- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041056127
作品紹介・あらすじ
なぜか不幸を招き寄せてしまう体質と、家族とのぎくしゃくした関係に悩む高校1年生の光太郎。先輩・七瀬の強引な勧誘で廃部寸前の文芸部に入ると、部の存続をかけて部誌に小説を書くことに。強烈なふたりのOBがたたかわす小説論、2泊3日の夏合宿、迫り来る文化祭。個性的な部のメンバーに囲まれて小説の書き方を学ぶ光太郎はやがて、自分だけの物語を探しはじめる――。ふたりの人気作家が合作した青春小説の決定版!!
感想・レビュー・書評
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文芸部って小説を愛するだけでなく、自分たちでも小説を書く部活だったのか。学生時代そんなクラブなかったので知らなかった。出生の秘密から自分に自信がなく無気力な主人公の成長物語。七瀬先輩があまりにも普通の女子高生すぎてさほど魅力を感じなかったが、原田と御大の正反対のOBや個性溢れる文芸部員が面白い。お父さんの言葉が染みる。色々あっても優しく愛に溢れた家庭に育ち、周りの人に恵まれたからこそ、コンプレックスを克服し成長できた光太郎。彼のその後も気になる。
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ところどころにあるクスッとポイントがいい感じ。井上部長が足をぶつけたときの言葉とか。七瀬先輩がちょっと都合のいい人に見えなくもないけれど、青春時代ってそういうものなのかも。たくさん失敗してもそれを乗り越えて大きくなっていく。成長の途中段階ということですね。解説が三上延氏で、この次に読む本が『ビブリア古書堂』(再読)なのでここでもまた偶然のつながり。
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【あらすじ】
「私はきみの書く小説が読みたい」。青春小説の名手ふたりが紡ぐ合作小説!
なぜか不幸を招き寄せてしまう体質と、家族とのぎくしゃくした関係に悩む高校1年生の光太郎。
先輩・七瀬の強引な勧誘で廃部寸前の文芸部に入ると、部の存続をかけて部誌に小説を書くことに。
強烈なふたりのOBがたたかわす小説論、2泊3日の夏合宿、迫り来る文化祭。個性的な部のメンバーに囲まれて小説の書き方を学ぶ光太郎はやがて、自分だけの物語を探しはじめる――。
ふたりの人気作家が合作した青春小説の決定版!! -
2人の作家が小説執筆支援ソフトを活用して合作したというのにびっくりした。個性豊かなキャラクターに関わっていくことで主人公が抱える悩みが消化されたのはよかった。他のメンバーの未来については言及されているが、2人の今後は描かれていないので今後が気になる感じの終わり方。
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灰色と水色
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小説を書く人の葛藤や考えていることが、垣間みえたようで面白かった。小説のなかの主人公は、他の登場人物との関係性を細かく描くことで、より人物像が鮮明になる。
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『娯楽』★★★★☆ 8
【詩情】★★★★☆ 12
【整合】★★★★☆ 12
『意外』★★★☆☆ 6
「人物」★★★★☆ 4
「可読」★★★★☆ 4
「作家」★★★★☆ 4
【尖鋭】★★★☆☆ 9
『奥行』★★★★★ 10
『印象』★★★★★ 10
《総合》79 B+ -
中村航っぽいなー良くも悪くも。
なんかあまり深みがない。高校生だからこういう感じかもしれないけど、私はそれよりお父さんとお母さんと不倫相手の経緯の方が気になって気になって・・・。
それでは中村航ではなくなってしまうけど。
文芸部の仲間たち、個性的なメンバーだけど魅力が感じられない。 -
カドフェス2017対象本。
芝浦工業大学の小説創作支援ソフトを使用した、中村航と中田永一の合作小説。
両著者の作品を数冊ずつは読んでいる私からすると、いろいろな手が加わっていることもあって、それぞれの味が消えてしまっているのではないかと思わないでもない。
駄作では決してないが、そこそこの作品という印象。
不幸を呼び寄せてしまうという主人公像は、中田永一っぽい。
対してヒロインの奔放さというか、軽さというか、主人公に運河でキスしてしまうようなところは、中村航っぽい。
「ああもう、そういう人を惑わすようなことしないでくれよ!」っていうのが、中村航には多い気がする。
執筆は、両著者でプロットを作ったあと、交互に進めていったそう。
冒頭は中田永一で、「知識の橋」とか言い出すところは中村航っぽい。
あと、ラストはとてもきれいだったが、これは着地の上手な中田永一の手によるものではないかと思う。
七瀬が色とりどりの風船を背にしているところとか、風船が割れるところとか。
偉そうに書いておいて、実際は全部逆だったら恥ずかしいな(笑)。
とりあえず、「ああ、これはこっちの著者っぽいな」と感じるところはいくつかあった。
ただ、中村航の冗長な甘さとか、中田永一の切なさとか、それぞれの持ち味を強く感じることは少なかったように思う。
特に私は中田永一の方が好きなので、彼が全編書いたらどうなるんだろう、と思わずにいられない。
とはいえ、一定の成功の基準は満たしているだろうし、面白い取り組みだった。