屋根をかける人

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著者 : 門井慶喜
  • KADOKAWA (2016年12月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047507

屋根をかける人の感想・レビュー・書評

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  • 単身来日した建築家ヴォーリズの物語。
    何事にも情熱を傾け無駄のない合理的な洋風建築を次々に建てる。
    日本人以上に日本人の彼は、戦後の天皇制維持に訴え、やがてさる御方との対面を果たす。
    日本とアメリカを結び、双方に大きな屋根をかける!
    戦後の天皇制にこんなにも大きく関わっておられたなんて‼
    あの朝ドラで有名になった広岡浅子氏との出逢い。
    その繋がりで結婚した満喜子夫人も素敵!
    満喜子夫人の物語も読んでみたい!
    勿論ヴォーリズの現存する建築物も見てみたい!

  • 門井慶喜『屋根をかける人』角川書店。ウィリアム・メレル・ヴォーリズという、アメリカから日本に移住し、後に帰化した実在の人物の波乱に満ちた生涯を描いた傑作。最初から最後まで非常に面白い作品だった。

    冒頭に描かれる近江八幡での英語教師時代のメレルは夏目漱石の『坊っちゃん』を彷彿とさせ、伝道師としてのメレルは宮澤賢治の如く、建築家・実業家としてのメレルは百田尚樹の『海賊とよばれた男』の国岡鐡造を彷彿とさせる。つまり、メレルはそれだけ魅力ある人物として描かれているのだ。

    日本人よりも日本人らしく、最後まで己の信念を貫き通したメレル。今日の日本があるのも、日本と日本人のために尽くしたメレルのお陰だろう。終盤の昭和天皇にメレルが謁見する場面には震えた。そして、長く深い余韻を残すラスト…

    蛇足になるが…

    驚いたのは自分の住む福島市にメレルの足跡が残っていたことだ。メレルが初めて設計を手掛けた福島教会の日本で最初の礼拝堂である。残念ながら2011年の震災で被災し、現在は新しい会堂に変わっているようだ。たまたま手にした本作だが、不思議な縁を感じた。

  • 激動の時代の日本にあって、今もなおあちこしにその足跡を残す一人のアメリカ人。
    伝道師として、建築家として、商人として、そして現代日本の一つの基礎を作った人として、その偉業の大きさに比してあまりにも知られなさすぎるような。
    大同生命や、びっくらぽんやら、メンソレータムやら、マッカーサーやら、とにかくあちこちに彼の人生のかけらが残っている。
    アメリカ人として戦中の日本で生きることの困難さは想像に難くない。信仰を捨て、国を捨て、名前を捨て、それでも受け入れられない理不尽ささえも飲み込んで生き抜いた彼がかけた屋根は今も日本とアメリカの両国をつなぐ。橋ではなく屋根。屋根は冷たい雨も、刺すような日差しも、さえぎってくれるのだ。

  • ヴォーリズといえば、残念なことに取り壊されてしまったけど大丸の心斎橋店や明治学院のチャペルを設計した人、近江兄弟社の創始者というくらいは知っていたけど、まさか建築学については素人同然だったなんて知らなかった。キリスト教の伝道者として来日し、神に仕え、日本とアメリカの架け橋ならぬ建築家らしく屋根をかけるという、理想家な面だけではなく、『何とかなります』が口癖で商売上手な合理的な人としてチャーミングな面が描かれていて面白かった。戦時中の話は胸が痛くなりました。ただ、来日から天に召されるまでを365頁で描いているので、駆け足になっている感は否めませんでした。

  • 深い本だった。オススメ。

  • 太平洋戦争開戦前、日本に帰化したアメリカ人建築家の物語。

    ラストシーンはまるで映画を観ているように、引き込まれていきます。

    また建築家としての携わった建物が身近にあったり、読了後も主人公ボォーリズの足跡を辿ることも出来るのも歴史小説ならではの楽しみ。クラブハリエの誕生のきっかけになっていたのにも驚きです。

  • W.M.ヴォーリズの一生を描いているのだが、そこに散りばめられた物語に強く心を揺すぶられた。ここまで想像力豊かに描ける門井さんは、本当に素晴らしい。

  • 伝道師であり建築家であり近江商人となった実在のアメリカ人メレル 氏の日本での半生。
    日本の国籍を取るも、アメリカ人か日本かと思い悩む。
    才能があり、建築家としても商人としても成功するが、思いは複雑だったのかもしれない。
    戦争に纏わる話も興味深い。

  • アメリカからキリスト教伝導のために日本へ渡り、ついには日本人となった建築家としても名高いウィリアム・メレル・ヴォーリズを主人公にした物語だ。
    ヴォーリズのことは好きで評伝も読んだことがあり、事前知識があり過ぎたのがよくなかったのか、彼のキャラクターがいまいち定まらず、彼がどういう人物なのかつかめずにモヤモヤとしてしまった。
    改めてこの人の人生を読んで、なんていう一生かと感じ入った。
    あまりにも人生がドラマチック過ぎて物語過ぎるのかもしれない。

  • 明治から昭和というめまぐるしく時代が動いた日本で、帰化し生涯を終えたメレル。アメリカ人でも日本人でもなく、両者をつなぐ橋でもなく、両方に大きな屋根をかけた人物の波瀾万丈だが前向きに生きた一生が描かれていた。広岡浅子や近衛文麿、そして昭和天皇など馴染み深い人物も多数登場し興味深かった。

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屋根をかける人の作品紹介

明治末期にキリスト教布教のために来日したアメリカ人建築家、メレル・ヴォーリズ。彼は日本人として生きることを選び、 終戦後、昭和天皇を守るために戦った――。彼を突き動かした「日本」への思いとは。

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