夢違

  • 2142人登録
  • 3.37評価
    • (86)
    • (304)
    • (393)
    • (113)
    • (14)
  • 438レビュー
著者 : 恩田陸
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年11月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100608

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

夢違の感想・レビュー・書評

  • これはホラー? ファンタジー? SF?
    恩田陸作品にはお気に入りもあるんですが~ちょっと遠ざかっていました。
    テーマが作風に合っていて、はっきりしない恐怖感がじわじわ漂う雰囲気は上手く書けている印象でした。

    ドラマの「悪夢ちゃん」はけっこう見ていたんですが、原作とは思いませんでしたよ。
    「獏」という機械が発明されていて、デジタル化した「夢札」によって夢を他の人の目にも可視化できるようになった、という設定は同じ。
    予知夢を見る場合がある、というのも同じ。
    後はぜんぜん別物で、原案というぐらいでしょうか。

    夢を解析する夢判断を仕事としている野田浩章。
    「夢札を引く」をいわれる事業は、日本では主に心療内科の治療として、海外ではインスピレーションや啓示を求める人々のアイデアの源泉などとして用いられるようになっていた。

    浩章は、図書館で何年も前に亡くなったはずの古藤結衣子の姿を見かけ、幽霊かと思う。
    兄の婚約者だった結衣子は、子供の頃から予知夢を見ることがあり、災厄を避けることが出来ればと何度かそれを公表していた。
    マスコミの餌食になってしまい、しだいに兄とも上手くいかなくなったのだ。
    浩章はその頃、高校生だったのだが。

    小学校で子供達が奇妙な行動をとる事件が、各地で起きる。
    子供達に何があったのか、浩章はその後数日の夢を解析する仕事に携わることに。
    とても鮮明な夢を見る少女・早夜香の夢の中には、結衣子の面影が‥?

    神隠し事件が起き、消えた子供達を捜して、解析も熱を帯びる。
    結衣子が生きているのではと思い始めた浩章だが‥?!
    現地へ飛び、数人で子供らに会い、夢を解析し‥
    不可思議な状況に直面する様子は盛り上がります。

    結末はちょっと急な転調で、え?これハッピーエンド?
    いや‥だって‥夢?異次元?それとも‥
    この作者は結末ですっきり解決してしまうのが嫌いらしく、読み終わっても悩むようなのが好きらしい。
    余韻を残すぐらいなら良いけど、途中ももやもやしているのが、ここでまた?!っていう。
    これはホラーってことかなあ。
    中盤はじゅうぶん楽しみ、読後感も極端に悪くはないんですけどね。

    夢を可視化できたら‥
    すばらしいアートを作れるのでは?と思ったことがあります。
    思い描いたものをそのまま作品に出来たら、良いなあ!

  • 人が「夢札」を引き、「夢判断」が夢解きをする、夢の可視化が実現した未来。
    「夢判断」の浩章は、ある日図書館で、 兄の元恋人で、12年前の火災で死亡した古藤結衣子を見かける。
    彼女は幼いころから予知夢をみることができ、その夢札は研究のために提供されていた。
    そんな折、各地の小学校で、子供達が集団パニックに陥るという事件が発生。
    子供達はその日から悪夢にさいなまれているといい、夢判断の依頼がされる。
    事件の当事者である女の子の夢札を見た浩章は、彼女の夢に結衣子の影を見る。
    さらに、田舎の小学校で起きた神隠し。
    これらの不思議な事件は、死んだ結衣子とどんな関係があるのか。

    夢と現実のはざまで漂うかのような不思議な世界観。
    夢はどこからくるのか?「夢」と無意識との関係は面白いなと思いました。

    ただ、たくさんの方がレビューされているように、少々消化不良でした^^;
    残り30ページくらいで、あーたぶん謎の大部分は残されたまま終わるなこれはと思いましたが。
    恩田さんは、イメージからストーリーを掘り出すということなので、きっと「八咫烏」や、吉野の桜、最後のシーンのイメージなんかが当初からあって、これらのイメージなくしてはこのストーリー自体が生まれなかったのでしょう。
    ただ、こういうイメージが、ストーリーの中でどういう意味を持つのか、読者に伝わる形では描かれていなかったのが残念だなと思いました。

  • 子供がドラマにハマり予約してやっと届きました。

    ドラマは随分とおちゃらけた展開だったけど
    (どうやるとあぁなるのか不思議なドラマでしたね…汗)
    原作は幻視サスペンス
    だったので、その差に驚きつつ…
    序盤、中盤と重苦しく…400ページ当たりから、やっと
    物語が動き出したので、そこからはアッという間でした。


    夢、究極のプライベートであり、夢主が制御できない無意識の集まり。

    途中から思わぬ方向に…話が進むので驚きました。
    先日恩田さんの作品の「私の家では何も起こらない」を読み、その
    内容と「夢違」の内容が共通しているので
    既視感というか、うすら寒さを感じました。
    「胡蝶の夢」「幽霊」「思念」

    「無意識のうちに可視化」って考えてみると、実際にそうなのかもしれない
    って思う一方で、そうならやはり恐怖も感じる。

    幽霊との共存、彼女だけが外から一方的に夢にアクセスできる
    世界がもし現実になったら、彼女こそ「神の様な幽霊」のような
    無意識に刷り込まれてしまった恐怖というか…
    考えて見たら、ぞぞぞー…と鳥肌が立ちました。

    でも最後は結局そうならずに(たぶん)ハッピーエンドなんで
    ホッとしました。でもこう…スッキリしない感じが残ります。
    色々と要素を盛り込み過ぎで、勿体ない。
    もっと掘り下げてほしかったかな。

  • 面白かった!冒頭から恩田ワールドにぐいぐい引き込まれ一気に読んだ。寝る前に読むと眠れなくなってしまいそうな恐怖を感じた。
    でもラストは・・・、え~?これでおしまい?な感じです。
    最後に読者を突き放す手法は恩田作品には良くあることなので予想もついたけど、納得できない部分も多数。うーん、惜しい作品。

  • ぞわぞわした雰囲気を作るのがすごくうまい。恩田陸さんのホラー・サスペンスものはいつもそうだ。そして、それだけだなあという感想を持つのもいつも同じ。

    恩田作品で一番好きなのは「夜のピクニック」。ホラー系は「六番目の小夜子」をはじめとして、読み進めていく時のワクワクドキドキが常に肩すかしに終わる感があって、納得できない。それでも読む気になるところがうまい人だなあとは思うけど。

    本作も、もっときっちりSF的に展開して欲しいけど、そうはならないんだろうなあと思いながら読んでしまった。不穏な気配や不安感を高める書き方はもう本当に巧みだ。でも欲張りな読者としては、その先が欲しいのだ。驚愕の真相、もしくは納得の結末、という形で。

    北上次郎さんが恩田陸さんのことを「さわりの作家」と書いていたが、これは言い得て妙だと思う。すごく面白い予告編を見ている感じ、と言ってもいい。本編を読ませてほしい!

  • 昨秋に放映されたドラマ『悪夢ちゃん』の原案本、というので手に取ってみました。
    ドラマとはだいぶ世界観が違うことに驚きましたが、自分としてはこちらの方によりリアリティーさを感じました。

    ドラマから入ったこともあるかもしれませんし、『夢』を多少なりとも学術的にかじったことのある身としては、本書の世界観が妙にリアルに感じられ、次から次へと読み進めてしまいました。
    しかし最後は多くの皆様が仰っている通り、消化不良感があるのは否めませんでしたが、『夢』という題材を取り扱っているあたり、こういった終わり方もありなのかもしれませんね。

  • 夢札、という技術によって人の見る夢を可視化できるようになった時代、白昼の教室で起こった集団白昼夢の事件を追う夢札解析の専門家が出会ったその謎の真実とはなにか。夢札を探りゆくうちに、彼はもう居ないはずのひとの影を見つけてゆく。
    夢か現実かがあいまいになっていく、とは作中の人物の言葉ですが、読み手のほうもどこかその境があやふやになって漂わせるような幻想的な雰囲気が満ちています。興味を抱かせる不可思議さの描写は作者は髄一なだけに、この不可思議が満ちた夢の情景はとても魅力的です。
    夢札、という技術はかなり空恐ろしく感じたものですが。予知ができなくとも、自分が制御できない自分のうちをさらけだすということは、とても羞恥であり恐怖に思える、のは考えすぎですかね。
    結末は、こういうタイプの話ならまあありかなあと思わなくもないですが、もう少しはっきりとした結びをほしかった気がしますが。それもまた作者らしいといえば、そうなのですが。

  • 悪夢ちゃんのイメージはないですね。やっぱりこれが恩田陸ワールド。八咫烏が出てきたんだけど、なんだったんだろう。そして、二人は再会する。を考えれば、再会した後が手を繋いで・・・?なんだろうか。ならば、その後は神隠しにあった子供らを・・・と、繰り返されるのだろうか。。。。まだ続きがありそうでもあり、ご想像にお任せしますでもあり。。。。八咫烏のモチーフをもっと広げて欲しいな。そして、南雲先生、って海堂尊の小説にも出てきているよね。ちょっと面白いなって感じちゃった。「ホンダリョウマ」君の小説も書くのかも。

  • 特殊な装置を使って夢を記録し再生することができ、夢を分析する「夢判断」という専門職があるという不思議な設定。をの夢判断職の青年?か壮年期に入ったくらいの男性が主人公。主人公と、ひとりの女性(主人公の兄の婚約者で、十年前に自分が夢で予知した事故で亡くなっている)との不安定な繋がりを暗示しつつ、次々起こる不思議な事柄に恩田さんの世界観が全開で前半はワクワクしながらどんどん読みました。とはいえ後半に入ると、そうかそうだったのか!という、たとえゾクゾクしてもすっきりした読後感を期待していたのですが、それこそ変わった夢だったな~というようなあやふやな感じで読了し少し残念でした。書き下ろしではなく新聞連載だったらしいのでそのせいかもしれないと思ったり、恩田さんだからと期待しすぎたとか思ったり。

  • 夢が可視化できるようになった世界。
    夢判断士の野田は、ある小学校で起きた集団パニックの原因を探るため
    児童の夢札を分析していた。
    そこにたびたび登場する、古藤結衣子。
    時を同じくして、小学校で神隠しが発生し、古藤結衣子の目撃情報が入る。
    彼女は死んだのではなかったのか。
    彼女が児童の夢に登場するその意味は。
    なぜ不可解な事件が連続して起こるのか。
    不可解な事件と彼女の関係は。

    細かく設定が練られている部分もあれば詳細説明がない部分も多く、
    もっと知りたいと思うからページが進みました。
    この感じ久しぶりだ。

    以下ネタバレですが。
    最後、彼女は目覚めたのでしょうか。
    目覚めたと思いたいけど
    筋力が衰えているのに2日後に軽い足取りで歩けるのかな。
    でも、目覚めなかったら、夢違観音に行く意味はないよね。
    相変わらず消化不良感はあるけど
    恩田作品の中では美しくまとめたりドルストーリーだと思います。

    集団パニック、若干のオカルト、
    恩田さんのマスコットキャラ:八咫烏。
    まさか。まさか。満開の桜を嫌うキャラクター。
    多作品と素材が似通ってきちゃうのが残念。
    でも存分に楽しみました。恩田さん大好き。

  • 久々に恩田陸さんの世界に入ったという感じがしました。
    夢が可視化できる世界になると、今まで目に見えなかったものも可視化できるのかもしれないというところとか、生きているのかどうかわからない中心人物を追う人々と不意に起こる神隠し。
    夢はどこからやってくるのか。外からかもしれないし、自分の中にあるのかもしれない。
    そんな夢を可視化する機械、獏を使う人、解析する人など、実際には不可能だとわかっているけれど、どこかリアルに感じて読むのが止まりませんでした。
    できればいい夢だけを見たいと誰もが思うのでしょうが、なかなか難しいですよね。

  • あれ、奥さんは…と思ってしまったラストでした。相変わらず最初はすごい引き込まれてラストは消化不良感があります。

  • ホラーともミステリとも幻想文学とも言いがたい雰囲気。これぞまさに恩田陸。
    ざわざわした不安感、不穏な気配。この空気感こそ恩田陸の素晴らしいとこだと思うんです。最近の作品ではなかなか出会えなかったから久しぶりに浸れて嬉しいかぎり。
    そして謎は謎のまま、モヤっとして終るところも相変わらず。ラストの放り投げっぷりもさすがです。すっきり解決すれば間違いなく評価は5になるんだけど。笑
    個人的にはラブ要素はいらなかったかなぁ、と。こじつけた感があってその辺は微妙だった。

    「夢札を引く」という表現がとても好きです。
    夢の可視化…面白そうだけど見たいような見たくないような。間違いなく見られたくはないね。

  • 何だろう、このジワジワとくる怖わさ。
    途中で止められず、先が読みたくて、かなり厚い本でしたが
    一気に読了。
    結衣子が夢違いを願った先にあるのがあのラストだとしたら
    主人公くんは夢の世界と、現実世界のどちらで生きることに
    なるのだろう。それとも第3の世界が広がるのかしら。。。
    そんなことを思った。

  • 夢と集団無意識の関連性や可能性を示唆した心理的ホラーと言えばいいのか。
    科学が発達すればするほど、見えないモノが見えるようになる危うさが、想像するだけで怖い。

    緩急ある文章で、非常に読みやすい。分厚いのに。
    夢との境界線で行き来する主人公の悩ましさや、結衣子の霧の様な不確かな存在が、物語の怪しさに繋がっている。

    ドラマの原作になっているが、話は違うので、楽しめる。

  • ドラマとはだいぶ違う話だったんですねぇ
    別物として見れば楽しめたかな
    夢か現実かの危うい感じが好きですね

  • 最初はミステリっぽく感じ、
    次にホラーだと思い、最後にラブストーリー!
    恩田さん独特の雰囲気を持った作品です。
    予知夢を見れる女性 古藤結衣子。
    死んだはずの彼女を追いかけて物語は進んでいき、
    ドキドキワクワクゾクゾクしながらページをめくり、
    夢か幻か、はたやパラレルワールドか、
    不思議な感覚に包まれていた。
    雰囲気に呑まれて一気に読み終えましたが、
    よくよく考えると結末がもやもやします。
    古藤結衣子は自分の悪い予知夢を変えるために
    努力していた筈なのに途中で諦めたのでしょうか?
    結局、何一つ解決していないような…。
    それにもかかわらず、結末が気になって、
    どんどん読ませる文章力。
    小説の世界に完全に引き込まれました。
    ラストを理解できて終われるか不安があったけど一安心。
    楽しい読書体験でした。
    それにこれは寝ている時に見る「夢」がテーマだけど、
    誰かの夢を視覚化したり録画したり、
    他人の夢に入りこんだり。
    夢って潜在意識が働いてるなって感じたことはあるし、
    こんな研究が実際にどこかで進んでいても不思議じゃないと思います。

  •   恩田さんの不思議な感じが好きで読んでいて楽しかった。しかし、結末がいまいちわからない。多くのレビューにもあるように、奥さんどうなった?というのも気になる。

  • ミステリなのか幻想小説なのか…。
    設定は面白いし、良いのだが、何か、足りなかったり、半端な印象が残る。
    …で、奥さんはどうした!?

  • 不思議感は変わらずだけど、これまでとは少し違う雰囲気。??で終わるのが恩田本の魅力だけど、これは、…?という感じ。二度読んでもわからないかも。

  • 『悪夢ちゃん』の原案小説だったので、図書室で借りたのですが、最後の展開の謎が解けないままスッキリせずに終わってしまったので、残念でした。

  • 可視化される未来では、有ることの意味が曖昧になってくるみたい。
    ドラマを先に見たから、さらにパラレルワールドのようで、ほんとがわかんなくなる。ドラマは本を読み込んで再構成したものなのね、と思った。
    やっぱり恩田陸はぞわっとくるなあ。
    夢の可視化の次は時間?感情?第六感じゃないけど、価値観が変わってくるね。ネット上の所有も新しい価値観だし。
    主人公は夢に行ってしまったのかなあ?

  • ドラマの「悪夢ちゃん」は一応このヒロインの小学生の時の話なのですね。

    夢を映像として視覚化してみられる時代。その時代に夢で未来予知のできる能力をもつ女性がその夢を夢札という記録としていた。

    彼女の予見する未来は変えられるのか?

    というのがざっくりとした内容。
    主人公が軽くイライラ。
    ヒロイン好きなのはいいけど、自分奥さん持ちやん。全く過去の恋愛になってないよね。 ラストはあれでよかったのかなぁ……。

  • 最後のもやもやは、みなさんの言っていた通り。
    しかし、夢って、思っている人の夢に出るのか、思っているから出るのか…
    なんか、夢札が怖い。

全438件中 1 - 25件を表示

夢違を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

夢違を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

夢違の作品紹介

夢を映像として記録し、デジタル化した「夢札」。夢を解析する「夢判断」を職業とする浩章は、亡くなったはずの女の影に悩まされていた。予知夢を見る女、結衣子。俺は幽霊を視ているのだろうか?そんな折、浩章のもとに奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する集団白昼夢。狂乱に陥った子供たちの「夢札」を視た浩章は、そこにある符合を見出す。悪夢を変えることはできるのか。夢の源を追い、奈良・吉野に向かった浩章を待っていたものは-。人は何処まで"視る"ことができるのか?物語の地平を変える、恩田陸の新境地。

夢違のKindle版

ツイートする