です。

  • 旅本を書く和泉蝋庵とそのお供をする耳彦が遭遇する怪異を扱った連作短篇集。
    人の情念が成るものが恐ろしさや憐れさをもたらす。少々単調に感じられる側面もある。
    「地獄」の描写がグロテスクできつかった。

  • 乙一さんの繊細な世界観が好きだなぁ。
    一つ一つの短編が短くてさっくり読めた。内容はそれぞれが濃くて、満足感がある。
    地獄という話では久々に乙一さんのダークな部分が全面に出されていて懐かしかった。
    私も不思議な旅をしてみたい。

  • こんな時間かけて読んだ短編は久しぶりでした。感情もみくちゃ…。各話での感情の厚みがありすぎて、逆にお腹いっぱいになってしまい、途中で「まだ半分くらいしかしか読めてない…!?」などと嬉しい悲鳴を上げていました。どれも好きでしたが、一度の大量摂取は無理でした。最高です。
    個人的に、耳彦が好きにも嫌いにもなれない両極端の存在でした。決してどうでもいいという意味ではなく。人くさいどうしょうもない浅ましさがありながら、かと言って徹底した悪党ではなく優しいところには心を打たれてしまうし、という。こいつを好きというのは癪だな…しかし今この行いに泣いてしまうほど心が動いたのは確か、悔しい…。ってずっと唇を結んでしまいました。
    各話の中で爪痕を残されたのは、〆と地獄の2話がダントツです。もう、助けてくれ。気持ちの置きどころがどこにも無い。
    切なさの達人、それが山白朝子名義ではやるせない切なさ、ダークな部分をありありと見せられて感無量です。人が理解しうるぎりぎりまで怪異を味わえて楽しかったです。ありがとうございました。引き続き続編も読みたいと思います。

  • 9つの連作短編集。
    どの話も奇妙で不可思議、そして時にはおぞましくもある。この世ならざる場所へと踏み込んでしまう蠟庵と耳彦の珍道中が面白い。
    特に好きなのが『ラピスラズリ幻想』と『「さあ、行こう」と少年が言った』
    好きというか、おぞましさ大爆発なのが『地獄』……そ、そんなに耳彦、悪いことしたかなぁ!?ダメ男だけれども、そんな酷い目にあわなくてもいいんじゃない??

  • フォローしている方々が次々に読んでいて、じわじわ読みたくなってきていた乙一さん(山白朝子という筆名もあるんですね!)をついに読む。
    結果、とっても好みだった!奇妙さと切なさが絶妙なバランス。

    『湯煙事変』『顔無し峠』『「さあ、行こう」と少年が言った』の少し温かみのある切なさが、特に好きだった。
    グロ多めの『〆』『地獄』も、怖いもの見たさで読み返したくなる。

    • ロッキーさん
      aoiさん

      コメントありがとうございます!!
      乙一さん、遠ーーい昔に『ZOO』読んで以来で、すっごく久しぶりでした。
      山白朝子さん名義、と...
      aoiさん

      コメントありがとうございます!!
      乙一さん、遠ーーい昔に『ZOO』読んで以来で、すっごく久しぶりでした。
      山白朝子さん名義、とても良きですね!

      「切なさの漂う心地よいホラー」まさにでした!
      次何読もうかなーという感じですが、『私のサイクロプス』はぜひ読みたいです\( ˆoˆ )/
      aoiさんが読まれた、装丁ステキバージョンの本書も気になります!
      2023/04/15
    • ロッキーさん
      1Q84O1さん
      コメントありがとうございますー!

      もちろん1Q84O1さんの感想も読ませていただき、面白そうすぎてこの本を手に取りました...
      1Q84O1さん
      コメントありがとうございますー!

      もちろん1Q84O1さんの感想も読ませていただき、面白そうすぎてこの本を手に取りました!
      『〆』『地獄』グロいんですけど、めちゃくちゃ心に残りました…小豆ちゃん…!!

      続編もぜひ読んでみたいです!
      輪ちゃんがまた出てくるということで楽しみです。
      2023/04/15
    • 1Q84O1さん
      ロッキーさん
      私の推し小豆ちゃんがぁ~(TдT)
      耳彦!
      許さないぞ!ですw
      続編は輪ちゃんがメインキャラに昇格ですよ!
      楽しみに読んでみて...
      ロッキーさん
      私の推し小豆ちゃんがぁ~(TдT)
      耳彦!
      許さないぞ!ですw
      続編は輪ちゃんがメインキャラに昇格ですよ!
      楽しみに読んでみてくださいね(≧∇≦)
      2023/04/15
  • 作者の前作は正に怪談だったけれど、こちらはお伽噺のような連作集。
    収録作品の中では「地獄」が好き。幽霊よりも、人間の狂気の怖さがいい。しかし、続刊を読むのはいつになることやら。

  • 幻想的すぎて、文章に惚れる

  • 913-Y
    文庫

  • 荒唐無稽な設定。最早ファンタジー。途中で中弛み的な感じもあったけど総じて面白く読んだ。最後はこれで賛成票を集められるものなのか?いやこれはファンタジーだから。ラストは予想通りだったが、そうこなくちゃ!

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著者プロフィール

怪談専門誌『幽』で鮮烈デビュー。著著に『死者のための音楽』『エムブリヲ奇譚』がある。趣味はたき火。

「2023年 『小説家と夜の境界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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