孤狼の血 (角川文庫)

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著者 : 柚月裕子
  • KADOKAWA (2017年8月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049549

孤狼の血 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 柚月裕子『孤狼の血』角川文庫。

    文庫化されたので再読。再読しても、なお面白い。

    これまでの柚月裕子の作品とは全く違う世界のハードボイルド警察小説。ミステリーとしても面白いし、全編に渡り計算された構成が凄い。終盤間際までに自分が頭の中に描いていた結末の予想は大きく覆され、見事な仕掛けに驚かされた。

    広島の所轄署の捜査二課に配属された新人刑事の日岡は、先輩刑事の大上とともに暴力団系列の金融会社に関連する事件の捜査に当たる…

    大沢在昌の『新宿鮫』と安達瑶の『悪漢刑事』、横山秀夫の『64』、昭和のヤクザ映画の良いところをスパイスにしたような見事な作品。特に『新宿鮫』に関して言えば、鮫島のような秘密をひた隠しにする歯切れの悪さが無いところに柚月裕子の思い切りの良さを感じる。

  • 柚月裕子は面白いとは思ってたけど 全く毛色の違う面白さ。このひと こんな骨太のハードボイルドかけるんだー。さすがプロだね。驚いた。
    大上の魅力に引き込まれ 一気に仁義なき戦いの世界に。
    解説に 大上を評して 粗にして野だが卑ではない とあったけど まさしくその通り。こんなにこの言葉にぴったりな人がいるだろうか。
    なんといっても広島弁。カッコいいー。
    広島弁って 汚いってイメージあったけど 大上のイメージとぴったり相まって カッコ良すぎー。
    ストーリーもバツグンに面白く 二転三転。
    衝撃の結末に口あんぐり。その衝撃が消えぬ間に エピローグのすっかりたくましくなった日岡にニヤリ。
    でも何よりの衝撃は 大上の死だな。
    まさか殺るとは…。
    今後の柚月裕子ますます楽しみ。
    映画化されるんだね。キャストは全くわたしのイメージと違うケド…笑。

  • 昨日、柚月裕子の「孤狼の血」(角川文庫)という本を夢中でよみました。
    日本推理作家協会賞、映画化されるということで本屋さんで手に取りました。
    昭和63年呉を舞台にした暴力団の抗争を描いたものです。
    そうです! この小説はあの「仁義なき戦い」を下敷きにされており、
    主人公はヤクザではなく警察官です。
    でも、あの映画を彷彿とさせるようなシーンが次々と展開され、
    一気に読むハメとなりました。
    作者は岩手県出身で広島とはあまり関わり合いがないようなのですが、
    登場するヤクザや刑事の広島弁はなかなか堂に入ったもの。
    たのしみな作家が現れたものです、しかも美人ときています。
    気になられた方は一度手にとってごらんになってください。
    最後は泣かせますよ!!!

  • 著者の作品が大好きで、文庫化されているものは全部読んだ。これもとても楽しみにしていたら、なんと、今までとは全く違う毛色のハードボイルド小説だった。女性が書いたとは思えない文章。カッコいい。

    映画化するんだ。

  • ‹内容紹介より›
    昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か。血沸き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。

    ――――
    暴力団の展開するまさに「仁義なき戦い」と、それを左右しようとする警察官・大上。堅気には理解しにくい「筋」を通すべく、そして互いに自身の利益を最大限にするべく奮闘する男たちの物語です。
    新人日岡の視点から描かれますが、折々に挿入される「業務日誌」が気になります。ほとんどの部分が塗りつぶされ、内容が読めなくなっているからです。

    序盤から中盤にかけては、「龍が如く」や「アウトレイジ」のような暴力団の抗争が描かれていますが、二次団体を含めて多くの組・構成員がそれぞれの立場から関係してくることもあって少し読みにくい(状況が理解しにくい)場面もありました。
    後半にかけて、大上の死と日岡の正体(監察の内偵だった)がわかるなど、展開がスピーディーになります。
    「事件がさっぱり解決」とはいかず、禍根を残しつつもとりあえずの決着を見てそれぞれが先へと進む、というのもリアルに感じます。

    2018年に映画化&続編『凶犬の眼』も刊行されそう、とのこと。
    どの部分が描かれているのかはわかりませんが、本作では「年表」として記された日岡の「それから」が明らかになるといいなあ、と思います。

  • ああ いい この余韻

  • 女性作家が描いたと思えない、昭和が舞台の警察&ヤクザ小説。まさに「仁義なき戦い」の世界で、今は亡き菅原文太、松方弘樹、渡瀬恒彦、金子信雄らの顔を思い浮かべながら読んだ。登場人物は魅力的だが、典型的なストーリーだな…と思っていたら最後にちょっとした驚きが。本作の続編、2018年公開予定の映画も楽しみ。

  • 初柚月。…言葉にならない。出会えたことに感謝。この気持ちを味わいたくて、読者してるんだ!続編絶対買うわ!!(絶叫

    ——と、一息ついて本作を振り返ると、やはり広島弁かな。標準語じゃここまで面白くなかったでしょうね。警察に限らず、権力は人を滅ぼす、ね。P409でだいぶ手が止まった。次がホントに見たくなくて——。大満足の星五つ。満点じゃ!

  • 昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。

    遅まきながら、著者の作品は初めて読む。登場人物一人一人のキャラクター描写が実によい。大河小説にならないかな。

  • ガミさんと日岡と晶子の三つ巴が織り成すハードボイルド警察小説。新宿鮫以来の興奮でした。各章冒頭の日誌や正義と仁義が濃厚な傑作。

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孤狼の血 (角川文庫)の作品紹介

常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。

緻密な構成、卓抜したリアリティ、予期せぬ結末。いやあ、おもしろい。正統派ハードボイルドに圧倒された。
――黒川博行氏(作家)

日本ミステリ史に残る、今世紀最高の悪徳警官小説だ。
――茶木則雄氏(書評家)

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。

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