拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 193
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041044650

作品紹介・あらすじ

優しい母として逝った依頼主、白無垢姿の花嫁、昵懇の間柄だったひと、心に怪物を抱えた女――四人の女性の存在とその顛末を中心に、多彩な顔を持つ「怪異」を収録した、拝み屋を生業にする著者による実話集!

感想・レビュー・書評

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  • 相も変わらず面白い
    今回は口の悪い話が少なかったのは少し残念だけど、泣ける話が多かった。
    多くを占める「ほのかさん」では先日亡くなった母を思い出し何度も泣いた。
    怖いのはほどほどに、泣ける話が多かったのはある意味良かった。
    こういう怪異もあるんだなって
    ラストはまさかのサプライズ。
    早く次巻を読みたい

  • 怖くて面白かった。

  • 甘さ無く締めくくられ、始まる怪異。

    「ほのかさん」の回は泣きっぱなしです。
    みんな優しい。あったかい涙。

    「美雪さん」の回もせつなかった。

    美雪さんがまもってくれていたから、「花嫁」も奥さんにはあまり手出ししなかったのかな。


    素敵な女性たち。

    怠けていたニートの女性も少しずつ歩みはじめました。

    そして
    「加奈江」─。

  • ★満点です!
    特に、かなえさんの回は全て電車の中で。。やられました。泣いてしまいました。
    改めて『花嫁の家』を再読したくなりました!
    これで角川ホラー文庫の郷内さんを全て読みきってしまいました。
    郷内さんの体調が早く良くなり、新しい本を出版してくれることを願うばかりです。

  • なんでこんなにこのシリーズおもしろいんだ!

    郷内さんの書き方うますぎだよ…‎߹ㅁ‎߹)♡



    よしよし…だんだん分かってきたぞ〜。
    シリーズの傾向が。

    前半、自身の体験を交えながら、依頼主や知り合いから聞いた怪異現象が沢山書かれている。

    後半になってくると、まるで小説の伏線回収のように一部が収束してくる。

    実話怪談なのによ?(°д° )
    小説の中のような出来事が郷内さんの周りで実際に起きているんです…(-_-;)怖い…。

    『花嫁の家』を読んだ時もそうだったのですが、初めて訪れた依頼人も、実は郷内さんに寄せられて来ている事が後から判明したり…。
    (本人も気付かない所で、郷内さんの関わる事象に引っ張られてきている。)

    『拝み屋』という職業柄、関わってしまうと厄介な事が多いようなので仕方ないのかも…とは思いますが、なんせ幼少期から不思議な体験ばかりしている方なので、もうこれは運命…宿命…?のようなものなのかも……(^▽^;)

    文字に起こして始末してしまえば成仏に繋がると言う。
    芸術はずっと残るので、広く知られ忘れられない事が本人達(様々な事象)の希望なのかな。(-ω-;)

    私は未確認生物(宇宙人とも言う)以外は基本的に否定派です。(๑¯∇¯๑)

    なのに怪談は好きだし、怖い…。

    信じていない筈なのに、風呂でシャンプーしている時や、夜中にふと目覚めてしまった時がめちゃめちゃ怖い……(-_-;)
    「しまった!」って、いつも後悔するくらい。笑

    そんな怖さを、本シリーズは毎回体験させてくれます……したいんかい(༎ຶ⌑༎ຶ)

    特に印象深かった話を何個かチョイスします。

    【禁忌を書く 前・後】
    基本的にこのシリーズは『花嫁の家』の執筆中に纏わる怪異現象が本筋です。
    禁忌を書いている期間、家に現れた白無垢の女。
    急に聞こえる笑い声。
    紛失する原稿——。

    郷内さん、よくご無事で……(T-T)


    【嗤う女 起・承・転・発】
    こちらも同じ期間中の出来事。
    郷内さんのファンだという女から深夜に電話がかかってくる。
    『朝子』と名乗るその女との電話の直後、どこからか女の笑い声が聞こえる。

    郷内さん、深夜に電話取って話聞いてあげるなんて、優しすぎん?笑
    それにしてもこの嗤う女シリーズは、後半とても耳が痛いところがあり、私生活を見直せねばと感じました。(^▽^;)


    【ほのかさん 続・完】
    このシリーズは泣けます。
    「泣きなさい」から始まるシリーズです。
    ほのかさんのお母さんが長い入院生活の上、他界。
    その後、郷内さんの元に訪れ、家族と関わっていく。
    ほのかさんは結婚し、2人の子供達と幸せに暮らしていたのだが、ほのかさんが癌と診断される。

    強くて優しくて、素晴らしい母親。
    郷内さんの気持ちも辛い……泣きました(´;︵;`)


    【来るべき災禍】
    次作に続くお話。
    『怪談始末』に出てくる、郷内さんにとても関わりが深い「少女」が出てきます。

    すぐに続編を入手したくなるお話です(^▽^;)

    ーーーーー

    人生は物語ではない。常に現在進行形で事象と結果が糸のごとく紡ぎあげられ、 死ぬまで編み続けられていく、果ての見えない一本のか細き線に過ぎないのである。
    延々と紡がれていく糸の動きを途中で止めることなどできないし、仕上がりの麗しい部分だけを切り取って、不要な部分を捨て去ることも不可能である。(本文より)

    ーーーーー

    次は『拝み屋怪談 来るべき災禍』

    もうすでに手元にございます——( ≖ᴗ≖​)ニヤッ

  • お盆の時期には怖い話をひたすら読もう!と決めて選んだ一冊。
    拝み屋怪談シリーズは、以前「逆さ稲荷」を読んでかなり心に残る後味を残した怪談だったので、その次にあたる本書を選んだ。
    角川ホラー文庫としては2冊目。シリーズを通しては4冊目のよう。
    これを読みながら先の2冊も発注した。

    実話怪談なのだけど、単発の話と思われていたものが最後の方でつながっているものもあって、一気に読んで良かった。
    家で1人で読むとかなり世界観にひたれます。
    花嫁の家への期待も膨らますことができた。

  • あったかい話多め。現実と向き合うことを強要してくる現象は、人によっては心霊より怖いけどめちゃくちゃありがたいのでは。

  • 『花嫁の家』を執筆中のお話がメイン。
    怖い所もあり、いい話もあり…。
    嗤う女…こわぁ。

  • 「花嫁の家」を執筆中に起こった怪異を綴った一冊。
    確かにあの話は色々と衝撃ではあったけど、書いているだけでこれだけ障りがあったことも衝撃だよ。
    花嫁の家だけ復刊されないのも障りかね?
    未だ中古価格もおかしい

    家の中で起こった怪異の1つ、押し入れを引っ掻く女..とんでもなく恐ろしく、不気味な存在なのかと思いきや..その正体に少し悲しい気持ちになる。

    そして再び桐島加奈江が姿をあらわして、この先郷内さんがどうなるのか、彼の心身は耐えられるのか凄く心配

  • 幼くして母を亡くし、自分もまた子を置いてこの世を去ろうとしている女性、因縁の続く白無垢の花嫁、若いころ親しい仲だった女性、自分の弱さから逃げ続ける女性、と4人の女性のエピソードを重ねながら、主人公の心情で一つに繋がれていく。

    「人生の一幕一幕にどれだけ大きな喜怒哀楽が生じても、どんな奇跡が起きたとしても、時間を紡ぎ続ける糸の動きは決してとどまることがない。いつか天命が訪れるその日まで、どこまでも粛々と続いていくだけのものである。
    生きるとは、人生とは、おそらくそういうものだと私は思う。
    (中略)
    結末は天命が潰えた先にのみ訪れる。 だから生きている限り、人生にハッピーエンドが訪れることなど絶対にないのだ」(288頁)

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著者プロフィール

1979年、宮城県生まれ。郷里で拝み屋を営む。
2013 年、「調伏」「お不動さん」の2作で第5回「幽」怪談実話コンテスト大賞を受賞。受賞作は『怪談実話コンテスト傑作選 お不動さん』に収録されている。著書に、最新刊の『拝み屋念珠怪談 緋色の女』(角川ホラー文庫)、『拝み屋備忘録 怪談火だるま乙女』(竹書房怪談文庫)のほか、『拝み屋怪談 怪談始末』をはじめとする「拝み屋怪談シリーズ」、「拝み屋備忘録シリーズ」、「拝み屋異聞」シリーズ(イカロス出版)がある。「拝み屋怪談」シリーズはドラマ化された。

「2021年 『拝み屋奇譚 災い百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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