虚像のアラベスク

著者 :
  • KADOKAWA
3.13
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本棚登録 : 125
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058732

作品紹介・あらすじ

バレエ団に公演中止を求める脅迫状が届いた。海埜刑事が甥の芸術探偵・瞬一郎と通し稽古に向かうと、演目の『ドン・キホーテ』は危険なシーンばかり。海外の要人警護の任務も加わり、緊張の中、舞台の幕があがる!

感想・レビュー・書評

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  • 「言葉を一切使わずに、全ての可動部分を使って必死に何かを表現しようとする姿には、それ自体感動を覚えませんか?」
    僕がバレエを観ることが好きな理由が、この作中のセリフに表現されている。

    深水さんがバレエ好きなのかは定かでないが、一編目「ドンキホーテ・アラベスク」はバレエへの愛に満ち溢れていて素晴らしい。

    しかし、二編目は…

    微かな違和感が、徐々に大きくなっていき、種明かしで脱力感だけが残る。

    なんだかとんでもない中編集です。
    読む人を選ぶかもしれないけど、僕は好き。

  • 2編目のオチは…これは反則でしょう(笑)
    エピローグも含めて。
    読了後すべてを知った上で読み返してしまった。

  • まんまと騙された!1話目はバレエの話でかなりカタカタが多くてバレエ蘊蓄が満載。苦手なカタカタも用語もバレエ好きなので面白く読めた。そして2話目はまさに「虚像」。1話目の話全部が伏線だったのにはビックリ。確かに怪しい言葉遣い、名前などにおかしいとは思ったけどそうくるのか。そして最後のオチにはまたまたビックリしたし思わず笑ってしまった。知らなかったけど、そうなの?1話目だけでも充分面白かったけど、最後まで読んでみるとこの本の見え方がずいぶんと変わってくる。ここまでやってくれると逆にスッキリだし面白かった。

  • 深水さん待望の新作は書き下ろしで、中編2話におまけのエピローグが付いた海埜警部補シリーズ。
    第1話のバレエ団の事件には芸術探偵・瞬一郎が出てきて、海埜との間でバレエの蘊蓄や用語の説明が延々と語られる。謎解きミステリではあるが、探偵役としての瞬一郎の活躍は少なく、何とも物足りなかった。
    それで、今回は凡作なのじゃないかと思ったら、第2話で見事にヤラレた。くそ~。その為の第1話だったのか~!
    ホントにこの著者は油断がならない。怒り出す人がいるかもしれないけど私は好きです。

  • 中編2編。

    第一話「ドンキホーテ・アラベスク」
    創立十五周年記念公演を目前とした名門バレエ団に公演中止を要求する脅迫状が届いた。
    バレエ用語の解説とウンチクが満載で、肝心の真相は肩透かし。と思いきや・・・。

    第二話「グラン・パ・ド・ドゥ」
    すっかり騙された。
    バカミスすぎて清々しい。面白かった。
    第一話がこんな風に第二話に活かされるのか。
    タイトルもぴったり。
    (図書館)

  • ブクログの献本に当選して、いただきました!初めてでうれしいです。
    芸術家探偵のシリーズはもとより、この方の作品は初めて読みました。
    もっといかにもミステリーなのかと思っていたら、推理はほとんどなくて、特に1話目のドン・キホーテではずっとバレエの用語や解説が続くので正直飽きてきてました。
    でも、2話はやられました。1話より多少推理めいたものはありましたが、それよりも…。笑えるやらなんやら。世界が余りにかけ離れているものが、言葉一つで…わからないものです。だまされました。

  • 芸術探偵シリーズ第七作。 バレエをテーマに据えた中編二作品が展開されているはずだったのだが、どうやら踊っていたのはこっちだったみたい!

    ジャック・シラク 元フランス大統領 愛犬の名前に「スモウ」と付ける程の大相撲ファン。 wikipedeaより(本編130Pに出てくる実在人物)

    読めば読むほど、あらゆる記述が大相撲に寄ってることに気付かされる。 読者、そして海埜にバレエの知識を入れるためにあるといって良い第一章、とてつもない労力をもって張られた大掛かりな仕掛けは最後に大爆発。 一切のシリアスを排除してギャグテイクで終わるのも深水作品の好きなところ。  メン・イン・ブラックたちの厳正なる協議の結果、深水黎一郎氏の完全勝利で今場所を終えます。

  • もう疲れた

  • 「ドンキホーテアラベスク」は、かなりのバレエ知識が得られる。心温まるミステリ。
    そしてその流れからの「グラン・パ・ド・ドゥ」は反則でしょ(笑)ここまでのバカミスはかなりツボだけど。

  • 2019.2.12

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著者プロフィール

1963年、山形県生まれ。2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞してデビュー。2011年に短篇「人間の尊厳と八〇〇メートル」で、第64回日本推理作家協会賞を受賞。2014年、『最後のトリック』(『ウルチモ・トルッコ』を改題)がベストセラーとなる。2015年刊『ミステリー・アリーナ』で同年の「本格ミステリ・ベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」6位、「週刊文春ミステリーベスト10」4位となる。

「2021年 『虚像のアラベスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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