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政略結婚

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著者 : 高殿円
  • KADOKAWA (2017年6月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047682

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政略結婚の感想・レビュー・書評

  • 幕末から3世代にわたる華族の女性の生き方の変遷。

    九谷焼を海外でひろめる女性の話が一番好きかな。

  • 実在したという「てんさいの君」の勇姫・利極夫婦が、とても素敵。ふたりの仲睦まじさにほっこり。制約の多い環境で、縁あった女性たちと、互いに協力し合いながら生き抜く姿が、魅力的。
    「プリンセス・クタニ」生まれも育ちもほぼ海外。近代的で自立心高く、さばさばとした主人公が、清々しい。

  • 幕末から現代にかけた3人の女性の物語。題名に象徴される身分と時代の重苦しさも、その中で不思議なほど折れないたくましさも、少しずつ繋がっていながら全く違う三者三様の人生が爽快。

    勇のおっとりした様子も、万里子の奔放さも、花音子の芸時へののめり込みも、皆それぞれ身分との向き合い方が違って魅力的。
    勇の話が特に好きです。
    「死なぬものは死なぬ」という台詞がしなやかに前を向く力強さ。

    それぞれの物語の終幕にふしぎなおかしさを運んでくる九谷焼のお皿も、なんだか最後にフフッと笑わせてくれた。

    装丁も挿絵も素敵で、件のお皿が奥付の隣の頁に配されているのも粋ですね。

  • 江戸時代末期の加賀前田藩の親戚筋にあたる加賀大聖寺藩に嫁いだ勇(いさ)の采配、明治・大正にかけて九谷焼復興に力を尽くすことになる小松子爵の長女万里子の生き方、大正から昭和・戦後の日本で、没落した旧華族から新宿のショウーの花形、そして映画女優へと転身していく花音子(かのこ)。それぞれの時代の女性の個性的な生き方を描く。
    どの時代にも3世代の共通項として大根の描かれた九谷焼の大皿が登場します。

    百貨店の外商部の話の時にも感じたけれど、高城円は上流階級の悲喜こもごもをテーマにするのが好みなのかな。やっぱり絵空事に思えてしまうのは、凡人(平民?)の証だったりして。

  • 三人のことを、
    一人一人じっくり知りたくて、
    読み終えるのがもったいなかった。

  • ブクログ登録の100冊目はブクログ様からいただきました。献本ありがとうございます。
    江戸明治昭和、華族制度がなくなるまでの三人のお姫様のお話です。伝統の中に生きる昔の女性を一枚のお皿とからめて書かれています。
    「ご縁をとりもつことが女の一番大事な仕事であった」というのが心に残ります。家を守るため。つい百年少し前まで、あったことなんだなあと、今の時代では信じられなく…まあ、特に身分が高いお家でのことなんでしょうけれど。寿命も短いしね。昭和の三話目は少々色濃かったかな。でも、それぞれの時代にどう生きるのか、女性の力強さがよく描き出されてて、どっぷり物語の世界に浸れました。表紙の絵も素敵です。

  • 3つの時代の大名〜華族〜普通の人のなる女性たちを描いた中編集。
    しかし高殿円はラノベも書くし、『トッカン!』みたいなかためな小説も書くし、こんな時代小説も書くし、幅広いなー。すごい。
    私は「てんさいの君」が好き。江戸末期、のんき者だった少女時代から、辛い人生を歩むこととなる勇姫の話。とはいえ「てんさいの君」との甘々な生活は、なんだか素敵だなあ、微笑ましいなあ、と。

  • 新聞でチラ見していたので購入。図らずも金沢にいるのでサイン本ゲット。

    江戸から昭和までの三編。
    3人の主人公をつなぐのは工芸・九谷焼。
    人はこんなに儚く消えてしまうのに、その人たちが望みをかけるものと希望の力強さよ。

    「死なぬものは死なぬ」
    一編目のこの言葉が全編にうっすらただよう。

    こんな言葉を突きつけながら、泣きたくなるくらいあっさりと、淡々と語られる行間。
    其々の時代が、そういった語り口しか持ちえなかったのだろうなとさえ思えてくる。

    爽快な一作。

  • 作品がドラマ化される前からの、ラノベの頃から好きで読んでいた作家さんで今回の作品、タイトルと表紙ですぐ面白そうだな、と思いました!
    まだ読んでいないけれどぜひ読みたい作品です❗

  • 勇の話が一番良かった。
    今の世界では、とても考えられない事が当たり前だったんだなーと。
    どの話の女性も強く逞しかった。
    ただ最後の話があんまり好みでなかったのが残念かな。、

  • 江戸末期・明治大正・昭和、激動の120年を生きた3人の女性たち。

    勇(いさ)は続く災難に何度も挫けそうになりながらも自らのお役目を果たしていく。勇と夫君が手をかけ温めてきた「窯」「焼き物」。『てんさいの君』と勇の物語はこののち時代を越えて意外な形で受け継がれていく。キーパーソンともなる蕗野もいいキャラ。

    万里子のキャラクターが特にお気に入り。海外で育ち思考も行動もワールドワイド。島国日本の緻密さと世界に羽ばたく翼を持った万里子の隣には、同じくバランス能力を持つパートナーが。ラストは思わず頬が緩んでしまった。のと、お酒に釣られちゃうトシさんが他人事に思えません、はい(苦笑)

    ところで「お花を摘みにいく」はやんごとなき方々用語なのかしらね。これを言う友人がいるんだよな。

    伝統や技術にはひとの想いも伝えられていく。時に面倒でもあるけれどそれは大切な忘れてはならない悠久の存在でもある。

  • 時代と共に変遷する、「伝統」の意味。
    江戸~明治~戦後、それぞれの時代の女性3人を主人公にし、彼女たちが「自らの人生」と「受け継がれるもの」との折り合いをどうつけていったのかを見届ける歴史小説。

    注目すべきは、主人公たちの「伝統」の解釈が、そのまま彼女たちそれぞれの「結婚観」とそっくり重なるところ。引き継ぐのか、選択するのか、破るのか。そして、現代に生きる四人目の主人公たる私達は、伝統そして結婚をどう捉えたらいいのか?

    石川県の大聖寺藩が舞台になったり、地元民としては嬉しいものです。

  • 江戸、明治、昭和に生まれたおひいさまたちの人生。
    「政略結婚」という言葉の持つ、ネガティブなイメージはここには一つもない。それぞれのおひいさまたちの生き生きとした強い笑顔がそこかしこにあふれている。
    親や家のために結婚であろうと、自分で決めた結婚であろうと、そして結婚という道を選ばなかったとしても、自分で人生を切り開いていく女たちのたくましさたるや!
    あぁ、すっきりした!高殿小説の人生賛歌!カッコいいオンナたちに惚れりゃいましたよ!

  • 維新間近の江戸末期に生まれた時から決められていた顔も知らない許嫁に嫁ぐ勇、異文化溢れる明治から大正にかけて時代を先取りする軽やかさで国内外を羽ばたく万里子、太平洋戦争が迫る中新宿の劇場で華族の家名という薔薇を踏みつけ歌い踊る花音子。
    今からそう遠くない昔。 たった百二十年程の間の出来事だけれど、各時代の空気が濃密に漂ってきて読み応えがあった。
    三者三様に「家」を背負う彼女達は一見重苦しい伝統に縛られている様でいて、それでもたくましく成長し自分の世界を広げて行く。様々な事が目まぐるしく変わる激動の時代、現代よりずっと選択肢が少なく不自由であったはずの女性が自分の道を見つけ、ひたむきに進んで行く姿が清々しく格好良い。
    終盤、花音子がてんさいの大皿を手にするシーンでは、直接的な親族ではなくとも繋がる縁が嬉しくなり、皿が手にした者達を讃えているような気がした。
    彼女達の精神の自由さに、読んでいて力と勇気をもらえる物語。

  • 中編3編
    幕末,明治,昭和とそれぞれの時代に生きた華族のヒロイン.前田家の関係のあるややこしい系図は結婚問題などで重要であるが,そんなものを差し引いてもどの章の主人公も自分というものがあって魅力的だ.九谷焼のてんさいの大皿が最後にも登場して,作者の「てんさいの君」への思いが伝わってくる.私も大聖寺藩前田利極殿が好きだった.

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政略結婚の作品紹介

金沢城で生まれた私の結婚相手はわずか生後半年で決まった。(中略)
早すぎると思うかも知れないが、当時ではごくごく当たり前のことで、
大名の子の結婚はすべて政略結婚、
祝言の日まで互いに顔を合わせず、文も交わさぬのが慣習である。
私の生まれた文化の世とはそういう時代であった。――第一章「てんさいの君」より

不思議な縁(えにし)でつながる、三つの時代を生き抜いた三人の女性たち。
聡明さとしなやかさを兼ね備え、自然体で激動の時代を生き抜く彼女らを三部構成でドラマチックに描き出した壮大な大河ロマン!
―――
加賀藩主前田斉広(なりなが)の三女・勇(いさ)は、生後半年で加賀大聖寺藩主前田利之(としこれ)の次男・利極(としなか)のもとに嫁ぐことが決まっていた。やがて生まれ育った金沢を離れ江戸へと嫁いだ勇は、広大な屋敷のなかの複雑な人間関係や新しいしきたりに戸惑いながらも順応し、大聖寺藩になくてはならない人物になっていく。だが、石高十万石を誇る大聖寺藩の内実は苦しかった。その財政を改善させるような産業が必要と考えた利極と勇が注目したのは――(「第一章 てんさいの君」)。
加賀藩の分家・小松藩の子孫である万里子。パリで生まれ、ロンドンで育った彼女は、明治41年帰国し、頑なな日本の伝統文化にカルチャーショックを受ける。やがて家とも深い縁のある九谷焼をアメリカで売る輸出業に携わることとなり、徐々に職業夫人への展望をいだくが、万里子の上に日本伝統のお家の問題が重くのしかかる。日本で始めてサンフランシスコ万博の華族出身コンパニオンガールになった女性は、文明開化をどう生きるのか――(「第二章 プリンセス・クタニ」)。
貴族院議員・深草也親を祖父に持つ花音子は、瀟洒豪壮な洋館に生まれ育ち、何不自由なく暮らした。だが、花音子が幼稚園に上がるちょうどその頃、昭和恐慌によって生活は激変。すべてを失った花音子と母・衣子は、新宿の劇場・ラヴィアンローズ武蔵野座に辿り着く。学習院に通いながら身分を隠して舞台に立つ花音子は一躍スターダムにのし上がるが――(「第三章 華族女優」)。

政略結婚はこんな本です

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