刃鉄の人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 62
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040249

作品紹介・あらすじ

『風の市兵衛』の著者入魂! 書き下ろし時代小説、新シリーズ開幕!

鍛え抜かれた刃鉄のように純粋で強靱な、
孤高の刀鍛冶・一戸前国包、見参!

時は元禄。
一戸前国包は京橋南の弓町で刀鍛冶を営み評判を呼んでいた。
家宝の刀に魅せられて以来、武士の身分を捨て刀鍛冶に心血を注いできたが、ある時、本家を通じて老中格・柳沢吉保の配下から密命が下る。
武蔵川越領で村人を斬殺した旗本の子弟を斬ってほしい、と。
「天稟の素質」と言われた神陰流の達人である国包の下した決断は――。
孤高にして矜恃を失わぬ男の熱き生き様が胸を打つ、書き下ろし新シリーズ第一弾! 解説・北上次郎


「もしいま、書店でこの文庫本を手にとって迷っているなら、『ちょっと面白いよ』と、あなたの耳元で囁きたい。ただいま、そんな気分である。」(解説より)
――文芸評論家 北上次郎氏

感想・レビュー・書評

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  •  刀鍛冶であり剣の達人でもある一戸前国包の剣客物語。シリーズ第1作。
     舞台は元禄期の江戸。

          * * * * *

     いい脇役陣を配するところが辻堂魁作品の特長ですが、本作でも国包の娘・千野や十蔵・清順親子という魅力的な人物が脇を固めていました。そして皆、腕が立つのも気に入りました。今後の活躍ぶりが楽しみです。

     また、江戸期のお仕事小説を多く手掛ける辻堂作品らしく、刀鍛冶について興味深く描かれているのもよかった。

     ただ、かたき役の槍の達人・新左衛門が病魔に冒されており存分に腕を振るえなかったことと、シリーズ1作目ということで一戸前家の成り立ちの語りが所々に挿入されるため、少し退屈な展開となっていることが残念でした。

  • 江戸時代(元禄)の武士から刀鍛冶になった一戸前国包が本家から人切りの依頼を受け、お家のために使命をはたす。槍使いの斑目新左衛門との対決がストーリーに緊張感をもたせ、話しをもりあげる。馴染みのない刀鍛冶の厳しい生活が詳しく描かれている。

  • 今度は刀鍛冶のお話ですね。

  • 仇討ちをする側とされる側での食い違った話し合いを交互に描くので、国包は騙されて捨て駒にされるのか…!?とハラハラした。
    全体的に駆け足だったような気がする。家宝の刀剣はきっかけに過ぎなかったし、刀鍛冶であることは特に物語に影響していなかった。

  • 主人公と思っていた村の鍛冶屋金蔵が、なんと一章では90年後の子孫の刀鍛冶の国包が主人公になり話が進み、最初はうぅん⁉と思いましてが読み応えがあって辻堂さんだなぁ。
    良かったですね。

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著者プロフィール

(つじどう・かい)
1948年高知県生まれ。早稲田大学第二文学部卒。出版社勤務を経て作家デビュー。「風の市兵衛」シリーズは累計200万部を超え、第5回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞、ドラマ化でも好評を博した。著書には他に「夜叉萬同心」シリーズ、「日暮し同心始末帖」シリーズ、単行本『黙(しじま) 』など多数。本書は講談社文庫初登場作品『落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味』に続くシリーズ第二作となる。

「2022年 『山桜花 大岡裁き再吟味』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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