虚実妖怪百物語 急 (怪BOOKS)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 366
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047811

感想・レビュー・書評

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  • Book bangさんの刊行記念インタビューがなかなかよかったので貼っておきます。
    ロングインタビューの内容はもちろん、最後に登場キャラクター一覧があるのが秀逸。
    https://www.bookbang.jp/review/article/522935

    さて序、破、ときて急ともなれば、さすがにもう虚実の『実』はぶっ飛んで、アリエナイの境地なわけです。これどう収拾を付けるんだろうと思っていると、混沌を材料にしてさらに混沌が加速するというマッチポンプ状態で、本当にどうなるやら先がまったく読めませんでした。
    そのなかでこのオチの付け方は、お見事!!!というか、終わってみればスタンダードな京極夏彦スタイルであったわけで、手腕としか形容のしようがないのであった。
    もはや遠い記憶に思える物語の冒頭や、心の片隅に引っ掛かっていた違和感が、すっと最後の謎解きに繋がってしまうという、あっ、やられたー!感。かといって、肩透かし悔しい腹立たしいとかいうのでなく、なるほどそういうことだったか、と納得できてしまう。はいつまり、手腕です。

    また、連載中に水木しげる大先生が逝去されたことで、どうなるのかなぁと思っていたら、そこもある種反映させた、見事な大団円でした。

    リアルタイム連載ならではの面白さを最後まで堪能できて、いや満足満足。
    読者を選ぶことは間違いないですが、私は非常に楽しめました。読んでよかった!

  • ギャグメタ小説? 面白かったー。京極式妖怪大戦争。
    繰り返されるバカ馬鹿ばか。
    妖怪の人、怪談の人、クトゥルフの人、ホラー小説の人、ホラー漫画の人、もろもろ違うんだよねー。稲川淳二が出てこなかったのは許可が出なかったのか、別次元だったのか(笑)
    妖怪は現象だからね、ホラーは創作だし、幽霊は居ない、創作はあくまで創作。実話は実話と信じている本人が言うから実話。なので不思議なことなどないのだよ。
    それとは別で、受け入れて楽しむのは自由なの。だからこういうの大好き。

  • やっとこの感じにも慣れてきまして(2巻から読んだから)、レオや平太郎や及川さんや、もうノリノリで大変愉快でした。細かいネタやら突っ込みなど、もうユートピアですね。残にょ、とこちらとどちらがほんとうのヒラヤマさんなのか。
    もう最後の東映アニメ祭り(?)な感じの版権フリー祭り状態が。こんな愉快な描写はそうそうないですよね。

    温泉がかわいくってねんねこ姫みたいな?、造りはディスコ探偵みたいな?。
    とりあえずラストは御大が遠くて泣けてしまいました。
    でもレオが何者かわからないかった、1巻で解消されるかな。

  • 滅びかけた国を憂えて妖怪馬鹿達が立ち上がる!といった話の進み方ではもちろんなく、妖怪馬鹿が馬鹿として馬鹿らしくも雄々しく行動していくとなんとかなったわ、みたいな結末でした。でもその間に繰り広げられる妖怪大戦争がもう、好きな人には辛抱たまらん感じで、本当に版権大丈夫?って思いました(笑) ほぼ分かっちゃう自分もどーよって感じではありますが。 そして最後の最後にあの方が全て持っていっちゃうとこも、らしくて良かったです。結局読む方も馬鹿なんでしょうねえ…。

  • 呼び子…なんてデンジャラスなんだ。こんなもんあったら絶対誘惑に負けてテロを起こしてしまう。無敵の力だ。
    というわけで妖怪大戦争!はちゃめちゃに楽しいぞ。どっちかっていうと「よーかいだいせんそー‼」って感じですけど。
    しかし京極先生『夏目友人帳』までチェックしてるとは…さらに青嵐が出てきたら「いやっほう!」と楽しくならざるを得なかった。犬夜叉よりもラムちゃんに出てきてほしかったけど、そこはギリギリ妖怪としての踏みとどまりがあったのだろうか。(でも怪獣とか出てるじゃないですか?なんならヒーロー系も出てくれば…あかんもう何のまとまりもなくなる)あと豆腐小僧もうれしかった。好きなんだあいつ。
    ただ思ったよりクライマックスからの対ラスボスがカンタンに終わっちゃった気はする。
    まあ、妖怪愛好家か、と言われるといやそれほどでも…といったところではあるけど、フィクション愛好家ではあるので、ラストはなんとも嫌いじゃない味わいだった。

  • 妖怪マガジン『怪』の連載小説の3分冊のラスト。
    魔人・加藤保憲による日本倒壊計画、ダイモンを使役しての馬鹿吸収による、ゆとり喪失・世相の険悪化、そして妖怪出現の意味。ダイモンを倒した後のどんでん返し的危機に妖怪馬鹿たちはどう立ち向かうのか。
    架空人物2名(?)を除いて多分実名になっているフィクションだが、かなりなキャラ描写の方も多く、作品化が許容される作者の立場&人柄、関係者の器の大きさ、余裕とも無駄ともいえる馬鹿さを微笑ましく思った。
    妖怪、怪異、ホラーの関係者の違いや水木大先生の破格さ、怪獣、スパロボを含めた位置づけの違いの勉強になった。馬鹿たることの偉大さ大切さも分かった。水木しげるへの妖怪バカたちからの追悼本は、大先生に楽しんでもらえただろうか。
    17-7

  • 虚実妖怪百物語、ついに完結。

    カオス、ここに極まれり!って感じの、何でもアリアリ(ある意味超豪華)妖怪大戦争な展開。
    一体どう収集つけるのか、と思っていたら、まさかの“平太郎トラップ”でした。
    そして、ラストの水木大先生・・・。うん、皆様お疲れ様でした・・・。

  • 世の中には馬鹿な部分も必要ということ? 知ってる作家さん達の名前がばんばん出てくる中、うん? 榎木津 ?? と思っていたら、そういう事でしたか。でもなぜどんな力が働いて彼らが出現したの? ムムム

著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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