ナモナキラクエン

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 509
感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102664

感想・レビュー・書評

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  • 異母兄弟の山、紫、水、明の四人が父親の死をきっかけに産みの母親に会いに行く話。
    それぞれ全員母親が違い、その母親も短期間で離婚して出ていってしまうという状況にも関わらず、ひねくれたりせずに今の世の中に珍しいくらいまっすぐ生きている四兄弟にすごく好感が持てた。四人の繋がりに、大事な人達も交じり合い、絆を強く感じる事ができた。きっと四人にはこれからも幸せな人生が待っていると思える物語。

  • 2022.1226

  • ラストで急に重いテーマに変わりましたが、あまりにもソフトな優しい文章で驚きました。
    明言されていませんが、4人は異母兄弟でもなかったってことなんですよね。

  • すてき、だけれどもう一度読みたいとは思わないだろうな。
    小路幸也氏のものがたりはやさしくてうつくしくて、人間の良くないところを直視するには耐えないのだ。

  • これはいい。小路作品では久々のヒット作かもしれない。山紫水明の名を持つそれぞれ母親が違う4きょうだいが父の死をきっかけにそれぞれの生母に会いに行くお話。新機軸の家族ものかな。父の作りたかった楽園の正体と4きょうだいの出生の秘密に迫るラストが良い。2012/635

  • 最後まで母親の謎かひっぱられていて、つい一気に読んでしまった。複雑な家庭環境だけど、それでもある意味幸せに育ったのはやはりお父さんの力なんだろう。楽園は確かにそこにあったと思う。

  • 楽園であろうとした、ある家族の物語。

    父親が無くなり、残されたそれぞれ母親の違う4人の子たち。過去と真実と、たくさんのカタチの愛情の物語。

  • 母親が違う兄妹4人が父親の死後 母親に会いに行き父親の作りたかったラクエンの意味を知ることになる。とても重い話なのだが 読後感はさわやかでホッコリとしました。

  • 不思議な事に、小路さんの言葉は水の如くに身体に染みてくる。
    サンの思考が違和感なく共感出来てしまう!と言うよりも小路さんの思考がシンクロして素直に受け入れられる!
    こんな家族が生活できて、伸び伸びと子供たちは成長出来るものか?
    今の世の中にシンパシーを感じあえる人と出会うことの難しさは有るものの、人と人の繋がりを大切にする作家ならではの作品です。

  • 愛情というのを噛みしめながら読み終えた。最近、親をみるにつけ、兄弟に会うにつけ、もちろん妻、娘と過ごしていると、家族愛というか絆というものを強く感じ、本当に幸せだなと思っている。その反面、この幸せがいつかするりとすり抜けてしまうんじゃないかと、不安も常につきまとっている。特に、親がいつまでもいないと考えるのは怖い。
    今の幸せがいつまでも続き、それが次へと伝わって行くように、受けた以上の愛情を降り注いでいこう。ラクエンをいつまでも大切にしよう。

著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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