魔力の胎動

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067390

作品紹介・あらすじ

自然現象を見事に言い当てる、彼女の不思議な“力”はいったい何なのか――。彼女によって、悩める人たちが救われて行く……。東野圭吾が価値観を覆した衝撃のミステリ『ラプラスの魔女』の前日譚。

感想・レビュー・書評

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  • 円華が自身の不思議な力を使って
    周りの人々の悩み事をスッキリ解決。
    軽い物語でサラッと読めました♪

    新作『魔女と過ごした7日間』を読むために
    ラプラスの魔女とセットで購入したこちら。
    452ページのラプラスの魔女を読んだのに
    まだ読まんと新作に辿り着けんのかーい。。

    文句タラタラですが
    ラプラスの魔女は個人的にかなり高評価でした。
    記憶が薄れないうちにソッコー本書に取り掛かりました。
    うん、こちらも良かった◎
    ラプラスの魔女はかなりドロドロの長編ミステリでしたが、こちらは5章からなる短編集。

    順番は
    ラプラスの魔女→魔力の胎動
    なのですがどちらから読んでも内容は理解できるかんじ。
    ただ、個人的には本書から読んでいたら、
    ラプラスの魔女も新作『魔女と過ごした7日間』にも興味は持たなかったかな。。

    かなり遠回りしましたがやっと新作読める!!!
    楽しみです。ワクワク

  • こちらは五章からなる短編集となっております。

    羽原円華の不思議な能力で、身の回りの深刻な悩みが解決され大活躍!
     内容は、一章から四章までが前回読んだ「ラプラスの魔女」のスピンオフです。

    第一章 あの風に向かって翔べ 
    第二章 この手で魔球を
    第三章 その流れの行方を
    第四章 どの道で迷っていようとも
    第五章 魔力の胎動
     但し、第五章は、本編の前日譚です。

     本編で書けなかったお話で、以下の通り抜粋します。本書の後半に書かれていますが、ネタバレではありません
     『世界は一部の天才や、あなたのような狂った人間たちだけに動かされているわけじゃない。一見何の変哲もなく、価値もなさそうな人々こそが重要な構成要素だ。人間は原子だ。一つ一つは凡庸で、無自覚に生きているだけだとしても、集合体となった時、劇的な物理法則を実現していく、この世に存在意義のない個体などない。ただの一つとして』

     物理学的な説明の一節ですが、無理を承知で言い回しがおもしろい。

     読書は楽しい。

  • 鍼灸師の工藤ナユタは、仕事先で羽原円華という少女と出会う。気象条件を読む彼女と、スポーツや事故など、気象条件を元に疑問や真実を明かしていく。

    「ラプラスの魔女」の前日譚ということで、登場人物の羽原円華の能力を元にして、スポーツ選手の悩みや事故が発生した時の悩みについて、気象条件、物理法則から解決につながる働きをしていく。
    5章中、1章はナユタ自身の問題と向き合う話、1章は同じく「ラプラスの魔女」に登場した青江と事件につながる話となる。

    上記以外の3編は、個別の短編という感じで、まとまっていて、おもしろい。あくまで、サジェスチョンであり、実際の結果には、別の要件も絡まっていく点がよい。ナユタについての話ともなる4章は、偏見や過去との向き合い方など、考えさせられる。ただ、1章と書かれている期間が空いているせいか、ちょっと描写があってないかなと思うときところがあった。大した問題ではないところではあるけど。

    そして5章は、本書の表題作だが、前の4章と異なる。「ラプラスの魔女」とは、ストレートにつながる話だが、他の4章と違いすぎて、ちょっと戸惑う。

    スピンオフ的な短編集で、まとまってもよかったかなと思った。

  • 順番は間違えてしまいましたが、ラプラスシリーズ既刊の全3巻読破することができました!

    第2巻である今作は、前作『ラプラスの魔女』と時系列上や出来事、登場人物たちに繋がりがたくさんあったので、記憶が鮮明なうちに2巻続けて読むことができて良かったです。
    前作の裏話のような話もあり、点と点が脳内で繋がる感覚がゾクゾクして楽しめました。

    羽原先生の手術が『ラプラス計画』以外にもちゃんと実用的かつ画期的な手術方法として使われている章もあり、マッドサイエンティストになっちゃうのかなと心配していたので、なんだか安心しました(笑)

    第1章と第2章はスポーツ系の話だったのですが、スポーツに疎い私でもスラスラと理解できる文章で、存分に楽しめました。

    個人的には第3章と第4章がお気に入りです。どちらも感動的なお話でした。親子間や恋人間の「愛」についてのお話で、どれだけ親しい間柄でも認識のズレは起こってしまうし、それが悲しい結果をもたらしてしまうこともある。いつか突然終わりが来るかもしれない日常の中で、日々を大切にし、何気ない会話だったとしても重ねていくことが大事だと思いました。
    第5章は前作の前日譚のような物語だったのですが、結末がかなり悲しく、心が痛む話でした。

    第4巻が出版される頃には、ラプラスシリーズの詳細を忘れてしまっていそうですが、伏線回収されていく感覚が堪らないので、再読してから最新刊を読もうと思います(^^)

  • ラプラスの魔女の続編。
    4話目まではナユタを中心とした様々な人物、出来事の物語。
    円華の助けを借りながら解決に導き、更に自身の事も…。
    5話からは内容ががらりと変わってて。
    前作のプロローグ的なものになるのかな。
    円華の力の不思議は前作を読んでないと分からない部分もあるかも。
    前作読んでからこちらに向かうといいかなと思います。

  • 「ラプラスの魔女」の前日譚。
    ナユタがそこにつながるとはビックリだった。
    円華の力で、悩める人が救われていくのは、物語としておもしろかったが、三章、四章はちょっと切なかった。

  • シリーズ2作目。
    時系列としては、こちらが前になるよう。
    短編集となっていて読みやすい。
    表題作「魔力の胎動」はどこかで読んだ気がする。
    スポーツの解析は、正に物理学と繋がっているので、興味深く読んだ。

  • 先日読んだラプラスの魔女の前段階に当たる物語。全5章のうち1~4章の主人公は鍼灸師の工藤ナユタ。最終章の主人公はあの青江教授で「ラプラスの魔女」へと続く話だ。

    第1章ではナユタが担当するスキージャンプの選手の不調の原因を、羽原円華が解き明かす物語。ジャンプ選手が乗る「風」をとりあげ、科学的な説明がなされるが、ちょっと乗せられている気分。次の第2章ではプロ野球の投手が投げるナックルボールを、捕手がとれないことの謎が語られる。彼女のアイドル的外観と類まれな能力とのギャップが前面に出ており、あまり共感できなかった。

    第3~4章では、ナユタの背景が明らかになっていく過程が興味深かった。円華の個性が一歩引いた展開で、登場人物たちの未来に安心感がある。これまでナユタの生い立ちや家族関係が全く分からなかったが、ここで彼の抱える闇が明かされる。恩師の息子がどんな回復をみせるのか、朝比奈の新曲はどうなるのか、彼らの未来が気になるところだ。

    第5章は一気に読んだ。「ラプラスの魔女」の登場人物もチラホラ。これまでノーマークだった奥西哲子の言動が印象的。青江の助手的存在で、細かい事務的な業務だけではなく、的確な意見をさりげなく出す。今後の活躍を期待したい。

    先が知りたくてどんどん読んでいったが、実は一貫して登場する円華が苦手だ。どうしても生意気に思えてしまうのだ。もし自分があんな口調で説教されたら怒ってしまうだろう。これからは、物語のキャラクターとして客観的に接することにしよう!

  • ラプラスの魔女の前日譚。
    そちらを読んでから結構時間が経ってしまったので、細かいところまでは覚えていなかったけど、読んでいなくても楽しめると思う。
    五篇からなる短編集で、円華の不思議な能力に驚く出来事の数々。第1章から第4章は緩やかなつながりがあり4章でナユタの真相も明らかになるストーリーで、第5章のみ登場人物など異なっている。

  • 「ラプラスの魔女」の前日譚らしい5話の短編。

    ラプラスの魔女は既読なのだが、全く思い出せない(^_^;)
    何一つ思い出せない。仕方ないのでWikipediaであらすじを読んでみるも、微かに記憶の淵に残っている程度。

    ラプラスの魔女のことはひとまず諦めて、この本を読み進めてみる。

    一章~四章までは
    「流体工学研究室」で羽原円華と偶然出会った鍼灸師ナユタの物語。

    第一章 あの風に向かって翔べ
    ナユタの客の引退を考えるスキージャンパー板屋。円華がジャンプ台の風を読み。。。

    第二章 この手で魔球を
    石黒のナックルボールを補球する三浦は膝を壊し引退を考えている。しかし後継者にと育ててきた山東はある日を境にナックルボールを補球できなくなってしまった。円華と三浦が考えた作戦で。。。

    第三章 その流れの行方は
    ナユタの恩師、石部の息子が川に流され植物人間となる。助けに川に入ろうとした妻を引き留めた石部は、その時の行動の善悪を後にずっと悩む。
    円華は川へ石部とナユタを誘う。。。

    第四章 どの道で迷っていようとも
    ピアニストで作曲家の朝比奈は重度の視覚障害がある。彼の愛する尾村勇が崖から転落して死亡した。同性愛をカミングアウトした為に自殺に至ったと塞ぎ混む朝比奈。
    円華とナユタは実際転落した山へ登ってみることに。
    ここで円華に憑き物を落とされたのは朝比奈だけでなく、同行したナユタまで。。。

    第五章 魔力の胎動
    灰掘温泉で起きた硫化水素中毒事故の原因調査に向かう青江修介と奥西哲子。。。

    そしてラプラスの魔女へと繋がっていく、、、


    ラプラスの魔女再読しないとダメかなぁ?(^_^;)

    東野先生の作品は短時間でサクサク読めるのだが、短時間で直ぐに忘れてしまう作品も少なくない(^_^;)

    これからは出来るだけ内容も書き留めておこう(*^^*)

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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