- Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041101209
感想・レビュー・書評
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ハードボイルドだけどアクションばかりじゃない、
人と人とのつながり、人と動物との絆を、
これでもかというほど感じられる作品でした。
元警察官の奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くして退職し、
孤独に暮らしていたが、かつての上司から頼まれて
北のさびれた土地でモウテルの管理人を務めます。
そして、内密な命令をうけ、
そこで2人の若い男女と家族を装いながら、暮らし始めました。
暗い過去がありそうな娘役のふみと息子役の隼人。
ふみが連れて来た白いオウムのどんちゃん。
そして侑也が頼まれてひきとった
心も身体も傷ついたドーベルマンのマクナイトも一緒に生活をはじめ、
傷心の偽装一家の毎日が平穏に流れていくなか、
ある事件がおこります・・・。
主人公の侑也とドーベルマンのマクナイト。
人間に裏切られた大型犬の心を
傷心の孤独な男が寄り添うことで、掴んでいきます。
人と動物の繋がりってこうなんだ、と思いました。
人の命令に忠実な警察犬になり損ねたマクナイトですが、
実は本気をだせば、
人を守ることには絶対の強さがある優秀な犬でした。
その素質を見抜けた侑也だからこそ、
マクナイトも徐々に心を開いていったのでしょう。
ふみと隼人も同様です。
お互いの心の傷をぶちまけたとき、
家族以上の絆が結ばれのだと思いました。
どちらかというとネコ派の私ですが、
犬ってこんなにも、忠実で、寂しがり屋なんだとほろりとしました。
犬好きの方にはぜひ読んでもらいたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひさしぶりにハードボイルド読みました。
守りたい者のために必死に生きる。
切ないと爽快がミックスした物語。 -
おとり捜査に協力するため集まった3人。父役、娘役そして弟役。はじめはお互いに心を開かず棘のある関係だったが、一匹の犬マクナイトを中心にお互いが打ち解けあう。マクナイトは虐待を受けていたところを父役の侑也に助け出され、徐々に侑也に心を開くようになる。しかし実は心を閉ざしていたのは侑也で、マクナイトが凍っていた心を融かしたのではないかと思う。
やがて繰り広げられる銃撃戦。これぞハードボイルドという内容と家族の絆・やさしさで物語は進む。おすすめ。 -
読んで良かった。これは、とても、読んで良かった。沢木冬吾さんの
他の書籍も読んでみようと思う。 -
終盤の展開は読むのを止められなくなるスピード感。すごく良かった。
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沢木作品、「償いの椅子」に続いて2作目。
面白かった。先の作品と同様、ド派手なアクション付きのハードボイルドだが、家族に傷を持つ孤独な人間が集まって、擬似家族を演じさせられるうちに、ぎごちないながらも徐々に本物の家族のような絆を深めていく、というホームドラマとしての一面も楽しめる。いや、むしろそっちの方がメインの面白さ。人間の他にドーベルマンやら九官鳥やら、愛くるしい動物キャラが加わって、最後は大きな大団円。魅力的なキャラが多すぎてお腹いっぱい。敵は一体誰なのか、そこのところはちょっとややこしかったものの、最後まで楽しく読めた。 -
警視庁公安部に属していた奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くし、退職を決めた。以降、人知れず孤独に暮らしていたが、かつての上司から北の寂れた土地でモウテルの管理人を務めてほしいと依頼され、任地に向かう。そこで待っていたのは、見知らぬ若い男女と傷ついた一匹の番犬だった… 以上アマゾンより引用。
著者の作品を読むのは、これで確か四作目ですが、おそらく最高傑作だと思います。およそ三分の二を占めるホームドラマのような展開が、クライマックスでの感動につながっているのでしょう。私はそうではありませんが、犬好きの方にもお勧め。 -
[2012.05.24]