いまさら翼といわれても

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著者 : 米澤穂信
  • KADOKAWA (2016年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047613

いまさら翼といわれてもの感想・レビュー・書評

  • 古典部シリーズ6作目。
    「箱の中の欠落」「鏡には映らない」「連峰は晴れているか」「わたしたちの伝説の一冊」「長い休日」「いまさら翼といわれても」の6編を収録。

    久しぶりの古典シリーズ新作。
    いつものように「日常の謎」を解いていく短編集。
    読者に小さな驚きを投げかけて、登場人物たちの感情を丁寧にすくいとりながらゆっくり物語を収束させていく流れのお話が多かったです。

    今回は古典部メンバー4人のそれぞれの過去や新たな出発を描いていて、「変化」がテーマとなっています。
    奉太郎が省エネ体質になったきっかけ、摩耶花の『まんが道』の模索、里志のデータベース型思考からの脱却、千反田のある変化。
    奉太郎も初期のころに比べると、人を傷付けないために推理し、他人を気遣いながらそれを伝えていることに成長を感じさせます。

    「わたしたちの伝説の一冊」は摩耶花メインのお話ですが、ほろ苦い読後感が多い米澤作品にしては前向きでさわやかな読後感がとてもよかったです。
    より広い世界へ飛び出すことを、苦しみながらも決断した彼女の強い意志は尊い!
    彼女の新たなスタートに、拍手喝采して見送りたいですねー。

    一番印象的なのは表題作の「いまさら翼といわれても」。

    ここではある古典部メンバーの突然の状況の変化について語られています。
    高校生とはいえ、彼らはまだ社会に出ていないただの子どもなのですね。
    彼女は、自由に自分で将来を決められないことでの反感や諦めもあったでしょうが、そんな思いを抱く時期はとうに過ぎ、すでに家を継ぐ清新な決意を固めていたと思います。
    将来を決められていた彼女は選択の自由がなかったけども、同時に迷いもなかったでしょう。
    なのに、突然梯子をはずされた彼女の驚きと喪失感を思うとやるせなくなります。
    途方に暮れてしまいますよね。
    制約がなくなり選択肢が広くなると、却って選べなくなっちゃいそうです。

    青春らしい悩みにどう決着をつけるのか、彼女の決心は次巻まで持ち越し。
    早く次が読みたい。

  • 4人共成長してるなぁ。大好き。
    奉太郎の人格形成がわかる長い休日がいい。
    これからも見守っていくけど表題作、そこで終わらせないで〜。
    学校という同じ空間から巣立っても、どんな大人になっていっても4人の関係が続くように願いながら次回を待ちます。

  • 「走れメロス」の真相(?)に目から鱗でした。

  • 当時、心にひっかかっていた事を後になってからその意味や心情を理解することが出来た。それは今更その事を知ってどうなるんだ、と言う事ではなく登場人物達はあの時の事を知れて心のモヤモヤを取り除けてスッキリする。それが短編となって繋がっており、登場人物達のいきさつや個々の性格が伺える。きっとこのシリーズを全部読んでいる方にはたまらないんだろうなぁ、と。でも、このシリーズを全部読んいない私ですが、この一冊だけでも十分に楽しめました。ラストの終わり方に続きがある感じなので、次回作が楽しみです。

  •  古典部シリーズ。

     が、しかし、これは前作を読み直してから読むべきだった。うろ覚えで読むにはもったいないくらいの続きものである。

  • 読後感想編集します

  • 米澤穂信のいまさら翼といわれてもを読みました。

    氷菓を初めとする古典部シリーズの最新刊短編集でした。
    おなじみの折木奉太郎や千反田えるたちの物語が語られます。

    奉太郎の省エネのモットーがどこから始まったのか、が語られる「長い休日」も良かったのですが、やはり表題作の「いまさら翼といわれても」が一番良かったと思いました。

    みんな少しずつ大人になっていくんだなあ、と思わせる物語たちでした。

  • 古典部シリーズ第六弾! .... ごめんなさい、全然知りませんでした、米澤さんの代表シリーズなんですね m(_ _)m
    何も知らずに、いきなりシリーズ最新から読んでしまった。

    神山高校古典部の部員、折木奉太郎(なんちゅぅ名前やw)を中心にした連作モノ。
    フットワークのいい福部里志、漫研と兼部の伊原摩耶花、地元重鎮の跡取り娘 千反田える が登場する。
    生徒会選挙の謎、中学卒業制作の真相、中学時代の恩師の胸中、男子高校生がぼんやりと自我を見つめ始める様子、などなど ネタはそれ?という小品が並ぶが、この年代の男子が一人称で語る非スポーツモノは やっぱりどこかノリが独特。

    とはいえ、文系高校生の華は女子なのか?
    伊原摩耶花をめぐる漫研騒動のおとしどころには唸りました。そういう時代だよね。。
    部活はもう昭和の遺物かもしれない。
    他方、千反田えるは 自分の運命に翻弄される。
    表題作が、同級生をメインにしてその心情を描くやりかたは、自分の運命におののく心もとなさは当人だけのもの ということを良く伝えてくれる。

    岐阜の男子高校生一人称非スポーツもの、というと 朝井りょう がスターになった分野だが、なるほどこういう先人がいたのですね .....

  • 続きは気になるが、そっちじゃない。

  • 古典部メンバーそれぞれの成長(とはいっても何かを得るだけではなく失うものも多い)が描かれているのは意図的なものなのだろうなあ。キャラクター小説であれば登場人物の変化はキャラ路線変更として現れるが、一般文芸では成長として現れるといったような。

  • 連作短編6編
    折木奉太郎の中学時代を切り取った「鏡には映らない」と「長い休日」が良かった.
    表題作ではまだ謎が残っている.えるの進退やいかに?次巻が気になる.

  • 待ってましたの古典部シリーズ。もうさー細かいことぜんぜん覚えてないよ。
    高2の1学期の短編事件簿なのですが、こう物語の幕間的なおはなしで、本編としてはたいして進まないけど行間を埋めてくような。
    なかなかに後味の悪さが残るような結末だったけど彼らの個人の事情や過去の出来事があぶりだされて、次につながってくよーって印象でした。
    えるちゃんの環境がおおきく変化して、これから。次はそう時間を空けずに読めるとうれしいなぁ。

  • 米澤穂信の「古典部」シリーズ

    氷菓に続けて読んだのだが・・・・
    しまった!!
    最新版を読んで 2.3.3.5すっとばしてしまったぁ。

    どおりで登場人物の関係が微妙に近くなっていた。

    ともあれ
    主人公 折木たちの学園推理は 日常だけどちょっと甘酸っぱくて読みやすい。

    ただ 「鏡には映らない」はちょっと度が過ぎたイジメであまり気分がよくなかった。

  • “いまさら”とまでは言わないが、かなり驚きの古典部シリーズ新刊。
    シリーズのこれまでを知っていても知らなくても、問題がないと思えてしまう上手さ。
    https://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14827033.html

  • どうしてこんなに不器用にしか生きられないんだろう。

    古典部シリーズ短編集。高校生らしく進路に悩んだり,自分の気持ちをもてあましたり。高校生の頃は,他人にはきっととるに足らないだろうと思われることを,まるで人生最大の難問の悩む自分に,歯がゆかったりつらかったりの時期だった。古典部を読むとそれを思い出す。まさに高校生は,子どもでもないけど,大人にもなりきれない,そんな時期を描く古典部シリーズは,どこか確実に刺さってくる。

    「鏡には映らない」中学校の同級生に出会った摩耶花は,彼女の折木に対する厳しい声を聞いて,卒業制作のことを思い出す。なぜ折木は卒業制作の手を抜いたのか。摩耶花が見つけた真相は。いじめの証拠を半永久的に残そうとする中学生の甘くて残酷な感情。それに気付いた折木と福部のさりげない英雄行為。ひとつ前の「箱の中の欠落」で少し触れられた中学三年の夜の散歩がこれか。影で英雄をやりたい福部と,それに手を貸した折木。もしかしたらそれは男のロマンだったのかもしれない。でも,摩耶花はそれをわかったうえで,きちんと自分の思うままに行動する。人と関わりあうことは,しんどいこともあるけど,厭わない。新たな一面を見つけることもあるから。

    「長い休日」奉太郎のモットーが出来たきっかけを聴くえる。それは小学校の時にきっかけがあって。ちょっとした親切,そこにつけ込まれたら。お互い様ならいい,でもいつも利用されていると気付いてしまえば。奉太郎は姉の言う“長い休日”に入ったけれど,誰かを助けるために自分の力を使う,そのことを思い出し,動き始めた。帰らせたのは,える。

    「いまさら翼といわれても」表題作。えるがどういうことを言われたかは,さっさと予想がついてしまった。彼女を迎えに行く奉太郎。きっとえるは動きだす。奉太郎は手を差し伸べるだろう。モットーに反したとしても。

  • 古典部シリーズ

    ちらほらしか読んだことがなかった古典部シリーズ。
    …このシリーズって、毎話こんなに読後感が悪い話ばかりなの??
    どの話も後味が悪くて、楽しめなかった…高校生の会話にしては、乱暴な言葉遣いなところも読んでいてげんなり。
    日常の謎を解いていくところも、「鏡には映らない」の鏡の謎解きはワクワクしたものの、種明かしにがっかりだったし…(トリックではなくその動機が)
    うーん。残念。

  • 短編集。
    変わらずに古典部のみんなの話は面白い。
    みんなが少しずつ成長していくのは、読んでいて楽しい。
    だけどやっぱり長編が読みたい。

  • 久々の古典部シリーズ。安定感あります。

  • 待ち望んでた古典部シリーズ最新刊。
    6編の短編からなっているけれど、内2編が井原視点だったのが面白いと思った。これからの続刊も折木以外の古典部部員視点のを読みたいと思いました。特に折木との関係性が気になる千反田視点のが読みたいです。

  • ほろ苦い青春群像が描かれる古典部シリーズの最新作。それぞれの少しずつ未来へ、先へと惑いながら歩んでいく姿が丹念に描かれていました。

    驚かせるとか、トリックに凝っているとか、そういうギミックを楽しませるのではなく、あくまで古典部のメンバーの思いに焦点を強く当てているようで、だからミステリというより、しっとりした切ない印象のほうが強く後に残りました。

    表題作が特にそうで、おそらくはこのタイトルからある程度推し量れるものはあるでしょうが、この言葉からつづくあてのない慟哭を感じると、やるせなさが募るのです。

    彼ら彼女らがこれからどういう道を選ぶのか、選ばざるを得ないのか。

    「わたし、気になります」
    と、言って良いのか…、はばかれるような、そんな重さも感じた物語でした。

  • ユーゴスラヴィアからやって来たマーヤ。
    そう、彼女が妖精。

    米澤穂信初期の作品(2004年)という事で、まだまだ完成度は低いが
    後に書かれる「王とサーカス」を彷彿とさせる。

  • 古典部シリーズ6作め。
    ホータローくんが省エネ主義になった理由や摩耶花ちゃんが漫研を辞めた理由が書かれていて面白かった。
    何というか、いろいろあるよね。その苦しさというかやり切れなさはわかる。えるちゃんの悩みについては特に。みんなが幸せになりますように。

  • 古典部シリーズ。短編集。
    まやかちゃんが、漫研を辞めて「ボディートーク」の作者の先輩(3年生。こうちあやか)と合同誌を作ることを決めたり。ホータローがモットーにしている「やらなくていいことはやらない。やらなければいけないことは手短に」は、実は小学生のとき、いつも二つ返事で用事を引き受けていたホータローを先生がいいように使いっ走りにしていたことにショックを受けたことが由来だったり。エルたそが父親から「千反田家を継がなくてもいい。自由にしていい」と言われて「いまさら翼といわれても 困るんです」と蔵に閉じこもったり。短編といえどもボリュームたっぷり。

  • 『自分の建前しか話さないから、俺だってこっちには義理がないという建前で返さざるを得なくなる。
    建前論の応酬が一段落したところで、俺はちらりと隣を見て言った。
    「で、何を隠してるんだ」』

    「作者の気持ちなど考える必要はありません ー どうせろくなとこは考えていない。『早く酒飲んで寝たいなあ』と考えながら書いた文章であっても、その文章が意味するところはなんなのかを正確に突き詰めて考えるのが国語です。」

    「…折木さんはどうして、それを言うようになったんですか?」
    「それ?」
    「あれです。…『やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に』」

    『お互い様だから手助けしようと思っても、相手もお互い様だと思ってくれるとは限らない。感謝して欲しかった訳じゃない。ただ、ばかにされると思っていなかった。ぼくはもう、授業が終わったら学校には残らない。人といれば何かを頼まれることになる。それはきっと、ぼくが何も言わずに引き受けるだけの、ばかだと思われているからなんだ。ばかだって構わない。ただ、つけ込まれるのだけは嫌だ。もちろん、どうしようもない時はなんでもやるよ。文句も言わない。でもそうでなかったら、本当は他の人がやらないけないことで、ぼくがやらなきゃいけないことじゃなかったら、もうやらない。絶対に。』

  • 古典部シリーズ6作目
    6つの短篇
    全体的にほろ苦

    「長い休日」が好きかな

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