光降る丘

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 80
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102732

作品紹介・あらすじ

2008年6月14日。栗駒山中腹の共英地区は凄まじい揺れに呑み込まれた。崩れる山、倒壊する家々、故郷の危機に胸引き裂かれる智志、そして、祖父が行方不明に!いつ終わるともしれない捜索活動の中、智志を奮い立たせるのは、かつて祖父が話してくれた、戦後開拓時代の物語-シベリアからの帰還、村づくりの苦労、仲間の死、初めて電気が灯った日、起死回生のイチゴ栽培-土と汗と涙と、なによりも笑いに満ちた、「あのころ」と「いま」の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 2017.3

  • 熊谷達也さんの「光降る丘」、2012.8発行です。大作だと思います。大友耕一~耕太~智志の開拓一世・二世・三世の入植、開拓の苦労と大地震への対応・・・、「生きる」「共に生きる」という厳しさと喜び・・・、大切なことを教えていただいた作品です!便利一辺倒な世の中、核家族化の促進への著者の警鐘のような気がいたします!

  • 震災関連本からピックアップしているものの内容はどちらかと言えば戦後の山村開拓史に重きが置かれておりそこを襲った岩手宮城内陸地震を絡めたドラマが話の中心。
    ⒊11をフォーカスして読めば少々肩透かしを喰らうのだがこの本自体は素朴なタッチのいい本。
    そして舞台が東北だけに陸の奥を拓き自然と共存共栄で生きてきた人たちの気質に触れることはこれからの復興を考える一助となるだろう。
    ちょうどあの日を跨いで書かれただけにラスト近くでは被災地へのエールも贈られておりストーリーに加えて作者の人柄の良さが滲み出るような一冊でした

  • 記録

  • 終戦直後の東北栗駒山地の開拓民の話。開拓が困難を極めるというのは様々な書物で描かれているけれど、経済学的な見地からの説明を交えたものは初めて読んだ。これは、ある意味起業にも似ており、努力と根性だけではうまくいかないものだということがわかる。
    物語としてはやや平凡なのが残念。

  • 現代に生きる我々は恵まれ過ぎていると改めて思う。
    水道や電気は当たり前に使え、道路などの交通網も整備されている。

    耕一をはじめとする開拓者達。
    戦中、戦後から兎に角、前だけを向き必死に歯を食いしばって生きてきた証が歴史であり文化なんだろうと思う。

    開拓者精神。
    我々に足りない物の一つだ。

    2013.12.6読了

  • 最初のページは巨大な地震に襲われた場面から始まった。
    開拓民として入植し、ブナの伐採、住む場所の確保、生活の元手を確保するための苦労の場面と、現在と過去を行き来しながら描く。

    開拓生活の苦労を描く事に重きを置いたのだろうか。
    地震の描写は物足りない。

  • 東北地方のブナ原生林の奥深くへ開拓1世の苦労。
    試行錯誤のなかでキノコや苺の収穫でようやく生活も安定してきた。
    そんな時大地震に見舞われる。
    生きるたくましさを感じた。

  • 興味深く読ませてもらった
    始めて水道がひかれて、蛇口から「水」がでてきた瞬間
    たった、一個の白熱電灯が灯った瞬間
    私たちの祖先の歴史の中に
    確かに あった「瞬間」

    全てが当たり前に存在してしまう私たちが
    今一度 振り返りたい 

  • 2012.12.9読了。

    いいなぁと思うと同時に、これよりも残酷で大変な状況に置かれている人はまだまだいるんだとも思う。

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著者プロフィール

1958年仙台市生まれ。東京電機大学理工学部卒業。97年「ウエンカムイの爪」で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2000年に『漂泊の牙』で第19回新田次郎文学賞、04年に『邂逅の森』で第17回山本周五郎賞、第131回直木賞を受賞。宮城県気仙沼市がモデルの架空の町を舞台とする「仙河海サーガ」シリーズのほか、青春小説から歴史小説まで、幅広い作品に挑戦し続けている。近著に『我は景祐』『無刑人 芦東山』、エッセイ集『いつもの明日』などがある。

「2022年 『孤立宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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