惑星カロン (角川文庫)

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著者 : 初野晴
  • KADOKAWA (2017年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041051993

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惑星カロン (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「ハルチカ」シリーズ。
    文化祭が終わると、片桐先輩が引退し、吹奏楽部は新体制になります。
    芹澤さんはアドバイザーとして入部、山辺さんもコーチをしてくれて、来年に向けてのレベルアップに励んでいます。

    ◆チェリーニの祝宴
    チカはフルートの腕を上げる為、「高価なフルートが欲しい」と思っていた。
    しかし、吹奏楽部のメンバーからは「買い換えるのは勿体ない、練習練習」と口を揃えて言われる。
    母親に至っては、インターネットの相談室に書き込みをしていた。

    チカは値段が高いフルートの方が良い音を出すことを知ってしまった。
    諦めきれないチカは、市内の楽器店でフルートを試し吹きして回る。

    部活が終わった後、無理やりついて来るハルタと一緒に楽器店に向かった。
    そこは中古品も扱っていて、行き場を失ったチカを歓迎して何度も試し吹きをさせてくれた。

    チカは、頭部管や主管に綺麗な模様が入った総銀製のフルートを見つける。
    ドイツ製で、国内には二本しか入荷されていないそうだ。

    フルートの見た目に惚れて、実際に吹いてみたら「これしかない」と思ってしまう。
    しかし、店長は「呪われたフルートだ」と言い出した。

    これまで、問題のフルートは何度も買い取られては、店に戻ってきていた。
    フルートを手に入れた人間には良くないことが起きてしまう。
    但し、呪いのスケールは小さいので、ハルタは話を聞いて笑い転げた末に、呪いを信じていなかった。

    大抵、呪いの楽器はヴァイオリンなどの弦楽器である。
    このことをハルタが指摘すると、店長は「このフルートには弦がある」と言った。

    フルートには仕掛けがあって、それは持ち主にならないと分からないらしい。
    チカの「フルートを手に入れたい」という熱意に負けて、店長は無料でフルートを貸してくれる。

    フルートを借りて以来、チカは不幸に見舞われていた。
    とはいえ、ショボイ内容なのでハルタに「いつも通り」と言われる。
    チカは部活の後も、母親の車を防音室代わりにして、二時間もフルートを吹いていた。

    草壁は、総銀製のフルートに興味を抱く。
    通常、総銀の楽器には彫刻しないらしい。

    チカはフルートを吹いている時、持ち主にしか見えない「弦」を見たことがあった。
    見える時と見えない時があって、天体記号が出てくるようだ。

    草壁が山辺に頼んで、ドイツのメーカーに問い合わせて貰っていた。
    フルートの件で分かったことがあるので、チカ・ハルタ・草壁は上条家に向かう。
    山辺は上条家の長女・南風と酒盛りをしていたからだ。

    フルートの模様はカジノのカーペットをモチーフにしていて、吹いている人間を興奮状態にする効果があった。
    フルートの地金にカーペットの模様と天体記号を彫り、その上に銀メッキをすることで、天体記号だけが見えなくなるようにしていた。
    メッキは使い込むうちに剥がれ、天体記号がうっすらと見えるようになったらしい。
    天体記号は、フルートを使い込むくらいに練習した人間に必要な「祈り」を意味していた。

    ここで終われば美しかったのですが、「一番呪われていたのは楽器店の店長だった」というオチになります。
    一つの楽器が何度も店に戻ってきたら、店主ならば「呪われている」と思いますね。

    チカちゃんは、家族会議で総銀製のフルートを買うことは却下されてしまいます。
    もう一本のフルートの持ち主は、後の話に登場します。

    冒頭から笑わせて貰いました。
    チカちゃんのお母さんも面白い人ですね。
    娘の相談を知恵袋に書き込みをしたりメールとのやり取りで「プリントゴッコがどうの」と書いたり。

    「何故、偽札のスカシを武田鉄矢なの?」と思っていましたが、朝ドラで福沢諭吉を演じていたか... 続きを読む

  • 長かった…。待ちに待った新刊。1巻目からおさらいするところから始めました。

    おさらいしながら思ったのは、巻を追うごとにどんどん読みたくなってくるということ。今回もまた面白さが増しています。

    解説にもあるように、ただただまっすぐ青春を追いかけていたチカが、終わりを見据えてきています。天真爛漫な彼女、でも苦味も知っているというか。そして、彼女よりももっと早くから終わりを見ているのがハルタでしょう。それを指摘してくれる友達がいること、そして、チカの姿から学ぶこと。
    一見、チカがハルタに頼っているようですが、ハルタもまたチカを頼りにしているのですね。ハルタだけでなく、吹奏楽部、生徒会、関わる全ての人が。芹澤さんの「私は自分の未来のことを考えないくらいのバカになりたい。そう決めた」の言葉がそれを表していると思います。

    さて、話は「ヴァルプルギスの夜」「惑星カロン」が好みです。特に表題作は、今後ますます現実味を帯びていくのだと思います。
    ところどころに流行りものに振り回される人、若い女性をイメージしているのでしょうか、その人達をけちょんけちょんにしているところがあります。初野さん、そういう人は苦手なのでしょうか。小気味いいです。

    マンボウ達がまた関わってくるとは思っていませんでしたが、さて、今後もつながりがあるのかしら?そして、草壁先生の恋人?とは?(ハルチカの二人は失恋かな…)次巻も楽しみです。

  • これがシリーズ最後かな?
    次の世代へ交代していくんやなって感じれたけど、惑星カロンは切ないね・・・
    残された方の気持ちも分かるけど・・・

  • ハルチカシリーズ第五作。再読。
    今回は呪いのフルート、怪しい謎が隠されていそうな音楽記号、密室ならぬ校舎全開事件、そして知る人ぞ知る楽曲『惑星カロン』を巡る様々な謎。
    前作で文化祭が終わり、いよいよハルチカも三年生に…と思いきや、まだまだ二年生の話は続く。
    次はアンサンブルコンテストに出場するらしいが、そちらはまだ練習中で終わっている。
    うーん、二年生だけでこんなに足踏みするとは思わなかった。まぁ、指導者が変わりました、実力派の部員が何人も入ってくれました、部員も増えました、高校から吹奏楽を始めたチカも実力つけました、普門館行けました、じゃ短絡的過ぎるから少しずつ過程を描きたいのは分かるけど。
    今回の収穫としては草壁先生の過去がまた一つ明らかになり、一度は逃げ出した過去と草壁先生自身が向き合おうとしている姿が見えたこと。
    だがそれは再び指揮者として戻る過程でもあるのでは(本人は否定しているが)とも思え、少し寂しくもなる。
    ハルチカたちに残された時間は少ない。それでも後継者たちは次々生まれるようだ。嬉しいような、それが今でないことが切ないような。
    次こそ三年生の話か…と期待していたら、最新作は番外編らしい。それはそれで楽しみだけど、そろそろ前に進んで欲しいな。
    読み終えるとやっぱり清水南高校は変人で良い人揃いだと分かる。
    前作から表紙デザインが変わったが、ますます残念な感じに。

  • ハルチカシリーズ第5弾
    4編からなる短編集
    過去シリーズを読んでるので手に取ってみた

    正直このシリーズ自体に少し飽きてきたのかもしれない
    学生物の推理小説として読めば別にいいんだろうが、普門館を目指す青春小説として読むと歩みが遅すぎて少しだれてきた

    ヒットしているシリーズものとして、出来る限り長く続けたい意向があるのかもしれないが、そろそろ話を纏めてもいいのでは

  • 惑星カロン
    巷に溢れかえっているコトバ。
    でも、バーチャルでなく、相対して発せられたコトバこそが、自分の気持ちなのだな、と再認識してしまう。
    感情で突っ走るチカちゃん、大好き❤

  • 感想は単行本版をご参照下さい。

  • 今回はミステリーよりも人間関係主体の物語の感じがしました。

    自身が主役でもいずれ次の世代にバトンを渡していく。
    そんな感じが続く作品でした。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    喧噪の文化祭が終わり3年生が引退、残った1、2年生の新体制を迎えた清水南高校吹奏楽部。上級生となった元気少女の穂村チカと残念美少年の上条ハルタに、またまた新たな難題が?チカが試奏する“呪いのフルート”の正体、あやしい人物からメールで届く音楽暗号、旧校舎で起きた密室の“鍵全開事件”、そして神秘の楽曲「惑星カロン」と人間消失の謎…。笑い、せつなさ、謎もますます増量の青春ミステリ、第5弾!

    【キーワード】
    文庫・シリーズ・高校生・吹奏楽部


    ++++2

  • どちらかというと本書はミステリィよりも物語を進める方に力点が置かれている.つまり,次巻の発刊を期待できるということだ.

  • ブクログの献本で頂いたものです。
    過去シリーズは一切読んでいませんが、なかなかに面白かったです。
    この巻では全4編が収録されています。
    ミステリということですが、主に学校内の些細な問題の解決というところでしょうか。
    主人公二人は、元々そういう学校内便利屋的な活動をしていたようですがね(解説を読む限り)
    呪いのフルート、音楽暗号、逆密室、人工知能という4つが主題の4編ですかね。
    音楽暗号だけが警察絡みの事件ですかね。
    ミステリーにしても、あまり読者が謎解きに参加できない感じですかね。
    主人公たちが謎解きをしているのを観客として見ているだけという感じでしょうか。
    青春ミステリと銘打ってますが、ミステリ要素は微妙で、青春小説というところですね。
    なんというか、ほのぼの見てられる感じで、おーこれは凄いという本格とかで受ける感動とは違う方向性な気がしました。

  • ハルチカシリーズ第5弾。

    ▼収録作品
    「イントロダクション」
    「チェリーニの祝宴」
    「ヴァルプルギスの夜」
    「理由ありの旧校舎」
    「惑星カロン」

    それぞれ独立したお話ではあるものの、リンクする部分もあって、見つけるとおおっ、と嬉しくなる。こういう仕掛け、大好き。

    “ずっと同じじゃいられない。高校生活の時間は着実に流れている。”

    このチカのモノローグが切ない。
    自身の感情の変化を認めるチカ。普通、そういう負の感情には目を背けてしまいたくなるものだけど、ちゃんと向き合えるチカはやっぱりすごい。

    そして。謎めいていた草壁先生の過去が少しだけ垣間見えた。
    止まってしまった時計を進めるために、一歩踏み出すことを決意した草壁先生。

    ハルタの「あと何年、南高吹奏楽部の船長でいつづけてくれるか」というセリフがぐっと現実味を増してくる。さすがにハルチカの最後の夏まではいてほしい、と思うが……。

    重くなりがちなお話も、ハルチカのやりとりに救われる。この巻はチカママと成島さんのセリフにも笑えた。

    次回はやっぱり、片桐や日野原の卒業が描かれるのだろうか? (スルーだったら寂しいような……。) もし描かれるとしたら、ブラックリスト十傑も全員は明かされていないし、一筋縄ではいかないだろうなあ。というか、ハルタとチカが巻き込まれるのは必至。
    新メンバーも入るし、勝負の夏に向けてどんなことが起こるのかとても楽しみ。


    ブクログさんより献本でいただきました。感謝感謝! です。

  • 目の前のことに精一杯だったハルチカが、自分がいなくなった後の部活を考えるようになったり、草薙先生の過去が少し垣間見えたりと、ストーリーとして進み始めたな、という巻でした。短編すべてを読み終えると実は繋がってた!となるのが読んでて嬉しい。謎解きの方向もいろいろあって今回もおもしろかったです。

  • 高校生活の中で起きる日常の謎なんだけど、謎の種類というか方向が多岐にわたっていて面白い。
    音楽的要素はチカちゃんが空回ってるなぁくらいだったけど、自分の卒業を見据えて考え始めていてちょっと切ない。

  • 短編集
    表題作に泣く
    唯一の灯火は、メールで書かれた遺書の「あ」は、「ありがとう」以外ない!とクマザワさんが断言した事か?
    子に先立たれるということは
    第三者からみて、他にありえないと思っても
    当事者にとっては、最悪な想定しか出来なくなるという
    もう、どうしようもないほどの喪失でしかない
    絶望の底に突き落とされる状況なのだと・・・

  • チカママかわいい。総銀製の飾り彫りのフルートを廻る運命と50億キロの距離。久々な上に脇が多くて登場人物がちょっと整理できなくなってきた笑。

  • チカの“どんま~い”発言に思わず笑ってしまいました。吹奏楽部員の軽妙な掛け合いが、重い話を程よく緩和してくれているようでした。

  • 表題作のすべてが収束していく感じと、救いの展開にホロリ。
    ところでこの巻、静岡市の観光情報や駿府城エリアの描写がこれまでより細かく書かれていたような。前までもっと曖昧だった気がするんですけど、有名所の紹介だからかしら。

  • 先生の過去が少し垣間見えそうな。
    最近読む小説は、最新の科学技術ネタを取り入れたものが多いな。
    (私の好みの偏りか、、)

  • やっぱり面白い、このシリーズ。
    会話のテンポがすごく好きです。

    話が色々つながってるとこも、またいい。

    出てくる子みんないい子で読んでてほっこりします。

    前のシリーズのこと忘れてるとこがちょこちょこあるので、読み直したいなと思います。

  • 5編。でも表題作がもう、ハルチカシリーズで良いのか?(失礼)と思う程群を抜いていた。近未来的ミステリと切なさ。良かった。草壁先生の過去に少しだけ近づく。それにしてもハルタがストーカーするほど草壁先生を好きとは(ニヨニヨ)

  • ・イントロダクション
    ・チェリーニの祝宴
    ・ヴァルプルギスの夜
    ・理由ありの旧校舎
    ・惑星カロン

  • 途中までは割と軽く読んでたけど、最後の表題作がよかったので星一つ追加。
    これまでの伏線がつながっていくのが気持ちいいし、作品全体に関わる話も出てきた。登場人物の成長、時間の流れも感じられる。

  • 変わらずミステリは秀逸。ただ毎度のハルチカのやり取りには飽きも。
    あらすじ(背表紙より)
    喧噪の文化祭が終わり3年生が引退、残った1、2年生の新体制を迎えた清水南高校吹奏楽部。上級生となった元気少女の穂村チカと残念美少年の上条ハルタに、またまた新たな難題が?チカが試奏する“呪いのフルート”の正体、あやしい人物からメールで届く音楽暗号、旧校舎で起きた密室の“鍵全開事件”、そして神秘の楽曲「惑星カロン」と人間消失の謎…。笑い、せつなさ、謎もますます増量の青春ミステリ、第5弾!

  • 五つの短編だったけど、『チェリーニの祝宴』と『惑星カロン』は話が繋がっていておもしろいけど、最後には少し切なくなってしまった。
    五つの中でも特に印象に残ったのは題名にもなっている『惑星カロン』
    テーマが少し重かったけどそう遠くない未来に実現しそうな話で、その問題点もしっかり捉えていて考えさせられるものがあった。
    チカとハルタも高校二年生になり、「卒業」がどんどん迫って来ている感じがした。
    今回はハルタが少し大人しかったように感じたけれど、チカとの掛け合いはおもしろくて次の巻もすごく楽しみ!

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惑星カロン (角川文庫)の作品紹介

喧噪の文化祭が終わり三年生が引退、残った一、二年生の新体制を迎えた清水南高校吹奏楽部。上級生となった元気少女の穂村チカと残念美少年の上条ハルタに、またまた新たな難題が? チカが試奏する“呪いのフルート”の正体、あやしい人物からメールで届く音楽暗号、旧校舎で起きた密室の“鍵全開事件”、そして神秘の楽曲「惑星カロン」と人間消失の謎……。笑い、せつなさ、謎もますます増量の青春ミステリ、第5弾!

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