創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」 (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103302

作品紹介・あらすじ

世界ではこう戦え。第一線で活躍を続ける著者が生み出した個人の力を最大限に発揮する仕事術とは。

感想・レビュー・書評

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  • 日本を代表する現代美術アーティスト・村上隆氏によるアート業界の今とその業界でどうすれば戦うことができるかといった仕事術が解説されています。とても面白い内容でした。現代美術というとアーティストを目指している人や芸術鑑賞が趣味な人以外にとっては遠い存在のように思えますが、本書で語られているのはビジネスとしての現代アートの現場であって、僕らが普段接しているビジネスの現場とそれほど差がないように思えました。むしろ、多少のルールの違いはあれど、非常に参考に
    なる部分も多いのではないかと思います。全く以て現実主義的です。村上氏の作風が苦手だという声もよく聞くのですが、彼の考え方をよくよく見ていくと、誰よりも現代アートの神髄を捉えているんだということが理解出来ます。むしろ現代美術というもの自体、多くの人が勘違いをしていることに気付かされます。1章の冒頭から面食らうセリフが飛び出しますが、本書で書かれていることはアーティストを目指している人は勿論、多くの若者に必要なことが書かれているのではないかと思います。

  • 本当は考えるべきだけど、考えたくないのでやや曖昧にしたり、放ったらかしていること。自分のそういうところを徹底的に追及されるような文章で、刺激を受けました。

    ・アーティストは社会的に最下層の人間と自覚すること
    ・まず必要なのは、挨拶であり、顧客のごきげんをとることである
    ・なんでもありに見える現代美術の世界もルールがある。まずこれを理解した上で表現しなければ意味がない。なんでも自由に描きなさいという学校教育は誤りである

    などなど。

    芸術の純粋さ、牧歌的な夢を信じるあまり、多くの人が目を背けがちな現実と、真摯に格闘してきた村上さんの姿勢、凄みが感じられます。

    しかし、それでも純粋さを失わなかった人や作品が僕は好きだし、それは社会的な地位や評価とはあまり関係のないものではないかと思いました。

  • 現代美術の世界における戦略性を説いた本書。

    現代アートに限らずクリエイティブワークをする人たちはおろか、一般的なビジネスパーソンにだって通じる金言がちりばめられている。

    日常の至る所で感じるクリエイターのエリート意識に(特に美大出身者に多い)、かねてから鼻持ちならないと思っていた私には、とても痛快であると同時に、身が引き締まる思いだった。

    特に最終章の「インターネットは不毛な大地である」という、村上隆とドワンゴ社長の対談が面白かった。
    ただ、これは以前から私も思っていたけれど、コンテンツでお客からお金を取るというのは、インターネットの幻想に過ぎない。グーグルやfadebookでもてはやされたコンテンツフリーで広告収入でもうけるというのは、昔からあるビジネスモデルに過ぎない。テレビだって同じことやってたわけだし。
    だから、自分が作った作品そのものを売って金を稼ぐ村上氏と、ユーザーを獲得してその会費で金を稼ぐドワンゴとは、話がかみ合っているように見えて、実はコアなところでは全くかみ合っていない。

    インターネットの面白さは、個人発信が可能であるというところしかないんじゃないのかなあ。というところを踏まえて、私も何かを発信したいけれど、コンテンツは何かなあ。

  • アート業界で生きていくということはどういう事なのか。。村上隆が世界で勝っている理由とは?

    この本はとあるグループのオフ会で本を贈り合って私の手元に来た本です。
    村上隆は知ってるけれど、アートの世界には詳しくないので私だったらまず手に取らない本です。
    しかし読んでみて面白かったですねー、へー、この人こういう人でこういう考えでアート業界を渡っているのかと。まさに私の知らない世界~でした。

    現代美術っていうのは社会の最下層の人間なんだ、そこからはじめていかないといけない。
    アートの世界でもそうだけれど「描きたいものを自由に書けばいい」って教えられその枠内で創作を続けている人、そういう人たちは結局趣味の域を抜け出せない。
    アート業界で生きていくなら、この世界のルールを1から10まで把握したうえでしっかりとターゲットを絞り、それを打たないと勝てない。

    わー、こういう言葉が出てくるとはびっくり!(だから美術界でオレは嫌われるとご自身言ってますが)
    著者の会社「カイカイキキ」はまさに会社そのもので、言い方悪いけど「社畜」になれ!的な感じですね。。。型にはめてはめてはめてはめるー、THE修行、でしょうか。

    しかし頭のいい人ですね(上から目線でなんですけれども)
    アートと言えば右脳!と結びつけちゃいますが、こういう左脳もしっかり動かしていく人、そういう人じゃないと世界で勝ち残るのは厳しいということかな。

    いやーでも、本の交換しあいっこっていいもんだなーと思った出逢いの1冊でした。

  • アート業界というと才能が物をいうように思えるが、実は人間としての基本が大事なのだな。しかし、若い人に嫌われそう。マーケティングは参考になる。Mr.氏の作品の着眼点はなるほどだ。主張している内容は少ない。

  • 本書の村上氏のアートに対する姿勢、後継育成のスタンスを読んで、厳しすぎると感じる方も多いように思います。…が、正直な感想として、本書で書かれている氏の姿勢や考え方は、企業においてもかなりの部分が当てはまるものです。これにムズムズとした不条理や理不尽を感じつつも、プロフェッショナルとしては腹落ちせざるを得ないという、極めてアンビバレントな感覚を読後に持つのではないかと思います。

    以前、非常に厳しくて付き合いにくい上司がいたのですが、今なら理解できます。本書の内容はまさにその上司の詰め寄り方そのもの。読む時期によって腹落ち感が変わりそうな一冊です。

  • …。

  • ・AKBに入りたいといっている中学生の女の子たちと一緒です

    村上隆の本だけど、新書は久々に買ったな タイトルと内容が全然違う センスないタイトルやコピー諸々は出版社がつけたんでしょうか ビジネス書に仕立て上げて部数を増やしたいのだろうけども。...。中身は悪くない。簡単に言うと、上の一行と、そうでないためにはKPOPアイドル並みの修行とガリ勉しましょう、ということが書いてある。3時間くらいで読めた。

  • 村上隆さんの評価に関しては賛否両論だろう。
    僕は好きです。笑 恐れず、本当のことをずばっと言いぬけるところが!
    なんだかんだ言って、みんな怖くていないことを本質を突いてくるところが好き。

    これまで何冊か彼の本を読んできましたがはっきりいってよくわからなかった。。。
    いわゆる「芸術論」。でも、この本は冒頭で彼が言っている通り「ビジネス論」であり「組織論」を
    語った一冊。

    結局、アートの世界もビジネス。そんなアート業界の「教育論」をそうだよな!と納得しながら
    読める一冊でした。

     ■村上隆とのディスコミュニケーション解決マニュアル(P.86参照)

    これマジうけます。でも、本質だ!

    【気になるひとこと】
    ルールと個性の相関関係
    日本人は全般的に「芸術に説明は必要ない」と決めつけがちです。(確かに!)

  • 死んでからが勝負
    #創造力なき日本 #右脳に刺激プロジェクト

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著者プロフィール

北海道大学スラブ研究センター教授。1942年長野県生まれ。
上智大学外国語学部ロシア語科卒業。(社)ソ連東欧貿易会ソ連東欧経済研究所調査部長を経て,1994年4月から現職。2000年4月から2002年3月までスラブ研究センター長。
専門分野は旧ソ連のエネルギー経済,ロシア極東経済,日ロ経済関係。
著書・論文には,『めざめるソ連極東』〈共著〉(日本経済評論社,1991年),『ソ連崩壊・どうなるエネルギー戦略』〈共著〉(PHP研究所,1992年),「ロシア石油・天然ガス輸出市場の形成」西村可明編著『旧ソ連・東欧における国際経済関係の新展開』(日本評論社,2000年),「サハリン大陸棚石油・ガス開発にともなう環境問題」(『ロシア研究』日本国際問題研究所,2001年),『サハリン大陸棚石油・ガス開発と環境保全』〈編著〉(北海道大学図書刊行会,2003年)など多数。

「2004年 『北樺太石油コンセッション 1925-1944』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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