信長死すべし

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101889

作品紹介・あらすじ

本能寺の変まで、残り三十八日。「信長を粛清せよ」天正十年夏。正親町帝の密勅が下り、日本史上もっとも濃密な時が流れた。運命の六月二日、本能寺の変に向けて-。明智光秀をはじめ、近衛前久、吉田兼和、勧修寺晴豊、里村紹巴、徳川家康ら、織田信長を取り巻く人々の動きから、本能寺の変を炙り出す歴史巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 山本流、登場人物の性格がくっきり
    違和感あるけど分かりやすい物語

  • 正親町帝の決断が、歴史を大きく動かしていく。
    読み応えがあって、面白かった。
    したたかな公家。
    憐れな明智光秀。
    画期的な信長。
    章ごとに視点人物を変えることで、それぞれの内面を描いていく。
    史実としての結末を知っていてもなお、ひりひりとしてしまう緊迫感がある。

  • 山本兼一氏の織田信長本。
    正親町帝、近衛前久ら、朝廷が暗躍し、明智光秀が勅命により織田信長を弑するという筋書き。
    勅命という正式なものは状況から困難ではあるが、正親町帝や近衛前久らからなんらかの形で働きかごあった可能性は高いのでは。
    心情的に考えると、一番スッキリするストーリー。織田信長の超革新的な考えに、保守的な朝廷、源氏系らの武家が反発したのであろう。
    書き古されたテーマではあるが、やはり面白い。

  • なんか光秀、かわいそう…。
    一昨年の大河のおかげで、すっかり光秀ビイキのこの頃です。

  • 天正10年(1582年)、信長の朝廷を蔑ろにし武力に恐れをなした正親町天皇は、信長粛清を公爵近衛前久に命じた。誰が最適なのか帝、前久、吉田兼和(神管)は悩む。帝と吉田は占いによって誅殺者を選定し、惟任日向守光秀を推挙し光秀に鈴をつける役目を前久に命ずるも、前久は信長に近くまた、日の本を纏める武家として一目置いている事も有って悩んでいたが、坂本城で勅命を光秀に伝え、後日、光秀は勅命である事の証の節刀を賜った。

     物語は、神の棟梁が武士の棟梁を日の本の国を巡って暗殺するという設定です。本能寺の変で光秀の動機には政治・遺恨・野望等様々な説が有りますが本作は帝(天皇)が勅命を下したストーリーです。

     有名な史実なので事件と結末は歴史の通りで何の面白味も無いですが、勅命によって煩悶する光秀の心境を思うと日本の歴史の大事を成した武将の孤独と正義と野望に興味を覚えます。

  • 日本は昔から何するにも大義が必要

  • 5

  • 信長を討ち取ったあとの朝廷の寝返りようよ…明智が可哀想でならん。

  • 明智光秀さんが信長さんを本能寺で攻め滅ぼした理由はいろいろと解釈されているけれど、この本はとてもスッキリ腑に落ちる内容でした。

    正親町天皇さんが信長さんを嫌い、実直で理にかなった道徳心を持つ有能な光秀さんをハメた。
    公家のいやらしさ等、すべてがピタリとハマるゆえに、小説としての面白さは減ってしまいましたが…。

    日付と誰視点で描くかで章立てされているのもわかりやすかったです。
    妻の熙子さんがいつまでご存命だったか等、説はいろいろあるでしょうが、ピタリと納まるお話でした。

    大衆小説ではない分、最後もスっと終わっており、読み応えはありませんでしたが、作者の力量は感じました。
    光秀さんの悲哀は、真面目な人が報われない現代社会に通じるものがあり、考えさせられました。

  • 本能寺の変の首謀者を天皇の一言ということにした陰謀論。

    ノセられた明智、ただただ信長嫌いの公家衆、人の心が読めない皇帝に成ろうとした信長。

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著者プロフィール

歴史・時代小説作家。1956年京都生まれ。同志社大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターとなる。88年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞、2001年『火天の城』で松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞。

「2022年 『夫婦商売 時代小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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