神渡し

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101414

作品紹介・あらすじ

かわら版売りの利吉が変死した。利吉の幼馴染でやはりかわら版売りの才助は、利吉の死を書き立てたかわら版に腹を立て、記事を書いた元武士の青山孫四郎のもとへ抗議に押しかける。孫四郎から巻き上げた金を売上げとして版元に納めた才助だったが、今度は才助が何者かの襲撃を受け、九死に一生を得る。利吉の死の裏に何があるのか?女絵師、市麻呂も巻き込んで、孫四郎とともに謎に迫る才助は、浄泉尼という女呪術師の存在に行き当たる。謎の言葉「神渡し」とは?陰謀の糸は江戸城・大奥へと…。かわら版売り才助事件帖。書き下ろし時代ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 読み売りの才助が物書きの武士・孫四郎を巻き込んで幼馴染の死の謎を解く時代小説。

    謎を解いていくミステリー要素がいいスパイス。才助と孫四郎もなんだかんだ良いコンビ。ほんの一瞬しかなかったけど孫四郎の殺陣のシーン好き。

  • かわら版の読み売り才助と、その記事を書く士分孫四郎のコンビが、才助の幼なじみの不審な死を探るうち、思いがけず大きな闇を知ることになる。口八丁な才助と、堅物で学もある孫四郎のコンビがいいバランス。あんな闇に頼らずにはいられなかった女の人たちの悲しみを感じる。

  • おもしろかった。
    ちょっと怪しげな表紙。
    そして冒頭、メッチャ怪しげな事件。
    そこまで親しくもなかった幼なじみの死から、
    身に覚えのない襲撃。
    瓦版売りの才助は瓦版の読み物書きの孫四朗とその謎に
    迫っていくのだが・・・・。

    この2人の、殆ど口喧嘩のような、けれど息のあった
    やりとりがおもしろい。
    逆に、これがなければ、なんだか重々しい暗い話になったかも。
    探れば探るほど根が深いようで、ページも残り少なくなってくるし、これはどうなるんだーっと思っていたら、
    なかなか粋な計画。
    命をかけて売る、かあ。
    かっこいい~~~!!っとわくわくしていたら、
    結局それはなし、ってことで、ちょっと肩すかし。
    絵島事件をここにもってくるのかあっとゆー感じ。
    まあ大きすぎる蜘蛛の巣を払いきるには
    それより大きなものに頼るのがイチバンとゆーことか。
    ちょっと残念な気もするが、分にあった解決なのかも。

  • 登場人物の設定や、話の大筋などは面白くなりそうだったのに、最後まで盛り上がらないまま終わってしまった。

  • 大筋や道具立ては魅力的なのに、読後感はいまひとつ。人物描写かなあ…惜しい気がします。

  • キャラクターも構成も良かったけど、中盤の盛り上がりにたいしてラストが尻すぼみな感が否めなかった。才助の過去のろくでなしっぷりや市の暗さ、孫四郎の身分を越えた穏やかさ等キャラクターに厚みをつけるエピソードが少なかった気がする。事件の規模にたいして、ページが足りてないのが勿体ない

  • 紙芝居のような進み方をする話でした。
    章が変わるごとに一話二話という区切りで。
    江戸の町を網羅するかわら版対同じく網羅する何か。
    いやはや話がどう転がるかわからず、どんどんと読み進めてしまいました。
    面白かったです。

  • 人物の描写が甘い気がします。

  • かわら版の読み売りが稼業の才助とそのかわら版の文を書いている孫四郎が,才助の幼馴染だった利吉の不可解な殺人事件の真相と探る物語.時代小説だが,各人物の扱いは現代風で非常に読みやすい.事件の全貌がつかめた段階で孫四郎が採った暴露の方法がとても面白い.因みに表題の「神渡し」が出てくるのは全編277頁の206頁だ.

  • 書き下ろし作品。

    幼なじみで読み売り(瓦版売り)の同業の利吉が変死した。

    しくじりばかりの才助が、瓦版の書き手孫四郎を巻き込んで
    怪異の謎に迫ろうとするが、あまりにも大きな相手にたじろぐ。

    結末は、こんなのでいいのかと思わなくもないが、おもしろい。

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著者プロフィール

1964年大阪府生まれ。大阪教育大学卒。公務員を経て執筆活動に入る。2000年、『筋違い半介』で第68回小説現代新人賞を受賞、2011年『蛻』で第144回直木賞候補となる。作品は他に、『囲碁小町嫁入り七番勝負』『吉岡清三郎貸腕帳』『与太話浮気横槍』『やさぐれ』などがある。

「2016年 『蝶結び かわら版売り事件帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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