- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041055748
作品紹介・あらすじ
凡庸を嫌い、「上品」を好むデザイナーの僕。正反対な婚約者には、さらに強烈な父親がいて――。(「アメリカ人の王様」)不器用でままならない人生の瞬間を、肉の部位とそれぞれの料理で彩った傑作短編集。
感想・レビュー・書評
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豚肉が出てくる短編6編を収録。豚足、ロース、バラ肉、肩肉、ヒレ、ハムが登場。グルメ話とは違う。はじめは何の話かと思うが、ちゃんと肉の話で終わる豚肉絡みのヒューマンドラマ。
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肉を描いた小説って面白そう!とこの本を手にとった。
やっぱり面白かった。
私にとって肉って美味しいご馳走だけど、そうじゃない人もいるところが新たな視点だった。
不味そうに食べる描写も、何だか食べてみたくなるのが面白い。
豚足、食べたことないから食べたいな。
『アメリカ人の王様』と『肩の荷(+9)』と『魚のヒレ』が特に好き。
『アメリカ人の王様』は、お肉の味は変わらないのに主人公の意識は変わっていくのが面白い。
『肩の荷(+9)』は途中苦しくて読むのに躊躇する場面もあったけれど、読み進めていったらラストは気持ち良かった。
『魚のヒレ』は青春の甘酸っぱさが好み。
彼の必死さに対応するエピソードの強さが面白かった。
豚肉食べたい!となる作品でした。
そして食べたあかつきには読み返したいです! -
豚肉の部位をモチーフにした短編集。
すべて男性(男児含む)が主人公だ。
印象にのこった話をいくつか。
「武闘派の爪先」
なんかこわい話。世にも奇妙な物語の、ホラー要素強めのやつみたいな。
美味しそうな料理が出てくるのを期待してたのにそうじゃないし、可愛い豚の絵の表紙と全然合ってないじゃないか、こういうこわい系の話が続くなら嫌だなぁ…と思った。
結果、こわい不気味はこの話だけだった。ほっ…。
「君の好きなバラ」
豚の角煮が美味しそうだったー。
一番、食べ物描写がたまらん話。
豚の角煮丼食べたい。
そんで、中学生男子にそこまで「お母さん」として妄想されて憧れられるおばさんってどんなだ?笑
私がパッと思いついたのは、西田尚美かなぁ。原田知世や石田ゆり子も綺麗で可愛らしいけど、彼女たちからは「この人が自分のお母さんだったら…妄想」は湧き立たないだろうな〜。
「肩の荷(+9)」
40代後半って、こんなふうに噛みきれない、硬いもの食べられないってなるのかなぁ。
今30代後半の私。あと10年くらいで食べる楽しみを感じられなくなるなんて、嫌だー!
そして、老いについても、他人事とは思えないほどリアルな描写。
見た目を売りにして生きてないけど、自分の老いに向き合うって、結構つらいことなんだろうな、と思った。 -
心温まる短編集のかたまり。
こんなハートウォーミング。
ずるい。。
文章化しない。
あえて語らない文章の使い方が秀逸。 -
豚肉にまつわる短編小説集
課題本ではないけど読書会のために再読
前にも読んで感想を書いたはずが、記録が残ってない
何故だ?
収録は6作
・武闘派の爪先
・アメリカ人の王様
・君の好きなバラ
・肩の荷(+9)
・魚のヒレ
・ほんの一部
あと、あとがきと近藤史恵さんの解説
・武闘派の爪先
田舎でいきがりたいヤクザっぽい人
豚足が苦手だという
田舎には田舎でヤベェ輩がゴロゴロいたりするんだろうか?
私は豚足の食感は結構すきですけどね
ボイルしただけのやつも、煮込んだのも美味しくいただけます
・アメリカ人の王様
上品か下品かという判断基準の男
結婚したい女性の態度はときに上品とは言えず、その親も……
まぁ、本人の気質もあるんだろうけど、読んでいて若干の嫌味に感じる部分がある
それってあなたの好みなだけど、他の人がそれに合わせる必要ないですよね?という感じ
それでも、最後まで読むと、彼女のお父さんとの共通点に言及されていて面白かった
・君の好きなバラ
微妙なお年頃の男の子
親との関係もそんな感じになるでしょうねぇ
ましてや茶化してくる母親なんて
・肩の荷(+9)
おっさんとホルモン
私はホルモンも結構好き
焼肉でも頼むし、もつ煮も作るし
ってか、そんなに噛み切れないか?
私の歯が衰えてきたらまた考えが変わってくるんだろうか?
・魚のヒレ
若干のエロさを感じる
遺言のトリックwww
まぁ、本当に料理上手な人って名前のつかない料理を作れる人ですからね
あながち間違いではないと思うよ
・ほんの一部
エローいw
人によっては気持ち悪く感じるんだろうか?
まぁ、これが酷くなると猟奇的になっちぁうんですけどね -
こう言う感じなのね!?
っていう肉食男子。いや、肉食は勘弁男子やら、肉食系女子とお付き合いする男子やらとにかく肉にまつわりつつストーリーが展開する短編集。
どのストーリーも共感できそうな出来なさそうな、ファンタジーのようなそうでもないような。笑笑
恋愛小説のようなそうでもないような。
この絶妙に人間関係が肉に調理されてる様子は、見て楽しむご馳走のようです。笑笑
短編なので、途中途中味が変わるのも楽しめる。読みやすいので、吉牛くらいの気持ちで入れます。 -
肉をテーマにした短編集。
最初の頃に出て来る短編の主人公は、独りよがりで、好きになれないし、結構嫌な気分にもなるけど、作品を読み終わった時には、何だか優しい気持ちになれるから、不思議…
タイトルが「肉小説集」だから、いろいろな肉が出て来るのかと思ったら、豚肉のみ。あとがきによると、作者が関東人だから「肉=豚肉」なのだそう。確かに、同じ関東人の私も豚肉のイメージが強い。登場する料理は、凝った物もほとんどなく、実際に作ってみたくなる作品。 -
豚の部位を目次に始まる肉と男の話。
肉小説集と言うからにはさぞかし美味しい料理が出てくるのだろう、と思ったら、
初っ端からマズいって言っててウケました。
グルメ小説ではなくやっぱり青春だなぁと。
(あ、1話目は違うか?)
30代会社員から40代中間管理職、
男子中学男子生に小学生。
あらゆる男たちが鮮やかにかき分けられてて、
流石だなぁ。 -
坂木司さんの小説は好きですが、
こちらの本はあまり響いてきませんでした
悪口というわけではないけど、なんか腑に落ちない文章でした