鹿の王 3 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.14
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本棚登録 : 3772
感想 : 198
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055090

作品紹介・あらすじ

攫われたユナを追い、火馬の民の族長・オーファンのもとに辿り着いたヴァン。オーファンは移住民に奪われた故郷を取り返すという妄執に囚われていた。一方、岩塩鉱で生き残った男を追うホッサルは……!?

感想・レビュー・書評

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  • 3巻に入ると、場所もどんどん変わるわ、新しい人がどんどん出てくるわ。
    お話について行くのが大変(笑)

    全部読み終わったら、じっくり映画を見たいなぁ(笑)

    このユナという幼子はかわゆいなぁ。

    さて、やっとこの巻の最後にヴァンとホッサルが出会い、ここからお話は一つに集約さ!ていくのだろうか。

    いよいよ次巻はクライマックスだろうか。。。
    うーん、楽しみ(*^▽^*)

  • 点と点が繋がり始めた。
    各国、民族の思惑が交錯する様が生々しい。彼らは自らの行いを信じて、己の民族を守る為に策を講じる。
    ヴァンとユナを含めた登場人物たちが、運命であるかのように同じ渦に巻き込まれてゆく。
    混沌とした人間の感情が、混ぜ物になり複雑な物語へと読者を導く。
    誰もが愛する者を守るために戦っていた。

    ツオル帝国に支配された国々に、根深く残る民族主義。それぞれの民族が抱えるツオルへの恨み、自由を求める思想は、何もおかしなものは無く、人としてごく自然な活動である。
    それとは裏腹に、各民族はツオルの政治の下に生き長らえてきた事実がある。もう後戻りできないほどに帝国に依存していることが窺える。

    ここから飛鹿の活躍に期待。

    以下、ネタバレあり。

    火馬の民は、民族の解放を願い、勝てない戦に散った。
    残したものは、ヴァンという独角の男に獣の知覚を植え付けたことかもしれない。
    体を離脱して、獣を操りツオル人を襲う能力は今後どう使われるのか。果たして能力は、その身を滅ぼすことはないのだろうか。

    ヴァン、ユナ、サエ、ホッサル、マコウカン。
    愛する者を守るため。彼らは国や民族の垣根を超えて、交わろうとしている。

    読了。

  • 盛り上がってきました〜‼︎

    もう誰が敵なのか味方なのかわからない‼︎

    全員集合で4巻へ(=゚ω゚)ノ

  • どんどんと盛り上がってきた!
    病の原因や、犬たちの謎、それぞれの思惑が時明かされていく3巻。
    ようやく彼らが顔を合わせる…!

    征服された国や部族たちの悲哀に苦しくなった…
    全員悪く思えない。
    単純な善悪はなく、人々が辛い想いを抱えて選択して動いていることがよく伝わってくる文章だった。
    加速度的に面白くなっていく。
    次は最終巻。
    どんな終わりを迎えるのか楽しみ。

  • 連れ去られたユナを追う途中で、矢に射られ意識を失ったヴァンが復活。
    火馬の民とまみえ、ヴァンを塩鉱で噛んだ犬たちがどういう生き物なのかを知ることになる。

    一方、ホッサルたちは黒狼病の治療法を求め、沼地の民の居住エリアへと来ていた。

    土地を奪われ、自分たちの大切な物を失くさんと蜂起する火馬の民。
    かくや、現状維持でことを荒立てたくないアカファ王。
    侵略してくるムコニア帝国。

    この国は、あちこちに火種があり、不満があり、憂いがある。
    人には人の数だけ考えや正義があり、それを貫くがために戦い疲弊していく。
    現実もそうだ。
    天啓だと信じたい物を信じ、突き進む先には、大概碌なことがないもんだ…

  • 第3巻で、事態のあらましが判明する。

    キンマの犬(黒狼と山犬の半仔)を操りアカファ辺境に住む東乎瑠人を襲わせているのは、東乎瑠人に恨みを持つ火馬の民の過激派と判明する。火馬の民の過激派を殲滅し、彼らの策略を未然に防げるのか、そして黒狼熱の治療薬の開発に成功することはできるのか。物語の焦点はこの2点に絞られていく。

    さて、本物語に登場する勢力はおおざっぱに5つ。すなわち征服民である東乎瑠人(王幡侯ら支配階層、そして移民政策により東乎瑠王国辺境からアカファに移り住んだ人々)、被征服民であるアカファ人(旧アカファ王国の支配階級及び庶民)、アカファの地をかつて(アカファ王に譲るまで)支配していたオタワルの貴人達、各部族単位でアカファ辺境に暮らす辺境の民(居住地を追われた火馬の民、その従僕的な沼地の民、隣国ムコニア王国兵の侵入に悩まされている山の民等)。

    これらの勢力の利害が錯綜しているので、ちょっと複雑だが、物語に厚みというかリアリティーが出ていると思う。

    本作でなかなかいいなと思うのは、これらの勢力それぞれに立場があり、それなりの理があり、思いがある点。邪悪な者が登場しないので安心して読める。

    例えば、キンマの犬(黒狼と山犬の半仔)を使って東乎瑠人に対してテロを起こそうとしている火馬の民の過激派には、同情すべき過去(居住地を追われ生活や文化を奪われてしまったこと)があるし、東乎瑠人の征服政策・領地経営にさえも、領地を無難に治め、経済を活性化させ、隣国の侵攻から領地を守るという点で功績がある。旧アカファの支配層にも、日和見なところはあっても征服者(東乎瑠人支配階級)とアカファ人の間を取り持ち社会の安定に寄与しようとしているし、オタワルの貴人達は医術を始めとする科学技術において独自の地位を築き、尊敬を集めている。

    最終巻でどのような結末を迎えるのかだろうか。

  • 1巻と2巻が起承なら、
    3巻は転です。

    急展開で物事が進み、明かされていきます。
    キンマの犬の秘密。
    裏返ること。

    その中で火馬の民には、胸が痛くなります。
    征服されれば故郷を追われ、平穏だった生活が奪われる。

    読み終わった後に、
    ブックカバーをとって、
    装丁を見ると、何とも言えない気持ちになりました。

    次が最終巻。
    あっという間です。

  • 3巻。
    辺境の民、ケノイらの動きと、アカファ王の思惑。

    ラスト4巻にむけて一気に進みます。

  • 物語は大きく前進。
    新たな登場人物 オーファン、ケノイも加わり、世界もさらに広がっていく。

    第3巻のテーマは望郷。
    そして、大義のための正義は本当に正しいのか?
    そのための犠牲は仕方ないのか?
    また「自分の身体の中には、意識の及ばないところでたくさんの活動が絶え間なく働いている」という医療文学でもある本書らしい記述も印象的。

    ヴァンが飛鹿《暁》と再会するシーンにはグッときた。さて、最終巻へ!

  • 様々な思惑でヴァンに迫る彼ら彼女ら...。スピリチュアルペインに分かりやすい理屈なんてないのだ...。意外なところで繋がっている人物相関図を書き足しながら読み進める。読み進めたいけど読み終わりたくない気分で第4巻に突入します!

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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