幻坂 (角川文庫)

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著者 : 有栖川有栖
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年1月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041038062

幻坂 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 不思議な気持ち

  • 「幻坂」って言うネーミングが見事だなと思った。
    あの世とこの世をつないだ坂。
    実在する大阪の坂をモチーフにした小説。でも実在の場所と言うことであやしい話もリアリティを帯びるから不思議。
    肝心の謎は謎のままで終わってしまうモヤモヤ感が妙な余韻となっている。
    ぜひ7つの坂を上って怪しい世界を感じてみたいなと思った。個人的には源聖寺坂が一番面白かったかな。

  • 大阪市の中央南北に伸びる上町台地。その西側に点在する天王寺七坂は、北から順に「真言坂」「源聖寺坂」「口縄坂」「愛染坂」「清水坂」「天神坂」「逢坂」と呼ばれ、その界隈には神社仏閣が連なり、寺町が形成される。本書は、そんな天王寺七坂を舞台に繰り広げられる少し不思議な人間模様を描く連作短篇集です。

    本書を読んだ後は、普段、何気なく上り下りしている坂道でも、何かいつもと違う風情を感じたり、どこかに物語を探してしまうことに。天王寺七坂からあまり遠くないところに住んでいるので、本書のような少し不思議な出会いに期待しつつ、ちょっと遠出の散歩がてら出掛けてみようかと。

  • 逢坂で泣いた
    自分は視えない人なのだが隣に亡き母が居てくれたらいいなと思った

  • 大阪の街の中央を背骨のように南北に貫く上町台地。この界隈は四天王寺をはじめとする寺町であり、大阪が「宗教都市」であったことを色濃く物語る。大阪は起伏の乏しい街というイメージがあるが、そもそも大阪は大坂と表記されていたぐらい、ちゃんとした「坂」があることを本書で知る。

    本書の舞台は上町台地の上に位置する生玉寺町と西麓に広がる下寺町、この2つの町を結ぶ「七坂」ー 真言坂・源聖寺坂・口縄坂・愛染坂・清水坂・天神坂・逢坂。

    著者は取材を通じて知り得た七坂の秘められた物語や歴史的因縁を巧みに取り入れ虚実入り交じる幻想譚に仕立て上げる。上京を拒む新進作家・ミステリアスな猫・いわく有り気な探偵…等、趣きのことなる9話。また京都・奈良に比べ、語られことの少ない、はるかなる大阪の歴史も、話の中にその故事来歴を絶妙に配置。あたかも米朝師匠のたおやかな語りを耳にしているような錯覚を抱く。

    この本片手に四天王寺さんをお詣りし、タモリさんに倣って坂探訪してみましょかね。

  • 2017年度大阪ほんま本大賞受賞作。大阪の天王寺七坂を舞台に、この世の人じゃない大切な人との物語が短編になった本。「天神坂」までの短編は好き。切なくて心に沁みいる感じ。小説家として華々しくデビューした男と同じく小説家を目指していた女が坂道で出会い恋が始まるが皮肉な運命で2人の仲は終わり女は亡くなる。自分の想いを伝えたくて男は2人が出会った坂へ向かう「愛染坂」や、不幸な事件で殺された男性と会うことができる神社の境内。でも結婚が決まりこの地を離れる事を最後に告げに行く「真言坂」は特に良い。ラストがほんと切ない

  • そういうテーマだからしかたないけど、ちょっと辛気臭いなーって思った。
    15年くらい大阪市内に住んでたのにこの坂のこと知らなくて、ほんとにあるんだろうかとグーグルマップで調べてしまった。
    あった。

  • ここのところミステリーばっかり読んでいたので物足りなく感じるかもなぁ・・と思いながら、「大阪の、馴染みのある場所が出て来る小説」というような宣伝文句とともに、大手書店で平積みで売っていたので、購入してみました。
    大阪のエリアごとに短編になっているのですが、なかなかコワイ話もあったりして、とても良かったです!なんだか惹き込まれますね、この方の世界観に・・・

  • 高校生の頃に「口縄坂」でよくスケッチをしていた。
    カメラを持って次々と現れる猫を撮ったこともあったので、親近感を持って読んだ。

    こんなにごちゃごちゃとした現代の大阪だが、ここは絵になる大坂の風景が残っている。
    不思議な感じの短編集だったが、日常からの延長でふとそんな世界に入ってしまいそうな気もした。

    芭蕉のお話「枯野」と最後の「夕陽庵」は時代がぐんとさかのぼり、文体も難しくなってくじけそうになった。

    また他の坂も歩きに行ってみよう。

  • 坂の町、大阪。西側から上町台地に登る坂道『天王寺七坂』とその周辺をモチーフにした、怪談短編集。

    どの章も、怪談といってもゾッとするようなことはなく、あぁ、こんなことありそうやなぁ、と、この地域を時々通りかかる私には妙な納得感のある、不思議なストーリーたちでした。

    最近よくある、ガサガサしてるだけの大阪のイメージではなく、人々の、穏やかで脈々と続いてきた暮らしの空気感が自然に描かれているような気がして、さらには、台地の上から臨む、遠く西に広がる海辺の煌めきと美しい夕陽が思い浮かぶ風景描写があったりして、ちょっと嬉しく、誇らしい読後感。

    七坂全部を踏破したくなりました。それぞれ、ほんとに普通の坂道なんだけど、近々お散歩しにいこう!そんな気持ちになりました。

    司馬遼太郎の『燃えよ剣』で、土方歳三が大事な人と束の間の時間を過ごした場面で描かれる夕陽丘、口縄坂、西照庵に家隆塚。それと相まって、勝手にいろいろググッときていました。

    今年の「大阪ほんま本大賞」受賞作品。

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幻坂 (角川文庫)の作品紹介

坂の側に咲き乱れる山茶花の花に、幼い頃死んだ友達を偲ぶ「清水坂」。自らの嫉妬のために、恋人を死に追いやってしまった男の苦 悩が哀しい「愛染坂」。大阪で頓死した芭蕉の最期を描く「枯野」など粒ぞろいの9編

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