喧嘩

著者 :
  • KADOKAWA
3.63
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本棚登録 : 394
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046210

作品紹介・あらすじ

建設コンサルタントの二宮は、議員秘書からヤクザ絡みの依頼を請け負った。大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐって麒林会と揉め、事務所に火炎瓶が投げ込まれたという。麒林会の背後に百人あまりの構成員を抱える組の存在が発覚し、仕事を持ち込む相手を見つけられない二宮はやむを得ず、組を破門されている桑原に協力を頼むことに。選挙戦の暗部に金の匂いを嗅ぎつけた桑原は大立ち回りを演じるが、組の後ろ盾を失った代償は大きく――。

感想・レビュー・書評

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  • 疫病神シリーズ第6弾。前作で二蝶会を破門された桑原と、暴排法施行後も細々とサバキを続ける二宮が、今回は政治家の汚職に挑む。相手はいろいろ変わるものの、基本、展開はワンパターンな感じで、ちょっと飽きた。もともと「破門」を読むために、シリーズを最初から読み始めただけで、この後はもう読まないかも…40を過ぎて、まともに仕事もせずに高齢の母親からお金をもらう二宮が限界…

  • 疫病神コンビの第六弾。『破門』の映画化もあり、楽しみに読んだ。
    この2人、本当に最悪最凶だけど最高のコンビ。丁々発止、というかああ言えばこう言う2人のやりとりが楽しくていつまでも読んでいたいと思ってしまう。
    破門された桑原と、相変わらずのらくらしている二宮のヤクザな事件解決(?)方法は、不当とわかっていても気持ちいい。
    桑原がかもすやけに育ちのいい雰囲気と、二宮のひたすらなお金頂戴攻撃とがうまくかみ合っていて本当の意味でのナイスバディ(ボンキュッボンではなく)なんじゃないかと思ってしまう。
    2人がみせる極道の世界の中でも絶対に曲げてはいけない部分に、世間にうごめく「偉い人たちの利権」嫌悪をぶつけてしまうからなのか。

  • 相も変わらずイケイケな桑原が政治家相手にかましていく。過去のシリーズから見て、プロットに大きな特色はないものの、安心して楽しめた。
    二宮に新たな恋の芽生えが次作にどう引き継がれるかがきになる。

  • 疫病神シリーズの最新作。大阪を舞台に元やくざ桑原と彼に頼らずには仕事をしていけない二宮のデコボココンビが活躍するストーリー。犯罪すれすれ(いやもしかしたら十分犯罪といえるのかもしれないが)の「仕事」をするこのふたりは普通にみればどうしようもないやくざな人間であるが、どうしても憎めないキャラクターを持っている。
    この小説はほとんど会話で展開していく。その大阪弁をベースにした会話の巧みさ、面白さ、会話だけで物語りが流れていく。ある意味落語のようにも掛け合い漫才のようにも感じられる。これは筆者の作品の類を見ない特徴だろう。
    テーマも議員と秘書等の裏の黒い仕事であり、まさにそういうことは現実にあるのではと読者は引き込まれていく。次作も楽しみなシリーズだ。

  • 疫病神シリーズ第6弾。
    建設コンサルタントの二宮と、破門処分となった“元ヤクザ”の桑原コンビ復活。高校時代の同級生で議員秘書の長原から、ヤクザ絡みの依頼を受けた二宮。解決策を模索するがいい案も出ず、やむを得ず桑原に相談する。当初の依頼の裏には巨大な利権が絡んでいたことをつかんだ桑原は、またも突っ走るが・・・
    コンビの掛け合い、軽妙な会話、二宮の独り言は相変わらず面白い。おなじみの面々の中、変わっていない桑原がよかった。この次もあるのだろうが、代も変わった二蝶会で今後の活躍(?)が楽しみ。

  • 「疫病神シリーズ」第6弾。前作『破門』で二蝶会を破門になった元・若頭代行のイケイケヤクザ 桑原保彦(いちおう堅気)と、建設コンサルタントの二宮啓之の相性最悪コンビが、政治家とヤクザの金を巡るごたごたに巻き込まれて、文字通りシノギを削る快作。
    今回の主な舞台は大阪北部。「北茨木市」はほぼ茨木市と読み替えてよく、茨木市で育った身としては親近感がわく(どこがや)。ヤクザも悪いが、議員と議員秘書がとにかく悪い。金に汚い。やることがえげつない。出てくるやつらことごとく狸!
    不景気で閑古鳥の鳴く建設コンサルタントの二宮は、アメリカ村の事務所の同じビルに事務所を開いたという高校時代の同級生藤井あさみに頼まれて、同じく同級生だった長原の頼みを聞いて欲しいと言われる。今は国会議員の私設秘書をしているという長原とは、ほとんど接点はなかったが、藤井がちょっといい女なので鼻の下を伸ばしたばかりに、厄介な仕事を引き受けてしまう。何が厄介かといって、最終的に桑原を頼りにせざるを得ないという、二宮にとっては最悪のパターンだが、物語はここから動き始める(あたりまえ)。
    破門されて組というバックボーンの無くなった桑原は、いちおう「堅気」を称してはいるものの、やることなすことヤクザそのもの。二宮は毎度生きた心地がしない目に遭いながらも、桑原の指図で動くしかない。桑原と二宮の大阪弁の生き生きとした遣り取りは、漫才のようでも落語のようでもあり、大阪弁ネイチャーなら苦も無く脳内で再生される。
    ヤクザよりやることがえげつない政治家と議員秘書相手に桑原と二宮はどれだけ金を搾り取れるか!そして、桑原の組復縁は?
    大阪府暴力団排除条例施行の折柄、ヤクザの「生きづらさ」も体感できる極道お仕事小説!夏の暑さも吹っ飛びますよ!

  • 今回のメインは選挙戦の暗部。お金のためにヤクザ絡みの仕事を請け負った二宮。結局頼るのはもちろん桑原で、いつも通りの掛け合いが始まります。前作で破門された桑原は後ろ盾がない分、少し元気がありませんが、もちろん本質は変わりません。いつも通りの展開をいつも通りにがっつりと楽しみました。ラストで状況が変わりましたし、次作も楽しみです。さて、毎回思いますが、二宮はもう40だそうで…もう少ししっかりしてください。お母様は優しすぎます。あと、シンクはダメです(>_<)水を流せば同じ、ではないと思います…

  • 薄いからあっさりしてたなー。

  • 1

  • 疫病神シリーズ
    建設コンサルタント:二宮啓之シリーズ 第6弾

    選挙の票集めでヤクザとのトラブルを抱える同級生の議員秘書から、二宮にその仲裁の依頼が入る。

    ヤクザの込み入った事情から、二蝶会を破門となった桑原に応援を頼むが、揉めているヤクザとの上部団体の組員と喧嘩し、引くに引けない状況へと。

    内幕は票集めの話だけではなく、議員及び秘書らによる利権漁りや金集めに腐心した者たちの事情が絡み合っていた。

    その腐れどもから桑原と二宮はシノギを獲ろうと奔走する。

    堅気になってもイケイケな桑原が暴れまわる。


    桑原はどこまでいっても極道ですね。

    前作品たちと比べると意外とあっさりしてたかも。

    まだまだ続きそうな終わり方で、次作にも期待します。

  • 疫病神シリーズ/ 破門された桑原がどう立ち回るのか/ まあこれまでのシリーズとそう大差ない内容/ 会話が増えたかな/

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    「売られた喧嘩は買う。わしの流儀や」建設コンサルタントの二宮は、議員秘書からヤクザ絡みの依頼を請け負った。大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐって麒林会と揉め、事務所に火炎瓶が投げ込まれたという。麒林会の背後に百人あまりの構成員を抱える組の存在が発覚し、仕事を持ち込む相手を見つけられない二宮はやむを得ず、組を破門されている桑原に協力を頼むことに。選挙戦の暗部に金の匂いを嗅ぎつけた桑原は大立ち回りを演じるが、組の後ろ盾を失った代償は大きく―。腐りきった議員秘書と極道が貪り食う巨大利権を狙い、代紋のない丸腰の桑原と二宮の「疫病神」コンビ再び。

  • 映画化以後、自分の想像していた人物像がぶれる。

  • 面白くて一気読み!政界、土建屋、ヤクザ、、、複雑に絡み合うカネ。。桑原は悪いヤツだけど憎めない、、、こんなにスッキリ分かりやすくてドロドロしてないヤクザ小背は初めて

  • 安定の面白さ。
    前回破門された桑原はどうなるのかと思ったけど、基本的にはそんなに変わらない。
    二宮も相変わらずでふたりの掛けあいは本当におもしろい。
    お互い嫌い合ってるのか好きなのか依存してるのか…なんともいえない腐れ縁感が最高。

    ストーリーは今回はあまりごちゃごちゃしすぎてなくてわかりやすかった。

  • 建設コンサルタントの二宮と極道の桑原による「疫病神」シリーズ第6弾。
    二宮は、同級生の議員秘書・長原からヤクザ絡みの依頼を請け負う。大阪府議選挙での票集めをめぐって麒林会と揉め、事務所に火炎瓶が投げ込まれたという。麒林会の背後には百人あまりの構成員を擁する鳴友会の存在が発覚。厄介な依頼に仕事を持ち込む相手を見つけられない二宮は、やむを得ず二蝶会を破門されている桑原に協力を頼むことに…。

    今作も、2人の掛け合いが軽妙で面白さ確定。よく食い、よく飲み、よく走る。
    桑原が破門されていることもあって、暴れ度合いは過去作ほどではないにしても、掛け合いのドライブ感でぐいぐい読ませてくれます。
    また、ストーリーが派手ではないものの、緻密に練られており、そのリアリティの高さには唸ります。

  • けんかと書いて、すてごろと読む。
    疫病神シリーズ最新作、2017年の初読みはこの作品にしました。
    前作の「破門」を読んで、その後が心配だった桑原さんですが、ストーリー上、立ち回りは少なめでしたね。
    内容の八割方が愉快な関西弁での会話(掛け合い)で成立していると言っても過言ではないので好みが分かれそうでもある。
    あの会話を楽しめないと、作品自体が面白いとは思えないですもんね。
    しかし、啓ちゃんのだらしなさに拍車がかかっていてちょっと…引きました。
    こんなんじゃ、いつまで経っても素人の彼女なんて出来っこないわ!

  • 『疫病神』シリーズ6作目。直木賞「破門」は超えられません。

  • 疫病神シリーズ、6作目。

    前作で桑原が破門になって今後のシリーズはどうなるのか?なんて思っていたけど、その心配は全く無用だった(笑)桑原のイケイケぶりは相変わらずだし、二宮も何だかんだ言いつつ、凶悪疫病神の桑原から金を引き出そうとする執着ぶりはまさに変態の領域。このコンビの会話劇はずっと読んでいられるワ。今後もシリーズが続いていきそうな終わり方で、一安心しました。

  • 関西弁の使い方の上手さに、つい読んでみたくなって、手に取った本である。
    前作を知らずに読んで行ったのだが、桑原と二宮コンビ。
    選挙運動の不正、学校の裏入学、やくざと議員の裏工作、、、きな臭い関係の中に二人が、はまり込んでいくのだが、、、

    凄く、怖いような威し文句に、議員選挙の票集めが、理解できなくて、読むのに手間取ったが、どすのきいた中、関西弁と、オカメインコを可愛がる二宮の言葉かけが、ホンワカとしているので、最後まで、読めた。

    市川海老蔵氏のケガの時に、半グレという言葉を初めて聞いたのだが、桑原が、復縁したとなると、このシリーズは、まだまだ続くのであろうか?

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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