伊豆の踊子 (角川文庫)

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著者 : 川端康成
  • 角川書店 (1968年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041057025

伊豆の踊子 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 女性の所作の美しさと、植物的儚さがある。

    『青い海黒い海』は名作。『伊豆の踊子』よりも好き。むしろ個人的には川端文学の魅力は慕情だとか旅情、抒情ではなく、人間の健康的なエロスや艶めかしさをさらりと述べた文章であると思うのであるから、『父母』の慶子さんの描写とか、とても良いのである。

    なに言ってるんだと思われるだろうナ。

    ファッション的に、まだ肌を隠していた時代の小説というのは、膜一枚分の奥ゆかしいエロスがあると、わたしは思うワケです。

  • 『伊豆の踊子』
     旅先で出会った踊り子に心惹かれ、ふれあいの中で心が洗われていくお話。主人公が伊豆を訪れた理由について、「二十歳の私は自分の性質が孤児根性で歪んでいると厳しい反省を重ね、その息苦しい憂鬱に堪え切れないで伊豆の旅に出て来ているのだった。」と述べている。川端自身の出生が作品に大いに影響していることは、言うまでもないだろう。
     有名な作品だけど、こんなに短かったとは。サックリ読めた。

    『青い海黒い海』
     なんと奔放な作品か。全てが漠然としたイメージで成り立っている。それぞれが何の比喩なのかまったく理解できないけれど、作者の死生観、そして触れたことのない母を求めているんだろうなあと。

    『驢馬に乗る妻』
     元恋人の妹と結婚した男。その結婚生活は、元恋人の犠牲の上に成り立っているのだろうか。この男情緒大丈夫か?と思ってしまう。最後の妻を驢馬に乗せるシーンが、何を表現しているのかわからない。川端の作品は肝心なところを書ききらない。

    『禽獣』
    「夫婦となり、親子兄弟となれば、つまらん相手でも、そうたやすく絆は断ち難く、あきらめて共に暮らさねばならない。おまけに人それぞれの我というやつを持っている。
     それよりも、動物の生命や生態をおもちゃにして、一つの理想の鋳型を目標と定め、人工的に、畸形的に育てている方が、悲しい純潔であり、神のような爽かさがあると思うのだ。良種へ良種へと狂奔する、動物虐待的な愛護者たちを、彼のこの天地の、また人間の悲劇的な象徴として、霊障を浴びせながら許している。」
     悲しいなあ。

    『慰霊歌』
     鈴子を霊媒に、呼び寄せた花子の美しい霊。これも母体への渇望が現れた作品なのかな。うーん、解釈が難しい。

    『二十歳』
     これは唯一わかりやすい作品だった。継母の意地悪、実母の死に接し、坂道を転がるように堕ちてゆく人生。
    「彼のなかの女性的なものが、彼を女になれなれしく、女をさげすませつつ、しかも、この世に女がいる限り、自分はいつか立派な人間になれるというような、安らかな夢を、どこかに持たせているのだった。」
     ねじれてるなあ。しかしあんな最後ったらないよ。

    『むすめごころ』
     咲子健気かよ涙。大好きな人同士が結婚したら嬉しい、けどどこかで嫉妬を感じてしまう。心の機微がよく描かれている。

    『父母』
     旧友に宛てた手紙。内容は、「お前が生き別れた娘と軽井沢でテニスに興じているが、特別な関係になってしまったわ!」これは実父にとっては堪らない話だが、真偽のほどは・・・?

     全体的に解釈が難しいけれど、各作品に残る疑問が、作品に深みを与えていることは間違いない。しかし少女の心をここまで描ける男性作家は稀有なんじゃないかな。

  • 『雪国』の時にも薄々感じていたが、先生、はたから見ると大分危うい視点なのでは…?
    失礼は重々承知の上での感想だが…
    川端先生は、どこか、自覚なく邪心…というか有り体に言ってエロを書くという勝手な印象がある。
    (ちなみに、谷崎先生はこれ以上ないほど自覚して書いている印象。それも、書いているうちにどんどんテンションが上がってきている感じがするのだ…)
    指摘されたら、「…?」と首をかしげる姿さえ目に浮かびそうで…
    勝手に純愛悲恋ものだと勘違いしていた私も悪いのだけれど…

  • 箱に入っていてかわいらしく、川端康成の文章が好きになる作品が入っていて良いと思いました。(Sato)

  • 男尊女卑、動物の扱い、芸能の地位の低さ等、今の世の中との差が目について感情移入できなかったです。
    自分が無知なばかりに全然理解できなかったのが悔しい。
    それでも「驢馬に乗る妻」は面白かったかな。

  • こんな短いものだったのかと驚いた。

  • 風景描写がすごくきれい。(a.k)

  • 禽獣、二十歳のぶった切り感がすごい。二十歳に至っては「このクズもういい」と著者が主人公を捨てたのではと勘ぐってしまうほど。

  • 「甘い痛み」って言葉が思い浮かんだ。
    幸せな時間があった、という記憶でこれからも生きていける。

    『むすめごころ』、『禽獣』も好き。

  • きちんと読んだ思い出がなかったので読んでみた。

    『伊豆の踊子』は、旅芸人の14歳の踊り子がとても可愛い。
    可愛くて純粋なだけに、「旅芸人」というものの行く末が思われて悲しい。
    高校生の主人公の踊り子への気持ちも初々しくて、切ない。


    他7編。
    『驢馬に乗る妻』の主人公の気持ちがわからなかった。
    妻とその姉が可哀想。結局自分しか愛せないんでは無かろうか。

    『むすめごころ』がとても切ない。
    友達と大好きな友達をくっつけようとするいじましさ。
    幸福ってなんだろう。

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