おやすみ人面瘡

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 211
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046289

感想・レビュー・書評

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  • う~ん。

  • 『鬼畜系特殊設定パズラー』の異名を持つ著者の三作目。舞台は人の顔をした瘤が体中にできる奇病が蔓延した日本。かなりぶっ飛んでいますが、これといった欠点や矛盾は感じられないですし、徹底的に作り込まれていて好印象。
    また、人面瘡による推理合戦とどんでん返しの連発は予想の範疇をはるかに超えるので満足感があります。間違いなく一般受けしませんが、毎回こういう奇抜な本格ミステリーを描いて欲しいです。

  • えげつないなあ…設定が。
    なんというか、えげつない世界の中で本格ミステリをやって、中盤の二転三転から、えげつない真相と、ラストにも残るイヤな感じの作品ですね。
    正直、白井さんの過去作読むかなあとは思ってますが…

  • ◆「人間」を何と読むのかわからない◆

    なんか人面の瘤ができるウィルスが広まっているらしい。脳瘤、とか、人瘤病とかいうらしい。
    顔中にカエルみたいな顔の瘤ができるとか。

    キショイ。

    一度かかると治らないらしい。
    体中に、平均10いくつも出来るとか。
    勝手に潰すとドンドン増殖する。
    良性と悪性があるとか。
    悪性だと自前の脳まで冒されて廃人になる。
    良性だと共存出来るらしいけど、
    まさに”共存”らしく、
    人面瘡に脳と知能がやどり、
    勝手にしゃべりだす。

    ゲゲゲ。

    物語は、普通の殺人事件の本格推理もの。
    そのメインストーリーに、人面瘤の状況がうまくトリックとして挿入され、謎解きとなっていく。

    しかもかなりこだわりの謎解き。

    △ところで、
    ===========
    p60.
    文句を言いながら杖をついて歩くお母さんと一緒に、あたしはウシオの家へ向かった。
    ===========

    こだわりの謎解きものだから、
    三人称叙述の途中で、急に主観の表現出てきたりすると、よくある視点の入れ替わりの技法かな、と考えたり、伏線のひとつかもしれんと思って、注意してしまった。けど、ここの「あたし」がいちばんよくわからなかった。

    最後のエピソードをみても、
    これは伏線かもしれんと、注意を向けたのはいい線行っていたのだが、
    最後のエピソード自体が、
    何か会話が無理目な話のように思えて、
    ラストに少しがっかりした。

    だけど、アイデアと世界観が面白いだけでなく、人の哀しさもよく書いていて、達者だなーと正直に感心した。

  • これまでの二冊よりこれは「お見事!!」な本。前の二冊より設定に無理が無い(とはいっても…やはりえげつない…)それに、人物像が分かり易い。お約束の本格推理も楽しめたし、どんでん返しまで。
    先入観で読むことをためらっている人がいたら、是非おすすめしたい。

  • 2016/10/10読了

  • 身体に人面瘡ができるウイルスの存在する世界で起きる風俗店での火災と人身売買、田舎の中学校の周りで起きる暴行事件と殺人事件が結びつき話は思いもしない結末へひた走る――。
    作者お得意のグロテスクな特殊設定と描写、閉鎖的で陰惨な暴力に振り回される子供たち、意外な探偵役、作者の既発作品からのネタなどがこれでもかと散りばめられており大変楽しい作品だった。
    特に好きなのは人面瘡による多重解決シーンとあのキャラクターの再登場(?)シーンか。そして今回の特殊設定である人面瘡を利用したトリックは、作者の同人誌作品のトリックを彷彿させニヤリとさせられた。

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著者プロフィール

1990年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作で2014年にデビュー。『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』は「2021本格ミステリ・ベスト10」で第3位。他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。衝撃的な作品で読者の度肝を抜く、気鋭の本格ミステリ作家。

「2022年 『お前の彼女は二階で茹で死に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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