さよなら僕らのスツールハウス

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 145
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058527

感想・レビュー・書評

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  • 著者初読み。
    青春の一時期、同じシェアハウスに住んでいた人々が過去を振り返る、ちょっと切ない連作短編集。

    関東某所、切り立った河岸に建つシェアハウス「スツールハウス」。スツールとは背もたれのない腰掛け、若者たちがひととき、腰かけるように住み、旅立って行く。
    思い違い、ちょっとした謎、軽いミステリー、「スツールハウスの主」と呼ばれていた女性のことなど。

    寝食ともにすると繋がりは深くなる。
    良い話ばかりで物足りなかった。
    (図書館)

  • シェアハウス舞台とした物語で、ハウスの誕生からなくなるまでの間に住人となった人たちにまつわる短編集という構成になっています。住人たちは数年でハウスを卒業してしまうため、短編同士は特段のつながりはなく、登場人物もほとんど別々。唯一全編に渡って登場する人物が一人、その人物が最後はハウスで再び暮らそうと画策するも、というストーリー。
    鶴屋素子の章にいきつくまでは、短編同士のつながりがないため、なんとなく掴みどころがないな~と思いながら読んでいましたが、最終章になって素子視点でそれまでの出来事が描かれており、ようやく合点がいきました。
    物語のラストでは素子が渇望したハウスでの再びの暮らしも叶わないものということがわかり、過ぎし日のハウスで過ごした時間がかけがえのないものであったことを素子という登場人物を通して読者に思い起こさせる、ちょっとせつない終わり方でした。

  • いい舞台なのに、残念。青春方面でも、自伝的小説にでももっといい感じに転がせそうなのにどっちつかずな感じがしてしまう。月下美人の件気になって検索したけれど、ずっと咲いてるのは良いかもしれないけど、人間のエゴに思えて検索した画面をそっと閉じた。美人を老いる前に殺して保存しておく…みたいなのを想像してしまって怖かったのです。

  • 5つの短編で最後にまとめる系の作品

    「メッセージ・イン・ア・フォト」
    他の方も書いているように5つの短編の中で一番良かった
    当事者だけが分かるメッセージっていいな…

    「シャワールームの亡霊」
    解説部分で分かりやすくするためか絵が入ってるのはいいけど、なぜかキョトンとしてしまった

    「陰の花」
    主人公の考え方はわりと好きかな… 取り扱われた花に関する別のお話を最近読んだのもあり、なかなか好きなお話でした。

    「感傷用」
    キャラ自体は好きなんだけど、その職業でそれをやっちゃっていいのか… と突っ込みながら読んだ。 途中から本編のまとめにも入り、秘密は分かったけどあんまり衝撃ではなかったかな…

    「さよなら私のスツールハウス」
    まとめ回。正直一つ前の「感傷用」で大体のオチは見えていたので物語のクライマックスの割には盛り上がりにかけた気がします。

    総評:短編の出来はいいんだけど、1つの物語としてみるともう少し何か欲しかったかなという印象でした。 著者は「タレーラン〜」で有名な方なのでそっちも読んでみようかなと。

著者プロフィール

1986年福岡生まれ。京都大学法学部卒。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。翌年同作で第1回京都本大賞受賞、累計250万部を超える人気シリーズに。この他の著書に『夏を取り戻す』、『貴方のために綴る18の物語』、『Butterfly World 最後の六日間』など多数。

「2022年 『下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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