いまさら翼といわれても

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著者 : 米澤穂信
  • KADOKAWA (2016年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047613

いまさら翼といわれてもの感想・レビュー・書評

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  • 『箱の中の欠落』
    奉太郎は、総務委員副委員長として生徒会長選挙に立ち合った里志から、相談を受ける。
    明日の朝までに、不正票の謎を解きたい。

    『鏡には映らない』
    破れた呪いは術者にかかる。
    魔法使いや陰陽師なら心得ていますよね。

    『連峰は晴れているか』
    「ヘリが好きなんだ」
    授業中、ヘリコプターの飛行音を聞いて窓に駆け寄った教師の心の内とは…

    『わたしたちの伝説の一冊』
    伊原摩耶花が漫研をやめたいきさつ。
    若い時間は短い。
    今、何をやるべきなのか。

    『長い休日』
    これは、表題作への助走である。
    ここまでは、過去の出来事を手繰る話だ。
    いわば、前夜。
    改めての、古典部部員たちの、立ち位置の地固めと、特に奉太郎の今に至るまでの気持ちの変化と、または変化していないもの。
    えるの登場が少ないのも、そのせいなのだろう。

    『いまさら翼といわれても』
    重すぎる転機である。
    ここで終わるなんて、米澤さんひどい。

  • 久しぶりの古典部シリーズ(*^^*)♪相変わらず、ほろ苦く切ない(--、)どの話も良かったけれど、自分がそうだったからなのか、奉太郎のモットーの原点が語られる「長い休日」が一番共感できた(T.T)最後の「いまさら翼といわれても」は「え~!そこで終わり!Σ( ̄□ ̄;)」って感じだった(^^;)

  • 家を継ぐえると共にあるために、奉太郎が自分の意志で省エネ主義を捨てる時が来るのでは?
    そんな未来の話があったら読んでみたいと思っていたので、
    『長い休日』でお姉さんが奉太郎に言った言葉に顔がにやけてしまった。
    とはいえ、表題作『いまさら翼といわれても』で、話は思わぬ方向へ。

    続きは数年後ですか!?
    わたし、気になります!

  • 古典部シリーズ6作目。
    「箱の中の欠落」「鏡には映らない」「連峰は晴れているか」「わたしたちの伝説の一冊」「長い休日」「いまさら翼といわれても」の6編を収録。

    久しぶりの古典シリーズ新作。
    いつものように「日常の謎」を解いていく短編集。
    読者に小さな驚きを投げかけて、登場人物たちの感情を丁寧にすくいとりながらゆっくり物語を収束させていく流れのお話が多かったです。

    今回は古典部メンバー4人のそれぞれの過去や新たな出発を描いていて、「変化」がテーマとなっています。
    奉太郎が省エネ体質になったきっかけ、摩耶花の『まんが道』の模索、里志のデータベース型思考からの脱却、千反田のある変化。
    奉太郎も初期のころに比べると、人を傷付けないために推理し、他人を気遣いながらそれを伝えていることに成長を感じさせます。

    「わたしたちの伝説の一冊」は摩耶花メインのお話ですが、ほろ苦い読後感が多い米澤作品にしては前向きでさわやかな読後感がとてもよかったです。
    より広い世界へ飛び出すことを、苦しみながらも決断した彼女の強い意志は尊い!
    彼女の新たなスタートに、拍手喝采して見送りたいですねー。

    一番印象的なのは表題作の「いまさら翼といわれても」。

    ここではある古典部メンバーの突然の状況の変化について語られています。
    高校生とはいえ、彼らはまだ社会に出ていないただの子どもなのですね。
    彼女は、自由に自分で将来を決められないことでの反感や諦めもあったでしょうが、そんな思いを抱く時期はとうに過ぎ、すでに家を継ぐ清新な決意を固めていたと思います。
    将来を決められていた彼女は選択の自由がなかったけども、同時に迷いもなかったでしょう。
    なのに、突然梯子をはずされた彼女の驚きと喪失感を思うとやるせなくなります。
    途方に暮れてしまいますよね。
    制約がなくなり選択肢が広くなると、却って選べなくなっちゃいそうです。

    青春らしい悩みにどう決着をつけるのか、彼女の決心は次巻まで持ち越し。
    早く次が読みたい。

  • 読了、65点。
    ***
    「大人」になるため、挑まなければいけない謎。待望の〈古典部〉最新作!
    累計205万部突破の〈古典部〉シリーズ最新作!
    誰もが「大人」になるため、挑まなければいけない謎がある――『満願』『王とサーカス』の著者による、不動のベスト青春ミステリ!
    神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。
    夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘――折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)
    時間は進む、わかっているはずなのに。
    奉太郎、える、里志、摩耶花――〈古典部〉4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇。
    ***

    「鏡には写らない」が奉太郎と摩耶花の関係に関して、
    「長い休日」が奉太郎の信条の生まれるきっかけを、
    「わたしたちの伝説の一冊」が今後の摩耶花の姿勢を決める
    そして表題作の「いまさら翼と言われても」が千反田の将来を伺わせている
    そう言う意味ではシリーズものの中で成すべきことを行っている一冊とは思います。
    (個人的にシリーズもので人間関係も個人の考えも一切変わらない日常だけを描く回というのを余りよしとしませんので。)

    ただミステリとして見た場合に、印象に残る作品が少なかったのも確かでした。
    一篇目の「箱の中の欠落」は開票者が票を水増しさせることが可能だったのではないかや、
    犯人が犯行を行うリスクに関して全てスルーされている点はやや引っかかりました。

  • 久々の古典部。

    少しずつ岐路に立たされている古典部のみんなのお話。

    それがすごく切ない。

    自分の才能に殉じるという言葉が重い。

  • 奉太郎のすてきなところは、やらなくていいことはやらない、だけでなく、やるべきでないことはやらない、ところだと思う。なんだかんだ、正義感が強いのだ。

  •  そろそろ彼らに出会う前の人生より出会った後の人生の方が長くなっただろうか。

     私はいかんせん人に影響されやすいたちで、家族や知人が面白いと言っていたものに後追いで乗っかってしまうことが多かったのだが、この古典部シリーズは珍しく誰の影響も受けず、書店でジャケ買いしたものである。アニメ化よりも前の、まだライトノベルとして出版されていた頃、高野音彦さんの表紙に引かれて手に取ったのは事実であるが、裏表紙の「甘く苦い青春」的な惹句が決め手であったように記憶している。
     実際苦い。主人公折木奉太郎はわずかなヒントを組み上げて鮮やかな推理を導き出す名探偵であるが、なんというか、後味の悪い話が少なくない。誰かの胸の内に仕舞っておけば、誰かが我慢していれば、それはそれで丸く収まるはずだったことを、彼の推理が真実を詳らかにするのだが、その代償がどこかに残る、そういう苦さである。ドラマの「相棒」でたまにそういう回がある。本書にもある。

     本書は短編集形式で、奉太郎たちの過去が多少語られたりもするのだが、未来の話は少ない。表題にもなっている「いまさら翼と言われても」において若干の動きがあるくらいか。となるとこれを受けた長編も準備されているのかもしれない。
     期待は膨らむが、そろそろ「私が(あるいは作者が)生きている間に完結するのか」を心配すべき頃合なのかもしれない。

  • 古典部シリーズ。初めてこのシリーズで単行本買った。なのにここまで読むの置いておいたのは何故、、、
    短編集。古典部の部員それぞれが語り部なりお話の、謎の核になっている。

    『箱の中の欠落』
    焼きそばを食べようと箸をとったところで鳴った電話は福部里志からの夜の散歩の誘いだった。それを受けて合流した彼の口から語られたのは、生徒会長選挙の投票に不正に票を水増しがあったことが判明した事件だった。果たしていったいどうやって票は水増しされたのですか。
    『鏡には映らない』
    摩耶花は画材の調達の際に中学の同級生に遭遇する。その彼女から奉太郎への悪意を聞いて、摩耶花自身がそういえば古典部へ入部した当初はそんな目を奉太郎へ向けていたことを思い出す。その原因であるのは中学の卒業制作で卒業生全員で作った鏡の額制作のときの事件だ。その額は卒業生の中でとくに美術が得意だった来栖という女生徒が考えたブドウのツタが絡まりそのツタに小鳥などが配されている、なかなかに複雑なものだった。それを各クラスの班ごとに何枚かのレリーフを彫っていったのをつなぎ合わせてつくったものだった。問題は、奉太郎の班がつくった部分が一本の線になっていたことだった。それをみた来栖が泣き出してしまったことで奉太郎は学年全体から悪意の眼を向けられることになった。しかし、摩耶花は今になって奉太郎のその行動の裏には何かがあったのではないかと考え始める。いったい奉太郎の彫った一本の線が隠したものとは。
    『連邦は晴れているか』
    古典部部室でヘリコプターの音を聞いて奉太郎は中学のころの英語の先生が飛行機が好きだったことを思い出し、それを同中だった里志と摩耶花に話を振るが二人は不思議そうな顔をする。思い出を掘り起こしていく中でひっかかるものを感じる。いつもと違い奉太郎自ら謎を解こうと図書館へと向かうのを、えるが追いかける。奉太郎が解いた謎の正体と、それを調べずにはいられなかった奉太郎の思考のかたち。
    (何故かこの内容知ってるな、と思ったらアニメでやっていたのだとか)
    『私たちの伝説の一冊』
    摩耶花の所属している漫研は今分裂の危機に陥っていた。その原因の大きなきっかけを作った摩耶花はなんとか描く派と読む派の仲直りを願っていたが、そんな彼女の心を無視して争いの中心へと巻き込まれていく。そんななか摩耶花の漫画制作ノートが盗まれてしまう。果たしてその目的とは。
    『長い休日』
    朝起きると、すこぶる調子がよかった奉太郎はなんとかこのエネルギーを消費しようと散歩に出かけるが、途中で出会った一文字の家の神社の掃除の手伝いをするというえるの手伝いをすることに。そこで語られた奉太郎の省エネの信条ができる原因の事件。
    『いまさら翼といわれても』
    地域の合唱祭でソロを歌うことになっていたえるが来ていないことを知らされた奉太郎は摩耶花と合流して彼女の行方を考える。えるはどこへ行き、そして何故そんな行動をとったのか。

    表題作のもそうだけれど、古典部の面々がそれぞれ未来の生き方を模索し始めている様子が、あの頃を思い出し少し息苦しいような気持ちも持ちながらあっという間に読み終わる。
    読み始めるまで勝手に『いまさら翼といわれても』ということばに込められた謎をおう長編かと思っていた。最後のえるの表情はなんの描写もないけれど、なぜかとても生々しく見えた気がした。彼女の抱えた空白というか空虚が、次の物語で何かにつながるといいと思う。

  • 6話それぞれ面白かった。古典部シリーズは未読だけど改めて興味を引かれたのでそのうちに是非読んでみたい。独白スタイルが調子よくて四人の関連性が初めて読む者にも理解できる気がするね。
    独特の語り口が私には気持ち良かった。

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いまさら翼といわれてもの作品紹介

累計205万部突破の〈古典部〉シリーズ最新作!
誰もが「大人」になるため、挑まなければいけない謎がある――『満願』『王とサーカス』の著者による、不動のベスト青春ミステリ!

神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。
夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘――折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)

時間は進む、わかっているはずなのに。
奉太郎、える、里志、摩耶花――〈古典部〉4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇。

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