鹿の王 4 (角川文庫)

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著者 : 上橋菜穂子
  • KADOKAWA (2017年7月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055106

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上橋 菜穂子
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鹿の王 4 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • ヴァンの行動が自己犠牲の方向に向かっているように感じた時から、もしかして悲しい終わり方なのじゃないかと気を揉みながら読み進めたけど、結局読者の想像に任せられるような結末だった。
    ハッピーエンド好きとしては少し物足りない終わり方だったけど、きっとこの先にも本には収まりきらない物語があるのだと思うことにする。

  • 物語は終わっても、物語の中の世界は終わらない
    明るい期待をもたせて締めくくってくれた。
    ユナという存在が最初から最後までこの物語の光だった。


    正直、読み始めた時は泥臭いおっさんが主人公か、、、
    と思ったけれど、
    ヴァンと寄り添っていく中で
    彼の人間的な魅力にすっかりやられてしまった。


    ヴァンと、ユナの言葉を必要としないつながりに
    胸が熱くなった。


    もう一度、「獣の奏者」の外伝を読みたい。
    この著者の描く親子が好きなんだな、と気づかされた。


    生まれおち、一度だけの生を生きていく。
    ヴァンも、ユナも、サエも、ホッサルも、ミラルも
    身の内で起こる事、外で起こる事を事象として受け止めつつ
    賢くも愚かにも生きていく。


    できる力を持つヴァンが半仔たちを率いて去って行き
    迎えに行ける力を持つユナたちが迎えに行く
    鹿の王をたらしめるのは、他者という事で
    ユナという存在がヴァンを救ってくれる事を信じ
    暖かい気持ちで本を閉じる事ができた。

  • とうとう終ってしまった。感無量。ユナとヴァンは絶対に離れられない絆で結ばれているんだ。それがすごく嬉しかった。ヴァンは「鹿の王」となるべく、自己を顧みずユナを置き、離れていこうとしたけれど、ユナの血がそれを許さなかった。本当にすごい。こんなエンディングになるなんて想像していなかった。快哉を叫ぶとはこのことか。物語、冒険はまだまだ続きそうだけれど、私たちが関われるのがここまでかと思うととても寂しい。また何かのカタチでヴァンやユナ、サヤたちに会えるといいな。ユナがどんな女の子になっていくのかとても楽しみだ。

  • 国語の教科書に出てくるような物語が好きという方や、すこしファンタジックでミステリーな物語が好きな方には、おすすめです。

    映画化できないような想像力あふれる一冊。今まで読んだ本の中で一番大好きです。

    読書すること自体、小学生・中学生の頃から全くなかったのですが、学生の頃の朝読書の読書習慣のおかげもあって、またこの本に出会って読みたい気持ちが目覚めました。最近の流行り本とは違い、本当の読書の楽しさを与えてくれる読む幸せを感じられる一冊です。

  • 読みやすい文体で流れるように勢いのある物語が描かれている。
    他民族の思想が絡まることで、スケールが広く深くなっていて惹きこまれます。
    病気への向き合い方もそれぞれの人が思う気持ちも多種多様で、どれも理解出来て、だからこそ難しく苦しく、又面白い。

  • 途中、泣いてしまいましたねー。
    上橋さんならではの、ここで、ああなってしまうのではないか、とか、悪い想像も働かせてしまいましたが、思ったほど、最悪のシナリオにはならず、ほっとしました。
    あの終わり方、あそこで終わる、というのも、含みがあって、良いと思いました。

  • 児童書だと思っていたら、主人公がおじさんだった事にまず衝撃を受けた。
    各地の歴史や民族たちの特長とか良く出来ていて、なんとも壮大な世界を体験できました。
    命の不思議さを実感。面白かった。

  • 最後のページをめくり、エピローグがないかと探してしまった。
    鹿の王たる運命というか、宿命というか。わかっていてもハッピーエンドを願わずにはいられない。
    ヴァンが孤高が故の愛されキャラで
    四巻あっという間。
    上橋先生、サイコーです。

  • ようやく読み終わった。
    終始、異世界にトリップしてる感じ。(入院とかの)まとまった時間が取れるときに、また一気に読みたい。
    そしてファンタジー要素だけではなく、医療小説の要素も絡み合っているのが面白かった。菌とは?それで組成される人体とは?その行動原理は?……現代ほど最新技術がないからこそ自然に本質に迫る姿は、色々と考えさせられた。

  • シリーズ最終巻。
    黒狼熱を使った全ての企みに片が付いた大団円だった。

    ファンタジーらしい展開を交えつつ、病と医療、生と死に深く迫った物語は登場人物達のそれぞれの思惑絡み合ってとても重層的で、読み応えがあった。

    ただ読み終わった後の正直な感想は、実はちょっと物足りないかな。
    たぶんそれは単純にワクワク感が足らないからだ。
    前巻でヴァンとホッサルという二人の主人公が出会って、さて、本巻ではどうなるのか? と思って読み始めたわけだけど、二人の出逢いがなにかの事態を大きく動かすと言うことはなかった。
    陰謀の阻止に向けて二人が協力し合ってと言うような展開にはならない。
    そこがちょっと残念。
    もちろん物語はそう言う次元ではない、生と死・病と医療の深みにまで迫っていくわけだけど、実はそのことが物語を医療分野に強く引きずった結果、物語としての単純な面白さを減じたとも感じる。

    とはいえ、森の中に去っていったヴァンがユナとサエと共にその後の幸せな人生を送ってくれることを祈りたい。

  • 2015年、本屋大賞第1位。
    この作品、当時から気になっていて、ハードカバーで買おうかどうしようか、迷っていた記憶があります。
    上橋菜穂子さんを読むのは本作が初でしたが、人気があるのがわかります。
    物語としての完成度、架空の世界の設定の奥深さ、そして登場人物の造詣。どれをとっても間違いなく一級品です。
    読み始めたら先が気になって仕方ないのですが、そこを我慢して、じっくりと時間をかけて読みました(^^)

  • 2017/10/22

    最初の方は支配・被支配の関係がわからなくて混乱し、中盤は病理の解説に混乱し、終盤は切なくて泣いてた。

  •  大作だった・・・。どっぷりとこの世界に浸っていた。山を3つばかり越えたら本当に飛鹿が生きるこの世界が広がっているんじゃないかと思うほど、生き生きとして無数の命が手触りを持って存在するように感じていた。
     なかでもユナちゃんの無垢で輝くような存在感がたまらなく愛おしい。政治的な理由や侵略者の理屈で次々と命が失われていくなかで、何の疑問も持たずに生まれて来たからには精一杯生きる、と、生き物として当たり前の存在動機を達成している幼子。
     ヴァンはきっと、自分で思っている以上にユナに救われていたんじゃないかなぁ。ラストシーンの後も、きっと・・・。
     ホッサルと祖父リムエッルのやり取りは緊迫していて、でもその中に多くの示唆や気づきがあった。どちらの考え方にも、納得できる部分と、いやそれは理想にすぎないだろうと思う部分とがある。リムエッルは終わりの方になるまではずっと、過去の人かと思っていたのに、全然そうじゃなくてびっくりしたわ・・・。
     こういった政治的な駆け引きは守り人シリーズでも見られ、それがしっかり作り込まれている点が、善く生きる人たちの辛さにも繋がっているけど、物語の奥深さにも繋がっているんだろうなと思う。

  • 明るい未来を予感させるラストなのに、なぜか気分は晴れなくて。

    病については、地道な研究や偶然の発見から治療法が見つかる可能性がある。
    しかし、領土を広げようとする争い、それに巻き込まれる民の悲しみや恨みは無くならないのか? 病より人間の方が、悪なのか?
    そうじゃない世界であって欲しい。

  • ヴァンは、ホッサルとの長い対話の中で、「生まれながらの貴人はいない」理由として、以下のことを話し始める。

    「飛鹿の群れの中には、群れが危機に陥ったとき、己の命を張って群れを逃がす鹿が現れるのです。長でもなく、仔も持たぬ鹿であっても、危機に逸早く気づき我が身を賭して群れを助ける鹿が。たいていは、かつて頑健であった牡で、いまはもう盛りを過ぎ、しかし、なお敵と戦う力を充分に残しているようなものが、そういうことをします。私たちは、こういう鹿を尊び〈鹿の王〉と呼んでいます。群れを支配する者、という意味ではなく、本当の意味で群れの存続を支える尊むべき者として。貴方がたは、そういう者を〈王〉とは呼ばないかもしれませんが」(19p)

    ここに至って、初めて作品の表題の意味が姿を現す。表題が〈犬の王〉とならなかった理由が、ここでやっとわかり始める。もっとも、ラストにならないと真の意味はわからないのではあるが。私は一方の主人公ヴァンをめぐる物語の輪郭をここで掴んだ。

    こういう〈王〉の在り方は、もしかしたら珍しくはないかもしれない。日本でも身分制が確立しなかった縄文時代や弥生時代後期ぐらいまでは、このような〈王の伝説〉はあったかもしれない。上橋菜穂子は長いことオーストラリアのアボリジニの調査研究をした。いままでは、不思議なほどにその調査研究の影響が作品上にみられなかったが、今回は濃ゆく出た気がする。アボリジニは、英国人の実質上侵略を受けた。長い迫害をどのように耐えて来たのか。現在は、どのように英国人と共存しているのか。それを観て来たのが上橋菜穂子である。ヴァンはラストはどうなったのか、誰もが想像できる。その寸止めの描き方が素晴らしい。

    もう一人の主人公ホッサルからは、人の身体を国に譬えた話が飛び出した。医療をテーマにして、やはり大きな物語が動いていた。しかしそれは多くの人が解説しているので、ここでは述べない。ただ、文庫版あとがきでは、著者はこの2年間の御母堂の癌との戦いの日々を告白している。さぞかし、決断と忍耐と癒しと悲しみの日々だったろうと推測する。「守り人シリーズ」の文庫本化の時にはまるで最終章に合わすかのように大津波が起きた(最終巻が2011年夏の発行)。「獣の奏者」の時にはISの台頭、そして本作ではこのようなことが起きる。決して時代に合わせて書いているとも思えないが、やはり「何か」あるのかもしれない。
    2017年9月読了

  • 生きるということ。
    群れの中で、個として、生命体として。
    いろいろな、断面でもやもやしていることを、少しはっきり見えるかたちにしてくれる物語。

  •  壮大過ぎて最終的に展開から置いて行かれた……登場人物や国の情勢や歴史や位置関係をしっかり把握しきってから読めばもっと楽しめただろうと思うと非常に残念なので、そのうちリベンジしよう;

  • 複雑な民族間の考えや想い。
    誰も悪くない。
    ただ故郷を守りたいだけ。
    やり方を間違えただけ。
    壮大な物語でした。
    そして結末は…。
    私は暖かくてやっと落ち着ける結末を思い描こうと思います。

  • キャラ読みだけでなんとか4巻まで到達。
    最後すっきり終わったわけじゃないけど、
    ほんのり希望の光が見えた感じで終わってよかった。
    もうヴァンが一人になりませんように。

  • よかったです。とても。
    上橋さん独特の物語の世界観も楽しめ、それに医療という難しいテーマがうまく融合されていて、とても読み応えがありました。
    いろんな立場の人たちが、それぞれ、必死に生きているのに
    どこか切なさを感じました。
    終盤はどこか哀しい雰囲気が漂う中、ユナやサエをはじめとする登場人物、ヴァンとの強い絆が読んでいて、嬉しくなり、胸が熱くなりました。
    少し、時間をかけて読んだので、今度は、一気に読みたいと思います。

  • 面白すぎた。同じ言葉がなくても、概念がなくても、必要であれば、知恵を絞れば生み出せる。アニミズム医学ファンタジー、なのだろうか。
    飛鹿に乗ったときの風を感じられた気がした。あのイキイキとした描写が大好きだ。(4冊同感想)

  • 深い原野の森、出自の違う人々、それを乗せる飛鹿、そして鹿の王。
    結末に感じる哀しくも温かい気持ち、私や私の大切な人が夢となった後も続いていく生命への切ない思慕を、幸福と呼んでいいのだろうか。
    自分の身体の輪郭を思い出させてくれるような読書でした。

    群像劇なので一人一人の心情に深入りはしないのですが、魅力的な人物がとても多く登場するので、外伝がぜひ読みたいですね。
    一人選ぶならリムエッルの話がもっと見たい。

  • なかなか面白かったが、少し医療の話がくどかった。壮大なストーリーを読んだ後の供に旅を終えた感は得られなかった。

  • ファンタジー小説だと思ったら極真面目な医療小説だった。良い意味で裏切られた。上橋先生らしく丁寧な描写で、今にも猪の脂の良い匂いが漂ってきそうだった。正義や悪ではない人間そのもの、世界そのものが描かれた大人向けの児童書だと思う。大人にこそ進めたい。

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鹿の王 4 (角川文庫)の作品紹介

ついに生き残った男――ヴァンと対面したホッサルは、人類を脅かす病のある秘密に気づく。一方、火馬の民のオーファンは故郷をとり戻すために最後の勝負をしかけていた。生命を巡る壮大な冒険小説、完結!

鹿の王 4 (角川文庫)のKindle版

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