星やどりの声

  • 1499人登録
  • 3.89評価
    • (170)
    • (269)
    • (190)
    • (19)
    • (4)
  • 289レビュー
著者 : 朝井リョウ
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年10月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100356

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

星やどりの声の感想・レビュー・書評

  • 「ひとりの時に読んだほうがいいですよ」という
    ブクログ仲間さんのアドバイスに素直に従って、こっそり読んでよかった!
    もしも娘がいる時に読んでいたら、また「ふぅ」と大きなため息をつかれて
    ぐしゅぐしゅ言ってる鼻先に、ティッシュを箱ごと突きつけられるところでした。

    優しいけれど、世間の荒波を渡っていけるのか心配な、長男の光彦。
    大人びた口調の裏に笑顔も泣き顔も閉じ込めた、三男の真歩。
    自由奔放に生きているかに見えて、不器用に人を気遣う、次女の小春。
    実は超ファザコンで、初恋の相手にも涙ぐましい純情を捧げる、次男の凌馬。
    小春と双子であることに複雑な思いを抱えつつ優等生を貫く、三女のるり。
    結婚して家を出てからも、弟妹たちの支えであろうとする、長女の琴美。

    亡き父が設計して遺し、母が切り盛りする喫茶店「星やどり」を
    愛し、懸命に守ろうとする6人の子どもたちが、とにかく愛おしくて。

    そして、地の文で「あれ?」と何度か引っかかっていた表現が
    ああ、この人の視点で描かれていたからこそだったんだ!とわかった時
    星のかたちの天窓を見上げながら
    ビーフシチューをコトコト煮込んでいた母、律子の想いも
    実は天窓ではない、その窓を必死に完成させた父、星則の想いも
    喫茶店「星やどり」に降り注ぐ光のように、温かく胸を満たすのです。

    出来がよすぎて家庭教師なんていらなそうなあおいちゃん、
    真歩にぶっきら棒に寄り添うカメラマンの大和、
    いつも全力投球の琴美をおおらかに受け止め、支える夫の孝史など
    彼らを取り巻く人々も、とても素敵。

    家族のかたちが少しずつ変わっても
    けっしてほどけないものがあるのだと、心を温めてもらったあとは
    家族の胃袋を温めるビーフシチューでも作ろうかな。

  • ブクログ仲間さんの間で評価が高いので勇気がいるけど星3つで。
    もちろん悪くはないけど「何者」を読んだ後だとちょっと浅いかな。
    いい話にまとまりすぎちゃって物足りなかった。

    これ、ドラマ化されるといいな〜。
    舞台は鎌倉あたりがモデルだろうか。
    穴場の浜辺、歌詞に出てくるような可愛い喫茶店。
    イケメン、美人ぞろいの6兄妹。
    うん、絵になる絵になる。
    一人でキャスティングを妄想。
    たのしい(笑)

    評価は低くしちゃったけどいいお話だった。
    朝井さんにはますます期待が大きくなった。

  • 新聞の家庭欄に、息子に恋する母親が息子の自立などにより失恋した気分を味わうという記事が載っていた。
    赤ちゃんは産まれたときから、生きるために食事を与え、愛情を注いでくれる存在の母親を何ものにも替え難い存在として慕ってくれる。
    もちろん、意識して行っているのではなく、本能によっているのだろうけど・・・。
    純粋で絶対の愛情を子どもから注がれて、恋人気分だったりアイドル気分だったり、一瞬勘違いしてしまうのも仕方がないのかも。
    それなのに、時が経ち、子どもにもっと大切な人やものが現れて、自分がないがしろにされたら寂しいだろうね。(子どもにそんなつもりはなくても)
    身の回りで、そういうことを口にする人はたまたまいないけれど、大なり小なりそういう気持ちを味わっている人は実は多いのかもしれない。


    父親が遺した「星やどり」という喫茶店を営む母親と、3男3女の子供たち。
    子どもたちの日常生活が1人1章ずつ描かれている。
    就活や進路決定、友達とのやり取り、
    その友達たちを取り巻く寂しさや所在なさ。
    父と過ごしていた頃の思い出も。

    とてもいい子たちだし、いろいろと困難にぶつかりながらも決して投げ出さずに
    解決への糸口を探そうと懸命に生きている。
    お母さんの律子さんも、お父さん亡き後、出来る限りのことをして、
    暮らしている。
    お互い労わる気持ちや、我慢する気持ち、
    気を遣ったり、心配したり。
    こんなに素敵な家族でも、家族を繋ぐ糸は絡まってしまうものなのね・・・。

    絡まったことを認め、解きほぐそうと躍起になり、苦しくても投げ出さない。
    少し時間を置くことはあっても、見捨てずに、前進しようとする気持ちが、それぞれの自立を促していく。

    朝井くん
    この世代のビミョーな気持ちのぶれ方を表現させると抜群にうまいなと感心する(えらそうに、ごめんなさい)
    それをこの世代を外れてしまった自分がキャッチできているのかというと、
    心もとない。


    「・・・琴美が生まれたときのことは、忘れられないよ」(P287)
    「お前が生まれたそのときに、俺とお母さんは、親になったんだ」
    「琴美が俺たちを家族にしてくれた」
    (p288)

    過ぎた日々を思い出しながら、
    子どもたちと、芯の通った律子さんの新たな関係を応援しながら読み終えた。

  • 何故かこの本、それほど古いものでもないのに所々でページの紙がしわしわになっている。
    とりわけ、最後に近づくにつれて、それが激しい。
    水分でも付着したせいだろうか。
    一度くっついてから、はがれたような跡が残っている。
    雨に濡れたか、雪でも付いたか。
    いずれにせよ図書館の本なのだから丁寧に扱わないといけないのに、と誰か分からぬ借り手に少し憤りを覚えた。
    だが違った。
    紙が濡れたのは、そんなことではなかったのだと、後に知ることになる……。

    星やどり──なんと素晴らしいネーミングセンスだろう。
    「雨やどり」ならぬ「星やどり」。

    亡くなった父親が秘かな思いを込めて改築し、命名した喫茶店「星やどり」。
    そこには天窓があり、夜になれば星がいつでも見える。
    家族は男三人、女三人の六人兄弟と母親。
    長女の琴美。
    長男の光彦。
    二女の小春。
    ニ男の凌馬。
    三女のるり。
    三男の真歩。
    それぞれ魅力的なキャラを持ち、その異なった個性を活かしながら、みんな自分なりの生き方を選んでいる。
    物語の後半、「星やどり」の本当の意味が明らかになる。
    ようやく、ぼくは気付いた。
    そのあたりから、この本の紙がしわしわになりつつあるのを。
    それは結末に向かうにつれ、頻度が高くなっていく。
    そうか、これは雪や雨に濡れたのではない。涙の跡なのだと。
    自分自身も、目頭が熱くなり、涙が零れそうになったから分かったのだ。
    この本を読んだ人たちが思わず感動の涙をこぼしたが故にできたしわの跡なのだと。
    それほど、このストーリーは結末に向かって、ほろりとさせる素敵な話だ。
    湯気の立ち上るビーフシチューの甘い香りが、行間から匂い立ってきそうな温かい物語。
    まさに、朝井リョウ君の真骨頂。
    文庫化されたら購入し、是非手元に置いておきたい作品です。

  • みなさんが書いているレビューを読んでて、これはきっと1人の時に読まないといけないなぁ~と思っていて、1人の時間を見つけて読みました。
    正解でした。いやぁ~所々でウルウルきて、最終話では涙が止まりません。1人の時でよかった。本の世界にどっぷり浸れました。
    私のように涙もろい人は、1人で読むのをおすすめします!

    素敵な兄妹。兄妹それぞれ個性があるんだけど、みんな亡くなったお父さんのことが大好きで、尊敬している。
    特に、真歩くんのお話と、最終話がよかった。
    誰からもスーツが似合わないと思われてて、どこか頼りなげな長男光彦君。最後はすごく長男らしくって頼もしく思えました。
    すごく温かい家族のお話でした。

    今更ながら朝井リョウさん、初読でしたがこれから、おいかけたい作家さんに追加!です!(^^)!

  • やばい、目が腫れちゃう・・・と途中で何度も本を置いた。
    もれなく各章で泣けてしまうから、袖口が乾く間もない。

    朝井リョウくんといえば、等身大とか青春という言葉がぴったりの作家さんというイメージでしたけど、その魅力はそのままあるけど、それ以上のものがあります。
    今や直木賞作家だもんね。すごいよね。
    今まで読んだ中でいちばん好きです。

    持ち味の爽やかで瑞々しい感性やリアルな今時の若者像の描写はそのままに、
    家族の言葉にできない気持ちが、なんていうかこうねぇ・・・ぐっときて。
    小説上は連ヶ浜ですが、モデルであろう鎌倉・江ノ島の情景がパーッと眼に浮かんで長谷寺のあじさいも思い浮かんで。
    夏の海と空、星空、そして白い病院、ビーフシチュー。
    色や匂いや音まで浮かんでくるようで。

    きょうだいそれぞれが家族の外に世界を広げていって、自分の力で父の死を乗り越えていく初夏の物語。
    6人それぞれよかったけど、真歩と琴美がことさら泣ける。
    周りのみんなもあたたかくってやさしい。
    純喫茶「星やどり」に込められたお父さんの願い、星座のようで美しい。
    心が洗われます。

  • 妻と三男三女を残し、病に倒れた建築士が想いを込めて作り上げた喫茶店「星やどり」。挽きたてのコーヒーに湯気の立つ手作りビーフシチュー、ステンドグラスで飾られた店内を見渡せば星の形に空を切りとった天窓がある。

    所々拙さを感じるものの、目に浮かぶような風景描写と絶妙な距離感に、なるほど若い感性を感じる。しっかり者琴美の鋭さにもしや…と思って読み進めれば嗚呼やっぱり。

    天窓…ロマンチックだけど夏は暑いよ…と現実を。。。

  • 初めて読む朝井さんの作品。
    フォローをしてる方のレビューをみて買ってみた。

    名前の由来にグッときた。
    とても優しくて暖かい気持ちになりました。
    他の作品も読みたくなった。

  • お母さんと娘3人、息子3人の物語。お父さんはガンで死んだ。建築家で死ぬ間際に、お母さんの喫茶店を改造する。星が見える天窓を作った。そして店の名前を「星やどり」と変えた。

    海の近くのまちの話。6章からなっていて、各章が子ども一人ひとりの視点から書かれている。

    著者らしく、今時の若者言葉が舞って、それらしい雰囲気である。
    でもテーマは家族の抱える問題、一人ひとりどう生きていったらいいかという問題を大人も青年も子供も深刻に悩んでいるということ、恋愛、友達の関係など身に覚えのあるテーマが展開する。

    最後の方では、ちょっとウルウルさせられる。

    上手いなあ。これを大学生の時に書けるってのはすごいなあ。

    マジやばくね?

  • 朝井リョウさんというと「桐島」や「何者」の、現代の若者を鋭くかつシリアスに描くイメージだったが、大きく覆された。

    もちろんこの作品にも若い子は登場するので(というか主人公が6人兄妹です)、所々に若さゆえの酸いも甘いも散りばめられている。

    著者名を見ずに読んだら朝井リョウさんの作品!だとは分からなかったかも。それだけイメージとギャップがあった。

    なんだかんだ朝井さんは現代を生きる若者のなかに、“希望”を見出したいんじゃないかなあと。

    6人兄妹それぞれ個性的で癖があって、お父さんもかなり素敵。
    途中までは6人兄妹のなんでもない日常生活といった感じだったけど、終盤はちょっと感動。一番感情移入できた長男 光彦の成長っぷりが頼もしい。


    こんな家族いいなあとしみじみ。
    「星やどり」って名前も、その理由も全部素敵すぎます。

  • 朝井氏はうちの息子とほとんど変わらない歳なのに、半世紀生きてきた人間をここまで号泣させるこの創造力と筆致力…まさに「何者?」

    家で一人の時で本当に良かった。本を読んでちょこちょこ泣くことはあれど、これはすっかりこの物語の世界に引き込まれてしまって大変だった。

    琴美が「来ないで、お父さん」とお父さんの言葉を聞きたくなかった箇所で同化してしまい、お父さんの言葉を読みたくなくて遠ざけたくて、本当に号泣してしまった。なかなかその数ページは先へ進めなかった。
    (同じ長女として実体験で共感したというわけではない。むしろ実の両親はこういう愛情のある人達ではなかったので、単純に物語に入り込んで同化しただけ)

    みなさんのレビューに「一人の時に読むべし」と書かれていたことに気付いていなかったのだけれど、本当にたまたま一人で読んでいて良かった。

    ★が一つ少ないのは、クライマックスへ至るまでに、残念ながら前半ではちょっと言葉を練り過ぎている感じがして白けてしまったのと、ユリカが歩くたびにカラカラ音がする原因が私にはわからなかったことから。

  • これすきだ。朝井リョウすきだ。

    2冊目の朝井さんでしたが、よかった。とてもとてもよかった。
    すきな作家さんが増える喜び。読みたい本がまた増える喜び。
    読みたい本がまた増えてしまっても、すぐに読めないもどかしさ。
    もろもろありがとう朝井さん。笑

    長男光彦が叔父と姉に「何だお前か」というセリフを数十秒の間に2回も言われたと嘆く場面で落ちました。

    兄弟姉妹がそれぞれ亡くなった父を想い物語は進みますが、それを読んでいくうち本当に素敵なお父さんだったのだなあと感じさせてくれる。
    最後の悪あがきで家族がひとつになるのもいい。
    ああ、家族っていいなあ。

  • 海の見える町に住む三男三女母ひとりの早坂家は、純喫茶「星やどり」を営みながらささやかに暮らしている。家族それぞれが悩みや葛藤を抱えながらも、母の作るビーフシチューに心を和まされ、穏やかに日々を過ごしていた。ある夏、早坂家に亡き父が残した奇跡が起こる。

    上は既婚で宝石店の販売員から下は小学6年生まで、早坂家の6人の子供たちがそれぞれ主人公になって6つの物語を紡いでいく。著者の朝井リョウらしい瑞々しい感性に彩られた物語は、主人公の年相応の悩みや感受性を織り交ぜながら展開する。しかし6つの物語を読み終えると、今まで私が読んだ著者の作品にはない、「家族」が醸し出す温かさで心がいっぱいになった。早坂家は数か月前に父親をがんで亡くしている。それ以来家族の中心がぽっかり空いてしまい、早坂家は皆、同じ喪失感を共有している。父親はもはやこの世に存在しないにもかかわらず、物語の中で大きな存在感を示している。6人の子供たちを描くことで、自ずと今は亡き父の姿が浮かび上がってくる。物語のラストでは、父が遺した家族への愛が明らかになり、私は強く心打たれた。「家族」という決してほどけることのない結びつき、つまり“絆”そのものを描いた優しさ溢れる物語だった。

  • 朝井リョウくんの作品を読むのは3作目。このお話とっても良かったです★父を亡くした三男三女と母の家族の物語。『桐島、部活〜』の時のように一人ずつの子供の視点で各章描かれていきます。それぞれ色んな悩みがあり、父への思いがあり、心理描写が上手く描かれています。真歩の章のハヤシくんのところや、小春の章の佑介くんの曲のところも泣けましたし、最後の琴美の章はめちゃくちゃ泣いてしまいました(/ _ ; )涙が溢れて止まりませんでした。琴美の旦那さんの孝史さんも凌馬も良かったです!とても素敵な家族で温かい作品でした♡

  • 建築家の父が遺した喫茶・ほしやどり。
    三男三女の早坂家が、それぞれの視点から、亡くなった父親への想いと進んでいく家族の姿を描いていく。

    はじめましてな朝井さん。この手の話に弱いのでところどころで泣きそうになった。兄弟それぞれキャラがたってるし兄弟らしい距離感が微笑ましい。幼なじみのあおいちゃんはほんとよくできた子。長男光彦はもうちょっとしっかりしてください。
    軽くて読みやすい文章ながら、それぞれの特徴がでていてよかった。重箱の隅だけど、一人称の語りでするする読んでいけるのに唐突に三人称になるところがところどころあって非常に気になったんだけどこれって伏線ってことだったんだろうか。

  • この本はあたしにとっては涙腺破壊装置だった。
    1章を読み終えたところで目の周りがびしょびしょになってて自分で吃驚だ(笑)。
    夜寝る前でホントによかった。

    早坂家の家族の絆ももちろんのこと、
    あおいちゃんの存在、真歩の頭に置かれた大和さんの掌、
    小春に対する佑介くんの優しさ、松浦さんと新しいイヤフォン、
    ブラウンおじいちゃん、孝史さん…
    棘になる人も存在しつつ、周りを囲む人たちの暖かさをじんわり感じる物語だった。

    お父さんに繋ぎとめられている家族。
    ともすればお父さんに縛られている家族。
    その境目はとても微妙で危うくて、武内さんの登場で壊れかけるんだけど
    最後の最後でFMのリスナーさんが、佑介くんの作った歌が
    『星やどり』を、早坂家を救ったんだな、という気がする。
    お気楽な読者の立場としては店を続けてほしいなーなどと思うんだけど。

    素直にいい話だった。
    泣きたくてどうしようもないときにこの本を読み返したい。
    案外逆に涙が引っこんじゃうかも。

  • 2013.2.8 市立図書館

    家族の物語。
    やさしくて、あったかくて、うつくしい。

    装丁のデザインもタイトルもピッタリ。

    長女琴美の章で、完全にやられた。
    これずるいわ~(笑)

    展開を予想してても涙とめられなかった。

    最高に感動できるのが「いま」だったんだろうな。
    琴線に触れる本に出会う時は、その時がいつもベストタイミングだと思う。

  • 泣いた。お父さんの気持ちが優しくて温かくて大きくて切なくて。みんなもそれを知ってるから、懸命に家族を守ろうとする。父の背中を追い続けてる。
    家族に対する感情は複雑だ。家族だから怒りたくなるし、家族だから恥ずかしくなるし、家族だから許せないこともある。でも結局「家族だから」のひとことで全部を受け入れてしまう。そういう強さを家族はもってる。それはわたし一人ではダメで、誰かだけでもダメで、全員が揃ってひとつの輪になったときに発揮される力だ。

  • 6人兄弟のそれぞれの視点で語られる、亡き父への想いと残された家族への、それぞれの想い。
    家族だという理由で、全部理解できるワケじゃない。
    けれど、家族だからこそ、理屈ではなく解ることもある。
    6人の兄弟姉妹は、皆どこかしら、私と重なる部分を持っているみたいだ。
    彼ら、彼女らの涙は、私の涙。


    朝井リョウさんの作品を読むのは初めてだけれど、
    海辺特有のキラキラした太陽の光を受けて輝く街並みが目に浮かぶよう。
    星型の天窓から覗く空の色は万華鏡みたいに、様々なものを私たちに見せてくれた。

    最終章、琴美の身に起こる出来事は(本人は隠していても)見え見えで少し引いてしまったけれど、母親や兄弟たちの目から見てもそんな感じだったことを考えると、それを狙ってワザとそういうふうに描いているのかも。
    だとしたら、まんまと乗せられてるようでちょっと悔しいな(笑)

    仕事をする父さんはとてもカッコイイ。
    そして、家族の全員にまんべんなく愛情を注ぐ父親の血をちゃんと受け継いだ兄弟たちの、やさしい物語だった。

  • 朝井作品を読むのは今回で3作目。これは家族ものっていうのかな。

    やはり文章でなんだか引っかかるところは多々あるし(へたに比喩的な表現をしないですっきりした文章にしてほしい)、話の持っていきかたもよくある感じで深みにかけるところはあるが、この作者は時々キラッと光る時がある。

    若者の描写がすごく上手い。自分が経験してきたこと、見て観察したことを表現する時、同年代でなくともその気持ちやその場の雰囲気を感じとれる。

    人生経験を積んでそれを自分の中で熟成させた時、どんな話を書いてくれるか楽しみな気がして、これからも読んでいきそうだ。

  •  「父の死」を共有する三男三女の兄弟姉妹。それぞれの視点から家族を描いた物語。小学生から社会人の既婚者まで立場は様々だけど、それぞれの悩み葛藤をリアルに描けるのは朝井リョウだからか。
     死というのは皮肉にも、残された人を強く結びつける。互いの悲しみを理解できるからなのか、故人の思い出を共有しているからなのか、それとも前を向こうと肩を叩き合えるからなのか。それが家族なら尚更強い絆にもなるし、逆に苛立ちも生まれるんだと思う。身近な家族を亡くしたことも、大家族でもないけど、それくらいは想像できた。
     父が残してくれた尊い家族の輪。優しい優しい世界でした。海のそば(由比ヶ浜が舞台かな?)ってのが憎いわー。ドラマ化されそう。

  • 最後でぐわっとネタばらしする、THE朝井リョウという感じの作品。最後は泣けた。ドラマとかになりそう。

  • 6人兄弟それぞれの目線から語られるその物語ひとつひとつが温かくて優しい。
    お父さんの残したモノを大切に守っていく姿に泣けた。
    これぞ家族愛なのかもしれない。
    素晴らしい作品です。

  • 家族愛に泣いた
    それぞれが抱える問題
    涙が溢れて止まらない

全289件中 1 - 25件を表示

星やどりの声に関連するまとめ

星やどりの声を本棚に「読みたい」で登録しているひと

星やどりの声を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

星やどりの声を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

星やどりの声を本棚に「積読」で登録しているひと

星やどりの声の作品紹介

星になったお父さんが残してくれたもの-喫茶店、ビーフシチュー、星型の天窓、絆、葛藤-そして奇跡。東京ではない海の見える町。三男三女母ひとりの早坂家は、純喫茶「星やどり」を営んでいた。家族それぞれが、悩みや葛藤を抱えながらも、母の作るビーフシチューのやさしい香りに包まれた、おだやかな毎日を過ごしていたが…。

星やどりの声のKindle版

ツイートする