普及版 屁のような人生 水木しげる生誕八十八年記念出版

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041314

感想・レビュー・書評

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  • 漫画家水木しげるの88歳を記念して出版されたもので、エッセイや漫画で漫画家人生の集大成。美大に入ったのにそんなに上手く無い絵とか白土三平との逸話があったりと興味深い。40代直前の貧困の中で結婚し、その後10年で大人気漫画家になる。結構遅咲きだったんですね。漫画家ってこんな感じなのかな。随筆コミックの「余生」が最高に面白い。こんな余生最高です。

    草の葉一枚一枚から茅葺屋根の家の異様に書き込まれた背景に書き込みの少ないスカスカな感じのキャラクターの奇妙なバランス。中学の頃この魅力に気付き、ストーリーを楽しむというより一コマをじっと見ていることが多かったものでした。その奇妙なアンバランスとは作者そのものを表していることがよくわかる一冊です。読んだあと自分も何か書かねばという気持ちにさせられます。大好きな漫画家。

  • 全然屁じゃない、水木先生の人生。
    生い立ちから晩年に至るインタビューやコラムや作品をまとめた、分厚い一冊です。

    表紙の幼少時の水木先生の写真があまりにかわいらしく、図書館で即借りてしまいましたが、手元に置いておきたいので購入する予定。

    子供の頃から勉強には一切興味なし、昆虫だの新聞の題字だのを徹底的に収集し、まかない婦の「のんのんばあ」から妖怪の知識を吸収し、絵ばかり描いている「変わった子」だった水木先生。南方の激戦で片腕を失っても、明るさとタフさと創造力を失わず、ゲゲゲの天才として生きることができたのは、愛情深い両親と兄弟、家族、理解ある仲間たちのおかげですが、すべては水木先生の人間的魅力ゆえだと思います。

    それにしても小2ぐらいの時、アニメの鬼太郎しか知らなかった私が「墓場鬼太郎」を読んだ時の衝撃はいまだに忘れられません。怖いというより「すごい!」の一言でした。

    私が怖がりなくせにお化けや妖怪や異形なものを好むのは、こわくてもかわいい、こわくてもどこか切ない、そんな水木先生の妖怪たちの影響がめちゃくちゃ大きいです。

    一家に一冊!

  • 「屍のような」と読み間違えて借りた。ちょっとかっこいいと思って。家に帰ってよく見ると「屁のような」だった。こっちの方が水木しげるらしい。

    京極夏彦は水木しげるの弟子か何かなの?ゲゲゲの鬼太郎の解説を書いたり、水木しげるの自宅のコレクション室の陳列を手伝ったり(笑)。京極夏彦も読んでみようかな。

    水木しげるの昭和史を読んで興味を持ったつげ義春を、この間読んでみたら、見事にわからんかった。
    でも水木しげるが語るつげ義春を読むと、やっぱりつげ義春を読みたくなってくる。
    腱鞘炎になって、石のようにサマーベッドに寝そべっていたら、すずめがつげ義春の体の上に巣作りを始めたって…。つげ義春は地蔵か何かだったのかな。さすがに慌てたそうだけれど。

著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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