都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代 (oneテーマ21)

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著者 : 速水健朗
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年8月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103074

都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代 (oneテーマ21)の感想・レビュー・書評

  • 平易な文章なのに読みにくい不思議。
    概略を追って、現状を肯定しているだけの印象。だからなんだということもなく。

  • ショッピングモールは確かに新しくなるにつれて、都市開発の「シティ」となっていると言われると、確かに頷けるところがある。ショッピングモールがただの地域コミュニティを破壊するような悪ではなく、都市の開発や生活モデルによって導かれてきたものというのは確かにその通り。功罪はあるが、悪ではない。

  • 郊外型のショッピング・モールとは区別される都市型のショッピング・モールと、それを生み出した消費者の欲望との関係を、社会史的な観点から明らかにしています。

    ショッピング・モールが地域のコミュニティを破壊したという短絡な批判をおこなうのではなく、消費者の欲望が都市のショッピング・モール化を推し進めた経緯を冷静に見ることが重要だと考えています。そのために、ウォルト・ディズニーが晩年に、都市そのものをテーマ・パークとするような計画を持っており、それが現代における都市のショッピング・モール化の動きのさきがけとなっていたと主張します。

    それなりに興味深く読んだのですが、ここから消費社会についてのどのような思想が展開されるのかということの方に関心があるので、ややもの足りない印象です。

  • ○ライターの速水氏の著作。
    ○「なぜショッピングモールに人が集まるのか」をテーマに、ショッピングモールの歴史、ショッピングモールが街づくりに与えた影響を、かつてウォルト=ディズニーが理想に掲げた街づくりの歴史を交えながら分析・解説したもの。
    ○独自の視点でショッピングモールを分析する点が興味深い。また、ディズニーが目指したまちづくりと、現在のショッピングモールとの共通点については、全く気がつかない発想で、おもしろい。

  • 積読しすぎたが、自分にとっては今、まさに読むべき本だった。

    ショッピングモールは規制緩和の結果出現した、都市コミュニティ破壊の資本主義モンスターというのが私が持っていたイメージである。地域政策なる学問を学んだ私にとっては、中心市街地の“商店街”は守るべきもので、ショッピングモールは規制すべきもの。大学時代はそんな雰囲気が学問を覆っていた。

    速水さんのこの作品はそんな、中心市街地ノスタルジーに真っ向から戦いを挑むもの…ではない。

    ショッピングモールとは何なのかを思想と歴史を紐解くことで教えてくれる。アメリカで発展したショッピングモールはコミュニティ再生機能を期待されていたのだという歴史。それを夢見た人物がウォルト•ディズニー。

    歴史だけではない。ショッピングモールが生み出しているもの。消費という人間の自然な欲望が、バリアフリーを生む…みたいな。そしてショッピングモールにベビーカーを押すファミリーが集う。

    この作品を読むと、日本の都市論が守りたい中心市街地の“商店街”の敵は一体何なのかが分からなくなる。

    “儲かる”という資本主義原理が生む福祉やコミュニティが存在するということを教えてくれるのがショッピングモールだ。…というより、全ての都市は最初からそうだったのではないか?

    人間のライフスタイルや思想が変化する中で都市も変わる。そういうものでしかないのであって、中心市街地の“商店街”とかショッピングモールとかの二項対立には利権はあっても浪漫は無いのだと速水さんは淡々と教えてくれた。

    新鮮な驚きに満ちたオススメの一冊。

  • コインパーキング
    公共施設スターバックス
    鉄道事業者の開発
    競争原理の都市計画
    ウォルトディズニーと都市計画
    磯崎新:消費、商品、ディズニー化

  • ショッピングモールは大店法の規制を抜けて商店街を目ッするための存在、と言うわけではナイ、と言う本。

    我々が現在考える、都市、特に理想的な都市、と言うのを考えれば、それはショッピングモールという形態を取っている、と言う主張。
    ショッピングモールが可能にしている、国家を越えた連帯への可能性。

  • 都市計画への提案として地域の固有性や人のつながりが注目を集めているが、いまだに都市の変化に大きな影響を与えているのは消費。まちおこし、人のつながりなど、美しい言葉も大事だが、消費による変化を冷静に見つめ、そのあり方について考えるのが第一。訪日観光客が日本に来る最大の目的はショッピングという。新自由主義や消費社会を批判するだけでは始まらない。本書では価値判断より現状の描写を優先し万機を冷徹に見つめている。空疎な理想論ではなく地に足のついた学びがある。

  • 僕の住む浜松は郊外型ショッピングモールが出店し、駅前の百貨店は撤退し、再開発に着手したようでどうも上手くいっていない、そんな町です。そこに昨日、ディズニーのパレードがやってきました。
    ウォルト・ディズニーがアニメ制作で揉めてテーマパークを始め、そして理想の都市をつくりたかったようだけど、ディズニーのそれは開拓(ある種の侵略)だったり、中が理想なら外はいいのだ、というものにも当然見えてしまいます。そういう「内部の理想」が「外部」に飛び出してくるとは、出てくる側も受け入れる側も、さぞ勇気が必要だったでしょう、などと思うのですが、これ、本書の内容とほとんど関係ないですね。ディズニーにもモールにも、僕らはコントロールされるべくされてきた、と。浜松駅前は、人をコントロール出来ていない。僕は何を言いたいのかよくわからないけど、この本も、わりとそんな感じかもしれません…。

  • 「ショッピングモールとディズニーランドはもともと新時代コミュニティを作ろうとしていた!」って感じの本。
    「治安悪くて住みづらい古い街じゃなくて新しい街を作ろうぜ!」とも。

    ショッピングモールやディズニーって
    ・「取るに足らないもの殺風景な場所」みたいな扱いを受けたり
    ・「大企業が古き良きコミュニティを侵略している」みたいなネガティブな目で見られたり
    な面もあるけど、実は元々買い物を中心として人の集まる場所を作ろうとした、という経緯があったそうです。

    実際問題、ショッピングモールやディズニー行くと盛り上がること多いし、ショッピングモールやディズニー的な仕組みでコミュニケーションの場をより良くできんじゃね…!?と思いました。

    ちなみに著者の速水さんは『自分探しが止まらない』の人です。ジャンル広すぎる。ラーメンや音楽のことも書いたりするし。

  • 販売部数重視のタイトルと中身のギャップは否めないが、いまどきの都市計画都市論分野トレンド、まちづくりやまちおこし、地域活性、震災以降の人のつながりや絆に重点を置いたコミュニティデザインではなく、都市型ショッピングモール発信の考え方は日本の都市計画を考える上で非常に大事だと共感した。イオンモールの様な地方ショッピングモールではなく都市型ショッピングモール、ヒルズやミッドタウンに代表される富裕層向けショッピングモール発信の都市計画は、人口減少していく中で今後の都市計画に於いて非常に大切。フジテレビの様な、媒体連動できるお台場合衆国は無敵の可能性を持っているとも。ただし、理想とする都市のあり方や計画については不明。視点は面白いと思う。

  • 題名はキャッチーにつけたのね。ディズニーの野望には触れているけど、主にはショッピングモールの発展の歴史解説書。ヘェ〜と為になったよ。

  • ショッピングモールとテーマパークの歴史についての概論みたいな感じ。ショッピングモールの変遷を通じて著者が何を言いたかったのかがさっぱり判らない。
    そもそも冒頭で「ショッピングモールとは何ぞや」という定義づけが無いのでずっと座り心地が悪かった。
    結局、「だから何?」って感じ。

  • テーマはショッピングモール。ショッピングモールを通して、都市を眺めている本。事実を積み上げて一つの主張を言いたいわけではないため、論考というよりも知識本である。それゆえ、題名にあるディズニーの夢が何なのか、それが都市と消費とどう結びついているのかわからないのは俺だけであろうか。そんな中でも、ショッピングモールの歴史を知ることができたのは良かった。アメリカから輸入されたショッピングモールは、日本ではまちづくり三法とともに語られることが多い。アメリカでは、移民の流入とモータリゼーションの影響で、セキュリティの面で不安を覚えた中流階級が排除の論理をもってつくったのが「ショッピングモール」である。かつてのダウンタウンでは治安の悪化から多くの中流階級がでていき、その先にショッピングモールが出来上がったのである。つまり、人種のるつぼと言われるアメリカの独特の事情がショッピングモールという発想を生み出したと考えると、果たして世界最高の治安を誇る日本にどれだけ意味合いが強かったのかこの本は疑問を持たせてくれた。そういう意味では、この本は示唆的であった。

  • ウォルトの野心に感服。
    満足度7

  • ショッピングモールの歴史と背景思想の本

    ディズニーのまちづくりの話が一番面白かった

    地域コミュニティの破壊の観点から語られることが多いショッピングモールも

    消費者の側からすれば、より安く一箇所でものが手に入るという利点があり、最近ではコミュニティデザインの考え方を入れて新しいコミュニティ作りの支援もしている点からも一概に批判できず

    また、ショッピングモール化という街の画一化はおもしろみを失わせる反面、バリアフリーを考慮した都市計画的な側面があることも知れた

    どこに持っていきたいのかはよくわからなかったけど、知識本としては面白い!

  • SCの歴史書として良書。
    消費が都市を変えることは都市計画で、特に学会の世界で無視されがち。興味深い視点だけにもう少しショッピングモータライゼーションの都市への影響の考察を深化させてほしかった。

  • 【都市と観光から現代社会を考える】

    読んでて「なんでディズニー入れた?」って疑問になりました。
    著者の速水さんが後に
    「ディズニーをタイトルに入れたのにそこまで売れなかった」
    と嘆いていたという話からとても残念な気持ちにもなりましたが。

    基本的に都市化から人の動き方や流れを社会学的に読み取って推察していますが、内容は分かりやすいです。
    ディズニーも客の流れをコントロールしていたり、どのように見せるかを工夫しているという事例で出てきます。あまり本筋とは関係のないディズニーの歴史について触れている部分が僕には興味深かったです。

  • インフラ(交通・産業系体)、コンテンツ(建物)、コミュニティ(集落)の変遷と共に、変化して来た都市の在り方。

    現在の都市のニーズを満たすのは、テーマ=ナラティブ(物語)導入による、「ディズニー化」した、消費の場“ショッピングモール”機能を持つ事。 公共性から、市場競争を主流にした都市の発展の現在形。


    ▼メモ
    ・都市(公共空間)の民営利用可
    ⇒ 消費を軸とした、自由競争での空間利用。

    ・テーマパーク⇒ ナラティブ(物語)を組織や場所に適用する。
    現実を隠し、ファンタジーの提供。

    ・ディズニーランドは、西部開拓、宇宙開拓のアメリカのフロンティア精神を体現している。(反面、先住民迫害隠蔽の見え方も)
    ⇒ 出入りを制限し、セキュリティ特化の理想都市を目指した。

    ・田園都市⇒ 職住密接型コミュニティ

    ・ファスト風土化⇒ 行き過ぎた郊外化による、地方都市光景の均一化。

    ・ショッピングモール
    ⇒ モール:ハードウェアを管理し、テナント:コンテンツはソフトは個々の店舗が管理

    ・デパート
    ⇒ ハード、ソフト共に自ら顧客に接する

    「商売(コマーシャリゼーション)」
    「商品(コモディフィケーション)」
    「消費(コンシューマリズム)」
    「ディズニー化(ディズニーフィケーション)」
    のニーズを満たす、ショッピングモールが現在形。

  • 現代の都市開発の論理は、ショッピングモールの論理と軌を一にしている。
    そんな試論を展開する本。

    本書では
    1.都市の公共機能が経済効率や市場原理の論理で(営利方向に)変化すること
    2.(人を集める装置としての)都市の在り方が、ショッピングモールの在り方と同一化してきていること
    の二つを指して「ショッピングモーライゼーション」という造語のもとに、都市を解釈しようと試みる。

    ショッピングモーライゼーションは現在進行形で起こっていることであり、かつ都市の一側面(あるいは一部の都市)のみを捉えているのに過ぎないので、包括的な議論にはなっていない。
    それでもショッピングモールの変遷を丁寧にたどりながら、現代の都市再開発の手法に重ね合わせると、その共通性・・・というより融合度の高さは、著者の論に一定の説得力を持たせている。

    本書は現在起こっている現象を(やや好意的にではあるが)客観的に捉えており、ショッピングモーライゼーション自体の功罪についてはほぼ問わない。
    そういう意味では気楽に読める一方で、やや物足りないところも残るが、全体として楽しく知識欲を満たしてくれる良書。

  • 三浦展さんの本を読んで、ショッピングモール=共同体を崩壊させる悪いもの、という意識を持ってしまっていた。ただそんなに画一的なイメージだけで語るべきものではなく、ショッピングモールの歴史を紐解いていくと、六本木ヒルズもショッピングモールであるということが見えてくる。

    ショッピングモールの思想と繋がるのが、ウォルトディズニーが描いた、夢の国の都市化計画。ランドは古き良きアメリカの共同体に想いを馳せつつ作られたもの。それが、ランド周辺に想定外のホテルが乱立することが気に入らず、ディズニーの理想を作るには、結果一つの都市を作ることにつながっていく。これは本来の意味である田園都市、地続きでない、独立(孤立)したディズニーランドを中心にした都市計画だった。
    それは実現しなかったが、そのような思想も背景に、誕生していくショッピングモールは郊外に作られるようになる。それは人を留め、滞留させること。そしてそれはいつしか観光地、ステーション、テーマパーク、映画館、テレビ局、街へと結びついていく。

    つまり、次第にショッピングモールは消費をするために集まった人々にお金を使わせるのではなく、足を運んだ人に消費の機会を突きつける場となっていったのだ。

    また近年、世界の観光のトレンドとしてショッピングモールが観光地となっていることが挙げられる。日本人はヴィーナスフォートに行かないので、寂れたイメージがあるが、実は中国からの観光客受け入れで成功しているらしい。そしてこの本は、世界のショッピングモールに向かう観光客は、ショッピングという共通言語で結ばれている、と締める。

    新たな視点ばかりの話で面白かった。速水健朗さんの本は、視点が変わっていていつも面白い。

  • 時代とともに個人商店、百貨店、総合スーパー、ショッピングモールと移り変わっている理由が分かった。今後はニーズに応じてどのように移り変わっていくのか注文したい。

  • 街歩きや都市間移動が楽しくなりました。

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