人間の闇 日本人と犯罪<猟奇殺人事件> (角川oneテーマ)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102114

作品紹介・あらすじ

未解決事件、猟奇殺人事件に果敢に挑む一橋文哉が日本人と犯罪の真相のすべてを抉る。

感想・レビュー・書評

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  • 理解したいと思っても漠然と良い面もあれば、悪い面もあると言い募ることは誰にでもできる。ちょっと心の琴線に針をさされたようなタイトルに目がとまってしまって読んでみた。
    怖い。極端な例だと言い切りたいが、事実起こっていること、そして世代論や時代論に落とし込むのはなんやら引っかかってしまいますが、丁度私の一つ下の代がフィーチャーされる内容もあり、考えさせられる部分もある。
    如何に身を守るのか、社会はどうあった方がよりよく生きられるのか、
    光と闇の二元論もあまりすきではないが、目をそらすものでもないように思う。
    かなり靄っと感満載。

  • 事件は時代を映す鏡というのは正しいのだろうけど。幾つかの事件は無理やり著者の主張に合わせて書いているようにも読めた。

  • ここに取り上げられているような人とは本当に距離を取りたいものだ。

  • 1

  • 悲惨な事件の詳細を教えてくれる本。
    どうやって死体をバラバラにしたかとか、あんまり知りたくなかったけど。

    身近な人を疑ってしまう。
    心が暗くなる本。

  • 心神喪失?詐病?心的外傷?変態?オタク?家族構成による情緒の欠如?人格障害?

    聞いたことが誰しもある大事件の裏側を明らかにしていく一冊。
    なんでこんなことまで知ってるんだろうという話が多い。特に酒鬼薔薇事件とか。

    意外とメディアと警察による流れが作られた「筋書きが作られた事件」として取り上げる事件もあったりして筆者としての意見が全面的に主張される一冊。

    他の本も読みたい。

  • 猟奇殺人事件の詳細を読みたくて買ったもの。
    平成を中心にTVでも大々的に報道された事件が並ぶ。

    「誰でも良かった」
    「死刑になりたかった」
    「悪いのは全部俺」

    1章と2章は再読。

    女性が加害者となっている事件を取り扱っている4章も、平成ならではの事件だと読み取れる。

  • 主に平成に起こった殺人事件を題材に、犯人たちがどのようにして殺人という選択にいきついたのかその心性を追っていく。自分の存在を確かなものにしたいとか、自分に都合のいいように周囲がなっていないことが不満であるとか、そういったコミュニケーション不全によって生じた捩れた精神が引き起こす殺人だからこそ、社会的に常軌を逸したと思われるような猟奇性を伴うのだろう。犯人たちの多くが親から虐待を受けていたり、住んでいる社会に居場所がないと感じていたり、近年の事件を起こさせたその心の闇とは、それを生じさせた社会にも原因がある。近年の犯罪には近年の社会がかかえる問題がやはり鏡となって映されている。

  • 「人を殺して死刑になりたかった」。犯行動機をそんな風に
    語る容疑者が増えたのはいつからだろう。思うに、これは
    動機とは言えない動機なのじゃないか。

    怨みだったり、金銭目当てだったり。分かりやすい動機での
    犯行よりも、どうしてそんな犯行に及んだのかが不明な犯罪
    が増えた。

    そして、年々増えていく容疑者の精神鑑定による減刑。

    宮崎勤による幼女連続殺人事件は、繰り返される精神鑑定
    によっても彼の心を捉えることは出来ず、確たる動機も解明
    出来ぬまま宮崎本人は刑死した。

    神戸の連続児童殺傷事件も動機は不明。犯人の少年は更生
    したとして、既に社会復帰している。

    近年の重大事件を例に取り、人間の心の闇を解き明かそうと
    しているのが本書なのだが、いかんせん、それぞれで1冊の
    本が書けるほどの事件なのでダイジェストの印象は免れない。

    「人間の闇」っていうけれど、自分にさえ自分のことが分からない
    のだから、起こった事件を元にああだこうだ言っても仕方がない
    ような気もするんだよね。

    人間、多少なりとも残酷な行動を起こす要素は持っているのだと
    思う。その引き金を引くか、引かないかが犯罪者と普通の人たち
    との違いかもしれない。

  • 「人間の闇」とは、人間の持つ弱さであり、人間は弱いがゆえに、更に弱いものを傷つける。本書に出てくる事件で共通するのはこの人間の弱さである。殆どが未だに記憶に残る、有名かつ陰惨な事件であるが、共通する人間の弱さは特に特殊なものではない。それだけに、誰もが状況によっては、同様の陰惨な事件を起こす可能性があるのだ。誌面の都合なのか、情報不足で説得力に欠ける感はあるが、弱さの持つ恐ろしさは十分に伝わってくる。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学卒業後、全国紙・雑誌記者を経てフリージャーナリスト。本名など身元に関する個人情報はすべて非公開。1995年、「ドキュメント『かい人21面相』の正体」でデビュー。グリコ・森永事件、三億円強奪事件、宮崎勤事件、オウム真理教事件など殺人・未解決事件や、闇社会がからんだ経済犯罪をテーマにしたノンフィクション作品を次々と発表している。近著に『餃子の王将社長射殺事件』『人を、殺してみたかった 名古屋大学女子学生・殺人事件の真相』(KADOKAWA)など。

「2020年 『政界ヤクザ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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