確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

  • KADOKAWA/角川書店
4.16
  • (208)
  • (220)
  • (73)
  • (16)
  • (7)
本棚登録 : 4128
感想 : 186
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041420

作品紹介・あらすじ

世界屈指のマーケター&アナリストが、USJに導入した秘伝の数式を公開。

ビジネス戦略の成否は「確率」で決まっている。
その確率はある程度まで操作することができる。

八方塞りに思える状況でも、市場構造や消費者の本質を理解していると、
勝てなさそうに見える局面や相手に対しても勝つチャンスのある戦い方、
つまり勝つ確率の高い戦略を導き出すことができる。
その戦略を導き出すのが「数学マーケティング」である。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『確率思考の戦略論』

    【0.購読動機】
    USJそして直近の西武遊園地の再生を手掛けた著者の考え方、ロジックを勉強したかったから。

    【1.学び】
    論理かつ数学的に体系化できることは、再現能力に直結するということ。
    そして、何よりも、7.の分岐が学べたことが大きい。
    やはり、認知が入り口となる。

    【2.戦略/事業会社が集中する範囲】
    ①プレファレンス/質
    ②認知/量
    ③配荷/量

    【3.プレファレンスとは?】
    ①好き嫌い。
    ②競合との相対で決まる。
    ③一人当たりの購買回数に影響する。

    【4.認知の重要性】
    エポークトセット/選択肢の原因となる。
    第1番目に想起されるが重要。

    【5.配荷の重要性】
    サービスを物理的に届けられるか?(サプライチェーン)

    【6.プレファレンスの伸ばし方】
    ①既存よりも新規顧客に重点を。
     理由は伸びしろが大きいから。
    ②原因、要素は3つ。
    1.ブランド資産
    2.製品パフォーマンス
    3.価格

    【7.販売促進から売上までの分岐図】
    ※認知あり、かつ購入可能、かつ購入経験あり、かつエポークセットという分子を大きくすること。
    ------------
    販売対象全体

    ①認知
    あり なし


    購入
    可能  不可能

    ③購入経験
    あり  なし

    ④ エポークトセット(選択肢)
    内  外

    購買頻度高くなる
    ------------
    【8.USJ。ハリーポッター投資前と後】
    (状況)
    ハリーポッター投資600億円
    関西→ゆえに関東で取材されない。

    (課題)
    認知 90%→9000万人知っている状態づくり

    (解決)
    話題づくり→オープン/6ヵ月前→本出版
    マス広告→SNSの順
    映画が見れる場所→「コンテンツ」がある場所へと変化
    インバウンド/政策→首相見学獲得。

    (結果)
    2010年 750万人
    2014年 ハリーポッター
    2015年 1,390万人

  • 1章
    プレファレンス(消費者のブランドに対する相対的な好み)を上げることに経営資源を集中させるべき
    →カテゴリー、ブランド、ブランド間関係(市場シェア)全てがプレファレンスに支配されているため

    これらがプレファレンスに支配されていることを示すためにモデルを用いているが、そのモデルを成立させるためにはいくつかの仮定が必要となる。ただ実際にそのモデルでの予想は実績と近いため、このモデル、ひいては仮説が正しいことを意味する。

  • # 書評☆2: 確率思考の戦略論 | 抽象的な話も多く個人事業への導入は無理

    ## 概要
    - 書名: 確率思考の戦略論
    - 副題: USJでも実証された数学マーケティングの力
    - 著者: 森岡 毅 and 今西 聖貴
    - ISBN: 9784041041420
    - 出版: 2016-05-31
    - 読了: 2020-09-16 Wed
    - 評価: ☆2
    - URL: book.senooken.jp/post/2020/09/17/

    ## 評価
    個人事業で新しいビジネスを考えており,その際の勉強としてマーケティングについて調べていた。Amazonのマーケティングのカテゴリーで上位にあり,引用・言及の多かったので興味を持って読んだ。

    USJの売り上げに大きく貢献した立役者である著者による,ビジネスマーケティングの方法論について書かれていた。

    市場を支配するのは,消費者のプレファレンスということで,これに的をあてたマーケティング戦略について書かれていた。書名にある通り,確率に基づいてやっているとのことで,ところどころに確率のグラフや数式がでてくる。

    最初の3章くらいまでは理解できる話だったのだが,後半から自身のUSJやP&Gでの事例や経験などの話が織り交ぜられながら,抽象的なよくわからない話が展開され,あまり理解できなかった。

    数字に熱を込めるだとか,予想は大きく外さないとか,抽象的な話があったり,書籍の内容に直接関係ないようなUSJでの奮闘録のようなものも間に入っていたのが,余計にわかりにくかった。

    本書の後半ではグラフのMを大きくすることを強調していたが,結局これも具体的にどうやればいいのかわからず,少なくとも自分には取り入れることはできないと思った。

    既に大中企業でマーケティングを担当していて,ある程度知識があるならば取り入れられるのかもしれないが,マーケティング未経験の個人事業主が取り入れられるようなものではなかった。

    ## 引用
    > ### p. 022: 3 市場構造とは何か?
    > 冒頭で述べた市場構造を形作っている「本質」を、市場構造に見える様々な現象の奥底から探してみましょう。それら市場構造を決定づけているDNA、あるいは震源とも言うべき「本質」は一体何でしょうか?いきなり核心の答えを申し上げますが、それは消費者のPreference (プレファレンス) です。プレファレンスとは、消費者のブランドに対する相対的な好意度 (簡単に言えば「好み」) のことで、主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定されています。

    本書の核となるプレファレンスについて説明されていた。

    > ### p. 034: 6 経営資源を集中すべきは、プレファレンスである
    > これらを結論づけると、「市場競争とは、1人1人の購入意思決定の奪い合いであり、その核心はプレファレンスである」という真理に辿りつきます。
    > ___
    > 市場の大きさは以下の式で計算できます。
    >
    > 市場の売り上げ=延べ購入回数×1購入あたりの平均購入個数×平均単価
    >
    > ここで競合と奪い合っているのは、延べ購入回数におけるシェアです。1購入あたりの購入個数や平均単価において、直接的な奪い合いが起こっている訳ではありません。すなわち、我々は購入意思決定の争奪戦を行っているのです。購入意思決定は、そのカテゴリーにおける消費者が持つ相対的なプレファレンスによって決まっています。我々が奪い合っているのは消費者のプレファレンスそのものなのです。

    直前で説明されたプレファレンスが重要な理由がここで説明されていた。

    > ### p.039: 2 戦略の焦点は3つしかない
    > 第1章で確認したように、ビジネスの売上は、自社ブランドに対する消費者のプレファレンスによって最大ポテンシャルが定まるのです。その最大ポテンシャルが「認知」と「配荷」によって制限されて、現実のビジネスの結果が決まります。ということは、市場規模が一定と仮定すると、売り上げを伸ばすためには、1) 自社ブランドへのプレファレンスを高める、2) 認知を高める、3) 配荷を高める、の3つしかないということです。
    > ___
    > 私の経験上、問題のあるビジネスのたいていはプレファレンス以前に、「認知」と「配荷」にわかりやすい大きな問題があります。
    > ___
    > 認知を伸ばすこと、そして配荷率を伸ばすことは、一番わかりやすくて確実性の高い勝てる戦なのです。

    プレファレンス以前の成果の出やすい部分として認知と配荷の重要性について説明されていた。

    ## 結論
    個人事業のマーケティングの参考になればと思って読んだのだが,結果として全く参考にならなかった。

    著者の背景が大中企業の幹部でいろいろ実務で関わってわかっているからこそできる方法だろうと感じた。

    背景の似た大中企業のマーケティング担当者なら評価が高くなるのかもしれないが,マーケティング未経験の個人事業主が取り入れるのは無理だと思った。

    後半などもいちいち細かいことを長ったらしく書いており,何がいいたいのか具体的にどうすればいいのか全くわからなかったのでパラパラめくって読み飛ばした。

    凡人が読んでも時間の無駄な本だと思った。

  • よく数学的な考え方は大事と言われたりするが、この本を読めば納得できる。途中ややこしそうな数式が出てくるが、本質を捉えられていればそこまで難しい話でもなく、むしろ理論を数式化する数学脳が問われるような内容。定数と変数の区別をつけることで、着眼点をどこにおけば良いかが見えてくる。逆にこの思考ができなければ、動くことのない定数をいじろうとしてしまうなど失敗の原因にもなりうる。

    ■勝てる戦を探す
    市場構造を紐解く上での最優先課題は勝てる場所を見つけ、戦う前から負けが確定している分野には手を出さないこと。森岡さんは人事育成の際も、強みを徹底的に磨き、弱みは捨てるという原則に立っているように、この考え方は戦略家としてのフィロソフィーなのだと受け取った。

    ■戦略の本質
    ビジネス戦略の本質は、Preference, Awareness, Distributionの3点に集約される。この3軸を徹底的に仮説検証することが確率の高い戦略にたどり着く方法。

    ■意思決定に感情は邪魔になる
    感情に惑わされない「辛いけど正しい意思決定」ができるようにならなければならない。森岡さん自身も感情を抑えることは得意ではないと述べており、マインドハックすることで誰でもできるようになる。

  • 図書館。


    p191・・・「我々は、種々の消費者データを使い現実を診ます。その際にとても重要なことは、「現実」と「認識」の間には必ずギャップがあることを予め知っておくことです。 
    我々の頭の中にある「認識の世界」と「現実の世界」の間には、どうしてもズレや誤差が生じるのです。「現実の世界」を知るには、現実をサンプル抽出したデータや言語などの「記号の世界」に一度翻訳しなくてはなりません。我々は現実の全体を直接診たり触れたりできる訳ではありません。その一部を「記号の世界」に通すことで、我々の頭の中の「認識の世界」を構成することができるのです。 逆の場合も同じです。(中略)文字と言う「記号の世界」に落とし込めるのは、頭の中にある我々の「認識の世界」のほんの一部に過ぎないのです。 しかし、それでも我々は「認識」と「現実」の間に、データや数字や言語といった「記号」を媒介させて、現実の世界をできるだけ正しく知るしか方法がないのです。そのためには、間に必ずズレが生じていることを知った上で、
    1)あらゆる「データ(記号)」の性格をよく理解し、できる限り現実に符号させながら読み解いていくこと。
    2)できるだけ多角的な「データ(記号)」を用いて整合性のある現実の認識を構成していくこと。
    この2つのアプローチしかないと私は考えています。」

    →日ごろ「言葉」について考えるときに、言葉にすることによって頭の中のものが陳腐になってしまう感覚にあることがあって、そのことともリンクする話だなと思った。
    また、最近、電力需給逼迫についての分析の記事を読んで、かつそれに対する賛否(?)の意見を読んで、感じたギャップも、このこととリンクするなと素人の不勉強者が言うのははばかれるが、そう思った。そのギャップを分断ではなく連帯に持っていこうとする中で課題解決に向かっていくのだろうし、その過程で先に出た「情緒を配して意思決定できるリーダー」が必要なのだなとも思った。森岡さんなら、エネルギー政策についてどんなロードマップを描くのだろう。電力、歴史、政治、経済、地方社会、雇用、科学…要素が多すぎる世界。森岡さんならどう考えるのか、気になるし、頼りたい気持ちも。
    さあ、今の自分は?へっぽこ。分析できるだけの技能と、課題とその周辺に対する知識と経験を積み重ねるとき。

    ・p117・・・「そもそも意思決定に際して必要な情報が8割も9割も揃うなんていうことは滅多にないのに、大局に影響のないもう少しの情報が足らないことを言い訳にして、決定を先延ばしにする上司を見たことはないですか?悩み困った顔で、以前に話したはずの論点を蒸し返し、議論をグルグル回したりして、なかなか決められない上司を見たことはありませんか?選択による結果が重大であればあるほどストレスは猛威を振るいます。自己保存の本能の強い人間は意思決定をしたくないのです。(中略)ほとんどの人間がそのような性質を持って生まれてきている(後略)」

    →その決断に巻き込まれる人が多いほど、それは顕著だよなあ。そりゃそうだよなあ、と。そのために、感情に左右されずに冷静に分析して、分析結果を割り切って検討して決断する必要がある、と。難しいけど、大切なんだよなあ。

    ・p120・・・「日本人は感情と理性を切り離すのが苦手な人が多いと私は感じています。意思決定に情緒が深く入り込んでいるのです。英語では、感情(Heart)と理性(Mind)を言葉で使い分ける人よりも「心-こころ」という1つの言葉で、その2つを一体として感じている人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか?(中略)情緒的なベクトルが入り込んで、目的に対して正しい選択肢よりも、できるだけ痛くない方向へ進もうとする。あるいは皆が納得しやすいように調和を重視するあまり、皆の意見を足し合わせて丸めた「落としどころ」を最初から考えている。それらは、本当に中長期的に全体にとって正しい意思決定なのでしょうか?」

    ・p126・・・「一見すると偶然に思えるようなビジネスの様々な「現象」の中から、「本質」を、つまり勝つための法則を見つけ出す技術が必要(中略)企業としては組織の能力としてそれができるかどうかということが問われているのです。私の場合は、そのために確率思考を使います。」

    →この後、ご自身が決して特別に頑丈なわけでも、何も感じないわけでもないこと。痛すぎて「人に好かれようなんてこれっぽっちも思わない」という鎧を着ることに決めたこと、USJに来てから毎冬のように血尿生活だったこと等、ご自身の心の中で暴れる激烈な感情といつも戦っておられたことが書かれていた。「マーガレット・サッチャーが実は感情豊かで人間味に溢れた女性だ」という彼女に近しい人の発言、そんな彼女が強い意志と訓練によって決断の際には自分の豊かな感情を押し殺していたこと。「情緒を配した正しい意思決定をすべく、卓越した努力を重ねて、「鉄の女」の異名を持つほどのリーダーに成長していった(p126)」ことについて触れていた。

    私は全くスケールは違うけれど、特に子どもが生まれてからは決断の軸をどこに置くのかを見誤りそうになることがある。子どものため家族のためと言いながら、自分のためでは?それは子どもの為と言いつつ、自分の責任を遠まわしに子どもに転嫁していることになりやしないか?と。

    適宜、どこに軸や重心を置くべき課題なのかを考えるようにしているつもりだけれど、なかなか感情や周りとの関係を考えると決断に時間がかかることもあり。そんなことにつながる話だなと思った。場面場面で冷静に考えたり学ぶ時間を持つ余裕が今の私には必要だし、そんなことを重ねていくことで、優しく強くあれるようになりたいと思う。

  • ■確率思考のマーケティング

    ■序章
    この人は自信満々なんだな。書き口はあまり好きでない。まあ本だからそこは無視すればいいか。
    数学マーケティングを学ぶことを目的としてて、ビジネスは確率で決まっていて、その確立はある程度のところまではコントロール出来るってことなんだね。
    マーケター及びストラジテストとアナリスト。おれにアナリストはたぶん向いてない。けどそれも知らないといけないというスタンスで読んでいこう。

    ■第1章
    •目に見えるものは現象に過ぎず、なぜなぜなぜと本質を捉えること。そしてそれはほとんどシンプルだということ。
    └そういうことを考える時間を確保することは大事なんだろうな。それを分析というんだろうな。まわりからみるとサボってるように見えるかもだけど。
    •で、それは消費者のプレファンス=相対的な好意度(ブランド、価格、製品パフォーマンス)ということ。すべてのものは消費者に縛られていると。いまやってるネット広告もそうなのかなあ。広告ってなんのためのものなのかとか考えてみてもいいのかもな。そうすると楽しさがわかったりして。

    ■第2章
    •ビジネスを拡大するには、プレファンスと認知と配荷だと。なるほどしっくりくる。広告はそのための手段だもんな。これはマーケティングの本だった。
    配荷とは、市場の何%の消費者がその商品を買おうと思えば物理的に買える状態にあるかという指標だそう。
    •そのバランスも実は難しいということなんだろうな。認知と配荷を試みた結果、プレファンスが減少するということもありえるから。
    •認知と第一ブランド想起率の意味合いの違い
    •caseとしてUSJのハリーポッターあげてたが、本の出版とインバウンド需要の安倍総理の来阪があったことをあげていて、あまりcaseとしてなりたってないんじゃないか笑
    •消費者のプレファンスを伸ばす戦略の話。MとKの式があって、Mは投票数のようなもの。それを伸ばすやり方は、水平と垂直がある。投票する人を増やすか、投票する回数を増やすか。
    •で、caseとして、USJの話。これはわかりやすかった。入場料金とかの兼ね合いが気になってきたけど。シンプルにMを伸ばすためには。を考え抜いた結果なんだね。

    ■第3章
    •マーケティングは出来るだけ確率をあげないといけない。
    確かに結局のところはやってみなきゃわからないのかもしれないが、実行する上で、その確率は担保できないとな。ただの実験じゃあるまいし、ビジネスなのだし。
    •認知率×配下率×過去購入率×エポークトセット率×年間購入率
    →目的)総世帯数×1年間に買う人×平均購入回数×平均購入額=年間売上
    •差別化などはあくまでMを増やすためのものだと肝に命じること。
    自己満になりがちだもんな、尖ることって。
    •製品パフォーマンスはリピートかトライアルかによって変わる。なるほどね。ぼったくりバーはトライアルにフォーカスした結果だわな。
    •「マーケターの仕事は値上げしながらもMを増やすこと」と断言してる筆者に感心した。
    プレミアムプライシングは、まわりまわって経済を良くするという背景のもとね。
    牛丼屋とかまさにその逆だよなあ。

    ■第4章
    •ここで急に実務的なビジネス論が展開されてきた。リーダー論とか。
    •左には冷静さ。右手には情熱。とこういうのは言われてきた。言われてきているということは、それはそうなんだろうな。その方法を知りたいとか思うけど、否応なくそういうものなのかもな。
    で、それをするしないを選ぶのは自分。そういう環境になったときに、するしないを一時的な気分で決めるのではなく、逃げずに決めていくということなのかもな。
    そういう環境にないときは、それはそれで良いのかもしれないとも思う。
    一時的な気分でそれを取りに行っても、本来の意志と反するなら、きっと自分自身では納得いかなくなって、トータルでみてうまくいかないということになる。
    と、最近は思っている。

    ■第5章
    •この章から7章までは今西さんによる市場調査の話。一度読んだだけでは理解できない。
    そういうものなのかと捉えておく

    ■第6章
    •需要予測の方法と実践について。これはテキストで読んでもある程度の理解までしかいかないな。こういういうのは自分で体験しないとわからないと思う。
    けど、ハリーポッターの例を読み込むことで、理解までは促進できる。知っているというところまではもっていける。
    •具体的なテストの例もあるので、じっくりと読み込むのも良い

    ■第7章
    •消費者データについて。気に留めておくべき大事なのは3つ。代表性があるか。必ず誤差を含むということ。聞き方や状況によってバイアスがかかること。
    •未来にかかわるデータは絶対値はあやしいが、相対値はわりと正しい。好き嫌いの順番は変わらないから。
    けど、注意も必要。値段による影響はどうか。選択肢が同等に比較できるか。票割れを起こさないか。
    •まとめをしっかり読んで理解するところからだな。言ってることはわかるという状態

    ■第8章
    •組織論。これまでの論を実行するための組織について説明している。
    こういうところまで説明するのは、きっと実務経験者だからできたことなんだろうな。

  • 森岡さん著「数学的フレームワーク」
    ○確率で決まる
    ○勝てる戦いをする、勝てない戦いをしない
    ○お二人の強み
    共通→数学
    森岡さん→戦略、主観
    今西さん→需要予測、消費者調査、客観
    ○コントロールしやすい領域、コントロールできない領域の見分け→資源をコントロールしやすい領域に集中→確率アップ

    1 市場構造の本質
    ○私の本質→DNA
    本質が全てを形作っている
    ○資本主義の本質→人間の欲望
    ○市場構造の本質→消費者のプレファレンス(消費者のブランドに対する相対的な好意度。ブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスによって決定。)
    ○カテゴリー=同じ目的で使用され、同じような方法で便益を与える製品サービスの集まり
    ○市場構造の本質→「消費者のプレファレンスによって決定される購買行動の仕組み」が、どのカテゴリーにおいても同じ。例 パンケーキと歯磨き粉と本の貸し出し
    ○仮説の証明=仮説に基づいた数式によってもたらされた予測がら実際に観測されたデータに合致→仮説は正しい、というアプローチ法
    ○ブランドも同様。消費者のプレファレンスによって決まる。例 ブランドAとBとC
    ○消費者視点の重要性が叫ばれている理由はこれ。
    ○市場シェアの大きさ
    市場の売上=延べ購入回数×1購入当たりの平均購入回数×平均単価
    市場競争(競合との奪い合い)→延べ購入回数におけるシェア=消費者の購入意思決定=そのカテゴリーにおける消費者が持つ相対的なプレファレンス
    ○プレファレンスを上げる=シェアを上げる→会社のパフォーマンスが上がる、利益率や配荷率や認知率売上上がる

  • 数式が並んでいるのかと怖気付いて積読していたが、なぜもっと早く読まなかったのかと後悔した。これはあくまで「数学的に考える」だけであって、必ずしも数式を読み解く必要はない。プレファレンスの奪い合いというシンプルな理解ができた点がよかった。戦略の落とし込み方も非常に参考になる。


  • 最初に一言。
    題名に「確率」と入ってるし、副題には「数学」なんて入ってるし、持ったらズッシリと分厚いし読むのタイヘンソウダナ…と身構えて読み始めた割には、数式に重きがおかれて「いない」本だった。数式も出てくるには出てくるが、きちんと日本語に翻訳されていて、数式を無視しても理解できる作りになっていた。


    数式を使いながら市場と対峙する「マーケター」と「リサーチャー」として長年ご活躍されているお二人が「日本社会のために」と書かれた著作。第一線のプロであっても試行錯誤しながら市場予測されてきた、ということがわかる生々しいエピソードと共に得られた知見がみっしり書かれていた。確かに日本はマーケティング弱いよなぁ…というのは全く関係ない仕事をしている凡人の私も感じるので、この本が広まるといいなぁ。以下、自分向けメモ。

    ・マーケターは数式を元に意思決定の提言をする人、リサーチャーは徹底的に客観的なデータを積み上げ分析する人
    ・自分自身に関しても会社の仕事としても、人間にできることは確率を「上げる」ことでしかない。最後は神様のサイコロ。
    ・Wisdom of Crowds、群衆の知恵、という現象があるらしい。予測に多様性と独立性があれば自ずと予測が正解に近くなる、という現象。だからダイバーシティが重要であり、多角的な視点から予測することが重要。

  • 市場構造の本質はプレファレンス(相対的な好意度)
    ∟ブランド・エクイティー
    ∟価格
    ∟製品パフォーマンスの3つによって決定されている

    購入候補の組み合わせをエボークト・セットと言う。
    ※100%の内、50・30・20の比率のように

    戦略、経営資源の配分先は
    Preference(好意度)
    Awareness(認知)
    Distribution(配荷)の3つに集約される。

    認知率は2つに分けられる。
    ・Aided Awareness(エイディッド・アウェアネス)
    ※USJを知っていますか?
    ・Unaided Awareness(アンエイディッド・アウェアネス)
    ※テーマパークや遊園地で思い浮かぶブランドは?

    数字を判断する時はファクトに基づいて冷徹に。
    伝えるフェーズでは熱量を持って。

全186件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

株式会社刀 代表取締役CEO

「2020年 『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森岡毅の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
佐々木 圭一
ジェームス W....
三谷 宏治
リチャード P....
マシュー・サイド
デールカーネギ...
ベン・ホロウィッ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×