かわうそ堀怪談見習い

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著者 : 柴崎友香
  • KADOKAWA (2017年2月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041048313

かわうそ堀怪談見習いの感想・レビュー・書評

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  • 『私の家では何も起こらない 』で恩田さんが、“幽霊は思い出と似ている”と書いていたけど、まさにそんな感じ。こわいというよりも、記憶が曖昧で、そのぼんやりした過去の中に、膨大な数の忘れ去られた思い出がつまっている…という感じで、ひんやりとした夏の土間のような物語でした。田舎の古い茅葺屋根の家を思い出したよ。

    今まで生きてきた中で、一体どれだけの忘れないと誓ったはずの思い出を、忘れて捨てて、脱ぎ捨てて、ここにたどり着いたんだろう…と自分を振り返ってみたりして。

    アンソロジーでは読んでいたけど、単独の本として柴崎さんの作品を手にしたのは、たぶん初だと思う。さらりとしたエッセイ風の物語の中にある異世界との境い目。テンションが低め(←ほめてます)で、私に合っていて読みやすかった。恋愛ものはもう苦手になってしまったけど、落ち着いてる文章なので読んでもいいかな…とそう思ったりして…。

  • 2018.1.12読了 4冊目

  • 怪談作家を志す谷崎友希が,少しゾッと話を収集する話だが,どこにでも怖い話はあるものだ.宮竹茶舗の四代目の毅から地図を借りる話が面白かった.友人の西岡たまみとのコンビを情報収集に役立っているようだ.原田さんの耐寒登山の話もゾッとする.楽しく読めた.

  • わたしは「恋愛小説家」と肩書きにあるのを見て、今のような小説をかくのをやめようと思った。恋愛というものにそんなに興味がなかったことに気づいたのだ。これからなにを書こうか。環境を変えるため、三年住んだ東京を離れ、中学時代に住んでいた区の隣り、かわうそ堀に引っ越した。そして、考えた末に怪談を書くことにした。そう決めたものの、わたしは幽霊は見えないし、怪奇現象に遭遇したこともない。取材が必要だ、と思い立ち、たまみに連絡をとった。中学時代の同級生・たまみは、人魂を見たことがあるらしいし、怖い体験をよく話していた。たまみに再会してから、わたしの日常が少しずつ、歪みはじめる。行方不明になった読みかけの本、暗闇から見つめる蜘蛛、こっちに向かってきているはずなのにいっこうに近くならない真っ黒な人影、留守番電話に残された声……。そして、たまみの紹介の商会で幽霊が出るとの噂がある、戦前から続く茶舗を訪れる。年季の入った店内で、熊に似た四代目店主に話を聞くと、絶対に開けてはいけないという茶筒、手形や顔が浮かぶ古い地図があるという。そして、わたしはある記憶を徐々に思い出し……。わたしの日常は、いつからこんなふうになっていたのだろう。別の世界の隙間に入り込んでしまったような。柴崎友香が、「誰かが不在の場所」を見つめつつ、怖いものを詰め込んだ怪談作品。

  • ずっと奇妙でヒヤヒヤしてて夏だった
    こわい

  • 柴崎友香が怪談?との疑問も「恋愛小説に向いてないと思った」と本人が言っているのだからそうなのだろうと納得して読む。
    彼女独特の散文調の文体もありしばらくはエッセイと勘違いしてしまうのだがヒロインがいてそこは架空の大阪の街でと言った具合にずんずんと物語に引き込まれていく不思議な感覚こそ怪談なのか?
    過去の作品でも何気ない日常を切り取る卓越したフレーミングの世界観を箱庭作りの名手と感想を述べた。
    本作でもそれは健在で見落としてしまうような変化を捉える動体視力はホラーとは違うゾッとする感を味わえる。
    そんなちぐはぐさだから見習いなのかどうかはわからない

  • 怖くないと思ってたけど、だんだんとうっすら怖い。

  • 2017 7/8

  • 著者自身がモデルなのかしら?と思える恋愛小説家が怪談小説に転向しようと思い立ったその訳とは‥に始まり長さもさまざまの二十六プラスαの短いお話。
    エッセイなのか創作なのか判然としないまま、じわじわと作家の住む「かわうそ堀」や幼なじみのたまみ‥記憶の世界に連れて行かれる。
    こどもの頃からお化け屋敷やホラー映画は大の苦手だし、できれば
    見えぬまま知らぬままの方がいいんだけれど‥‥そう言えば。
    宮武茶舗の四代目の眠気が移る。しみじみ怖いがなぜか納得の読後感。面白かった。

  • 鈴木さんが出てくる本特集とかやる機会があったらリストに載せたい。

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かわうそ堀怪談見習いの作品紹介

わたしは「恋愛小説家」と肩書きにあるのを見て、今のような小説をかくのをやめようと思った。恋愛というものにそんなに興味がなかったことに気づいたのだ。これからなにを書こうか。環境を変えるため、三年住んだ東京を離れ、中学時代に住んでいた区の隣り、かわうそ堀に引っ越した。そして、考えた末に怪談を書くことにした。そう決めたものの、わたしは幽霊は見えないし、怪奇現象に遭遇したこともない。取材が必要だ、と思い立ち、たまみに連絡をとった。中学時代の同級生・たまみは、人魂を見たことがあるらしいし、怖い体験をよく話していた。たまみに再会してから、わたしの日常が少しずつ、歪みはじめる。行方不明になった読みかけの本、暗闇から見つめる蜘蛛、こっちに向かってきているはずなのにいっこうに近くならない真っ黒な人影、留守番電話に残された声……。そして、たまみの紹介の商会で幽霊が出るとの噂がある、戦前から続く茶舗を訪れる。年季の入った店内で、熊に似た四代目店主に話を聞くと、絶対に開けてはいけないという茶筒、手形や顔が浮かぶ古い地図があるという。そして、わたしはある記憶を徐々に思い出し……。わたしの日常は、いつからこんなふうになっていたのだろう。別の世界の隙間に入り込んでしまったような。柴崎友香が、「誰かが不在の場所」を見つめつつ、怖いものを詰め込んだ怪談作品。

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