校閲ガール (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041042205

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、今の仕事がやりたくて今働く会社に入ったのでしょうか?

    なかなかに胸を突く質問から入った本日のレビュー。さて、そんな質問にあなたはどう答えるでしょうか?

    昨今、日本という国の地盤沈下が叫ばれてもいます。日本という国が世界の頂点に本当に昇り詰めるのではないかと多くの人が信じたとされる80年代後半。そんな時代を遥か彼方に見やる今の現実を生きる私たちは、そんなことを聞いてもそれはおとぎ話のようにしか感じられません。

    そんな中で私たちの働き方も揺らぎ出しています。かつて世界の頂点に昇り詰めていくその時代には世界から羨望の目を持って見られた日本の独特な会社組織のあり方。今や、”24時間たたかえますか?”という栄養ドリンクの宣伝文句がパワハラに認定されかねないとはなんとも時代も変わったものです。この国では、多くの方は大学や専門学校を卒業後に会社を選びます。しかし、欧米諸国では会社ではなく、仕事内容を選びます。日本では希望した会社に入れれば就活成功!となりますが、欧米諸国では、より自分の希望に沿った働き口を目指して転職を繰り返します。会社に勤めるといってもその意味合いに大きな違いがあることが分かります。

    そもそも日本では、その会社で実際にどんな仕事をすることになるのかは入ってみなければわかりません。私も、そしてあなたもこの国で生きる限り”会社で働く”ということはそういうものと思って生きているはずです。でも、よく考えると何か変です。私たちは憲法第22条第1項によって職業選択の自由という権利を有しています。しかし、実際にはその仕事内容を差配するのは会社の人事部です。この国では憲法の保障があるにもかかわらず現実にはやりたいと思う仕事内容を自分の意思で決めることができないのです。欧米諸国の方がこの事実を知った時、そんな見せかけだけの自由しかないこの国のことをどのように感じるでしょうか?

    さて、ここに学生時代に、ある『ファッション雑誌』に憧れ『気合と根性』でその雑誌を発行する出版社に入社した一人の女性が主人公となる物語があります。かつて憧れた『ファッション雑誌の編集者』を夢見たその女性。しかし、その女性は『こんなはずじゃなかった』という今を生きています。『社内でもぶっちぎりで地味な、社員ですら具体的な生態を把握していない部署である校閲部』に配属された今を思うその女性は、『釈然としないままに』『真面目かつ完璧に仕事をこな』す日々を送ります。

    この作品は、そんな女性が、希望しない『校閲部』で鬱屈とした日々を送る物語。そんな日々の中でも、めげずくじけずに仕事に取り組む中で、さまざまな出会いを経験する物語。そしてそれは、そんな女性が 『初めて、仕事が楽しいって思ったの』という気づきの瞬間を見る物語です。

    『誰の原稿?』と、『隣の机で似たような作業をしていた米岡が顔をあげて尋ねた』ことに、『本郷大作』と応えたのは、主人公の河野悦子(こうの えつこ)。そんな悦子に『あー、エロミス。なあに、ムラムラしちゃったの?』と言う米岡に『うるせえガラスルーペぶつけんぞ』と返す悦子はコーヒーを淹れに席を立ちました。『ファッション雑誌の校閲班の様子を眺め』、『せめてあっちに行きたい。なんで自分はひとりで文芸の、しかもまったく得意でないミステリーの校閲をしているのか』と思う悦子。『紀尾井町に本社ビルを持つ、週刊誌と女性ファッション雑誌が主力の総合出版社』である景凡社に『新卒入社し校閲部に配属されて二年目の悦子』は、『景凡社のOL雑誌「Lassy」に載っていた「エディターズバッグ」に一目ぼれし』、『ファッション雑誌の編集者になるしかない』と思い就職活動に臨みました。そして、『「かわの」ではなく「こうの」と読む』悦子の苗字を見て、『人事部が「名前が校閲っぽい」というだけで配属を決めたらしい』という結果、『校閲部』に配属された悦子は、『こんなはずじゃなかった』という今を思います。部長に『まあ、まずは真面目に仕事をすることが重要だよ』と言われ、『釈然としないまま今も校閲部で真面目かつ完璧に仕事をこなしている』悦子は、それを『いつかLassy編集部に異動するため』と思います。そんな『悦子がここ数日担当している』のが、『「エロミス」と呼ばれる作品を書く大御所』の本郷大作の小説でした。『普通の本格ミステリー書いて』いたものの、『生き残れないからってエロ路線に転向し』たという本郷。そんな本郷は、『前回の校閲と同じ人で』と今回の校閲に悦子を指名してきました。『作家と直接のやりとりを行わないし名前も出ない』こともあり、それを不思議に思う悦子。そんな悦子は、『初校時に作成した物語のカレンダーとJR時刻表を見返しながら』文字を追っていく中に、『あ』と気づく瞬間を見ます。『主人公の移動時間がおかしい』。『何かトリックの伏線なのかとざっと読み返すが、伏線らしき箇所は見当たらない』という中、『すべて二〜三時間の誤差があ』ることを特定します。そんな悦子が見つけたこの誤差にまさかのミステリーな物語が始まりました…という最初の短編〈第一話 校閲ガール!?〉。悦子の人となりを見る中に、おなじみの登場人物が短い物語の中に勢揃いする好編でした。

    “ファッション誌の編集者になるはずだったのに、どうして私が校閲に!?出版社が舞台のお仕事エンタメ”と内容紹介にうたわれるこの作品。五つの短編と短いエピローグが連作短編を構成しています。そんな物語の主人公は景凡社という出版社で『校閲部』に勤務する入社二年目の女性社員という設定です。碧野圭さんの「書店ガール」、五十嵐貴久さんの「編集ガール」という作品を引用して、“私も書籍まわりの○○ガールというのを出したいと思ったけれど、あと知っているのが校閲しかなかった”と語る宮木あや子さん。私は、600冊の小説ばかりを読んできましたが、そんな小説がどのように出来るのかはよくわかっていません。本が出来るまでを作家さんの視点から見た作品に、額賀澪さん「拝啓、本が売れません」がありますが、編集者さんの存在は登場しますが、『校閲部』の存在は希薄です。では、校閲とは何をする”お仕事”なのでしょうか?この作品の各短編には、「大辞泉」、「大辞林」、そして「広辞苑」といった辞書にそれがどのように解説されているかの引用が掲載されています。巻末で〈解説〉の角田光代さんも引用されている「大辞泉」の記述を見てみましょう。

    『文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること』。

    なるほど、おおよそ私たちがイメージする通りの解答がそこにあります。この作品では、そんな校閲を”お仕事”にする人たちの姿が極めてコミカルに描かれていきます。そう、この作品は出版社の『校閲部』を舞台にした”お仕事小説”と言えます。出版社を舞台した小説と言えば、新しい辞書「大渡海」の刊行に向けて”俺はどうしたって、辞書を作りたい。俺の持てる情熱と時間のすべてを注ぎ込んでも悔いのないもの。それが辞書だ”と語る荒木の下に奔走する編集部の面々の姿を描く三浦しをんさん「舟を編む」が思い浮かびます。同じく三浦さんには、”社史編纂室がどう遠慮がちに言っても「左遷先」以外のなにものでもない”という部門に配属された面々が社史の編纂に邁進する「星間商事株式会社社史編纂室」という隠れた名作もあります。私たちは、○○さんの作品ということでそれぞれの小説を考えがちですが、作家さん一人の存在だけで小説が私たちの手元に届くはずがありません。三浦さんのこれらの作品でもそんな出版社の舞台裏を見ることができるわけですが、この宮木さんの作品では、ご本人が、”あと知っているのが校閲しかなかった”という、作家さんから見ても極めてマイナーな”お仕事”、私たち読者から見たら、その存在自体知ることすらない”お仕事”を垣間見れるのがなかなかに興味を掻き立ててくれます。

    そんな『校閲部』は、出版社の中でこんな風に位置付けられて紹介されます。

    『社内でもぶっちぎりで地味な、社員ですら具体的な生態を把握していない部署である校閲部』

    あなたの会社にも、それがどのような会社であっても、派手な部門が存在する一方で、地味な部門も存在するはずです。出版社の中で地味と認識される『校閲部』。そんな部門の”お仕事”について、幾つか興味深い記述が登場しますので、それを抜き出してイメージを描いてみたいと思います。まず、校閲作業自体は『校正刷り』のゲラというものに、要点を書き記していくようです。

    『ふたつ目の「血を流して」に傍線を引いたあとトルの二文字とクエスチョンマークを書き込み、「柔」と「か」の間に「?」と入れ、校正メモの「や」の欄にページ数を書き留める』。

    社内文書の校正で似たようなことは誰でも多かれ少なかれ経験されたことがあると思いますが、『校閲部』は、これ専門の”お仕事”ですので、

    『通常、仕事に慣れた校閲者が一日で完璧にできるのは二十五ページほどだとされている』。

    そんな風にひたすらに原稿に向き合うのは慣れない身にはギョッとしそうです。

    『校閲者が小説にのめり込んでしまうと誤植などを大量に見落とし、事実確認もおろそかになる』。
    『近づきたくても、どれだけ愛しくても、校閲者は「原稿」に過度の愛情を注いではならない』。

    読書をするのとは全く違う感覚で読み進める必要がある『校閲部』の”お仕事”。字句の訂正等だけでなく、記述の事実確認等も”お仕事”のうちで、実際この作品中には、そこに記されたまさかの事象を元に物語が展開するものもあります。そして、えっ!そうなの?と思うのが、

    『編集者と違って校閲担当者は普通、作家と顔を合わせたりしない』。

    作家と会うことがない、原稿というものを通してのみ作家と繋がる…確かに地味な”お仕事”であることがわかります。また、

    『読者と校閲の間には編集部がある。読者と関るのは編集で、校閲からは読者の顔が見えない』。

    こちらも淋しい気がします。本を読む私たちと繋がることもない。作家さんとも読者とも繋がれない、中間の”お仕事”。トンネルをイメージすると、入口も出口も見えない、まさしくトンネルの真ん中でのみ”お仕事”をされる、それが校閲という”お仕事”であることがわかります。もちろん、これはあらゆる職業に言えることであって、例えばそんな出版社にも必ず存在するであろう管理部門で働く人にとっても、作家さんや読者、そして原稿にさえ繋がる口は持ち合わせません。しかし、そんなそれぞれの持ち場の総合体として一つの組織が存在し、それぞれの部門の頑張りをもって一つの会社が成り立っていく、この作品で言えば一冊の本が出来上がっていくとも言えます。そんな意味でもこの世に出版されている数多の”お仕事小説”の中でもこの作品は、そんな出版の限りなく裏舞台を描いた極めてレアな”お仕事小説”と言えると思います。”お仕事小説”が大好きなあなたには決して見逃してはならない一冊ですね(笑)。

    さて、そんな『社内でもぶっちぎりで地味』な”お仕事”に日々取り組むのが主人公の河野悦子です。自身が学生時代に読んだ『OL雑誌「Lassy」』がきっかけで『ファッション雑誌の編集者になるしかない』と意気込んだその先に、同誌を刊行する景凡社に就職はできたものの、まさかの『校閲部』に配属され、さらに『なんで自分はひとりで文芸の、しかもまったく得意でないミステリーの校閲をしているのか』という疑問だらけの日々に鬱屈とした日々を送る悦子。不本意な人事配置に悩む主人公を描いた作品と言えば、大崎梢さん「プリティが多すぎる」が挙げられます。こちらもまさかの”中学生女子”を対象とした雑誌の編集部に配属された主人公・新見佳孝の苦悩が描かれていました。大崎さんの作品、そしてこの作品に共通するのは、そんな不本意な人事配置に苦悩する主人公を全体としてコミカルに描いていく点です。大崎さんの作品では、”中学生女子”対象の雑誌ということでの内容のカッ飛び感が、この作品では、悦子自体のキャラのカッ飛び感が物語を勢いよく引っ張っていくことで、作品が暗くなることが決してありません。不本意な人事配置に苦悩する主人公…というような設定をシリアスに描くと作品が重くなりすぎてしまうのを絶妙に緩和する効果がそこにあると思います。そして、この作品では五つの短編+エピローグで構成される連作短編が絶妙に展開されていきます。〈第一話 校閲ガール!?〉では、プチミステリーのような内容が綴られます。しかし、各短編この繰り返しかと思う読者の予想に反して、物語は悦子の恋模様を描いたり、同僚のファッションにまつわる物語が展開したりとなかなかに多彩で、読み終えるまで、一体次は何が登場するのか?と読者の想像を掻き立て続けてくれます。ここでは、敢えて各短編の概要説明も入れないことにしました。これから読まれる方には、あんな話、こんな話と基本的には『校閲部』を舞台に展開していく物語の数々にも是非ご期待ください。

    そして、そんな物語の中心に流れるのは、やはり”お仕事小説”の側面です。不本意な人事配置に悩む主人公の悦子、そんな悦子が『こういうことなのかな』という気づきを得る瞬間の到来。不本意な人事配置はあなたにも他人事ではないでしょう。誰にだっていつ何時訪れるかわからないその瞬間に何を思うのか。この物語で、主人公・悦子が気づく瞬間。それが、

    『初めて、仕事が楽しいって思ったの』。

    どんな感情がその感覚を導き出すのか。そんな感覚の先に何が待っているのか。納得感のあるその結末に、”お仕事小説”ならではの読み味を感じながら本を閉じました。

    『こんなはずじゃなかった、と研修後配属された部署に一歩足を踏み入れて思った』という物語の始まり。この作品には、出版社の中でも『ぶっちぎりで地味な』『校閲部』に勤務する二年目社員、河野悦子がとんがったキャラクター全開の中に極めてコミカルに”お仕事”の日々が描かれていました。『どうしてこんなことに。男は血に染まった自分の手のひらを見つめた…』と冒頭に描かれる文章をはじめ、各章に校閲の見本とするための”小説内小説”が登場するなど、非常に凝った作りのこの作品。宮木あや子さんの代表作としてシリーズ化もされているこの作品。

    今まで全く知らなかった校閲という”お仕事”の存在、そんな”お仕事”に就かれている人たちの存在。自身が手にする一冊の本が、いかに多くの人たちの努力の結晶として存在しているかを知る機会を与えてくれた、本を愛する人には是非知っていただきたい、そんな作品でした。

  • '22年9月1日、Amazon audibleで、聴き終えました。初めての、作家さんです。

    また、やってしまった(ᗒᗩᗕ)オッサンに似合わない小説を、楽しんで聴いてしまいました。なんか、恥ずかしい…でも、好きなんだから、仕方ない⟵(๑¯◡¯๑)

    連ドラになったそうですが…そちらは観てません。主人公を、誰がやったのかな?聴きながら、「北川景子さん?」なんて、イメージしてました。北川さんが、半分キレながら演じる主人公…楽しそうです
    ね!
    編集者のかれとの言い合いに、思わず笑ってしまいましたが…アフロヘアーとの恋愛は、僕にはちょっと軽やかすぎかな┐( ̄ヘ ̄)┌

    楽しく、聴けました。次の巻も、行ってみます!

  • 本好きなら一度はあこがれる職業、校閲さん
    そのお仕事の一端が垣間見られて面白かった
    この作家さんのモデルあの人では・・・と思い当たるような人もいて、責めるなぁと笑

    表紙イラストはちょっと可愛すぎ
    ドラマの強くてハイパーおしゃれな河野悦子が合ってたな

    「ア・ラ・モード」「トルネード」も読了

  • おもしろかった!河野悦子の毒舌混じった発言やツッコミに笑いながらも読んでると元気をもらえます。初めは犬猿の仲だった藤岩さんと、境遇や価値観も違うのに少しずつ親しくなっていく友情関係が良かったです!

  • 主人公の河野悦子に最初はあまり好感が持てなかった。
    見た目が派手で口も悪いし。
    しかしファッション誌への異動を願いつつも、地味な校閲部に配属されても腐らず、目の前にある自分の校閲の仕事にはキッチリこなし、更に自分なりの考えをもって行動できる(越権行為と評されたりもしたけど)。

    それに校閲という仕事を通して少しずつ成長していく。
    報われたとしみじみ感じているシーンなんかは、それだけ懸命に向かい合っていたんだなと感じたし、あれだけ馬鹿にしていた藤岩に対しても「すごいね」と素直に認められる。
    読了後には一貫したポリシーがあってカッコイイ女じゃない!と好感さえもてた。

    続編もあるようなのでそちらも読んでみたい。

  • 一度単行本で読んだのだけど図書館で文庫を予約したままになっていたのを忘れていて、もう一回読んだ。キャンセルしてもよかったのだけど解説が読みたくて。そうしたらやった!角田光代さんだった! しかも角田さんの書かれていた校閲者のエピソードってもしかしたらドラマに使われていたのでは!? 校閲ガールのシリーズを読み終えて思うのは、ドラマは細かいエピソードをところどころ本当にうまく取り入れてくれていたんだなということ。よくできているわ~。ってこれはドラマの感想か。とにかく解説含め、やはり大変面白かったです。

  • めちゃくちゃ読みやすくて面白かった。
    主人公の悦子はやたらと口が悪くて決していい性格ではないのに別に鼻につくこともなく…むしろ誰に何思われてもいいくらいの物言いは読んでてスカッとする。
    テンポもいいから悲観的にもならへんし…
    相手がどれだけ大御所の作家でも部長でも(部長のことエリンギ呼ばわりしてるしな)他部署の目上の人でも態度が変わらんのもいいな。
    実際にいたら友達になりたいかも。

    そしてただただ失礼な小娘ってわけでもなくて仕事はちゃんと完璧にするし興味のあることややりたい事への情熱も凄いし魅力的な人間やと思う!出た大学は決して良くはなくても頭の回転も早くて記憶力ずば抜けてるし。

    そういう悦子の校閲というお仕事ターンと、あとは作家さんとか編集との関わりやちょっとした事件と、個性豊かな周りのメンバーとの掛け合いと、そしてまさかの作家兼モデルとの恋愛と。色んな要素が短い中に詰め込まれてた。

  • イッキ読み。
    ドラマも好きだったけれど、原作のこちらもかなりおもしろい。原作とドラマとは雰囲気違うなと思ったけれど、原作の方が“毒”があって、私は結構好き。

    ドラマとは違う悦子の言葉遣いに多少イラッとはするけれど、スカッともする。なぜか嫌な感じはしない。
    ファッション誌の編集の仕事をしたいがために必死に校閲の仕事をする悦子だけど、エリンギが校閲に採用したのは正しかったよな―と思う。

    続編を読むのも楽しみ!

  • ドラマから。
    開いた瞬間思ったのは、なんて読みやすい文書!!
    という感動。
    ドラマはだいぶ設定変えて来ているんだなぁというのに最初は慣れなかった。
    悦子は新卒入社だし。森尾は同期だし。受付嬢は勿論セシルでは無いし(笑)何より藤岩さんが校閲じゃなくて編集者で悦子の同期なこと!(笑)あと是永のキャラが完全違う。

    最初はドラマとの間違い探しのような感じがしたが、読んでいけば小説の世界にすぐに入り込めました。
    ただ、ドラマから入ると、話が散らかったまましっくり終わらないんだなっという印象が出ました。勿論、ドラマで起こるような事が起こるのだけど、ドラマはそれにだいぶ加筆しているしドラマらしい盛り上がりとちゃんとした一話完結を用意しているけど、小説では「あくまで自分は校閲の人間」というスタンスな悦子がいるため物語は動かない。
    続きを読めばもう少しわかるのだろうか?
    とりあえず入りやすい文章なので初心者さんにもおすすめ。続きも期待します。

  • ドラマを観ていたので原作を読んでみた。
    読書好きには出版社勤務は憧れではないか。
    校閲という言葉は聞いたことあるけど、事実確認をしたりしてなかなか大変な仕事ですね。

著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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