彩雲国秘抄 骸骨を乞う (下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.51
  • (51)
  • (27)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 470
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037416

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計650万部突破の大人気シリーズ「彩雲国物語」。
その“真の完結編”がついに登場!
ここでしか読めない文庫特別書き下ろし95ページも収録!

『劉輝……大丈夫。私はいなくなったりなんて、しないのよ』
伝説の女性官吏・紅秀麗──彼女が彩雲国国王・紫劉輝の妃となり、母となった一年間を描く「氷の心臓」、稀代の暗躍者・凌晏樹の数十年にわたる愛憎を描く「北風の仮面」、「運命が出会う夜」、「風花」の4編に加え、劉輝の最後の道行きを描ききった、角川文庫版でしか読めない特別書き下ろし「秘話 冬の華」95ページも収録! 
著者渾身の傑作ファンタジー「彩雲国物語」真の完結巻。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 彩雲国物語に手を出そうと決めてから1ヶ月。
    本のページを捲る手は止まらずに、完結まで来てしまいました。

    この本に書かれている、劉輝の物語に涙が止まりませんでした。秀麗と劉輝の重ねてきた歳月、3人の側近たちそれぞれの王の支え方、自分がいなくなっても困らないようにと陰で劉輝を見守る秀麗、一目孫の姿を見ようと王宮までやってきた老婆。

    いろいろな温かい気持ちが流れ込んできました。

    「たくさん愛してたから、失っていっぱい泣いた。でもいっぱい愛したことが、いつしか寂しい穴を、ちょっぴり繕ってくれる。」

    思わず泣くくらい、感情移入するくらいの物語に出会えたこと。読書が好きでよかったと思えた物語でした。この物語の登場人物と作者さんにありがとうを伝えたいです。

  • 本編完結まで読まずに「骸骨を乞う」読みました。上下巻に漂う暗いイメージが本編より好きです。
    其々の登場人物の暗部を丁寧に書いています。

    「冬の華」はなんかもう切ないですね。でも暗いお話の中に「運命が出会う夜 悪夢の国試組」はぷぷっと笑えるので、箸休め的に良かった。前後編重いお話なので。ほっと一息つけた感じ。

    早く最終巻まで読んでまた1巻から読み直したいです。

  • 優しい物語だった。
    上巻以上に彩雲国物語の温かさを感じられた。
    特に氷の心臓はヤバかった。
    言葉一つ一つがどれも優しさにあふれていて、久しぶりに泣けた。
    上巻は旺季がメインなこともあってか、静蘭たちの情けなさが際立ってしまって、シリーズを思い起こすと淋しさを感じてしまったけど、秀麗が3人に話す言葉、3人が側近として劉輝を本当の意味で支え始める姿がとても良かった。
    読み終えることで、この世界が終わってしまうのが淋しくて長い間積読してしまったけど、この世界は決していなくならない気がした。
    早く読めばよかったー!またシリーズ通して読み直したくなった。

  • 本当に、仕えたいと思う王(人)というのは、人によっていろいろだろうけど、本当に仕えたいと思う王に仕えられる幸せは、何物にも替えがたいものなんだろうな、としみじみ感じた書き下ろしでした。
    時代が移り、懐かしい人たちが去って、新しい人たちが来て、残る存在もあって。どこかにみんないる。不思議で重層的な彩雲国物語の世界観が好きなので終わってしまうのは本当に寂しいけど、骸骨の後の書き下ろしが、いい終わり方だなと思いました。

  • 秀麗亡き後の秀麗の子供と劉輝のお話。
    秀麗の亡くなった時の話が、
    悲しすぎて泣いてしまった。
    秀麗の子供の話も書いてほしいなと思う。

  • 「北風の仮面」晏樹の旺季に対する感情が描かれてる短編。晏樹、秀麗をいじめる反面こんなことを考えていたのか。旺季をそんなに大切に思っていたのか。と思える作品。また、違う風に作品を読めるようになる一編。

    「氷の心臓」劉輝の心情と秀麗が劉輝の嫁に行き、そして最期を迎えてしまうところまで。劉輝の他人への思いかたが描かれているのと秀麗の劉輝への過剰なまでの優しさが印象的な一編。

    「風花」この小説のファンタジー感の代表例である仙と仙に仕える烏の話。かれらの目線だが、彼ら自身も何のために存在しているのかがよくわかつていないもいうもの。

    「悪夢の国試組」は、この短編集唯一と言って良いコメディ要素がつまった学園ものだった。話の中では戦争によるPTSDに悩まされる人も出てきたものの悠舜たちの同期組の仲間想いっぷりがたくさんつまっていた。

    「冬の華」は、劉輝の最期の近くを描く。劉輝と秀麗の娘の重華の旅路がメインであり、その旅を通じて重華か成長をしていく。話を進めるにつれて静蘭と楸瑛は先に逝ってしまっており、劉輝自身も床に伏しており、意識だけが娘と旅をしていたという話。そんな主上の居ない中、残された絳攸だけが、政を行い、国を治めている。悠舜以来の名宰相と呼ばれるようになった所も安心した。

    全体を通して、エピローグなだけあった悲しげな雰囲気の話が多かった。また、悠舜や旺季、晏樹に秀麗さらには絳攸といった面々の最期がわかるのも物語が終わった感があり、悲しい反面良かった。

  • 書き下ろしのために買ったんだよなぁ。

  • 個人的にはこれが本当の最終巻だと思って読みました。
    本編とは違い始終暗い雰囲気で話は進みますし、劉輝の人生を描いた物語は涙を流しつつ読み終えました。
    誰もが自分の大切なものを抱えて生きている、たとえそれが他人に理解されにくくても。
    ハッピーエンドの物語を希望する方には本編までを読むことをおすすめします。
    ただ、こちらも素直に感動しました。

  • 『骸骨を乞う』の上下巻は、彩雲国物語のどの巻よりも読むのが苦しかった。上巻の悠舜と旺季、下巻の晏樹は本当に重苦しかった。秀麗が出てくるとなぜか現実味が出て、ちょっと安心してしまうのが不思議な感じ。「運命が出会う夜」で久々に若い黎深や鳳珠が出てきて、ほっとさせてくれなかったら、最後まで読むのは辛かったかも。
    これで彩雲国物語はおしまい。ちょうど2ヶ月で20冊余り。家事をおろそかにしながらも、楽しみが続いた日々でした。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

茨城県生まれ。2002年10月「彩雲国綺譚」で第1回ビーンズ小説賞の読者賞・奨励賞をダブル受賞。03年11月、受賞作をもとに改稿執筆した『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』で作家デビュー。同シリーズは11年7月に本編が完結し、累計650万部を超える大ヒット作となる。他の著作に「レアリア」シリーズ、『エンド オブ スカイ』がある。

「2023年 『彩雲国物語 十六、 蒼き迷宮の巫女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

雪乃紗衣の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×